ケアマネ研修記録シートの書き方!具体的な記入例やポイント

介護現場の声・悩み

ケアマネ研修記録シートの書き方!具体的な記入例やポイント
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こみたろう

研修記録シートってどう書けばいいんだろう?
とりあえず書いてみたけどこれで合っているのかな?

このように研修記録シートの書き方を迷う方も多いのではないでしょうか。

ケアマネージャー(介護支援専門員)といえば、介護保険に関わるプロフェッショナル。

介護を必要としている方がしかるべき介護保険サービスを受けられるように、ケアプラン(介護サービス計画書)の作成や介護サービス事業者との調整、利用者の相談対応などさまざまな業務をします。

ケアマネージャー(介護支援専門員)になるための研修のなかで不可欠なのが、研修記録シート です。

研修成果を随時確認するための大切なシートですが、構成や記入方法が難しく迷われる方も多いのではないでしょうか。

そのような方々のために、今回はケアマネージャー(介護支援専門員)の研修記録シートの書き方を徹底解説します。

これを読めば研修記録シートにつまずくことなく記入できるようになるでしょう。

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ケアマネージャーの研修記録シートとは?

ケアマネージャー(介護支援専門員)になるには、所定の実務経験に加えて「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。

その研修のなかで使用するのが「研修記録シート」です。

研修記録シートは、研修の前、研修受講中、受講後に使用し、それぞれの段階での理解度を確認するためのものです。

そうすることで受講の目的や課題を再確認し、継続的な成果向上に役立てられます。

研修記録シートの役割

研修記録シートの大きな役割は、研修の理解度の把握と研修目標の再確認です。

研修受講前、受講開始後、受講3ヵ月後……と定期的にシートを記入することで、自分の進捗具合や理解度を都度確認できます。

さらに、研修受講中に感じた良かったことや、できなかったこと、あまり理解しきれなかった課題点などを振り返って書きだすことで、今後の目標設定の見直しに役立てられます。

研修記録シートの種類

研修記録シートは、更新のタイミングや更新対象の属性ごとにシートの種類が分かれています。

種類は下記のとおりです。

・専門研修課程Ⅰ

・専門研修課程Ⅱ

・更新研修(実務未経験者)、再研修

・主任介護支援専門員研修

・主任介護支援専門員更新研修

・実務研修

それぞれ科目が異なるので、1つずつ解説します。

研修記録シート【専門研修課程Ⅰ】

実務経験者で初回更新の方を対象にしたものです。

科目内容は下記のとおりです。

① ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定

② 介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状

③ 対人個別援助技術及び地域援助技術

④ ケアマネジメントの実践における倫理

⑤ ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

⑥ ケアマネジメントの演習

 ⑥-1「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

 ⑥-2「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

 ⑥-3「認知症に関する事例」

 ⑥-4「入退院時等における医療との連携に関する事例」

 ⑥-5「家族への支援の視点が必要な事例」

 ⑥-6「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

 ⑥-7「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

⑦ 個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習

⑧ 研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

研修記録シート【専門研修課程Ⅱ】

実務経験者で更新が2回目以降の方を対象にしたものです。

科目内容は下記のとおりです。

① 介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開

② ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

 ②-1「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

 ②-2「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

 ②-3「認知症に関する事例」

 ②-4「入退院時等における医療との連携に関する事例」

 ②-5「家族への支援の視点が必要な事例」

 ②-6「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

 ②-7「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

研修記録シート【更新研修(実務未経験者)・再研修】

続いては、更新研修(実務未経験者)の方や再研修の方用のシートです。

科目内容は下記のとおりです。

① 介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント

② ケアマネジメントに係る法令等の理解

③ 自立支援のためのケアマネジメントの基本

④ 介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)

