介護施設の経営・運営改善
「重要事項説明書」と聞くと、「なんだか難しそう…」「何を書けばいいのか分からない」と感じる介護事業所の管理者やサービス提供責任者の方は多いのではないでしょうか。しかし、重要事項説明書は、利用者との信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐための非常に重要な書類です。
この記事では、2026年(令和8年)の最新情報に基づき、介護事業所の重要事項説明書の書き方を、サービス種別ごとの記載例やテンプレートを交えながら、誰にでも分かりやすく徹底解説します。運営指導(実地指導)で指摘されやすいポイントや、作成・管理を効率化する方法まで網羅しているので、この記事を読めば、自信を持って重要事項説明書を作成できるようになります。
まず、重要事項説明書がどのような役割を持つ書類なのか、その基本と法的根拠から確認していきましょう。契約書や運営規程との違いを正しく理解することが、適切な書類作成の第一歩です。
重要事項説明書とは、介護サービスの利用契約を締結する前に、事業者が利用者(またはその家族)に対して、サービスの内容、料金、事業所の運営方針といった「契約に関する特に重要な事項」を説明するための書類です。
その主な目的は、利用者がサービス内容を十分に理解し、納得した上で契約を結べるようにすることです。これにより、契約後の「こんなはずではなかった」といったトラブルを防ぎ、事業者と利用者との間で良好な信頼関係を築くことができます。
介護保険制度では、利用者が自らの意思でサービスを選択する「自己決定の原則」が重視されています。重要事項説明書は、この原則を実現するための中核的な書類であり、利用者が複数の事業所を比較検討する際の判断材料としても活用されます。したがって、単に法律上の義務を果たすためだけでなく、自社のサービスの魅力を正確に伝え、利用者に選ばれる事業所になるための「営業ツール」としての側面も持っています。不動産の賃貸契約における重要事項説明書と同様に、契約の前段階で提供される情報開示書類としての性格を持っている点も押さえておきましょう。
また、重要事項説明書は、万が一、利用者やその家族との間でトラブルが発生した際に、「事前にこの内容を説明し、同意を得ていた」という証拠としても機能します。つまり、事業者側を守る役割も担っているのです。だからこそ、曖昧な表現を避け、具体的かつ正確な内容を記載することが求められます。
重要事項説明書は、「契約書」や「運営規程」と混同されがちですが、それぞれ役割が異なります。
| 書類 | 役割 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 重要事項説明書 | 契約前にサービス内容を詳細に説明し、理解・納得を得るための書類 | サービス内容、料金、職員体制、苦情窓口など、利用者がサービスを選択するための重要情報 |
| 契約書 | 事業者と利用者の間の権利・義務関係を法的に定める書類 | 契約期間、利用料金の支払い方法、契約解除の条件、損害賠償など |
| 運営規程 | 事業所が法令を遵守し、適切に運営されるための内部ルールを定めた書類 | 事業の目的、営業日・時間、利用者定員、虐待防止措置、緊急時対応など |
簡単に言えば、運営規程(事業所のルール)の中から、特に利用者にお伝えすべき重要事項を抜き出して分かりやすくまとめたものが重要事項説明書であり、その内容に同意いただいた上で、法的な約束事として取り交わすのが契約書、という関係性になります。
重要事項説明書の交付と説明は、各介護サービスの運営基準省令によって事業者に義務付けられています。例えば、訪問介護の運営基準では以下のように定められています。
指定訪問介護事業者は、指定訪問介護の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、第二十九条に規定する運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。
引用:e-Gov法令検索|平成十一年厚生省令第三十七号
この条文のポイントは、「文書を交付して説明」し、「同意を得なければならない」という点です。口頭での説明だけでは不十分であり、書面を用いて、内容について同意を得たという記録を残すことが法的に求められています。これが、運営指導(実地指導)で厳しくチェックされる理由です。
なお、この規定は訪問介護に限らず、全ての介護サービスに共通して設けられています。通所介護であれば「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第104条、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)であれば「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」第4条、居宅介護支援であれば「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」第4条に、それぞれ同様の規定が置かれています。サービス種別が異なっても、「文書を交付して説明し、同意を得る」という基本原則は変わりません。
なお、重要事項説明書の交付義務に違反した場合、運営指導において「改善勧告」や「改善命令」の対象となる可能性があります。さらに悪質な場合は、指定の取消しや効力の停止といった行政処分に発展するリスクもあります。重要事項説明書の適切な作成・交付・管理は、事業所の存続に関わる重要な業務であるという認識を、全職員で共有することが大切です。
重要事項説明書に関して、現場でよく聞かれる疑問を整理しておきましょう。「重要事項説明書と契約書は別々に作らなければならないのか?」という質問がありますが、法的には別の書類として作成することが求められています。重要事項説明書は「説明のための書類」、契約書は「法的な合意を証する書類」であり、役割が異なるためです。ただし、実務上は両者を一体化した様式を使用している事業所もあり、自治体によっては認められている場合もあります。所管の自治体に確認した上で対応しましょう。
また、「利用者が署名できない場合はどうすればよいか?」という疑問もよくあります。利用者本人が身体的な理由で署名できない場合は、本人の意思確認を行った上で、家族や成年後見人などの代理人が署名することが認められています。その際は、「利用者本人の意思を確認の上、代理人として署名する」旨を記録に残しておくことが重要です。

なるほど!重要事項説明書は、ただ作ればいいだけじゃなくて、しっかり説明して同意をもらうまでがセットなんだね!
