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介護ロボットの導入事例10選!【導入までの手順も解説】

介護ロボット・センサーの選び方

介護ロボットの導入事例10選!【導入までの手順も解説】
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介護ロボットを導入すればどんな効果があるんだろう?職員の感想やコストも知りたい

このような疑問にお答えしていきます。

介護ロボットの導入事例からは「介護ロボットの課題」や「改善ポイント」を知ることができます。

しかし、インターネットで導入事例を探しても欲しい情報が見つからなかったり、メーカーが公開している「中立的ではない導入事例」が多かったりします。

そこで、本記事では厚労省が発表している介護ロボットの導入事例から、特に参考になりそうな導入事例を製品別でまとめました。

本記事を最後までお読みいただければ、介護ロボットを導入して得られるメリットだけではなく、課題も見えますので、ぜひ最後までお付き合いください。

※まずは介護ロボットの種類を知りたい方は下の記事で解説していますのでぜひ参考にしてみてください。

 

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介護ロボットの導入事例10選

本記事の内容は、厚生労働省が中心となって調査した結果をもとに作成しています。

気になる方はこちらから原文をお読みいただければと思いますが、本記事では「結局どんな導入効果があり、コストに見合った製品なのか」をすぐに判断できるよう独自の視点を交えながら作成しています。

また、今回取り上げる介護ロボットの種類は以下の通りですが、一通り網羅できるよう1種類に対し1~2製品の導入事例を説明していきたいと思います。

介護ロボットの種類

移乗支援/排泄支援/見守り支援/入浴支援/機能訓練支援/服薬支援/認知症セラピー支援

それでは見ていきましょう。

【移乗支援】マッスルスーツ

イノフェス社がリリースしているマッスルスーツは移乗支援用の介護ロボットです。

社会福祉法人郡山福祉会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

腰への負担を軽減することが目的の装着型介護ロボットです。

本体重量は4.7kg、肝心の補助力は25kgです(空気量の調整で補助力の調整が可能)

装着時間は10秒程度を想定しているため、常に装着している必要はなく、シーツ交換やおむつ交換の際に装着して使います。

主な機能

・空気圧式mcKibben型人工筋肉で25~35kgfの補助力

・軽量かつ簡易な構造

・水中でも動作可能

・収縮性あり(最大全長の30%程度)

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

主な効果は腰痛の軽減でした。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

腰を痛めて休むことが少なくなりました

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職員B

腰への負担を考えたら、装着時間がもったいないという発想はないです

コストパフォーマンスは?

メーカー小売希望価格は1台60万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は公開されていませんが、他の介護ロボットの耐用年数は5年~6年が多いため、本記事では5年として考えます。

つまり、60万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月1万円程度で使用することができます。

コスパ

60万円 ÷ 60か月 = 月換算1万円

マッスルスーツであれば10秒〜30秒程度で脱着可能であるため、使用する職員の数に制限がありません。

そのため、腰痛に悩まされる職員が多ければ、コストパフォーマンス面からも導入メリットを感じられるでしょう。

また、マッスルスーツ導入には話題性があるため、求人活動にも役立てられるという声もあります。

コメント

マッスルスーツのような装着型の介護ロボットを導入することにより、「腰が楽になった!」という声は非常に多いです。

しかし、スーツ脱着に10秒~30秒程度しかかからないものの、介護職員の中にはそれすら煩わしいと感じる人もいます。

他の介護ロボットにも言えることですが、導入前に職員に試してもらうことが重要だと考えられます。

他の製品

HAL・スマートスーツEX・パワーアシストスーツ 他

【移乗支援】離床アシストベッド「リショーネ」

パナソニックエイジフリー社がリリースしているリショーネは移乗支援用の介護ロボットです。

社会医療法人財団白十字会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

電動ケアベッド電動車いすが一体になった介護ロボットです。

車いすはフルリクライニングが可能となっており、車いすをフルフラットにした状態でベッドにぴったりと横づけすることができます。

介護者1人でもスムーズかつ安全に移乗・離床できることを目的としています。

主な機能

・電動ケアベッドは3モーター(背上げ・足上げ・高さ調節)を実装

・ベッドの半分(車いす部分)が電動フルリクライニングとして分離

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

主な効果は介護職員の負担軽減、利用者の状態改善です。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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こみたろう

1人介助が可能になり、身体的・精神的負担が軽減できたので、重要介護者の受け入れにも積極的になりました。

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こみすけ

利用者によってはベッドから車いすへの移乗を断念することもありましたが、リショーネはそれを改善してくれました

コストパフォーマンスは?

