【2025年】訪問介護等サービス提供体制確保支援事業補助金の実施状況と活用法

介護施設の経営・運営改善

【2025年】訪問介護等サービス提供体制確保支援事業補助金の実施状況と活用法

訪問介護等サービス提供体制確保支援事業についての各自治体別の実施状況や、補助金の概要、活用法などについて解説します。

この記事を読むことで、補助金を活用して訪問介護事業所が経営改善に至ることもできるので、ぜひ最後までお読みください。

都道府県・市町村別の実施状況

令和7年4月17日時点で、介護のコミミ編集部が調査した限りでは、以下の自治体において訪問介護等サービス提供体制確保支援事業補助金の実施、もしくはニーズ調査が行われている状況でした。

都道府県名 市町村名 対象種目 受付開始日 受付終了日 参照元リンク
秋田県 研修体制構築支援、採用活動支援、同行支援、経営改善支援、常勤化促進支援、広報活動支援 令和7年4月11日 令和7年5月2日 秋田県公式ページ
埼玉県 さいたま市 研修体制構築支援、同行支援、広報活動支援 令和7年4月10日 設定なし さいたま市公式ページ
福井県 研修体制構築支援、同行支援、経営改善支援、広報活動支援 令和7年4月1日 令和7年5月30日 福井県公式ページ
長野県 (計画中)研修体制構築支援、採用活動支援、経営改善支援等※ニーズ調査段階 未定 未定 長野県公式ページ
長野県 塩尻市 遠隔地訪問に係る人件費補助 令和7年4月3日 令和7年4月25日 塩尻市公式ページ
岐阜県 岐阜市 ※ニーズ調査段階 未定 未定 岐阜市公式ページ

※実施状況は随時変わるため、最新の情報は自治体のWebページによる掲載をご確認ください。

訪問介護等サービス提供体制確保支援事業とは

厚生労働省が支援する、訪問介護サービスの人材確保と経営安定化を目的とした補助金です。

令和6年12月17日付で「訪問介護等サービス提供体制確保支援事業実施要綱」を制定しており、令和7年度より各自治体が主体となって実施を開始しています。

参考:『訪問介護等サービス提供体制確保支援事業実施要綱』(厚生労働省)

補助金の目的と背景

訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護といった在宅介護サービスは、高齢化社会において重要な役割を果たしている一方、これらのサービス分野では深刻な人材不足が課題となっており、サービス提供体制の維持・強化が求められています。

そのため補助金を通じて、人材確保体制の構築や事業所の経営改善を地域の特性や事業所規模に応じて支援し、必要な在宅介護サービスの提供体制を確保することを目的としています。

補助金の種目と具体的な支援内容・補助額

補助金は大きく「人材確保体制構築支援事業」と「経営改善支援事業」に分かれており、それぞれ種目ごとに支援内容や補助額が異なります。

区分 種目 支援内容 補助額
人材確保
体制構築
支援事業
研修体制の構築の支援 事業所が研修計画を作成し、介護職員の資質向上・定着促進を図る取組 1事業所当たり10万円
中山間地域等・離島等地域における採用活動の支援 中山間・離島地域の事業所が地域外求職者向け採用活動を行う際の費用 1事業所当たり30万円
経験年数が短いホームヘルパー等への同行支援 ベテランヘルパーが新人ヘルパーに訪問介護技術を指導する取組 中山間地域等
30分未満:3,500円/回
30分以上:5,000円/回

そのほか
30分未満:2,500円/回
30分以上:4,000円/回
その他人材確保体制構築に必要な支援 人材確保体制構築に資するその他の取組(実施主体が認めたもの) 自治体が必要と認める額
経営改善
支援事業
経営改善の支援 コンサルタントを契約し事業所の経営基盤強化・改善を支援 自治体派遣:30万円, 事業所実施:40万円
登録ヘルパー等の常勤化の促進の支援 登録ヘルパーの常勤化を促進するための賃金差額補助 常勤化するヘルパー1人につき10万円/月(3か月まで)
小規模法人等の協働化・大規模化の取組の支援 複数法人が協力し人材育成や経営改善を図る取組 要件(エ)含む:200万円, 含まない:150万円
介護人材・利用者確保のための広報活動に関する支援 介護人材や利用者確保のための広報活動(HP開設・改修等)。 1事業所当たり30万円
その他経営改善に必要な支援 経営安定化に資するその他の取組(実施主体が認めたもの) 自治体が必要と認める額

なお、自治体ごとに採用している種目が異なり、必ずしもすべての種目が採用されているわけではない点に注意しましょう。

収益を改善するための補助金の活用方法

補助金は臨時収入というわけではなく、あくまで目的が定められた支援金です。そのため、補助金を受給したからといって、それだけで事業所の収益が改善するというわけではありませんが、補助金をうまく活用することで経営を大きく改善できる可能性があるので、そのための活用法を提案します。

加算を算定するための要件整備に活用する

訪問介護等サービス提供体制確保支援事業補助金の種目の1つである「研修体制の構築の支援」を受給し、研修体制の構築を実現することができれば新たな加算、もしくは上位の加算を取得できるかもしれません。

というのも、訪問介護の特定事業所加算や介護職員等処遇改善加算の算定要件に、それぞれ「研修体制の整備」が定められているからです。

特定事業所加算も介護職員等処遇改善加算も、上位の加算であれば訪問介護の場合、20%以上の加算率となっているので、補助金という一時的な支援金を継続的な加算収入に転換できるでしょう。

なお、研修体制をこれから整備するのであればeラーニングの導入がおすすめです。

eラーニングの導入は、

  • 研修の準備の負担がなくなる
  • 職員の好きな時間に研修を受講できる
  • システムが自動的に研修の実施状況や進捗を管理してくれる

というメリットがあるため、忙しくて人手不足の事業所でも簡単に研修体制を構築することができます。

介護のコミミでは、無料で始められるおすすめのeラーニングサービスを紹介しているので、ぜひ導入検討にお役立てください。

せっかくの補助金なので、これを機にeラーニングを導入し、新たな加算を算定しましょう。

コンサルタントに経営改善の支援を依頼する

経営コンサルタントというと何かと高い報酬のイメージがあってなかなか手が出せないかもしれませんが、そんな方にとっては今回の補助金は絶好の機会になるでしょう。

介護の経営に精通したコンサルタントに依頼することで、

  • 事業所の経営・業務上の課題が明確になる
  • 課題への対策が明確になる
  • 対策の実行が持続的になる

というメリットがあるため、慢性的な人手不足や経営難から脱却できる可能性があります。

ちなみに、介護のコミミでも業務改善に関するご相談を無料で承っているので、いきなりコンサルタントに依頼するのはハードルが高い、という方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

訪問介護の深刻な経営難については連日のようにニュースで報道されていてとても胸が痛いですが、厳しい現実の中にも、こうした希望になるような情報をお届けできればと思い、執筆しました。

この記事の筆者・監修者

  • 伊藤証

    伊藤証

    「介護のコミミ」を運営する株式会社Giver Linkの執行役員CTO。介護のコミミの開発・運用を全般的に統括する傍ら、介護施設から行政まで多岐にわたる業界関係者にインタビュー活動を行う。スマート介護士Expert保有。

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