重要事項説明書に記載すべき項目は、サービス種別によって若干異なりますが、ほとんどの項目は共通しています。まずは、どのサービスでも基本的に記載が必要な共通項目をしっかり押さえましょう。
以下の表は、厚生労働省の運営基準省令や各自治体のモデル様式を参考に、全サービスに共通して記載が求められる主な項目を整理したものです。なお、各項目の具体的な書き方については、後述の「サービス別の記載例」で詳しく解説しますので、まずは全体像を把握してください。
| 大項目 | 主な記載内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 事業者・事業所の概要 | 法人名、所在地、連絡先、事業所の名称、所在地、連絡先、事業開始年月日、指定番号、管理者氏名など | 利用者が事業者を特定し、いつでも連絡が取れるように正確に記載します。 |
| 事業の目的と運営方針 | どのような理念や方針に基づいてサービスを提供するのかを記載します。 | 運営規程と内容を一致させることが重要です。 |
| 営業日・営業時間 | 事業所の営業日・時間、サービス提供が可能な日・時間帯を記載します。 | 時間外の対応についても明記しておくと親切です。 |
| 従業者の勤務体制 | 職種ごとの従業員数(常勤・非常勤の別)、勤務体制(シフト)などを記載します。 | 利用者や家族が、どのようなスタッフからサービスを受けられるのかイメージできるように記載します。 |
| サービスの内容 | 具体的に提供するサービスの内容、利用定員などを記載します。 | 専門用語を避け、誰にでも分かりやすい言葉で具体的に記載することが大切です。 |
| 利用料金・その他の費用 | 介護保険給付対象サービスの自己負担額、食費・居住費などの保険外費用、キャンセル料などを記載します。 | 料金体系は最もトラブルになりやすい部分です。料金表などを用いて、詳細かつ明確に記載します。 |
| 苦情処理の体制・手順 | 苦情を受け付ける窓口、担当者、対応手順などを記載します。 | 事業所内部の窓口だけでなく、市町村や国保連など第三者機関の窓口も併記します。 |
| 事故発生時の対応 | 緊急時の連絡先、事故発生時の対応体制、損害賠償の仕組みなどを記載します。 | 加入している損害賠償保険の内容(保険会社、保険金額など)も明記します。 |
| 秘密保持・個人情報保護 | 利用者や家族の個人情報を適切に取り扱うことを明記します。 | 個人情報利用の目的や範囲について、具体的に記載し同意を得ます。 |
| 虐待の防止に関する事項 | 虐待防止のための体制(責任者、相談窓口など)や取り組みについて記載します。 | 2024年度からの義務化項目であり、運営指導でも厳しくチェックされます。 |
上記の共通項目に加えて、サービス種別ごとに追加で記載が必要な項目があります。例えば、訪問介護では「通常の事業の実施地域」や「訪問介護員等の禁止行為」、通所介護では「送迎の有無」や「食事の提供」、施設サービスでは「居室の種類・設備」や「看取りに関する指針」などです。これらのサービス別の記載例については、次のセクションで詳しく解説します。
また、虐待の防止に関する事項については、2024年度の介護報酬改定で「高齢者虐待防止措置未実施減算」が新設されたことにより、その重要性がさらに増しています。重要事項説明書には、虐待防止委員会の設置状況、虐待防止に関する研修の実施計画(年1回以上)、虐待防止責任者の氏名と連絡先を記載しましょう。身体的拘束等の禁止についても、「利用者又は他の利用者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他利用者の行動を制限する行為を行いません」という趣旨の文言を明記し、やむを得ず身体拘束を行う場合の手続き(切迫性・非代替性・一時性の3要件の確認と記録)についても記載しておくことが望ましいです。
事業者・事業所の基本情報は、重要事項説明書の冒頭に記載する最も基本的な項目です。法人名称、法人の主たる事務所の所在地、法人代表者の氏名に加え、事業所の名称、所在地、電話番号・FAX番号、事業所番号(指定番号)、管理者の氏名を正確に記載します。事業開始年月日(指定日)も忘れずに記載しましょう。利用者が事業所に問い合わせをしたい場合に、すぐに連絡が取れるよう、電話番号は日中に繋がる番号を記載することが大切です。
従業者の勤務体制については、職種ごとの人数を「常勤○名、非常勤○名」のように記載します。管理者、サービス提供責任者(訪問介護の場合)、介護職員、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員など、配置されている全ての職種について記載しましょう。なお、人数は重要事項説明書の作成時点のものを記載し、変更があった場合は速やかに更新します。資格保有者の人数(介護福祉士○名、実務者研修修了者○名など)を記載しておくと、サービスの質の高さをアピールする材料にもなります。
利用料金の記載は、重要事項説明書の中で最もトラブルに繋がりやすく、かつ運営指導でも厳しくチェックされる項目です。介護保険給付の対象となるサービスの自己負担額(1割・2割・3割)はもちろん、介護保険の対象外となる費用(食費、居住費、日用品費、レクリエーション材料費、おむつ代など)についても、金額を明示して記載する必要があります。
料金の記載方法としては、「別紙料金表のとおり」として料金表を添付する方法が一般的です。料金表には、サービスの種類ごとの単位数、1単位あたりの単価、利用者負担割合ごとの自己負担額を一覧にします。加算・減算についても、どのような場合に適用されるのかを分かりやすく記載しましょう。キャンセル料についても、「前日までの連絡:無料」「当日の連絡:利用料の50%」のように、具体的な条件と金額を明記します。
苦情処理の体制については、事業所内の苦情受付窓口(担当者名、電話番号)に加え、第三者機関として市町村の介護保険担当課、国民健康保険団体連合会(国保連)の連絡先を必ず併記します。利用者が事業所に直接言いにくい場合でも、外部の窓口に相談できることを明確にすることで、利用者の安心感に繋がります。苦情受付の方法(電話、書面、面談など)や、苦情を受け付けた後の対応フロー(受付→調査→回答→改善)についても記載しておくと、利用者にとって分かりやすい説明になります。
