介護報酬の加算・減算
LIFEに関わる加算だよ!
「加算取得で収益は増やしたいけど、どれくらい労力がかかるかを確認したい」
そのように思ってはいませんか?
口腔機能向上加算は通所系サービスが対象になっており、口腔機能向上加算の取得を検討している方は多いでしょう。
そこでこの記事では、厚生労働省が公表している算定状況や算定要件をわかりやすくまとめ、各サービス種別で口腔機能向上加算を算定することでどの程度利益が見込めるのか、平均月額収益も算出しましたので加算算定の参考にしていただけると幸いです。
最後までこの記事をお読みいただければ、あなたの事業所で口腔機能向上加算取得をすることで収益を見込めるのかどうかがわかり、加算取得するかの判断材料になるでしょう。
ちなみに、2024年度の介護報酬改定では、ICTツールの導入が必須もしくは推奨されている加算が多数導入されました。
そこで、業界最大級のメディア「介護のコミミ」では、加算取得に役立つICTツールの選定を無料サポートしていますので、ぜひお気軽にご利用ください ⇒ ICTツールの選定や加算取得の相談はこちら(無料)
口腔機能向上加算以外の加算に関しては、下の関連記事から確認することができるよ!
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口腔機能向上加算とは、口腔機能が低下する可能性のある、または低下している利用者に対し、口腔機能向上の取り組みを行っている事業所を評価する加算になります。
2021年度の介護報酬改定において、口腔機能向上加算にはLIFEの活用を要件とした新区分が設けられました。
以前の口腔機能向上加算の要件と単位数はそのままで、新区分が設置されたことで口腔機能向上加算(Ⅰ)と名称が変わりました。
口腔機能向上加算は、高齢者の口内環境を健康に保ち、肺炎や誤嚥などのリスクを低減することが目的です。
口腔機能向上加算を実施することで、栄養状態や生活能力が改善するなどの効果が期待できます。
高齢者の口内環境が悪化すると、身体的に虚弱になってしまう「フレイル」の発症リスクが2.41倍に高まることが、日本歯科医師会の調査によって明らかになっています。
そのため、介護サービスの利用者の健康状態を維持するためには、口腔機能を改善するためのサポートも欠かせないということです。
口腔機能向上加算を導入すると、介護施設は以下の2つのようなメリットが得られます。
・介護サービスが充実して評判がアップする
・施設の収益がアップする
介護事業者が口腔機能向上加算を導入することで、利用者に提供できる介護サービスの内容が充実します。
前述したように、適切な口腔ケアで高齢者のフレイルを予防できる可能性もあるため、「利用者が過ごしやすい施設」として評判が高まるかもしれません。
介護事業者の評判が改善することで、施設の利用者が増える可能性があります。
その結果、施設が得られる収益の向上も見込めるでしょう。
利用者によりよい環境を提供し、両者を増やすためにも、口腔機能向上加算の導入が欠かせません。
口腔機能向上加算は以下の4つの理由から取得しやすいので、介護事業者はぜひとも導入を検討しましょう。
・人員要件をクリアしやすい
・利用者のニーズがある
・必要帳票
・プログラムの提供がスムーズ
口腔機能向上加算を取得するには、特定の資格を保有する職員を配置する必要があります。
しかし、必要な人員は以下の3つなので、ほかの加算サービスと比べると人員要件をクリアしやすいといえるでしょう。
・看護職員
・歯科衛生士
・言語聴覚士
口腔機能向上加算は、利用者のニーズがある制度です。
前述したように、口内環境を整えることは健康増進につながります。
介護サービスの利用者の多くは、「少しでも健康的に過ごしたい」と思うものです。
また、口腔機能向上加算ではニーズ把握のための自宅訪問などの必要がないため、介護職員の負担にもなりません。
口腔機能向上加算の取得には帳簿作成が必要ですが、「口腔機能向上サービスの管理指導計画書」の1種類で算定できます。
ほかの加算制度では、複数の帳簿作成が必要なものもあるので、口腔機能向上加算は担当職員の負担が少ないといえるでしょう。
口腔機能向上加算は、実施の方法・時間・内容などに関する規定がほとんどないため、口腔ケアのプログラムをスムーズに利用者に提供することができます。
以上の点から、口腔機能向上加算は取得しやすいといえます。
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介護ソフトを一括資料請求する口腔機能向上加算は、介護サービスの利用者の健康増進に効果的な制度ですが、多くの介護事業者は算定していません。
その理由として以下の3つのものが考えられます。
・制度を理解するのが面倒に感じている