販売価格は1台90万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は5年として考えます。

つまり、90万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月1万円程度で使用することができます。

コスパ

90万円 ÷ 60か月 = 月換算1.5万円

主に、寝たきり状態の重度要介護者を対象としていますが、今まで2人がかりで行っていた介助が1人で完結するため、1人あたりの時間は大幅に短縮することができます。

また、時間の削減だけではなく、身体的・精神的な面でも負担軽減になるため、その部分はコスパを考える上でポイントになりそうです。

コメント

リショーネの素晴らしいところは、介護者の負担を減らすだけではなく、利用者にとってもメリットが大きいということです。

介助される側にとっても、楽に移乗できることで負担軽減になり、表情が明るくなったり、居室から出る機会が増えたという声も多いです。

他の製品

ロボヘルパーSASUKE、HugT1、移乗ケアアシスト 他

【排泄支援】排泄予測デバイス「DFree」

トリプル・ダブリュー・ジャパン社がリリースしているDFreeは排泄支援用の介護ロボットです。

社会福祉法人聖寿会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

介助者に対し、排尿のタイミングを事前に知らせてくれる製品です。

センサーを膀胱の前(恥骨の2センチ上)に固定することで、「そろそろ出そう」「出たかもしれない」などの排尿前後のタイミングで通知します。

トイレ介助の負担軽減と、利用者自身の排泄自立を目的としています。

本体重量は合計91g、充電すれば24時間稼働できます。(満充電には4時間必要)

主な機能

・膀胱の位置を把握する機能(アジャストモード)搭載。LEDライトの点灯により正しい位置かどうかを判別可能

・排尿のタイミングを超音波で検知し、端末に通知

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

人件費・消耗品費(おむつ費・パット費)の削減効果がありました。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

日中はオムツではなくトイレでの排泄が可能となりました。

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職員B

介護職員の排泄ケアに関する意識を変えることができました。

コストパフォーマンスは?

価格はセンサー1台あたり月額1万円です。(センサーから通知を受け取るためのiPadは別途必要となります。)

さて、ベンダーであるトリプル・ダブリュー・ジャパン社曰く、介護現場においては約25%の費用(人件費・排泄ケア)のために費やされているそうです。

コスパを考える上では、いかに排泄ケアにかかる費用や労力を削減できるかがポイントになりそうです。

コメント

DFreeの特徴は、排尿前でも通知してくれるということです。

排尿後を知らせる機器は他にもありますが、DFreeは排尿前の「そろそろでそう」を通知してくれるため、排泄自立を支援することに適しているといえます。

その点から、QOL(生活の質)を向上させることに一役買ってくれる介護ロボットだと考えています。

他の製品

リリアムα-200他 他

【見守り支援】シルエット見守りセンサ

キング通信工業社がリリースしているシルエット見守りセンサは見守り支援用の介護ロボットです。

社会福祉法人友愛十字会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

シルエット見守りセンサは、利用者のベッド上での行動(起き上がり・はみ出し・立ち上がり・離床)の動作をそれぞれ検知し、タブレット端末にシルエット画像でお知らせすることができます。

通知はすべてシルエット画像となるため、利用者個人の服装などの情報を含まないのが特徴です。(プライバシーに配慮しています)

主な機能

・起き上がり、立ち上がり、はみだし、離床のそれぞれの動作を区分して検知

・検知の条件を設定可能

・区分に応じた音とアイコンとともにシルエット画像でタブレット端末に通知

使用している様子

▲シルエット画像

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

職員の負担軽減や、未然に利用者の怪我を防ぐ効果がありました

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

夜間の介入のタイミングが掴みやすくなり、業務の負担軽減につながりました。

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職員B

ただの寝返りか緊急性のあるものか判断でき不要な訪室が減ってきています。

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり30万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は5年として考えます。

