介護報酬の加算・減算
2024年度介護報酬改定では、通所介護も10以上の項目の変更や新設がありました。
この記事では、2024年度介護報酬改定後の「基本報酬」「最新の加算減算一覧」「変更や新設のあった加算」「変更や新設のあった減算」「その他、2024年度介護報酬改定であった見直し」を知ることができます。
通所介護における加算・減算の一覧表がまとめられていますので、時間がない方も一目で分かる記事となっています。
ちなみに、2024年度の介護報酬改定では、ICTツールの導入が必須もしくは推奨されている加算が多数導入されました。
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通所介護の介護報酬改定は2024年4月1日から実行となります。
介護レベル | 改定前の単位数 | 改定後単位数 | |
要介護1 | 655単位 | 658単位 | |
要介護2 | 773単位 | 777単位 | |
要介護3 | 896単位 | 900単位 | |
要介護4 | 1,018単位 | 1,023単位 | |
要介護5 | 1,142単位 | 1,148単位 |
介護レベル | 改定前の単位数 | 改定後単位数 | |
要介護1 | 626単位 | 629単位 | |
要介護2 | 740単位 | 744単位 | |
要介護3 | 857単位 | 861単位 | |
要介護4 | 975単位 | 980単位 | |
要介護5 | 1,092単位 | 1,097単位 |
介護レベル | 改定前の単位数 | 改定後単位数 | |
要介護1 | 604単位 | 607単位 | |
要介護2 | 713単位 | 716単位 | |
要介護3 | 826単位 | 830単位 | |
要介護4 | 941単位 | 946単位 | |
要介護5 | 1,054単位 | 1,059単位 |
※変更点・新設のあった箇所は赤文字で記載しています。
名称(あいうえお順) | 区分 | 単位 | 全国の算定率※ |
ADL維持等加算 |
(Ⅰ) | 1月につき30単位を加算 |
1.20% |
(Ⅱ) | 1月につき60単位を加算 | 2.50% | |
(Ⅲ) | 1月につき3単位を加算 |
2.6% | |
栄養アセスメント加算 | 1月につき50単位を加算 | 1.7% | |
栄養改善加算 | 1回につき150単位を加算(3月以内・月2回を限度) | 0.50% | |
延長加算 |
9時間以上10時間未満:50単位を加算 | – | |
10時間以上11時間未満:100単位を加算 | – | ||
11時間以上12時間未満:150単位を加算 | – | ||
12時間以上13時間未満:200単位を加算 | – | ||
13時間以上14時間未満:250単位を加算 | – | ||
科学的介護推進体制加算 | 1月につき40単位を加算 | 36.9% | |
個別機能訓練加算 |
(Ⅰ)イ | 1日につき56単位を加算 | 42.70% |
(Ⅰ)ロ | 1日につき76単位を加算 | ||
(Ⅱ) | 1月につき20単位を加算 | 23.0% | |
(Ⅰ) | 1回につき20単位を加算(6月に1回まで) | 3.9% | |
(Ⅱ) | 1回につき5単位を加算(6月に1回を限度) | 1.1% | |
口腔機能向上加算 |
(Ⅰ) | 1回につき150単位を加算(3月以内・月2回を限度) | 7.90% |
(Ⅱ) | 1回につき160単位を加算(3月以内2回まで) | 6.0% | |
サービス提供体制強化加算 |
(Ⅰ) | 1回につき22単位を加算 | 23.80% |
(Ⅱ) | 1回につき18単位を加算 | 21.10% | |
(Ⅲ) | 1回につき12単位を加算 | 16.4% | |
若年性認知症利用者受入加算 | 1日につき60単位を加算 | 0.60% | |
生活機能向上連携加算 |
(Ⅰ) | 1月につき100単位(3月に1回まで) | 0.00% |
(Ⅱ) | 1月につき200単位 | 4.80% | |
生活相談員配置等加算 | 1日につき13単位を加算 | 0.20% | |
中重度者ケア体制加算 | 1日につき45単位を加算 | 0.00% | |
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 | 所定単位数の5% | 4.80% | |
入浴介助加算 |
(Ⅰ) | 1日につき40単位を加算 | 91.70% |
(Ⅱ) | 1日につき55単位を加算 | 11.9% | |
認知症加算 | 1日につき60単位を加算 | 7.40% | |
介護職員等処遇改善加算 ※令和6年6月1日から実施 | (Ⅰ) | 所定単位数の9.2%を加算 | |
(Ⅱ) | 所定単位数の9.0%を加算 | ||
(Ⅲ) | 所定単位数の8.0%を加算 | ||
(Ⅳ) | 所定単位数の6.4%を加算 |
※社保審-介護給付費分科会「第220回(R5.7.24)【資料1】通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」に基づいて作成
名称 | 単位 |
共生型通所介護を行う場合 |
生活介護事業所:所定単位数の93%で算定 |
自立訓練(機能訓練)事業所:所定単位数の95%で算定 | |
児童発達支援事業所:所定単位数の90%で算定 | |
放課後等デイサービス:所定単位数の90%で算定 | |
