介護報酬の加算・減算介護施設の経営・運営改善
2026年6月に令和8年度介護報酬改定(期中改定)が施行されることが、厚生労働省の公表資料(2026年1月時点)で示されています。
介護報酬改定は本来3年に一度実施されることが通例で、前回は2024年に行われたことを踏まえると、本来であれば次回は2027年の予定でしたが、1年近くの前倒しで臨時改定となりました。
直近では、2025年12月24日に行われた予算大臣折衝、2026年1月16日の社会保障審議会・介護給付費分科会により、改定率・施行時期・処遇改善加算の制度詳細が示されました。
※本記事は2026年1月19日時点で公開されている資料に基づき作成しています。最終的な告示・通知等で内容が確定し、差異が生じた場合は随時更新します。
この記事では、これまでの厚生労働省での議論や提示された資料をもとに、介護事業所の管理者・経営者のみなさんが早期に準備を進められるよう、現時点で把握できる論点を整理しています。報酬改定に関する公式発表が出次第、この記事も随時更新していきますので、ぜひブックマークしてご活用ください。
令和8年度介護報酬改定の最新情報は、介護のコミミのYouTubeチャンネルの以下の動画でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
厚生労働省が2025年12月26日に公開した「令和8年度予算に関する『大臣折衝事項』」、および2026年1月16日の社会保障審議会・介護給付費分科会で提示された資料では、令和8年度介護報酬改定における改定率・施行時期や賃上げの目安、処遇改善加算の制度詳細等が具体的に示されました。
令和8年度介護報酬改定における改定率は、全体で+2.03%の引き上げとなり、その内訳としては以下のようになります。
施行時期は、処遇改善に関する見直しは2026年6月、食費の基準費用額の見直しは2026年8月施行とされました。
出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(社保審・介護給付費分科会 資料1)/「令和8年度予算に関する「大臣折衝事項」について」
処遇改善に関する賃上げの目安と対象者は以下のようになります。
上記の合計で、介護職員については最大月額1.9万円(6.3%)(定期昇給0.2万円込)の賃上げが可能とされています。
また、処遇改善加算について、2026年6月施行の令和8年度介護報酬改定では以下の制度変更が示されました。
食費の基準費用額の見直しについては、1日あたり100円の引き上げ(低所得者は所得区分に応じて利用者負担が据え置き、または日額30〜60円の引き上げ)とされました。
出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(社保審・介護給付費分科会 資料1)/「令和8年度予算に関する「大臣折衝事項」について」
なお、処遇改善に関しては報酬改定を待たずに実施される緊急的な賃上げ・物価高対策として令和7年度補正予算が成立し、『医療・介護等支援パッケージ』が実施されることとなりました。
令和8年度改定で講ずる措置の状況等を把握した上で、持続的な賃上げと事務負担軽減の観点から考え方の整理を行う方向が示されています。
次章では、厚生労働省のこれまでの議論をもとに、令和8年介護報酬改定で注目される主要テーマを整理します。
令和8年介護報酬改定で注目される主要テーマは以下の4つに分けることができます。
先述の通り、令和8年度改定に向けて最も重点的に検討が進んでいるテーマが「処遇改善」であり、特に介護職員等処遇改善加算の見直しが注目されています。
具体的な見直し内容は以下の通りです。
令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)では、介護職員等処遇改善加算に「生産性向上や協働化の取組」という要件が追加され、これを満たす事業者向けに加算Ⅰ・Ⅱで上乗せ後の区分(Ⅰロ/Ⅱロ)が設けられることが示されました。
この要件を満たすにあたって、令和8年度特例要件として、以下のア~ウのいずれかを満たすことが示されています。
また、事務負担への配慮措置として、加算の申請時点では加入又は取得の誓約で算定可能とする整理が示されています。
これらの取組を実施することで、介護職員等処遇改善加算の加算率が上乗せされ、より手厚い処遇改善が可能となります。
令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)では、介護職員等処遇改善加算の対象サービスが拡大し、これまで対象外だった一部サービスに新たに処遇改善加算が新設されることが示されました。
具体的には、以下のサービスが新たに対象となり、公表資料では加算率(算定率)の目安も示されています。
新たに対象となるこれらのサービスは、加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件)または令和8年度特例要件により算定可能と整理されています(申請時点は誓約で算定可能とする配慮が示されています)。
出典:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