つまり、30万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月5千円程度で使用することができます。

コスパ

30万円 ÷ 60か月 = 月換算5千円

居室毎に設置するため、1室あたり月換算5千円という計算になります。

コスパを考える上では、いかに不要な訪室を減らし、介護職員の負担削減ができるかがポイントになるでしょう。

コメント

画像で利用者状況を確認できることは安心感につながります。

見守りセンサーは他にもありますが、寝返りだけで通知が飛んだり、利用者が動いていないにも関わらず通知が飛んだり(誤作動)と、精度が悪いために振り回される施設も少なくありませんでした。

その点において、画像でも利用者状況を確認できるため、無駄な訪室を防ぐことができます。

他の製品

3次元電子マット式見守りシステム 他

【見守り支援】エンジェル・アイ

イトデンエンジニアリング社がリリースしているエンジェル・アイは見守り支援用の介護ロボットです。

宝寿の郷が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

画像の左からセンサ、ネットワークカメラ、コールボタンで3点1セットとなります。

居室内に設置したセンサが感知した情報はパソコンや携帯端末で確認できます。

優先LANまたは無線LANを通じ、画像付きでスマートフォンにポップアップ表示もしくは画像付きのメールで通知することもできます。

利用者の行動目的を知り、事故を防ぐことが目的です。

主な機能

・センサーは5種類を搭載(赤外線、画像処理、温度、音検知、押しボタン式)

・センサーで検知した携帯端末やパソコンから確認

・押しボタン式センサーからの信号は、介護者にメール送信(画像あり)

・カメラ越しに双方向通話

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

職員の負担軽減や、未然に利用者の怪我を防ぐ効果がありました

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

利用者の夜間の様子が把握でき、サービス向上につなげることができました。

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職員B

一目で利用者の状態がわかり、体調の変化などにもすぐに気が付くことができました

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり6万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は5年として考えます。

つまり、6万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月1千円程度で使用することができます。

コスパ

6万円 ÷ 60か月 = 月換算1千円

居室毎に設置しますが、1室あたり月1千円で利用可能です。

コスパを考える上では、職員の負担軽減と、利用者の事故リスクをどれくらい削減できるかがポイントになってきます。

コメント

こちらの製品も画像で状況を確認することができるため、無駄な訪室を防ぐことができます。

また、比較的コストが安いため、設置したい居室数が多い場合にコスト面で他センサーと比べて優位になるでしょう。

他の製品

3次元電子マット式見守りシステム 他

【入浴支援】新型ナノミストバスベッドタイプ

EINS社がリリースしているナノミストバスベッドタイプは入浴支援用の介護ロボットです。

岡山デイナーシング看護協会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

ベッド横まで浴槽を移動することができ、寝たままでの入浴が可能です。

入浴にはミストを使用することで、使用水量をペットボトル1本分(500ml)に抑えることができる上、給排水設備の工事が不要です。

主な機能

・ベッドサイドへ浴槽移動が可能

・超微細なミスト(500ナノ)

・浴槽内の温度設定が可能(38度・40度・42度・45度)

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

職員の負担軽減や、入浴が困難な利用者でも入浴できる効果がありました。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

気管切開の方にもお使いいただいています。ご家族の方からも温まっているというフィードバックがあります

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職員B

皮膚の湿潤傾向があがり、軟膏をつけなくて良くなりました

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり200万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は5年として考えます。

つまり、200万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月3万3千円程度で使用することができます。