事故発生時の対応については、事故が発生した場合の連絡体制(誰が・誰に・どのように連絡するか)、応急処置の方針、市町村への報告義務について記載します。また、損害賠償保険への加入状況(保険会社名、保険の種類、補償内容)を明記することで、万が一の事態にも適切に対応できる体制であることを示します。
共通項目に加えて、サービス種別ごとに特有の記載項目があります。ここでは、主要な4つのサービス(訪問介護・通所介護・居宅介護支援・施設サービス)について、それぞれの書き方のポイントと記載例を解説します。
訪問介護では、利用者の居宅に訪問してサービスを提供するため、サービス提供の範囲や緊急時の対応などを特に明確に記載する必要があります。訪問介護の重要事項説明書は、運営指導において最も細かくチェックされる書類の一つです。運営指導の全体像を理解した上で、指摘されやすいポイントを押さえて作成しましょう。
訪問介護の重要事項説明書で特に注意すべき記載項目としては、「通常の事業の実施地域」があります。市区町村名や町名レベルで具体的に記載し、地域外への訪問については交通費の実費負担が発生する旨も明記しましょう。「1kmあたり○○円」のように金額の算出方法まで記載しておくと、利用者との間でトラブルが生じにくくなります。また、訪問介護員等が行ってはならない行為(医療行為、金銭管理、利用者以外の家族のための家事など)についても、重要事項説明書に明記しておくことで、サービス開始後のトラブルを未然に防ぐことができます。
| 訪問介護特有の項目 | 記載例 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 通常の事業の実施地域 | ○○市全域(ただし、離島は除く) | 運営規程と必ず一致させます。実施地域外の利用者から依頼があった場合の交通費の取り扱いについても明記します。 |
| 訪問介護員等の禁止行為 | ・医療行為 ・利用者またはその家族からの金銭・物品の授受 ・利用者の自動車の運転 | できないことを明確に伝えることで、後のトラブルを防止します。 |
| 緊急時の対応 | サービス提供中に利用者の容態が急変した場合は、速やかに主治医及び緊急連絡先へ連絡します。 | 緊急連絡先(家族など)を複数記載してもらうようにします。 |
| サービス提供記録の共有 | サービス提供ごとに提供内容を記録し、毎月1回、利用者様にご確認いただいた上で署名(または押印)をいただきます。 | 記録の確認方法や頻度を具体的に記載します。訪問介護計画書との連携についても触れておくとより丁寧です。 |
訪問介護の重要事項説明書では、上記に加えて「身体介護」と「生活援助」の区分ごとの料金体系を明確に記載することが重要です。利用者にとって、「どのサービスにいくらかかるのか」は最大の関心事です。料金表は別紙として添付し、要介護度別・サービス種類別・時間帯別に自己負担額を一覧にしましょう。また、訪問介護特有の注意点として、ヘルパーの交通費(通常の実施地域外の場合)やキャンセル料の取り扱いについても、金額や条件を具体的に明記する必要があります。
なお、訪問介護の運営指導で重要事項説明書がどのようにチェックされるかについては、「訪問介護の運営指導チェックリスト」で詳しく解説しています。チェックリストに沿って自己点検を行うことで、運営指導前に不備を発見・修正できます。
通所介護では、送迎、食事、入浴など、提供するサービスが多岐にわたるため、それぞれの内容と料金を分かりやすく記載することが重要です。利用者やその家族にとって、「一日の流れがどうなるのか」「どんな食事が出るのか」「入浴はできるのか」といった具体的な情報は、事業所を選ぶ上で非常に重要な判断材料となります。
通所介護の重要事項説明書では、送迎に関する記載が特に重要です。送迎範囲(市区町村名や「事業所からおおむね○km以内」など)、送迎時間の目安、車いす対応車両の有無、送迎時の付き添いの有無について具体的に記載しましょう。送迎を利用しない場合の自己送迎の可否や、その場合の送迎減算の適用についても明記しておくと親切です。食事の提供については、食事代の金額、食事形態の対応(刻み食、ミキサー食等)、アレルギー対応の可否なども記載しておくと、利用者や家族が安心してサービスを利用できます。
| 通所介護特有の項目 | 記載例 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| サービス提供時間 | サービス提供時間:午前9時30分~午後4時45分 | 営業日・営業時間とは別に、実際にサービスを提供する時間を明確に区別して記載します。 |
| 送迎サービス | 送迎実施地域:○○市△△町、□□町 送迎費用:無料(利用料金に含む) | 送迎の実施地域や、送迎を行わないケース(家族送迎の場合など)についても記載します。 |
| 食事の提供 | 昼食代:650円(おやつ代含む) ※アレルギーや治療食にも対応可能ですので、ご相談ください。 | 料金だけでなく、アレルギー対応や食事形態(きざみ食、ミキサー食など)の可否についても記載します。 |
| 機能訓練 | 機能訓練指導員を配置し、利用者一人ひとりの心身の状況に応じた機能訓練計画を作成し、実施します。 | どのような専門職が、どのような訓練を行うのかを具体的に記載します。 |
通所介護の重要事項説明書では、「一日の流れ(タイムスケジュール)」を記載しておくと、利用者やその家族がサービスの具体的なイメージを持ちやすくなります。例えば、「9:00 送迎開始 → 9:30 健康チェック → 10:00 入浴 → 11:00 個別機能訓練 → 12:00 昼食 → 13:00 レクリエーション → 15:00 おやつ → 16:00 送迎開始」のように、時系列で記載する方法が効果的です。
また、通所介護では、利用定員や非常災害対策(避難経路、避難訓練の実施頻度など)についても記載が必要です。特に、利用定員は運営規程と一致していることが運営指導で確認されるため、変更があった場合は速やかに重要事項説明書も更新しましょう。
居宅介護支援事業所は、利用者自身がサービスを選択するというケアマネジメントの根幹を支えるため、中立・公正な立場であることを明確に示す必要があります。
