介護報酬の加算・減算
収益を増やしたい多くの事業所にとっては算定必須だね!
「加算取得で収益は増やしたいけど、どれくらい労力がかかるかを確認したい」
そのように思ってはいませんか?
入浴介助加算は通所系サービスが対象になっており、入浴介助加算の取得を検討している方は多いでしょう。
そこでこの記事では、厚生労働省が公表している算定状況や算定要件をわかりやすくまとめ、各サービス種別で入浴介助加算加算を算定することでどの程度利益が見込めるのか、平均月額収益も算出しましたので加算算定の参考にしていただけると幸いです。
最後までこの記事をお読みいただければ、あなたの事業所で入浴介助加算の取得をすることで収益を見込めるのかどうかがわかり、加算取得するかの判断材料になるでしょう。
ちなみに、2024年度の介護報酬改定では、ICTツールの導入が必須もしくは推奨されている加算が多数導入されました。
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入浴介助加算以外の加算に関しては、下の関連記事で確認することができるよ!
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入浴介助加算とは、適切な設備や高齢者が安全に入浴するために必要な人員や設備を備えてるデイサービス事業所(通所介護、通所リハビリテーション、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護)を評価する加算です。
入浴介助加算の「単位数」「算定率」「平均月額収益」を解説します。
平均月額収益に関しては社会保障審議会の資料を基に算出していますが、未公開の情報に関しては「−」としています。
(月間)算定単位数合計 ÷ (月間)算定事業所数合計 ×(単価)10円
算定難易度・・・収益額が高く、算定率が低いほど難しい
取得おすすめ度・・・収益額が多く、算定率も高いほど高得点
サービス | 区分 | 単位数 | 算定率 | 平均月額収益 | 算定難易度 | 取得おすすめ度 |
通所介護 |
Ⅰ | 1日につき40単位を加算 | 91.70% | 143,031円 | ★☆☆☆☆ | ★★★★☆ |
Ⅱ | 1日につき55単位を加算 | 11.9% | 113,745円 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | |
通所リハビリ |
Ⅰ | 1日につき40単位を加算 | 70.12% | 116,519円 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
Ⅱ | 1日につき60単位を加算 | 16.20% | 99,470円 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | |
地域密着通所 |
Ⅰ | 1日につき40単位を加算 | 74.30% | 57,287円 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
Ⅱ | 1日につき55単位を加算 | 7.60% | 64,993円 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | |
認知症対応型通所 |
Ⅰ | 1日につき40単位を加算 | 95.10% | 47,561円 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
Ⅱ | 1日につき55単位を加算 | 9.1% | 49,679円 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | |
予防認知通所介護 |
Ⅰ | 1日につき40単位を加算 | – | – | – | – |
Ⅱ | 1日につき55単位を加算 | – | – | – | – |
※「社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)令和5年7月10日」を参考に制作
※現時点で公開されているデータがない場合、「-」と記載しています。
入浴介助加算の算定要件を解説します。
変更点は赤字で表記しています。
サービス種別 | 入浴介助加算(Ⅰ) | 入浴介助加算(Ⅱ) |
(予防含む)通所介護 | 40 | 55 |
通所リハビリテーション | 40 | 60 |
地域密着型通所介護 | 40 | 55 |
認知症対応型通所介護 | 40 | 55 |
区分 | 要件 |
Ⅰ | ①入浴介助を適切に行うことができる人員・設備を有し、入浴中の利用者の観察を含む介助を行う ②入浴介助に関わる職員に対し、入浴介助に関する研修等を行う |
Ⅱ |