コスパ

200万円 ÷ 60か月 = 月換算3万3千円

1台あれば複数利用者が使用可能です。

コスパを考える上でポイントになるのは、給排水工事が不要であること、少ない水分量で入浴が可能なこと、入浴が困難な利用者でも使用することです。

コメント

ナノミストバスベッドタイプの対象者は全利用者ではなく、対象者を選別して使用することになります。

担当者会議などで使用の有無を判断し、目的や方法(設定温度など)を考えながら使用していく必要があります。

他の製品

バスリフト、Wells、美浴シリーズ 他

【機能訓練支援】歩行リハビリ支援ツールTree

リーフ社がリリースしている歩行リハビリ支援ツールTreeは入浴支援用の介護ロボットです。

医療法人和同会が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

利用者の身体的・精神的負担の軽減、モチベーションアップ及び介助者の業務効率化が目的の製品です。

また、利用者にとって楽しんで歩行できることをコンセプトにしている製品です。

取っ手をつかむだけで歩行訓練を始めることができる手軽さが特徴です。

音声や映像でアナウンスが流れるため、まるで介護ロボットが一緒に歩いてサポートしてくれる感覚になります。

主な機能

・練習データを利用者個別で蓄積し、結果データをグラフ表示可能

・映像指示、音声指示で歩行ガイド

・連続動作で3時間稼働(充電は10時間)

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

歩行訓練の質を高める効果がありました。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

利用者へデータを共有できるので、共に目標設定をすることができ、効果を高められます

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職員B

歩き方が見違えるほど良くなっていると、利用者様に喜んでいただくことができました

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり330万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数は5年として考えます。

つまり、330万円の費用を支払うことで、5年間使用できることとします。

もし月換算した場合、月5万5千円程度で使用することができます。

コスパ

330万円 ÷ 60か月 = 月換算5万5千円

1台あれば複数利用者が使用可能です。

コスパを考えるポイントは、Treeから得られる情報量にあります。

得られた情報を元に、どう活かせるのか、どんな効果があるのかを検討した上でコスパを考えてみましょう。

コメント

客観的で圧倒的な情報量が得られることから、リハビリ担当者の経験則やスキルに依存しにくいというメリットがあります。

また、まだまだ介護ロボットを導入している事業所は少ないことから、競合との差別化にも役立つと考えられます。

【機能訓練支援】PALROビジネスシリーズ 高齢者福祉施設向けモデルⅡ

富士ソフト社がリリースしているPALROは入浴支援用の介護ロボットです。

メディカル・ケア・サービス社が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

利用者のQOL向上や介護業務軽減を目的としたコミュニケーション専用の介護ロボットです。

全長40センチ、重量1.8キログラムのため、片手で持つことも可能です。

人工知能が搭載されており、100人以上の顔と名前を覚え、相手の顔を見ながら会話することができます。

主な機能

・ネットワーク接続でインターネット情報を元に動作可能

・パルロ専用ソフトを用いて操作をすることも可能

・様々な動作を組み合わせたレクが可能(クイズ・ダンス・歌・落語・ゲーム・体操)

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

職員の負担軽減や利用者のうつ予防、認知症予防、脳の活性化の効果がありました。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

利用者のQOL 向上に効果を発揮しました。

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職員B

業務の一部をパルロが担ってくれるので、職員の負担軽減につながりました

コストパフォーマンスは?

レンタルの場合、価格は1台あたり月額3万円です。

購入の場合、1台あたり67万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

レンタルで考えた場合月額3万円ですが、コスパを考える上でポイントになるのは、職員の負担軽減や利用者のQOL向上です。

レクを実施するためには、本番だけではなく準備段階でも時間と労力がかかるため、パルロ導入で大きな負担軽減が期待できます。

コメント

利用者にとっても人工知能が搭載されているパルロは面白い存在であり、興味をもってコミュニケーションを取ろうとします。

積極的に話しかけることにより、認知症予防やうつ予防に効果がありますが、基本的には1対1での会話になるため、複数の利用者から一気に話しかけられると会話が難しいという欠点もあります。

どこまでをパルロに任せるかをしっかり導入前に検討する必要があります。

【服薬支援】服薬支援ロボ

クラリオン社がリリースしている服薬支援ロボは服薬支援用の介護ロボットです。

セントケアホーム新百合ヶ丘社が導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

服薬管理支援を目的とした介護ロボットです。

あらかじめタイマーをセットしておくことにより、決まった時間に服薬アナウンスがあると共に、薬剤が入ったケースが排出されます。

主な機能

・1日最大4種類の薬剤ケースをセット可能

・人感センサーが搭載されており、服薬時間であれば人を感知し、アナウンスが流れる

・服薬ケースの誤装着を防止する機構あり

・薬剤の取り出し履歴を外部媒体(USB)に出力可能

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

あらかじめセットした時間で服薬アナウンスがあるため、服薬の精度を高める効果があります。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