・担当者の配置が難しいと感じている
・算定するための記録が難しい
口腔機能向上加算の制度は複雑で、それを理解するために時間と手間がかかります。
ほかの加算制度と比べて取得しやすいとはいえ、業務負荷などの点で導入しづらいこともあるでしょう。
口腔機能向上加算を取得するためには、「看護職員」「歯科衛生士」「言語聴覚士」といった有資格者を1名以上配置する必要があります。
勤務形態は非常勤・兼務も可能となっていますが、その配置が難しいこともあるでしょう。
口腔機能向上加算の算定には、利用者の口腔機能を定期的に記録する必要があります。
その業務フローやシステムの構築が難しく、口腔機能向上加算を思うように導入できないこともあるでしょう。
口腔機能向上加算の取得対象となるサービス種別は次の通りです。
・通所介護・地域密着型通所介護【デイサービス】
・通所リハビリテーション(予防含む)【デイケア】
・認知症対応型通所介護(予防含む)
・看護小規模多機能型居宅介
通所サービスに対応しているね!
新規で事業を開始した(又は再開した)事業所については、前3か月の実績が必要になることから、開設後(又は再開後)4か月目から加算の届出が可能となります(算定開始は5か月目以降)。
届出が受理された日が属する月の翌月(届出が受理された日が月の初日である場合は当該月)から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・(介護予防)短期入所生活介護
・(介護予防)短期入所療養介護
・(介護予防)特定施設入居者生活介護
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護医療院
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護(短期利用型を含む。)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
毎月15日までに届出があったものについて、翌月1日から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・訪問介護
・(介護予防)訪問入浴介護
・(介護予防)訪問看護(※緊急時訪問看護加算については、届出が受理された当日が適用日となります。)
・(介護予防)訪問リハビリテーション
・(介護予防)居宅療養管理指導
・通所介護
・療養通所介護
・(介護予防)通所リハビリテーション
・(介護予防)福祉用具貸与
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・(予防)認知症対応型通所介護
・(予防)小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護
・地域密着型通所介護
・居宅介護支援
引用:宮城県「介護給付費算定に係る体制等に関する届出(令和3年10月1日「必要な添付書類」更新)」
加算の算定要件や算定率、平均月額収益をサービス種別毎にまとめました。
また、「介護給付費分科会」のレポートを元に、算定難易度 や取得おすすめ度などを独自調査し、5段階評価を行いました。
※表はスクロールできます。
通所介護 | 通所リハ | 予防通所リハ | 認知通所 | 予防認知通所 | 地域密着通所 | 看護小規模多機能 | |
算定率 | 7.90% | 9.59% | – | 3.90% | – | 5.30% | – |
平均月額収益 | 58,477円 | 28,742円 | – | 24,180円 | – | 45,005円 | – |
算定難易度 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | – | ★★★★★ | – | ★★★★★ | – |
取得おすすめ度 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | – | ★☆☆☆☆ | – | ★★☆☆☆ | – |
※「社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)令和5年7月10日資料1」などの資料を参考
算定単位数
・通所介護|通所リハ|(予防)通所リハ|認知通所|(予防)認知通所|地域密着型通所|看護小規模多機能:150単位/回(3月以内・月2回を限度)
算定要件
①言語聴覚士、歯科衛生士または介護職員を1人以上配置
②利用者の口腔機能を開始時に把握し、言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員、介護職員、生活相談員等が共同して、利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画を作成