①(Ⅰ)を満たす ②医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、ケアマネジャー、または利用者の動作、浴室環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門知識・経験を有する者(以下「医師等」)が利用者宅を訪問し、浴室における利用者の動作および浴室の環境を評価。この際、浴室が利用者自身または家族等の介助による入浴が難しい環境にある場合は、訪問した医師等が、居宅介護支援事業所のケアマネジャーまたは福祉用具貸与事業所の福祉用具専門相談員と連携し、福祉用具貸与・購入・住宅改修等の浴室の環境整備に係る助言を行う。ただし、医師等による利用者宅への訪問が困難な場合は、医師等の指示の元、介護職員が利用者宅を訪問し情報通信機器等を活用して把握した浴室での動作、浴室環境を踏まえ、医師等が同様の評価・助言を行ってもよい ③通所介護の機能訓練指導員、看護職員、介護職員、生活相談員等(以下「機能訓練指導員」)が共同して、利用者宅を訪問した医師等との連携の下、利用者の身体状況や訪問により把握した当該居宅の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成。通所介護計画に同様の内容を記載することで代えてもよい ④③の計画に基づき、個浴その他の利用者宅の状況に近い環境で入浴介助を行う |
※ |
(Ⅰ)と(Ⅱ)は併算定不可 |
厚生労働省の資料より引用しました。
詳しくは以下をご確認ください。
引用:令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月 15 日)
Q1.入浴介助に関する研修とは具体的にはどのような内容が想定されるのか。
A1.具体的には、脱衣、洗髪、洗体、移乗、着衣など入浴に係る一連の動作において介助対象者に必要な入浴介助技術や転倒防止、入浴事故防止のためのリスク管理や安全管理等が挙げられるが、これらに限るものではない。なお、これらの研修においては、内部研修・外部研修を問わず、入浴介助技術の向上を図るため、継続的に研修の機会を確保されたい。
Q2.情報通信機器等を活用した訪問する者(介護職員)と評価をする者(医師等)が画面を通して同時進行で評価及び助言を行わないといけないのか。
A2.情報通信機器等を活用した訪問や評価方法としては、必ずしも画面を通して同時進行で対応する必要はなく、医師等の指示の下、当該利用者の動作については動画、浴室の環境については写真にするなど、状況に応じて動画・写真等を活用し、医師等に評価してもらう事で要件を満たすこととしている。
Q3. 入浴介助加算(Ⅱ)は、利用者が居宅において利用者自身で又は家族等の介助により入浴を行うことができるようになることを目的とするものであるが、この場合の「居宅」とはどのような場所が想定されるのか。
A3.利用者の自宅(高齢者住宅(居室内の浴室を使用する場合のほか、共同の浴室を使用する場合も含む。)を含む。)のほか、利用者の親族の自宅が想定される。なお、自宅に浴室がない等、具体的な入浴場面を想定していない利用者や、本人が希望する場所で入浴するには心身機能の大幅な改善が必要となる利用者にあっては、以下①~⑤をすべて満たすことにより、当面の目標として通所介護等での入浴の自立を図ることを目的として、同加算を算定することとしても差し支えない。
① 通所介護等事業所の浴室において、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の動作を評価する。
② 通所介護等事業所において、自立して入浴することができるよう必要な設備(入浴に関する福祉用具等)を備える。
③ 通所介護等事業所の機能訓練指導員等が共同して、利用者の動作を評価した者等との連携の下で、当該利用者の身体の状況や通所介護等事業所の浴室の環境等を踏まえた個別の入浴計画を作成する。なお、個別の入浴計画に相当する内容を通所介護計画の中に
記載する場合は、その記載をもって個別の入浴計画の作成に代えることができるものとする。
④ 個別の入浴計画に基づき、通所介護等事業所において、入浴介助を行う。
⑤ 入浴設備の導入や心身機能の回復等により、通所介護等以外の場面での入浴が想定できるようになっているかどうか、個別の利用者の状況に照らし確認する。
・ なお、通所リハビリテーションについても同様に取り扱う。Q4.入浴介助加算(Ⅱ)について、医師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士若しくは介護支援専門員又は利用者の動作及び浴室の環境の評価を行うことができる福祉用具専門相談員、機能訓練指導員、地域包括支援センターの職員その他住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者が利用者の居宅を訪問し、浴室における当該利用者の動作及び浴室の環境を評価することとなっているが、この「住宅改修に関する専門的知識及び経験を有する者」とはどのような者が想定されるか。