定員超過利用の減算 | 所定単位数の70%で算定 |
人員基準欠如による減算 | 所定単位数の70%で算定 |
2時間以上3時間未満の減算 | 所定単位数の70%で算定 |
送迎減算 | 片道につき47単位を減算 |
同一建物減算 | 1日につき94単位を減算 |
業務継続計画未策定減算 |
所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算 |
高齢者虐待防止措置未実施減算 |
所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算 |
名称(あいうえお順) | 区分 | 単位 | 全国の算定率※ |
介護職員処遇改善加算 |
(Ⅰ) | 所定単位数の5.9% | 85.40% |
(Ⅱ) | 所定単位数の4.3% | 6.20% | |
(Ⅲ) | 所定単位数のの2.3% | 4.70% | |
介護職員等特定処遇改善加算 |
(Ⅰ) | 所定単位数の1.2% | 31.90% |
(Ⅱ) | 所定単位数の1.0% | 37.40% | |
介護職員等ベースアップ等支援加算 | 所定単位数の1.1% | – |
※変更点・新設のあった箇所は赤文字で記載しています。
事業所全体で認知症利用者に対応するため、従業者に対して個別事例の検討や技術的指導に関する会議を定期的に開催することを求める。
また、認知症の方が利用者に占める割合に関する要件を緩和する。
通所介護等における入浴介助加算について、入浴介助技術の向上や利用者の居宅における自立した入浴の取組を促進する観点から、以下の見直しを行う。
<入浴介助加算(Ⅰ)>
<入浴介助加算(Ⅱ)>(入浴介助加算(Ⅰ)の要件に加えて)
介護職員のベースアップを実行するために、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップにつながることが期待されている。
介護職員の確保や処遇改善の処置が多くの事業所に活用されるように推進する視点から、「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算処遇改善」を「介護職員等処遇改善加算」に一本化する。
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サービス区分 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
通所介護 | 9.2% | 9.0% | 8.0% | 6.4% |
※それまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合には、収入として新たに増加するベースアップ等支援加算相当分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することを求める。
機能訓練を効果的に行うため、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロの要件を見直し、現行の機能訓練指導員を通所介護時間帯に1人以上配置する要件を緩和すると共に見直す。
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ |
|
ニーズ把握・情報収集 | 通所介護・地域密着型通所介護事業所の機能訓練指導員が、利用者の居宅を訪問し、ニーズを把握するとともに、居宅での生 活状況を確認。 |
機能訓練指導員の配置 | 専従1名以上配置(配置時間の定めなし) ※人員欠如減算・定員超過減算に該当している場合は、個別機能訓練加算を算定しない。 ※個別機能訓練加算(Ⅰ)イの配置(専従1名以上配置(配置時間の定めなし))に加え、合計で2名以上の機能訓練指導員を配置している時間帯において算定が可能。 |
計画作成 |
居宅訪問で把握したニーズと居宅での生活状況を参考に、多職種共同でアセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成。 |
機能訓練項目 |
|
訓練の対象者 | 5人程度以下の小集団又は個別。 |
訓練の実施者 | 機能訓練指導員が直接実施(介護職員等が訓練の補助を行うことは妨げない) |
進捗状況の評価 | 3か月に1回以上実施し、利用者の居宅を訪問した上で、居宅での生活状況を確認するとともに、当該利用者又はその家族に対して個別機能訓練計画の進捗状況等を説明し、必要に応じて個別機能訓練計画の見直し等を行う。 |
※変更点・新設のあった箇所は赤文字で記載しています。
感染症や災害発生時でも介護サービスを継続して提供できる体制を確保し、事業所に対して、感染症または災害への業務継続計画の策定を強化する視点から、計画が未策定の場合は、基本報酬を減算する。
①以下の基準に適合していない場合
※令和7年3月31日までの間、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算を適用しない。訪問系サービス、福祉用具貸与、 居宅介護支援については、令和7年3月31日までの間、減算を適用しない。
②以下の基準の強化
居宅療養管理指導及び特定福祉用具販売を除くすべての介護サービス事業者は、利用者の人権の擁護や虐待の防止を強化する観点から、再発を防止するための処置を取られていない場合に、基本給を減算する。