令和8年度介護報酬改定における食費の基準費用額の見直しについては、1日あたり100円の引き上げ(低所得者は所得区分に応じて利用者負担が据え置き、または日額30〜60円の引き上げ)とされました。
また、物価高騰へのサービス継続支援については、報酬改定を待たずに実施される緊急的な対策として『医療・介護等支援パッケージ』として補助金が実施されることも発表されています。
令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)では、処遇改善加算の上乗せ区分(加算Ⅰロ/Ⅱロ)を算定するための要件として、生産性向上・協働化の取組が位置づけられることが示されました。
公表資料では、以下のア~ウのいずれかを満たすことが示されています。
また、事務負担への配慮措置として、加算の申請時点では加入又は取得の誓約で算定可能とする整理が示されています。
介護記録の電子化、見守り機器やインカム等の活用、業務改善の体制づくり(委員会・プロジェクト等)、協働化(共同購入・事務処理の集約等)を「運用」まで落とし込むことが重要です。
評価の標準化やデータ活用が引き続き注目テーマです。義務化の範囲の見直しが出れば、本項目を最新情報に合わせて更新します。
最後に、現時点で想定される介護事業所への影響と準備すべきポイントを整理します。
早い段階で準備を進めることで、改定後の変化にスムーズに対応できる可能性が高まるため、ぜひ参考にしてください。
| 変更点 | 想定される影響 |
|---|---|
| 基本報酬 | 増減により全サービスに影響が及ぶ可能性があります。 |
| 処遇改善 | 処遇改善加算の要件見直しや、補助金(医療・介護等支援パッケージ)での賃上げなど、新しい制度が導入される可能性があります。 |
| 食費(基準費用額) | 令和8年(2026年)8月から、食費の基準費用額が1日あたり100円引き上げ(低所得者は区分に応じて据え置き又は日額30〜60円の引き上げ)とされており、利用者負担や説明対応への影響が想定されます。 |
| 経過措置 | 処遇改善加算等の一部要件には経過措置(期限設定)があるため、早めのチェックが重要です。あわせて、令和8年度改定では、事業所の負担に配慮し、生産性向上・協働化の取組等について「加算の申請時点では加入又は取得の誓約で算定可能」とする配慮措置が示されています(誓約の場合、年度内(=令和8年度中)に対応を完了する必要があります)。 |
| 加算体系 | 加算の新設や、加算の統合・廃止などが行われる可能性があります。 |
介護報酬改定の情報が出たときにすぐ対応するための準備は以下の4点です。
まずは、自事業所が現在算定している加算を一覧化し、それぞれの要件や算定状況を整理しておくことが重要です。改定情報が出た際に、どの加算が影響を受けるのか、新設される加算に対応できるのかを迅速に判断できるようになります。
以下では、2025年最新の加算・減算の一覧をサービス種別ごとにまとめているので、ぜひご活用ください。
厚生労働省は介護DX推進を継続的に強調しており、今後の改定でもICT活用が評価される可能性が高いです。見守り機器や記録ソフト、介護ロボットなどの導入を検討し、補助金の活用も視野に入れながら準備を進めることで、改定後の加算要件にスムーズに対応できます。
また、介護のコミミでは、独自に寄せられた1,000件以上の口コミによって選ばれた人気介護ソフトランキングや、補助金採択の実績がある見守りシステムを、それぞれ以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
処遇改善加算等では、一部要件に経過措置(期限設定)があるため、自事業所がどの経過措置に該当するかと期限を早めに確認しておくことが重要です。あわせて、令和8年度改定では、申請事務負担への配慮として、生産性向上・協働化の取組等について「加算の申請時点では加入又は取得の誓約で算定可能」とする整理が示されています(誓約の場合、年度内(=令和8年度中)に対応を完了する必要があります)。
介護報酬改定に関する情報は、厚生労働省の審議会資料や介護保険最新情報などで随時更新されます。当記事も最新情報が出次第、2日以内に更新していきますので、定期的にチェックしていただくことで、改定の動向をいち早く把握し、適切な準備を進めることができます。
2026年度の介護報酬改定は、処遇改善や介護DX推進、複合型サービスの評価など、多岐にわたる論点が議論されています。2025年12月26日時点で、介護報酬改定率は+2.03%、処遇改善に関する見直しは2026年6月施行、食費の基準費用額の見直しは2026年8月施行などの方向性が示されました。一方で、サービス別の具体的な配分や要件の詳細は今後の議論・告示等で明らかになります。
事業所としては、現在算定している加算の整理、ICT・DX導入の検討、経過措置の確認、そして最新情報の定期的なチェックを行うことで、改定後の変化にスムーズに対応できる体制を整えておくことが重要です。
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