居宅介護支援の重要事項説明書では、「複数のサービス事業所の紹介」が義務付けられていることを明記する必要があります。特定の事業所のみを紹介するのではなく、利用者が自らの意思でサービス事業所を選択できるよう、複数の選択肢を提示することが求められます。また、前6か月間に作成したケアプランにおける訪問介護等の各サービスの利用割合や、同一事業者によるサービスの提供割合についても、利用者に説明することが義務付けられています。
| 居宅介護支援特有の項目 | 記載例 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 利用料 | 介護保険制度から全額給付されるため、自己負担はありません。 | 利用者負担が発生しないことを明確に記載します。ただし、保険料滞納による給付制限がある場合は例外となることも補足します。 |
| ケアプラン作成の流れ | 1.課題分析(アセスメント) → 2.ケアプラン原案作成 → 3.サービス担当者会議 → 4.ケアプラン確定・交付 | 利用者がケアプラン作成プロセスにどのように関わるのかを分かりやすく図示するなど工夫します。 |
| 特定の事業者への集中 | 前年度に当事業所が作成したケアプランのうち、訪問介護について、同一の事業者によって提供されたものの割合が80%を超えている場合は、その理由を説明します。 | 特定事業所集中減算の対象となる可能性がある場合は、その旨と理由を正直に記載します。 |
| 介護支援専門員の担当 | 担当の介護支援専門員:○○ ○○ ※担当者の変更を希望する場合は、管理者までお申し出ください。 | 担当ケアマネジャーの氏名を明記し、変更希望時の手続きについても案内します。 |
居宅介護支援の重要事項説明書で特に重要なのは、「利用者はサービスを自由に選択できる」という点を明確に記載することです。ケアマネジャーが特定の事業所のサービスを一方的に決めるのではなく、利用者自身が複数の選択肢の中から自分に合ったサービスを選べることを、重要事項説明書の中で明示する必要があります。これは、居宅介護支援の中立・公正性を担保するための重要な規定です。
さらに、2024年度の介護報酬改定では、ケアマネジャーが利用者に対して、ケアプランに位置付けたサービスの費用の総額や、各サービスの費用の内訳を説明する義務が強化されました。この点についても、重要事項説明書に反映させておくことが望ましいです。
施設サービスでは、利用者が生活の場を移すことになるため、居住に関する事項が特に重要になります。居室の種類や設備、利用上の注意点、面会ルール、看取りに関する方針など、生活全般に関わる情報を詳細に記載する必要があります。入所を検討している利用者やその家族は、「どのような環境で生活できるのか」を最も気にしています。可能であれば、施設見学の際に重要事項説明書を用いて説明し、実際の環境と照らし合わせながら理解を深めてもらうことが理想的です。
| 施設サービス特有の項目 | 記載例 | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 居室の種類・設備 | 居室の種類:個室、多床室(4人部屋) 主な設備:ベッド、ナースコール、洗面台、テレビ回線 | 居室ごとの面積や料金の違いを明確に記載します。写真や図面を添付するとより分かりやすくなります。 |
| 居住費・食費 | 居住費:多床室 870円/日 食費:1,445円/日 ※所得段階に応じた負担限度額認定が適用される場合があります。 | 介護保険給付外の費用であることを明確にし、負担限度額認定制度についても案内します。 |
| 面会・外出・外泊 | 面会時間:午前9時~午後8時 外出・外泊を希望される場合は、3日前までに所定の届出書を提出してください。 | 感染症対策などによる面会制限の可能性についても触れておくと、後のトラブルを防げます。 |
| 看取りに関する指針 | 当施設では、ご本人及びご家族の意思を尊重し、医師の判断に基づき、施設での看取り介護を実施します。詳細は別紙「看取り介護に関する指針」をご確認ください。 | 看取り介護の方針や手順、家族の関わり方などを具体的に記載した文書を別途用意し、説明・同意を得ます。 |
施設サービスの重要事項説明書は、居宅サービスと比較して記載項目が多くなる傾向があります。利用者が施設で生活する上で必要な全ての情報を網羅する必要があるためです。具体的には、居室の種類・面積・設備に加え、共有スペース(食堂、浴室、リハビリ室など)の設備、持ち込み可能な私物の範囲、洗濯サービスの有無と費用、理美容サービスの提供体制、医療機関との連携体制(協力病院・協力歯科医院の名称と連絡先)なども記載します。
特に、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)では、入所の優先順位に関する事項(入所判定委員会の仕組みなど)や、退所に関する事項(どのような場合に退所を求められるか)についても、明確に記載しておく必要があります。これらは入所後のトラブルを防ぐために非常に重要な項目です。退所に関しては、「入院が3か月を超えた場合」「利用料の支払いが3か月以上滞った場合」など、具体的な条件を明記しておくことで、後のトラブルを未然に防ぐことができます。
施設サービスの重要事項説明書では、看取りに関する指針の記載も重要です。看取り介護加算を算定している施設では、看取りに関する方針(看取りの場所、医師の対応体制、家族への連絡方法など)を重要事項説明書に記載し、入所時に利用者・家族に説明しておく必要があります。入所後の生活に関するルール(面会時間、外出・外泊の手続き、持ち込み品の制限など)についても、できるだけ具体的に記載しておくと、入所後の生活がスムーズに始められます。
「一から作るのは大変…」という方のために、厚生労働省や各自治体が公式のテンプレート(ひな形)を公開しています。これらを活用することで、作成の手間を大幅に削減できます。
テンプレートを活用する最大のメリットは、法令で求められる記載項目の漏れを防げることです。特に、初めて重要事項説明書を作成する事業所や、新しいサービスを開始する際には、テンプレートをベースにすることで、効率的かつ確実に書類を整備できます。以下に、主要なテンプレートの入手先を紹介します。