⑤ 地域包括ケアシステム及び社会資源

⑥ 人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

⑦ ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義

⑧ ケアマネジネントの展開 「基礎理解」

⑨ ケアマネジネントの展開 「脳血管疾患に関する事例」

⑩ ケアマネジネントの展開 「認知症に関する事例」

⑪ ケアマネジネントの展開 「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」

⑫ ケアマネジネントの展開 「内蔵の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」

⑬ ケアマネジネントの展開 「看取りに関する事例」

⑭ アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習

研修記録シート【主任介護支援専門員研修】

こちらは、主任介護支援専門員の方のシートです。

「主任介護支援専門員」とは、介護支援専門員の上位資格をもつ介護相談のスペシャリストこと。

介護支援専門員のなかでも十分な経験や知識がある方が、専用の試験を受けて取得できます。

科目内容は下記のとおりです。

① 主任介護支援専門員の役割と視点

② ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援

③ ターミナルケア

④ 人材育成及び業務管理

⑤ 運営管理におけるリスクマネジメント

⑥ 地域援助技術

⑦ ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

⑧ 対人援助者監督指導

⑨ 個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開

研修記録シート【主任介護支援専門員更新研修】

こちらは、主任介護支援専門員の更新用シートです。

科目内容は下記のとおりです。

① 介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向

② 主任介護支援専門員としての実践と振り返りと指導及び支援の実践

 ②-1「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

 ②-2「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

 ②-3「認知症に関する事例」

 ②-4「入退院時における医療との連携に関する事例」

 ②-5「家族への支援の視点が必要な事例」

 ②-6「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

 ②-7「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事」例

研修記録シート【実務研修】

最後は、実務研修の方用のシートです。

科目内容は下記のとおりです。

① 介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント

② 自立支援のためのケアマネジメントの基本

③ 相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

④ 人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

⑤ 利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意

⑥ ケアマネジメントのプロセス

⑦ ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

 ⑦-1「受付及び相談並びに契約」

 ⑦-2「アセスメント及びニーズの把握の方法」

 ⑦-3「居宅サービス計画等の作成」

 ⑦-4「サービス担当者会議の意義及び進め方」

 ⑦-5「モニタリング及び評価」

⑧ 介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)

⑨ 地域包括ケアシステム及び社会資源

⑩ ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義

⑪ ケアマネジメントに係る法令等の理解

⑫ 実習オリエンテーション

⑬ ケアマネジマントの基礎技術に関する実習

⑭ 実習振り返り

⑮ ケアマネジネントの展開

 ⑮-1「基礎理解」

 ⑮-2「脳血管疾患に関する事例」

 ⑮-3「認知症に関する事例」

 ⑮-4「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」

 ⑮-5「内蔵の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」

 ⑮-6 「看取りに関する事例」

⑯ アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習

⑰ 研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

研修記録シートの書き方・記入例

これらの研修記録シートの内容はすべて、以下の3種類のシートで構成されています。

・研修記録シート1(目標)

・研修記録シート2(評価)

・研修記録シート3(振り返り)

シートの記入者と内容は下記のとおりです。

種類

目的

記入者

内容

研修記録シート1

目標

管理者

受講者

管理者・受講者が一緒に目標を設定

研修記録シート2

評価

受講者のみ

受講前後の理解度を記録

研修記録シート3

振り返り

受講者のみ

受講中の気付きを記録

それぞれのシート内容と記載例を1つずつ具体的に解説します。

記入例|研修記録シート1(目標)

まず1つ目のシートは、「目標」を共有するものです。

研修の受講者と管理者が、研修の受講前に「研修に期待すること」「研修の目標」をすり合わせてシートに記入します。

さらに受講3ヵ月後には、このとき設定した「研修の目標」に対する評価をあらためて記入します。

まず受講前の記入方法から見ていきましょう。

受講者は受講の目標を書きます。

これから始まる研修が終わったあとに、どのような行動ができているようになりたいか……という目標です。

次に、管理者も管理者欄に記入します。

内容は、受講者に研修のなかで学んでほしいことや期待することを書きます。

受講前はここまでの記入でOKです。

次は研修開始3ヵ月後を目安に記入します。

シートの最後に3ヵ月後用の記入欄もあるので、そこに記入しましょう。

まずは受講者が、実際に研修を受けてみて、最初に記入した目標がどのくらい達成されているかの進捗や、今の考えなどを書きます。

そのあと、管理者も受講者の目標達成度などを記入します。

これで、1つ目の「研修記録シート1(目標)」の記入は完了です。

記入例|研修記録シート2(評価)

2つ目は「評価」をする自己評価シートです。

このシートは受講者のみ記入します。

評価を記入するタイミングは3回で、

・受講前

・受講直後

・受講3ヵ月後

です。

さらにそれぞれ科目ごとにシートが分かれているので、学ぶ内容に合わせて記入します。

シートには、まず研修名と科目名、自分の名前などを記入します。

続いて、その下の欄に、

・「受講前」には、受講前の段階での自己評価を

・「受講直後」には、受講直後の自己評価

・「受講3ヵ月後」には、実践で活用したなかでの自己評価

をそれぞれ記入します。

「研修記録シート2(評価)」の記入はここまででOKです。

記入した評価内容を定期的に見返して、今後の学習計画に役立てましょう。

記入例|研修記録シート3(振り返り)

3つ目は「振り返り」をするシートです。受講の直後から継続して記入し続けます。

2つ目同様に科目ごとのシートがあり、記入は受講者のみです。

こちらもまずは研修名と科目名、自分の名前などを記入します。

その下に、受講後に感じたことや学べたことを記入していきます。

内容は研修を受講しているなかで理解できなかったこと、腑に落ちなかったことなどのネガティブなものから、うれしかったこと、講師の話し方について感じたことなどを自由に書きます。

空欄はないようにしましょう。

これらの受講中に感じたことを書き留めておき、今後の学習方針や目標を立て直す材料にします。

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こみたろう

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まとめ

一見ややこしそうに見える研修記録シートも、構造とそれぞれの内容を把握しておけば難しくありません。

研修前の目標設定から、研修中の進捗確認、終わったあとの振り返りまで、都度記録しておくことで達成感を味わえ、ポテンシャルも上がります。

こなした研修内容をしっかり身に着けるためにも、記入のコツを意識しながら効率良く記録していきましょう。

参照:介護支援専門員(ケアマネジャー) [秋田県社会福祉協議会]
  :熊本県社会福祉協議会「研修記録シート〔記入例〕
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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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