③口腔機能改善管理指導計画に従い言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員が口腔機能向上サービスを行うとともに、利用者の口腔機能を定期的に記録
④口腔機能改善管理指導計画の進歩状況を定期的に評価
※表はスクロールできます。
通所介護 | 通所リハ | 予防通所リハ | 認知通所 | 予防認知通所 | 地域密着通所 | 看護小規模多機能 | |
算定率 | 6.0% | 8.39% | – | 2.4% | – | 4.5% | – |
平均月額収益 | 87,320円 | 42,222円 | – | 26,081円 | – | 68,192円 | – |
算定難易度 | ★★★★★ | ★★★★★ | – | ★★★★★ | – | ★★★★★ | – |
取得おすすめ度 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | – | ★☆☆☆☆ | – | ★★☆☆☆ | – |
※「社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)令和5年7月10日資料1」などの資料を参考
算定単位数
・通所介護|通所リハ|(予防)通所リハ|認知通所|(予防)認知通所|地域密着型通所|看護小規模多機能:160単位/回(3月以内・月2回を限度)
算定要件
・①(Ⅰ)を満たす
・②利用者ごとの口腔機能改善管理指導計画等の情報を厚生労働省に提出し、追う空気脳向上サービスの実施にあたり当該情報その他口腔衛生の管理の適切かつ有効な実施に必要な情報を活用
2021年4月に介護報酬改定があって口腔機能向上加算は区分(Ⅱ)が新設されたよ。
算定状況を見ると利益や算定率はあまり高くない傾向にあるよ。
LIFEの運用をすることで区分(Ⅱ)も算定できるようになるから、LIFEは是非とも活用したいところだね!
A
御指摘の件については、ケアマネジメントの過程で適切に判断されるものと認識しているが、①算定要件として、それぞれの加算に係る実施内容等を勘案の上、1事業所における請求回数に限度を設けていること、②2事業所において算定した場合の利用者負担等も勘案すべきことから、それぞれの事業所で栄養改善加算又は口腔機能向上加算を算定することは基本的には想定されない。
引用:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A (Vol.3)(令和3年3月 26 日)」
加算の届出と報酬支払までの大まかな流れとしては下記になります。
①加算要件の確認と適合
②届出届出先と書類及び申請期限の確認
③提出書類を記入し申請
④算定開始
⑤介護給付費請求
以上の流れに沿って介護給付費請求まで行います。
加算要件の基本は、「サービスを提供している職員数」「利用者へのサービスの提供」になります。
計画書の作成や、利用者への情報提供などが加算要件に含まれている場合があり、詳細はそれぞれ加算によって異なります。
加算の届出を提出した時点で加算要件を満たしているものとして扱われますので、加算申請先の各都道府県(市町村)では内容の精査を行うことはありません。
ですので、書類に不備があったり不正に介護報酬を受給してしまっている場合は、介護保険請求の時点で届出の修正や取り消し、もしくは返金を行わなければならない場合があるので、届出を行う前にもう一度算定要件を満たしているのかを確認しましょう。
また、加算の要件に合致しているかどうか毎年度確認が必要となります。
法改正やサービス体制等の変更により区分や加算要件等の変更が行われる場合があるので、留意しておきましょう。
届先は市区町村(都道府県)の福祉課や保険課など、管轄の市区町村(都道府県)により異なります。
また、提出方法は直接書類を窓口へ持参するか、郵送にて書類を送るのが基本になります。
申請方法等の詳細は管轄の各都道府県や市区町村のホームページで確認しておきましょう。
申請期限は加算を算定する月の前月末日まで、または前月15日までに届出が必要です。(サービス種別毎に異なるので後述)
ただし、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算については、加算算定月の前々月の末日までに提出する必要があります。(例:6月からの加算→4月末までの提出。)
また、加算の要件を満たさなくなった場合は、上記日時にかかわりなくすみやかに提出してください。
管轄の市区町村(都道府県)によりサービス種別毎に提出書類や提出期限が異なることがあるので、注意が必要です。
「科学的介護推進体制加算」については、3ヶ月以上の運営実績が必要となりますので、新規指定申請時に届出できません。