厚生労働省は、各サービス種別の運営規程や重要事項説明書の標準様式を示しています。まずはこの内容をベースに作成するのが基本となります。厚生労働省の様式は、法令で求められる最低限の記載事項を網羅しているため、これをベースにすれば記載漏れのリスクを大幅に軽減できます。ただし、あくまで「標準」であるため、事業所の実態に合わせたカスタマイズは必須です。特に、料金体系は事業所ごとに異なるため、テンプレートの金額をそのまま使用するのではなく、必ず自社の料金に書き換えてください。また、テンプレートに記載されている「○○」や「△△」などのプレースホルダーが残っていないか、最終チェックを忘れずに行いましょう。
多くの自治体では、地域の特性に合わせてカスタマイズしたモデル様式をウェブサイトで公開しています。事業所のある自治体の様式を確認し、活用しましょう。
| 公開元 | リンク | 主な対象サービス |
|---|---|---|
| 厚生労働省 | 介護サービス事業者のための業務管理手順書・様式例 | 全般 |
| 大阪府 | 事業者指導関係様式ライブラリー | 訪問介護、通所介護など |
| 東京都福祉局 | 介護保険事業者・施設等に関する様式 | 特定施設、地域密着型など |
| 神奈川県 | 運営規程・重要事項説明書モデル | 居宅サービス、施設サービスなど |
テンプレートはあくまで「ひな形」です。そのまま使うのではなく、必ず自社のサービス内容や運営方針に合わせて内容を修正・追記する必要があります。特に、料金体系や独自のサービスについては、実態に合わせて正確に記載しましょう。テンプレートに記載されている「○○」や「△△」などのプレースホルダーが残っていないか、最終チェックを忘れずに行いましょう。テンプレートをそのまま使用していることが運営指導で判明した場合、「事業所の実態を反映していない」として指摘を受ける可能性があります。
テンプレートを活用する際に特に注意すべきポイントは以下の通りです。まず、テンプレートの記載例をそのまま残してしまうケースです。「○○市」「△△事業所」といったサンプル文言が残っていると、運営指導で「実態と異なる」として指摘される原因になります。次に、テンプレートが古い法令に基づいている場合があります。ダウンロードする際は、必ず最終更新日を確認し、最新の法改正に対応しているかを確認してください。最後に、テンプレートに含まれていない自社独自のサービスや料金(保険外サービスなど)は、必ず追記する必要があります。
重要事項説明書は、作成するだけでなく、適切に説明し、同意を得るプロセスが極めて重要です。どれだけ完璧な書類を作成しても、説明が不十分であったり、同意の手続きに不備があったりすれば、運営指導で指摘を受けるだけでなく、利用者との信頼関係を損なう原因にもなります。ここでは、正しい手順と注意点を解説します。
重要事項説明書を交付し、項目ごとに丁寧に説明する。専門用語は避け、分かりやすい言葉で伝える。
利用者・家族からの質問を受け、疑問点がなくなるまで回答する。
全ての内容に納得・同意いただけたら、重要事項説明書と契約書に署名・捺印をいただく。
事業者・利用者双方で1部ずつ保管する。
説明の際は、一方的に読み上げるのではなく、利用者や家族の反応を見ながら、理解度に合わせてペースを調整することが大切です。特に高齢の利用者の場合は、文字が小さくて読みにくい場合もあるため、大きめのフォントで印刷した資料を用意したり、重要なポイントにマーカーを引いたりするなどの配慮も有効です。
また、認知症の利用者の場合は、成年後見人や家族(身元引受人)が代理で同意することになりますが、その場合でも、可能な限り利用者本人にも分かりやすい言葉で説明する姿勢が求められます。代理人が同意した場合は、代理人の氏名、利用者との続柄、同意日を記録に残しておきましょう。
2024年度(令和6年度)の介護報酬改定により、利用者の利便性向上や事業者の業務効率化の観点から、書面の電子的な取り扱いが推進されています。重要事項説明書も、一定の要件を満たせば電子交付が可能です。
電子交付を導入することで、紙の印刷・郵送コストの削減、書類の紛失リスクの低減、保管スペースの節約といったメリットが得られます。一方で、高齢の利用者の中にはデジタル機器の操作に不慣れな方もいるため、電子交付と紙の交付を利用者が選択できるようにしておくことが望ましいでしょう。なお、電子交付を行う場合でも、利用者が希望すれば紙の書面を交付する義務があることに注意してください。電子交付はあくまで「選択肢の一つ」であり、紙の交付を完全に廃止することはできません。
介護ソフトの中には、電子契約機能を備えたものもあります。こうしたツールを活用することで、ペーパーレス化とコンプライアンス遵守を両立できます。詳しくは「【実地指導・監査】介護ソフトから紙で出力しなくてよい!?」の記事も参考にしてください。
説明・同意のプロセスでは、以下のようなミスが起こりがちです。運営指導での指摘にも繋がりかねないため、事前に対策を講じておきましょう。特に、新規利用者の受け入れが多い時期(4月の介護報酬改定後など)は、手続きが煩雑になりがちです。チェックリストを活用して漏れを防ぎましょう。
| よくあるミス | 対策 |
|---|---|
| サービス開始後の「後追い同意」 | 必ずサービス提供開始前に同意を得るプロセスを完了させる。緊急時などやむを得ない場合でも、可及的速やかに手続きを行う。 |
| 説明を省略し、署名だけもらう | 時間がなくても、重要なポイントは必ず口頭で説明する。特に料金やキャンセル規定、緊急時対応は必須。 |
| 家族にのみ説明し、本人への説明が不十分 | 認知症等で本人の理解が難しい場合でも、本人の尊厳に配慮し、可能な限り本人に語りかける姿勢が重要。 |
| 改訂後の再同意を取得していない | 料金変更やサービス内容の変更など、利用者に影響がある変更があった場合は、変更内容を説明し、改めて同意を得る。 |
| 控えを利用者に渡していない | 署名・捺印後、必ず1部を利用者に交付する。事業者側の控えだけでなく、利用者側の控えの管理も確認する。 |
