介護ソフトの選び方
2025年、介護事業所における業務効率化とサービス品質向上の切り札として注目を集めている「ケアプランデータ連携システム」。これまで紙やFAXで行われていたケアプラン情報のやり取りが、オンラインで安全かつスムーズに行えるようになり、現場の負担軽減やミス防止、コスト削減など多くのメリットが生まれています。
さらに、2025年6月1日からは待望の「フリーパスキャンペーン」がスタートし、ケアプランデータ連携システムの利用普及が一気に拡大すること期待されます。
そこでこの記事では、「ケアプランデータ連携システムとは何か?」という基本から、2025年6月に開始したフリーパスキャンペーンの詳細から導入メリット、対応ソフトの選び方、よくある質問まで、現場で役立つ情報を徹底的に解説します。
この記事を読むことで、あなたの事業所でもケアプランデータ連携システムを導入すべき理由が明確になるので、ぜひ最後までご覧ください。
※この記事の内容は、YouTube動画でも解説しています。(以下をクリックすると動画を再生できます)
ケアプランデータ連携システムを提供する厚生労働省にて、2024年時点でのケアプランデータ連携システムの普及状況や導入効果などを伺ったインタビュー記事も公開しているので、ぜひ併せて以下もご確認ください。
ケアプランとは、介護サービスを受ける利用者一人ひとりの心身の状況や希望に合わせて作成される介護計画書です。ケアマネジャー(介護支援専門員)が中心となり、利用者や家族、関係する介護事業者と連携しながら、必要なサービス内容や目標、提供スケジュールなどを明確にします。ケアプランは、介護サービスの質を高め、利用者が安心して生活できるよう支援するための重要な役割を担っています。
ケアプランデータ連携システムとは、居宅支援事業所と介護施設などがケアプランの情報をオンライン上で安全かつ効率的に共有できる国の公式システムです。従来は紙やFAXによる手作業でのやり取りが主流で、転記ミスや郵送・FAXの手間、情報伝達の遅延など多くの課題がありました。ケアプランデータ連携システムを活用することで、これらの課題を解消し、リアルタイムで正確な情報共有が可能となります。
これまで介護現場では、ケアプランの情報共有は主に紙やFAXで行われてきました。しかし、手入力や手書きによる転記ミス、郵送やFAXの手間、情報伝達の遅れなどが大きな問題となっていました。こうした課題を解決するため、厚生労働省はICT(情報通信技術)を活用した「ケアプランデータ連携システム」の導入を推進。2023年4月からサービスが開始され、2025年にはフリーパスキャンペーンの開始など、さらなる普及と利便性向上が期待されています。
ケアプランデータ連携システムを導入することで得られるメリットは様々ですが、ここでは代表的なメリットを5つ解説していきます。
ケアプランデータ連携システムを使えば、これまで事業所が書類のやり取りに取られていた時間や費用を抑えることができます。
人件費や印刷費の他、抑えることが可能な費用は以下の通りです。
公式サポートサイトによると、ケアプランデータ連携システムの導入により、やりとりにかかる業務時間は約1/3に削減でき、年間で約80万円のコスト削減が見込めるとされています。しかも、月額1,750円(年額21,000円)の投資でこれだけの効果が期待できるため、費用対効果の高いシステムと言えるでしょう。
参考:厚生労働省『ケアプランデータ連携システムヘルプデスクサポートサイト』
このように、ケアプランデータ連携システムを導入することで、さまざまな面のコストが削減でき、その結果として介護人材の新規確保や職場環境改善による定着率向上、事業所の維持費など、本当に必要な部分に予算を使うことができるようになります。
これまでは、介護サービスの実績を手入力する必要があり、居宅介護支援事業所や介護施設が大きな負担を抱えていました。更に手入力による転記ミスも多く、そのたびに返戻されると作業効率が落ちてしまい、事務負担が大きかったのが事実です。
しかし、ケアプランデータ連携システムを活用することでサービス実績が自動反映されるため、手入力する必要がなく転記ミスのリスクが格段に減ります。その結果として、事務負担を軽減できるのは大きなメリットでしょう。
介護サービス実績を手書きや手入力することに、これまで多くの時間がかかっていました。
しかし、ケアプランデータ連携システムは、介護サービス実績を自動で反映されるため、毎回入力する手間を省くことができます。
何度も入力していた介護サービス実績を一度で完結させることができ、大幅に記載時間を削減することができます。
これまでは書類に手入力や手書きをし、印刷した後に書類を郵送やFAX送信していました。
しかし、ケアプランデータ連携システムを使えば、上記のような手間は全て省くことができるため、業務の効率化に繋がります。
オンライン上で完結することができるため、情報を伝えるまでの時間を短縮することもできます。
ここまで挙げたようなメリットは、ケアプランのやり取りが多く発生する居宅介護支援事業所のケアマネにとって、特にありがたい恩恵に見えますが、訪問介護やデイサービスなどの居宅サービスを提供する事業所にとってもケアプランデータ連携システムの導入は、集客上大きな強みになります。
なぜなら、居宅介護支援事業所においてケアプランデータ連携システムの利用が普及・浸透してくるにつれて、ケアマネはなるべくケアプランのやり取りを従来のFAXなどの紙媒体ではなくケアプランデータ連携システムを介して行うことを望むようになるため、必然的にケアプランデータ連携システムを導入している居宅介護事業所がケアマネに選ばれやすくなると考えられるためです。
ケアプランデータ連携システムの概要とメリットがひと通り分かったところで、気になる料金体系についても確認していきましょう。結論としては、2025年6月現在、ケアプランデータ連携システムの利用が1年間無料になる「フリーパスキャンペーン」が実施されているため、この期間はコストの心配なく導入する絶好のチャンスです。