※再発を防止するための処置とは、「虐待の発生や再発防止を目的とした委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の決定」の4つが該当する。
次の基準を満たさない場合は減額となる。
虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合
過疎地域の特別措置法で、「過疎地域」に当てはまる地域等が、特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の算定対象地域に含まれることを明確化する。
加算名 | 算定要件 | 単位数 |
特別地域加算 | 厚生労働大臣が定める特定地域に所在する事業所が、サービス提供を行った場合 | 所定単位数の15%を減算 |
中山間地域等における小規模事業所加算 | 厚生労働大臣が定める特定地域に所在する事業所が、サービス提供を行った場合 | 所定単位数の10%を減算 |
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 | 厚生労働大臣が定める特定地域に所在する事業所が、サービス提供を行った場合 | 所定単位数の5%を減算 |
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法(令和三年法律第十九号)第二条第二項により公示された過疎地域
※変更点・新設のあった箇所は赤文字で記載しています。
利用者や他の利用者等の身体と生命を保護するための緊急時を除き、身体的拘束を行ってはいけない。
また身体的拘束を行う場合は、その際の利用者の身体的な状況やその際の態様または時間だけでなく、緊急で対応が必要であった理由まで記録することを義務図ける。
テレワークを利用する際には、「個人情報を正しく管理する」「利用者の処遇に問題がないこと」を前提に、テレワークの取り扱いを明確化し運営方法を示すこと。
豪雪地帯において、積雪などやむを得ない事情があっても継続的にサービスを提供するため、通所介護費などの所要時間については、利用者の急な体調不良だけでなく、急な気象状況の悪化によるやむを得ない事情も考慮する。
リハビリテーション・機能訓練、口腔管理、栄養管理の一体的な取り組みを推進するため、これらに係る一体的な計画書の見直しを行う。
リハビリテーション・個別機能訓練、口腔、栄養に係る一体的計画書について、記載項目を整理するとともに、他の様式におけるLIFE提出項目を踏まえた様式に見直し。
科学的介護推進体制加算について、質の高い情報の収集・分析を可能とし、入力負担を軽減するために以下の見直しを行います。
<入力負担軽減に向けたLIFE関連加算に共通する見直し>
自立支援や重度化防止に向けた取り組みをさらに推進するために、ADL維持等加算(Ⅱ)におけるADL利得の要件を「2以上」から「3以上」に見直す。
また、ADL利得の計算方法を簡素化も行う。
< ADL維持等加算(Ⅰ) >
< ADL維持等加算(Ⅱ) >
<ADL維持等加算(Ⅰ)(Ⅱ)について>
初回の要介護認定があった月から起算して12月以内である者の場合や他の施設や事業所が提供するリハビリテーションを併用している利用者の場合のADL維持等加算利得の計算方法を簡素化。
利便性の向上や運転専任職の人材不足解消のため、送迎先の利用者の居住実態のある場所を含め、他の介護事業所や障害福祉サービス事業所の利用者との同乗を可能とする。
【範囲の範囲】
【他の事業所利用者との同乗】
【障害福祉サービス利用者との同乗】
※ なお、この場合の送迎範囲は、利用者の利便性を損うことのない範囲並びに各事業所の通常の事業実施地域範囲内とする。
就労開始から6ヶ月未満のEPA介護福祉士候補者および技能実習生(以下「外国人介護職員」)については、日本語能力試験N1またはN2に合格していない場合、人員配置基準に算入はみとめられないが、就労開始から6ヶ月未満であってもケアの習熟度が一定水準に達している外国人介護職員がいる実態も踏まえて、人員配置基準に関する取扱いの見直しを行う。
具体的には、外国人介護職員の日本語能力やケアの習熟度に個人差があることを踏まえ、事業者が以下の点を考慮して意思決定を行った場合、就労開始直後から人員配置基準に算入することを認める。
その際、適切な指導および支援の実施、安全体制の整備の観点から、以下の要件を設ける。
(ア)一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制を整備すること。
(イ)安全対策担当者の配置や指針の整備、研修の実施など、組織的に安全対策を実施する体制を整えること。
さらに、両制度の趣旨を考慮し、人員配置基準にかかわらず、研修や実習のための指導職員の配置や計画に基づく技能修得や学習への配慮など、法令に基づき受入れ施設で適切な指導と支援体制を確保する必要性を改めて周知する。
次のいずれかに該当するものについては、職員等の配置の基準を定 就労開始 就労開始6ヶ月める法令の適用について職員等とみなしても差し支えないこととする。
報酬改定は事業所に大きな影響を与えますので、加算算定は積極的に考えていくべきです。
加算算定に向けて事前に準備を進めて、出来ることから確実に進めていきましょう。
加算を算定していくことは、経営の改善だけに限らずサービスの質が向上することから、従業員や利用者にも大きなメリットを与えます。
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