これらのミスを防ぐためには、説明・同意のプロセスをマニュアル化し、チェックリストを用いて確認する仕組みを構築することが効果的です。「説明日」「説明者」「同意日」「署名者」「控え交付の有無」などをチェックリスト化し、利用者ごとに記録を残しておけば、運営指導の際にも慌てることなく対応できます。

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これまで事業所内の見やすい場所への掲示が義務付けられていた重要事項ですが、2024年度の介護報酬改定で、原則としてウェブサイトでの公表が義務化される方針が示されました。経過措置期間を経て、2025年度(令和7年度)から完全義務化となるため、早めの対応が必要です。
この義務化は、利用者がサービスを選択する際に、必要な情報にいつでも容易にアクセスできるようにすることを目的としています。事業所の透明性を高め、利用者本位のサービス選択を促進する狙いがあります。
なお、介護サービス情報公表システム(厚生労働省が運営するデータベース)への情報登録は従来から義務付けられていますが、これに加えて自社ホームページ等でも重要事項説明書を公開することで、利用者がサービスを比較検討しやすい環境が整備されます。情報公表システムと自社ホームページの両方に掲載する場合は、内容に齟齬がないよう注意してください。
具体的には、2024年度の介護報酬改定において、運営基準に「重要事項についてインターネットを利用して公表しなければならない」旨の規定が追加されました。2024年度中は経過措置として努力義務でしたが、2025年4月1日以降は完全義務化となります。対応が遅れると、運営指導で指摘を受ける可能性があるため、まだ対応していない事業所は早急に準備を進めてください。
「自社のホームページがないと対応できないの?」と心配されるかもしれませんが、その必要はありません。厚生労働省は、「介護サービス情報公表システム」に重要事項を掲載することで、ウェブサイト掲載義務を果たしたものとみなす、という見解を示しています。
多くの事業所は既にこのシステムに情報を登録しているはずですが、今後は掲載内容が重要事項説明書と一致しているか、最新の情報に更新されているかを、より一層厳しく確認する必要があります。
介護サービス情報公表システムでの掲載にあたっては、以下の点に注意してください。まず、年1回の情報更新(報告)を確実に行うこと。更新を怠ると、古い情報が公開され続けることになり、利用者に誤解を与える可能性があります。次に、掲載内容と重要事項説明書の内容を照合し、齟齬がないことを確認すること。特に、料金、営業時間、従業者数などの数値情報は、変更があるたびに両方を更新する必要があります。
ウェブサイトでの公表が義務化されても、事業所内での掲示義務がなくなるわけではありません。引き続き、事業所の見やすい場所(受付や待合室など)に、運営規程の概要や勤務体制、料金などを掲示する必要があります。ファイルにまとめて閲覧できるようにしておく方法も認められています。
実務的な対応としては、重要事項説明書のPDFファイルを自社ホームページに掲載する方法が最もシンプルです。ホームページがない事業所は、介護サービス情報公表システムへの登録内容を最新の状態に更新することで対応できます。いずれの場合も、重要事項説明書の内容を変更した際は、ウェブサイト上の情報も速やかに更新することを忘れないようにしましょう。更新日を明記しておくと、利用者にとっても分かりやすくなります。
最新の重要事項説明書をPDF形式で作成する
自社ホームページまたは介護サービス情報公表システムに掲載する
掲載日(更新日)を明記する
重要事項説明書の内容を変更した場合は、速やかにウェブサイト上の情報も更新する
定期的に(少なくとも年1回)掲載内容と実際の重要事項説明書の内容が一致しているか確認する
| 掲載・掲示が必要な主な項目 |
|---|
| ・事業の目的及び運営の方針 |
| ・従業者の職種、員数及び職務の内容 |
| ・営業日及び営業時間 |
| ・利用料その他の費用の額 |
| ・サービスの内容、利用定員 |
| ・虐待の防止のための措置に関する事項 |
| ・事故発生時の対応 |
| ・苦情処理の体制及び手順 |
重要事項説明書は、運営指導(実地指導)における最重要チェックポイントの一つです。ここでは、実際に指摘を受けやすい不備をランキング形式で紹介します。自社の書類に当てはまるものがないか、確認してみてください。
運営指導の全体像については、「【2026年最新】訪問介護の運営指導(実地指導)対策パーフェクトガイド」で詳しく解説しています。
最も多い指摘が、重要事項説明書と運営規程の内容が異なっているケースです。「営業時間が違う」「通常の実施地域が違う」「料金表が古い」など、片方の書類だけを修正して、もう片方を修正し忘れることで発生します。両者は必ずセットで改訂する癖をつけましょう。
この不一致を防ぐための実務的な対策としては、改訂時に「運営規程・重要事項説明書・契約書」の3点をセットで見直すチェックリストを作成し、改訂作業の際に必ずこのリストに沿って確認する方法が効果的です。また、改訂箇所を赤字で示した「新旧対照表」を作成しておくと、どこを変更したかが一目で分かり、見落としを防げます。
事業所の名称・所在地・連絡先は一致しているか
営業日・営業時間は一致しているか
通常の事業の実施地域は一致しているか
従業者の職種・員数は最新の状態か
利用料金・加算の内容は最新の報酬改定に対応しているか
苦情処理の担当者・連絡先は正しいか
虐待防止責任者の氏名は正しいか
介護報酬改定や加算・減算の変更があったにもかかわらず、料金表が古いままになっているケースです。これにより、利用者への請求額と説明内容が食い違い、返金指導に繋がることもあります。特に、介護職員処遇改善加算などの料率が変わる際は注意が必要です。
料金改定への対応を確実に行うためには、介護報酬改定のスケジュール(通常、改定の前年に告示される)を把握し、改定内容が確定したら速やかに料金表の更新作業に着手することが重要です。改定後の単位数や加算率をもとに新しい料金表を作成し、重要事項説明書に添付している料金表も差し替えます。既存の利用者に対しては、改定内容と新しい料金について書面で通知し、必要に応じて改めて同意を得ましょう。