今まで毎日30分以上は薬のセットに時間をかけていましたが、今では1週間に1回 1 時間半程度行うだけで済むようになりました

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職員B

薬剤師がセットした薬がロボットから出てくるので、誤薬事故の心配も軽減されました

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり9万円です。

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数が5年だとした場合、月換算で1千5百円で使用することができます。

メモ

9万円 ÷ 60か月 = 月換算1千5百円

利用者単位で台数が必要になります。

コスパを考える上でポイントになるのは、職員の業務時間の削減と服薬事故の防止です。

コストに見合ったパフォーマンスが得られるかどうかを改めて考えてみましょう。

コメント

職員の口コミにもありましたが、もし毎日30分以上かけて行っていた薬のセットが、1週間に1度(1時間半)で完了する場合、1ヶ月で9時間の削減になります。

介護ロボットの導入で、職員1人の1日分の時間を捻出できることになりますね。

【認知症セラピー】アザラシ型メンタルコミットロボット・パロ

知能システム社がリリースしている「アザラシ型メンタルコミットボット・パロ」は認知症セラピー用の介護ロボットです。

神奈川県内の介護施設37ヶ所に導入し、効果を検証しています。

製品の概要と目的

パロは「世界一セラピー効果がある介護ロボット」として精神的疾患の治療や利用者の気分向上を目的として製作されています。

人工知能が搭載されており、利用者とのコミュニケーションを取ることができます。

撫でる箇所により、喜んだり、怒ったりと柔軟な反応をするため、「癒される」として世界中で導入されている介護ロボットです。

主な機能

・触覚センサー、視覚センサー、温度センサー、姿勢制御センサーを内蔵

・首、前足、後ろ足、まぶたが可動

・人工知能を搭載

使用している様子

※引用元 介護ロボット導入活動事例集(http://www.techno-aids.or.jp/robot/file29/jirei2017.pdf)

どんな効果があったのか

利用者の精神的疾患を改善したり、転倒リスクの低減に効果がありました。

実際に使用した職員からは次のような感想がありました。

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職員A

徘徊を抑制することにつながっています。同時に転倒リスクを減らすことができました。

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職員B

「認知症行動障害尺度」の28項目のうち、5項目に改善が見られました

コストパフォーマンスは?

価格は1台あたり43万円です。(保証期間やメンテナンス内容によって金額は変動します)

さて、コストパフォーマンスについて計算してみましょう。

耐用年数が5年だとした場合、月換算で7千円で使用することができます。

メモ

42万円 ÷ 60か月 = 月換算7千円

複数の利用者が使用することができます。

コスパを考える上でポイントになるのは、精神疾患の改善と転倒等のリスク軽減です。

パロが1台あれば、複数の利用者を同時に改善することができるため、対象の利用者数と得られるだろう効果をしっかり把握した上で導入検討を行う必要があります。

コメント

犬を飼いたくても飼えなかった介護施設にとって、セラピー効果があるパロは重宝されています。

また、今まで犬を飼っていた施設でも「ペットロス」を経験し、パロを導入するに至ったケースも少なくありません。

筆者も実際に使ったことがありますが、ふわふわな人工毛と愛くるしい見た目に大分癒やされました。

パロに一生懸命に話しかける高齢者も多く、笑顔や会話が増えていたことからもパロの効果を実感していました。

導入から運用立ち上げまでの手順

実は、今回ご紹介した10の導入事例に共通していることがあります。

それは、まずは問題意識を明確化することからスタートしているということです。

その上で、現在の課題を見つけ、その課題を解決するための方法を考えています。

今回取り上げた10の導入事例は、課題を解決してくれる存在がたまたま「介護ロボット」だったということです。

介護ロボットの導入はあくまで解決のための手段にすぎないため、介護ロボットを導入するかどうかから考える必要があります。

さて、これから説明するのは、どうやって介護ロボットの導入フローに関してです。

詳しくは別記事で説明したいと思いますが、本記事を読むことにより、「どれくらいの時間をかけて、どんな手順で、何をしていけばいいのか」が分かります。

【手順1】現状の何が問題なのかを明確にする(そもそも介護ロボットは必要?)