また、※前年度の実績が6か月を満たさず届出月の前3か月の状況で届け出た事業所は、直近3か月間の状況が加算の要件に合致しているかどうか毎月確認の上、記録が必要になります。
備考
(1)運営実績が6か月に満たない場合 ・算定要件(職員割合)を満たさない→算定不可
加算「なし」の旨、届出が必要 ・算定要件(職員割合)を満たす→引き続き算定可
新規で事業を開始した(又は再開した)事業所については、前3か月の実績が必要になることから、開設後(又は再開後)4か月目から加算の届出が可能となります(算定開始は5か月目以降)。
届出が受理された日が属する月の翌月(届出が受理された日が月の初日である場合は当該月)から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
毎月15日までに届出があったものについて、翌月1日から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
届出の書類は、サービス種別毎、市区町村(都道府県)毎、年度毎に書類の様式や提出物が異なりますが、基本的な提出書類は次の2点になります。
「介護給付費算定に係る体制等に関する届出書」は、届出を行う事業所の施設名や住所、サービス種別などの基本情報を記載する書類になります。
「体制等状況一覧表」は、現在の施設等の区分や人員配置区分を記載し、加算算定状況等を記載します。
こちらの書類はサービス種別毎に様式が異なっておりますので、届出をしたい事業所の提供サービスに適した「体制等状況一覧表」に記載しましょう。
前記の通り、各都道府県や市区町村により提出する書類等が若干異なるため、各都道府県や市町村のホームページを確認し、提出漏れがないよう注意しましょう。
過不足なく届出をしたとしても、加算要件の根拠資料を更に求められるなど、事前にアナウンスされているもの以外の書類の提出も求められる場合があるので、留意しておきましょう。
届出が受理され、算定が始まっていたとしても法改正等の内容変更により再度届出が必要な場合があります。
各加算の届出が必要な場合は次のようになります。
このような状況に適合する場合、速やかに加算の届出が必要になることがあります。
引用:千葉県「加算等に関する届出について|介護サービス事業者の方へ」
対象の加算を満たした上で介護報酬の請求を保険者(市町村)に対して行います。
この作業のことを介護保険請求といいます。
請求の時点で加算の届出についてなにか不備があれば、前記した通り届出の修正や取り消し、場合よっては不正に受給したということで介護報酬の返金を求められることがあるので、届出をする時点での加算要件の確認は最重要になります。
介護保険請求に関して詳しく解説した記事がありますので、そちらもよろしくお願いいたします。
加算の届出以外にも介護保険請求という複雑化した業務がありますので、多忙を極めるケアマネジャーや施設管理者にとって頭を悩ます種になりがちです。
そこで役立つツールとして介護ソフトを活用するのをお勧めします。
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LIFE未対応の介護ソフトは、現在でも開発中か対応するか社内協議中だったりするから、各介護ソフトメーカーの今後の動向に注目だね。
事業所で活用している介護ソフト、または検討中のソフトが「LIFE」に対応しているかは全国福祉老人協議会のHPで確認することができるよ。
※厚生労働省「令和4年度 LIFE導入状況調査」より画像引用
全国老人福祉協議会の「令和4年度 LIFE導入状況調査」によると、アンケートに回答した4,028施設のうち、「LIFE」に登録している事業所は介護老人福祉施設は約88%、通所介護事業所は約66%~80%、特定施設は約50% となっており、介護老人福祉施設には特に高い登録状況となっています。
しかし、「LIFE」に対応している介護記録ソフトを活用していても、そのうち「大部分において手入力が必要」「一部において手入力が必要」と回答した約52%がデータを手入力していることがわかりました。
アンケートに寄せられた各事業所の課題感は、「LIFEへの入力の手間(時間の確保)」の回答が最も多いことから、 「LIFEに一括でデータ提出ができる介護ソフトを知らない」、「介護ソフトを乗り換えることができない事情がある」という現状が伺えます。
「LIFE」に対応した介護ソフトを利用しているのに「LIFE」に手入力を行ってしまっている場合は、ベンダーによるサポートを受けるか、より使いやすい介護ソフトに変更することが必要でしょう。
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