重要事項説明書への同意署名の日付が、サービス利用開始日よりも後になっている「後追い同意」の状態です。これは「説明・同意を得てからサービスを開始する」という大原則に反するため、厳しく指摘されます。必ずサービス開始前に同意を得ることを徹底してください。
実務上、ケアマネジャーからの紹介で急遽サービスを開始しなければならないケースもあります。このような場合でも、少なくとも電話やオンラインで重要事項の概要を説明し、書面での正式な同意はサービス開始後できるだけ早い段階(遅くとも初回訪問時)で得るようにしましょう。その際、「○月○日に電話にて概要を説明済み」といった記録を残しておくことが重要です。また、サービス担当者会議の記録や、ケアマネジャーとの連絡記録にも、重要事項の説明状況を記載しておくと、運営指導の際に経緯を説明しやすくなります。
法改正によって新たに追加された義務項目が記載されていないケースです。直近では「虐待の防止に関する事項」が代表例です。BCP(事業継続計画)に関する記載なども、今後求められる可能性があります。常に最新の運営基準を確認する姿勢が重要です。法改正の情報は、厚生労働省のウェブサイトや都道府県・市町村からの通知で確認できますが、日常業務に追われて見落としがちです。定期的に(少なくとも年1回)法改正情報を確認する仕組みを作っておくことが重要です。
法改正への対応が遅れる原因の多くは、「情報収集の仕組みがない」ことにあります。厚生労働省のメールマガジンや、都道府県・市町村からの通知を定期的にチェックする担当者を決めておくことで、法改正情報の見落としを防げます。また、介護関連の業界団体やセミナーに参加することも、最新情報をキャッチアップする有効な手段です。
改訂したにもかかわらず、古いバージョンの重要事項説明書を利用者に渡してしまったり、職員が参照してしまったりするケースです。書類のフッターなどに「Ver.3.0(2026年4月1日改訂版)」のようにバージョン情報を明記し、常に最新版がどれか分かるように管理することが不可欠です。
これら5つの不備に共通しているのは、「作成した後の管理が不十分」という点です。重要事項説明書は「作って終わり」ではなく、常に最新の状態を維持し、関連書類との整合性を保ち続けることが求められます。運営指導は、書類の内容だけでなく、「書類を適切に管理・運用する体制が整っているか」も評価の対象としています。日頃から書類管理の仕組みを整備しておくことが、運営指導対策の最も確実な方法です。

うわぁ、耳が痛い話ばかり…。特に版管理は大変だよね。訪問介護事業所なら、運営指導対策や特定事業所加算の維持・取得のことも含めて、コミミのチームに相談してみるのも一つの手だよ!専門家が書類の隅々までチェックしてくれるから安心!
重要事項説明書は、一度作成したら終わりではありません。事業所の状況や法令の変更に合わせて、定期的に見直しと更新が必要です。更新を怠ると、運営指導での指摘や利用者とのトラブルの原因になります。
3年に1度の介護報酬改定は、最も重要な見直しのタイミングです。特に以下の点は必ず確認しましょう。改定時には、単位数の変更だけでなく、新たな加算の創設や既存加算の算定要件の変更、新たな義務化項目の追加なども行われるため、料金表の更新だけでなく、重要事項説明書の本文も含めた包括的な見直しが必要です。
介護報酬改定は3年に1度ですが、その間にも処遇改善加算の見直しや、地域区分の変更など、料金に影響する変更が行われることがあります。改定情報は、厚生労働省の「介護事業所・生活関連情報検索」や、WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)のウェブサイトで確認できます。改定のたびに、重要事項説明書の料金表と運営規程を同時に見直す習慣をつけましょう。
介護報酬改定以外にも、以下のような変更があった場合は、その都度、重要事項説明書を見直す必要があります。変更が生じた場合は、速やかに(遅くとも1か月以内に)重要事項説明書を更新し、既存の利用者にも変更内容を説明した上で再同意を得ることが望ましいです。
| 見直しタイミング | 主な確認・修正項目 |
|---|---|
| 管理者が交代した | 管理者氏名 |
| 事業所を移転した | 事業所の所在地、連絡先、通常の実施地域 |
| 営業時間を変更した | 営業日・営業時間 |
| 新たなサービスを開始した | サービスの内容 |
| 料金を変更した(保険外サービスなど) | 利用料金、その他の費用 |
| 加算の届出内容を変更した | 加算の算定状況、利用料金 |
| 協力医療機関を変更した | 緊急時の連絡先、協力医療機関名 |
| 苦情担当者が変わった | 苦情処理の体制(担当者名、連絡先) |
上記のような変更が発生した場合は、変更後速やかに(目安として1か月以内に)重要事項説明書を更新することが望ましいです。変更内容によっては、既存の利用者に対して変更の通知と再同意が必要になる場合もあります。特に、利用料金の変更は利用者に直接影響するため、変更前に十分な説明期間を設け、書面で通知した上で同意を得るプロセスを踏みましょう。
更新のたびに、誰が・いつ・何を・なぜ変更したのかが分かるように管理することが重要です。版管理が適切に行われていないと、「どの利用者にどのバージョンの書類で同意を得たのか」が分からなくなり、運営指導で混乱を招くことになります。以下の方法を参考に、確実な版管理体制を構築しましょう。
版管理で特に注意すべきなのは、既存の利用者への対応です。重要事項説明書の内容に変更があった場合、新規利用者には改訂版を用いて説明・同意を得ればよいのですが、既存の利用者に対しても変更内容を説明し、必要に応じて改めて同意を得る必要があります。特に、料金変更やサービス内容の変更など、利用者に直接影響がある変更については、書面で通知し、同意の署名をいただくことが望ましいです。
また、改訂前の旧版は、少なくとも保存期間(サービス提供完了後2年間、自治体によっては5年間)が経過するまで破棄せず、保管しておく必要があります。運営指導の際に、過去の利用者に対してどのバージョンの重要事項説明書で同意を得ていたかを確認されることがあるためです。
ここまで見てきたように、重要事項説明書の作成・管理は非常に煩雑な業務です。記載項目の多さ、法改正への対応、版管理、既存利用者への通知・再同意、ウェブサイトへの掲載など、やるべきことは山積みです。特に小規模な事業所では、管理者やサービス提供責任者が一人で全ての書類業務を担っているケースも多く、大きな負担となっています。