A4.福祉・住環境コーディネーター2級以上の者等が想定される。なお、通所リハビリテーションについても同様に取扱う。
①加算要件の確認と適合
②届出届出先と書類及び申請期限の確認
③提出書類を記入し申請
④算定開始
⑤介護給付費請求
以上の流れに沿って介護給付費請求まで行います。
加算要件の基本は、「サービスを提供している職員数」「利用者へのサービスの提供」になります。
計画書の作成や、利用者への情報提供などが加算要件に含まれている場合があり、詳細はそれぞれ加算によって異なります。
加算の届出を提出した時点で加算要件を満たしているものとして扱われますので、加算申請先の各都道府県(市町村)では内容の精査を行うことはありません。
ですので、書類に不備があったり不正に介護報酬を受給してしまっている場合は、介護保険請求の時点で届出の修正や取り消し、もしくは返金を行わなければならない場合があるので、届出を行う前にもう一度算定要件を満たしているのかを確認しましょう。
また、加算の要件に合致しているかどうか毎年度確認が必要となります。
法改正やサービス体制等の変更により区分や加算要件等の変更が行われる場合があるので、留意しておきましょう。
届先は市区町村(都道府県)の福祉課や保険課など、管轄の市区町村(都道府県)により異なります。
また、提出方法は直接書類を窓口へ持参するか、郵送にて書類を送るのが基本になります。
申請方法等の詳細は管轄の各都道府県や市区町村のホームページで確認しておきましょう。
申請期限は加算を算定する月の前月末日まで、または前月15日までに届出が必要です。(サービス種別毎に異なるので後述)
ただし、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算については、加算算定月の前々月の末日までに提出する必要があります。(例:6月からの加算→4月末までの提出。)
また、加算の要件を満たさなくなった場合は、上記日時にかかわりなくすみやかに提出してください。
管轄の市区町村(都道府県)によりサービス種別毎に提出書類や提出期限が異なることがあるので、注意が必要です。
「サービス提供体制強化加算」については、3ヶ月以上の運営実績が必要となりますので、新規指定申請時に届出できません。
また、※前年度の実績が6か月を満たさず届出月の前3か月の状況で届け出た事業所は、直近3か月間の状況が加算の要件に合致しているかどうか毎月確認の上、記録が必要になります。
備考
(1)運営実績が6か月に満たない場合 ・算定要件(職員割合)を満たさない→算定不可
加算「なし」の旨、届出が必要 ・算定要件(職員割合)を満たす→引き続き算定可
新規で事業を開始した(又は再開した)事業所については、前3か月の実績が必要になることから、開設後(又は再開後)4か月目から加算の届出が可能となります(算定開始は5か月目以降)。
届出が受理された日が属する月の翌月(届出が受理された日が月の初日である場合は当該月)から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・(介護予防)短期入所生活介護
・(介護予防)短期入所療養介護
・(介護予防)特定施設入居者生活介護
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護医療院
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護(短期利用型を含む。)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
毎月15日までに届出があったものについて、翌月1日から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・訪問介護
・(介護予防)訪問入浴介護
・(介護予防)訪問看護(※緊急時訪問看護加算については、届出が受理された当日が適用日となります。)
・(介護予防)訪問リハビリテーション
・(介護予防)居宅療養管理指導
・通所介護
・療養通所介護
・(介護予防)通所リハビリテーション
・(介護予防)福祉用具貸与
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・(予防)認知症対応型通所介護
・(予防)小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護
・地域密着型通所介護
・居宅介護支援
届出の書類は、サービス種別毎、市区町村(都道府県)毎、年度毎に書類の様式や提出物が異なりますが、基本的な提出書類は次の2点になります。