まずは現時点で抱えている問題を全て洗い出し、課題を特定しましょう。それが【手順1】です。

しかし、職場に慣れていればいるほど、「これはこうしてあたりまえ」という考えが根付いてしまい、問題が見えにくくなってきます。

そのため、プロジェクトチームを結成し、ディスカッションを行い、考えられる問題を全て書き出してみましょう。

プロジェクトメンバーに選出するのは、シナジー効果を発揮するため、職種も年齢層も異なるメンバーが望ましいです。

おすすめ方法

例えば問題を書いた付箋をペタペタとホワイトボードに貼っていき、問題をカテゴリー(排泄ケア・認知症ケアなど)に分類する方法がオススメです。課題の特定がしやすくなります。

次に、プロジェクトメンバー全員で書き出した問題を整理し、いくつかの課題を特定しましょう。

【手順2】どうすれば課題解決できるのかを考え、方向性を決定する(介護ロボットに求めるものは何?)

特定した課題に対し、どうすれば解決できるかをプロジェクトメンバーで話し合いましょう。

解決手段は介護ロボットだけに限りません。

マニュアルを作成する、求人募集する、介護ソフトを変更するなど様々な手段があるはずです。

とにかく、どうすれば課題を解決できるかに焦点をあてて、適切な手段を考えていきましょう。

そして、その中に介護ロボットで解決できそうな課題があれば、初めて介護ロボットの導入を検討するために【手順3】へと進みます。

もし課題解決の手段が介護ロボットではない場合、別の手段で課題解決を目指しましょう。

【手順3】介護ロボット導入の目的を明確にし、選定を行う(本当にその介護ロボットでいいの?)

ここから初めて介護ロボットの選定がスタートします。

第一に、介護ロボット導入の目的(導入した結果どうなりたいか)をプロジェクトメンバーで明確にします。

第二に、目的に該当する介護ロボットは次のどれに属するのかを考えます。

① 移乗介助
② 移動支援
③ 排泄支援
④ 見守り・コミュニケーション
⑤ 入浴支援
⑥ 介護業務支援

詳しい内容は下の記事を参考にしてください。

さて、例えば、「車いすからベッドへのスムーズな移乗を実現したい」場合、6種類のうち該当するのは「①移乗介助」です。

移乗介助だけでも5種類以上の介護ロボットがありますが、第一に設定した「目的」に沿った介護ロボットかどうかを照らし合せ、絞り込んでいきます。

詳しくは別記事で説明しますが、実際に介護ロボットを体験するなどの工程を経て、最終的に1つの介護ロボットに絞り込みます。

【手順4】どうすれば目的と目標を達成できるかを考え計画を練る(それ本当に計画通りにいく?)

【手順3】で選定した介護ロボットの導入目的を改めて考え、目標を設定します。

その上で、達成までの具体的なプランを決定します。

プランを決定する際に参考になる情報は次の通りです。

・職員のスキルや稼働状況
・他法人への導入事例に関して、ベンダーから情報を得る
・外部コンサルやシステム導入の専門職から情報を得る

できるだけプランに変更がでないように、介護ロボット導入前にしっかりと練っておくことが重要です。

プランの変更が原因で、結局運用が立ち上がらないというケースも珍しくないからです。

【手順5】介護ロボットの運用とモニタリングを行う(当初の予定通り進んでいる?)

いよいよ介護ロボットの運用がスタートしますが、定期的にモニタリングを行っていきましょう。

【手順4】で決定した目標の達成進捗を確認しながら、問題がないかどうかを定期的にチェックしていきます。

もし気になることがあった場合、プロジェクトメンバーで適宜問題解決に務めていきましょう。

 

まとめ

介護ロボットをしっかり活用すれば、大きな業務改善を実現することができます。

その先には、介護職員の離職率低下や、求職者からの問い合わせ増加など様々な恩恵をうけることができます。

しかし、介護ロボットに関する正しい知識を持ち合わせていなければ、かえって「業務悪化」を招きかねません。

下の記事では介護ロボットに関することを網羅的にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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