この業務を効率化し、本来のケア業務に集中するためには、ツールの活用が欠かせません。ここでは、具体的な効率化の方法を2つ紹介します。
多くの介護ソフトには、重要事項説明書や契約書などの帳票を作成・管理する機能が搭載されています。介護ソフトを活用するメリットは以下の通りです。電子署名機能を搭載したソフトであれば、重要事項説明書の説明・同意手続きをタブレット上で完結させることも可能です。紙の書類を印刷・保管する手間が省けるだけでなく、「いつ・誰が・どの内容で同意したか」がデータとして自動的に記録されるため、運営指導の際にもスムーズに対応できます。
特に、法改正対応は介護ソフトを利用する最大のメリットの一つです。介護報酬改定のたびに、料金表や帳票のフォーマットを手動で更新する作業は、非常に手間がかかるだけでなく、ミスのリスクも伴います。介護ソフトであれば、メーカーがアップデートを提供してくれるため、常に最新の法令に準拠した書類を作成できます。
どの介護ソフトを選べば良いか分からない方は、「【2026年】介護ソフト人気ランキング32選」で様々なソフトを比較検討してみてください。自社の規模やサービス種別に合ったソフトを選ぶことが、業務効率化の第一歩です。
特に訪問介護事業所の場合、重要事項説明書は運営指導対策や特定事業所加算の算定において、極めて重要な役割を果たします。
「自社の書類が適切か不安…」「加算要件を満たせているか専門家に見てほしい」といったお悩みをお持ちの方には、コミミのチームの活用がおすすめです。経験豊富な専門家が、重要事項説明書を含む運営指導対策や、特定事業所加算の維持・取得を徹底的にサポートします。
コミミのチームが選ばれる理由は、訪問介護に特化した専門性の高さにあります。重要事項説明書はもちろん、運営規程、訪問介護計画書、サービス提供記録など、訪問介護で必要な書類全般について、法令に準拠しているかどうかを専門家の目でチェックしてもらえます。「自分たちだけでは不安」「運営指導の通知が来てから慌てたくない」という事業所は、ぜひ一度相談してみてください。
重要事項説明書・運営規程・契約書の整合性チェック
運営指導で指摘されやすいポイントの事前点検
特定事業所加算の算定要件の確認と維持支援
法改正に伴う書類の更新サポート
運営指導当日の対応に関するアドバイス
詳しくはコミミのチームの詳細ページをご確認ください。
コミミのチームでは、訪問介護事業所の運営に精通した専門スタッフが、重要事項説明書や運営規程、契約書などの書類が最新の法令に適合しているかを一つひとつ確認します。さらに、特定事業所加算の算定に必要な体制整備(研修計画の策定、会議の実施記録、緊急時対応マニュアルの整備など)についても、具体的なアドバイスと実務支援を提供しています。「運営指導が来ても慌てない体制」を一緒に構築できるのが、コミミのチームの最大の強みです。

書類仕事は専門家やツールに任せて、僕たちは利用者さんとの時間をもっと大切にしたいよね!
今回は、介護事業所の重要事項説明書の書き方について、網羅的に解説しました。
重要事項説明書は、単なる「形式的な書類」ではありません。利用者がサービスを選択し、安心して利用するための重要な情報源であり、事業者と利用者の信頼関係を築く第一歩です。また、適切に作成・管理された重要事項説明書は、運営指導への備えとしてだけでなく、事業所の信頼性やサービスの質を対外的に示す「名刺」のような役割も果たします。
重要事項説明書は、契約前にサービス内容を説明し、同意を得るための法的に必須の書類であり、利用者との信頼関係構築の第一歩。
記載項目は、全サービス共通の項目(事業者情報、料金、苦情処理など)と、サービス種別ごとの特有の項目(訪問介護の実施地域、通所介護の送迎、施設サービスの居住費など)がある。
厚生労働省や自治体のテンプレートを活用しつつ、必ず自社の実態に合わせて内容をカスタマイズする。サンプル文言の残存に注意。
説明・同意はサービス提供開始前に必ず行い、利用者本人(または代理人)の署名・捺印をもらう。「後追い同意」は厳禁。
2025年度からウェブサイトでの公表が完全義務化。介護サービス情報公表システムの活用も有効。
運営指導での指摘を防ぐため、運営規程・契約書との整合性チェックと版管理を徹底する。
介護報酬改定時や事業所の体制変更時は、速やかに重要事項説明書を更新し、既存利用者への通知も忘れずに。
介護ソフトや専門家のサポートを活用し、作成・管理業務を効率化する。訪問介護事業所はコミミのチームの活用もおすすめ。
重要事項説明書を適切に作成・運用することは、コンプライアンス遵守はもちろんのこと、利用者やその家族からの信頼を得て、質の高い介護サービスを提供するための基盤となります。重要事項説明書は、単なる「書類」ではなく、利用者との信頼関係を築くための「コミュニケーションツール」です。丁寧に作成し、心を込めて説明することで、利用者に「この事業所を選んでよかった」と思ってもらえる第一歩になります。
この記事を参考に、ぜひ自社の重要事項説明書を見直してみてください。特に、2025年度からのウェブサイト掲載義務化への対応がまだの事業所は、早急に準備を進めることをお勧めします。
訪問介護事業所の運営でお悩みの方は、ぜひ一度コミミのチームにご相談ください。
最後に、重要事項説明書の作成・管理に取り組む際の心構えとして、「完璧を目指すよりも、まず現状の書類を見直すことから始める」ことをおすすめします。本記事で紹介したチェックポイントに沿って自社の重要事項説明書を確認し、不備があれば一つずつ修正していきましょう。一度に全てを完璧にする必要はありません。大切なのは、継続的に見直しと改善を行う仕組みを作ることです。
本記事が、皆様の重要事項説明書の作成・管理業務の一助となれば幸いです。ご不明な点やお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。皆様の事業所の運営がより良いものとなることを、コミミのスタッフ一同、心より応援しております。
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