ケアプランデータ連携システムの通常の利用料金は、1事業所あたり年額21,000円(税込)です。月額換算では1,750円となり、コストパフォーマンスの高い投資であることが公式にも示されています。ライセンス料は原則として介護給付費からの差引で支払う形となっており、請求書での支払いも可能です。
2025年6月1日から2026年5月31日(予定)までの期間限定で、「フリーパスキャンペーン」が実施されます。このキャンペーン期間中に申請・更新を行った事業所は、1年間、全ての機能を無料で利用できます。通常21,000円/年のライセンス料が0円となるため、導入コストを気にせず業務改善の第一歩を踏み出せる絶好の機会です。
対象はすべての介護事業所で、初めて利用する事業所はもちろん、現在利用中・過去に利用していた事業所も含まれます。キャンペーン期間内に申請・更新を行うことで自動的にフリーパスが適用され、無料期間は申請日(または更新日)から1年間となります。
詳細や最新情報は、公式フリーパスキャンペーン特設ページをご確認ください。
ケアプランデータ連携システムの導入によるコスト削減効果は、公式サイトの「料金シミュレーションツール」を使って簡単に試算することができます。自事業所の書類作成ややりとりにかかる時間・人件費・印刷費などを入力するだけで、どれだけのコスト削減が見込めるかを具体的な金額で確認できます。
シミュレーションツールの使い方や詳細は、公式ガイド(PDF)でも詳しく解説されています。導入前にぜひ活用して、費用対効果を具体的にイメージしてみてください。
ケアプランデータ連携システムの導入は、以下の流れで進めます。
詳しい手順やマニュアルは、公式サポートサイトやスタートガイドをご参照ください。
導入に必要な環境は以下の通りです。
また、電子証明書は介護保険請求用のものが利用可能です。未取得の場合は、ケアプランデータ連携システム用の電子証明書を無料で発行できます。
導入時によくあるトラブルとその解決策をまとめました。
困ったときは、公式サポートサイトやヘルプデスク(TEL: 0120-584-708)に問い合わせることで、迅速に解決できます。
ケアプランデータ連携システムを利用するには、対応している介護ソフトの用意も必要です。
そこでここでは、ケアプランデータ連携システム(ケアプラン標準仕様)に対応する介護ソフトを5つ紹介していきます。
※気になる介護ソフトは、「資料請求リストに追加」ボタンを押していただくことで、無料で資料請求することもできます。
シンプルなデザインが意識されているため、操作を覚えやすいソフトです。
比較的料金も安く、無料体験もできるため「まずは試してみたい」という方におすすめしたいソフトです。
「まもる君クラウド」は、主に通所系、訪問系に対応している新規・小中規模事業所向けの介護ソフトです。
「とても使いやすい」と評判で、介護ソフトを始めて触る方でも比較的抵抗なく運用できるソフトになります。
また、コミミに寄せられた口コミを参考にバージョンアップも実施しており、柔軟なサポートも期待ができます。
介舟ファミリーは操作性(使いやすさ)が好評なクラウド型の介護ソフトです。
複数サービスの請求、入金管理、給与計算まで1つのソフトで運用できます。
また、ソフト連携により、記録・情報共有・請求を一気通貫で行うことも可能です。
機能面での評価だけではなく、サポート面でも高い評価を得ている介護ソフトです。
ほのぼのNEXTは、導入後の万全なサポートが備わっており、使いやすさで人気の介護ソフトです。
また、計画書や記録を参照しながらケア記録ができたり、音声入力ができたりと最新技術で介護現場をサポートしています。
更に、ケアプランデータ連携システムで情報共有ができれば、それをタブレットで確認することも可能。
タブレットを持っていればどこでも確認できるため、ケアプランをチェックしながらケアの提供を行うことができます。
カイポケは介護ソフトの枠にとどまらず、給与や勤怠管理なども対応しています。
ファクタリングサービスなどの付帯サービスも充実しているため、管理者や経営者から多くの支持を集めています。
導入実績トップクラスの介護・福祉システムを提供するワイズマンの介護ソフトも、ケアプランデータ連携システムに対応しています。
シンプルな月額制である上に、無料体験期間もあるため導入までの敷居が低いと行った特徴があります。
ケアプランデータ連携システムのことを更に詳しく知りたいという方のためによくある質問に沿って回答を紹介していきます。
現存の介護保険請求の電子証明書を持っていれば、新たに電子証明書を発行する必要はありません。
電子証明書を持っていない場合のみ、ケアプランデータ連携システム用の電子証明書の発行が必要になります。
電子証明書の発行は無料です。
ケアプランデータ連携システムの利用を開始した後、わからないことが出てくる可能性もあります。
そこで、事業所へのサポート体制を用意しています。
サポート体制は主に以下のような内容です。
困ったときには、コールセンターに連絡し、解決することができます。
ケアプランデータ連携システムについている機能は以下になります。
令和5年4月時点でついている機能は、主にメッセージの送受信機能とログイン認証などのセキュリティー機能などです。
将来的には、さまざまな機能を拡張させる予定でいるようですが、時期は未定です。
2025年6月1日から始まるフリーパスキャンペーンの影響で、ケアプランデータ連携システムの普及は今後ますます加速していくことが予想されます。これまで導入コストがネックだった事業所も、1年間無料で全機能を試せるこのタイミングは絶好のチャンスです。多くの事業所が一斉に導入を進めることで、業界全体のデジタル化や業務効率化が一気に進むことが期待されています。
「いつかは導入したい」と考えていた方も、ぜひこの機会にシステム導入を前向きにご検討ください。
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