「介護給付費算定に係る体制等に関する届出書」は、届出を行う事業所の施設名や住所、サービス種別などの基本情報を記載する書類になります。
「体制等状況一覧表」は、現在の施設等の区分や人員配置区分を記載し、加算算定状況等を記載します。
こちらの書類はサービス種別毎に様式が異なっておりますので、届出をしたい事業所の提供サービスに適した「体制等状況一覧表」に記載しましょう。
前記の通り、各都道府県や市区町村により提出する書類等が若干異なるため、各都道府県や市町村のホームページを確認し、提出漏れがないよう注意しましょう。
過不足なく届出をしたとしても、加算要件の根拠資料を更に求められるなど、事前にアナウンスされているもの以外の書類の提出も求められる場合があるので、留意しておきましょう。
届出が受理され、算定が始まっていたとしても法改正等の内容変更により再度届出が必要な場合があります。
各加算の届出が必要な場合は次のようになります。
このような状況に適合する場合、速やかに加算の届出が必要になることがあります。
引用:千葉県「加算等に関する届出について|介護サービス事業者の方へ」
対象の加算を満たした上で介護報酬の請求を保険者(市町村)に対して行います。
この作業のことを介護保険請求といいます。
請求の時点で加算の届出についてなにか不備があれば、前記した通り届出の修正や取り消し、場合よっては不正に受給したということで介護報酬の返金を求められることがあるので、届出をする時点での加算要件の確認は最重要になります。
介護保険請求に関して詳しく解説した記事がありますので、そちらもよろしくお願いいたします。
加算の届出以外にも介護保険請求という複雑化した業務がありますので、多忙を極めるケアマネジャーや施設管理者にとって頭を悩ます種になりがちです。
そこで役立つツールとして介護ソフトを活用するのをお勧めします。
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加算請求業務に役立つICTツールは介護ソフトです。
複雑な算定要件や計算式だとしても、簡単な操作で請求データ作成やエラーチェックすることが可能です。
しかし、介護ソフトによって操作感(使いやすさ)や機能、価格は大きく異なるため、介護ソフトの比較検討はとても重要です。
すでに介護ソフトを導入されている場合でも、必要に応じて介護ソフトの再検討をしてみましょう。
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介護のコミミ編集部が各介護ソフトメーカーにヒアリングし、「LIFE」に対応可能なおすすめ介護ソフトを選出しました。
毎日重労働な介護業務と並行して、記録業務の管理をするのは業務工数が大きく大変かと思います。
「LIFE」と連携をした介護ソフトをとりいれることにより、業務の効率化を目指せるだけでなく、これから先の高齢化社会を支える先駆者として、介護業務に携わっている皆様のお役にたてたらいいなと思います。
それではおすすめの介護ソフトメーカー6選をご紹介します。
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また、口コミでもサポート面や使いやすさに関して評判が良く、利用者のベンダーへの信頼が伺えます。
事業所で活用している介護ソフト、または検討中のソフトが「LIFE」に対応しているかは全国福祉老人協議会のHPで確認することができるよ。
介護ソフトっていくらするの?
介護ソフトの料金相場をシミュレート全国老人福祉協議会の科学的介護情報システム(LIFE)導入状況調査(令和3年度)によると、アンケートに回答した2,555施設のうち、「LIFE」に登録している事業所は83.3%であり、高い登録状況となっています。
しかし、「LIFE」に対応している介護記録ソフトを活用していても、そのうち約56%が手入力でのデータ登録を行っているとの結果が出ました。
アンケートに寄せられた各事業所の課題感は、「手入力でのLIFEの入力作業が重たい」の回答が最も多く、「LIFE」に対応している介護ソフトを利用して「LIFE」のデータ提出に関する内容の理解が進んでいないという現状が伺えます。
このように、「LIFE」に対応した介護ソフトを利用しているのに「LIFE」に手入力を行ってしまっている場合は、ベンダーによるサポートを受けるか、より使いやすい介護ソフトに変更することが必要でしょう。
また、誰でも介護ソフトや「LIFE」の機能について理解を深めるためのマニュアルがあれば、より活用のイメージがつきやすく「LIFE」に手入力を行うという事態を防ぐことができ、「LIFE」対応介護ソフトを利用することで円滑な入力作業を行うことができるようになるでしょう。
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