介護報酬の加算・減算
収益を増やしたい多くの事業所にとっては算定必須だね!
「加算取得で収益は増やしたいけど、どれくらい労力がかかるかを確認したい」
そのように思ってはいませんか?
口腔・栄養スクリーニング加算は、在宅サービスや地域密着型サービスで多くの事業種別が対象になっており、口腔・栄養スクリーニング加算の取得を検討している方は多いでしょう。
そこでこの記事では、厚生労働省が公表している算定状況や算定要件をわかりやすくまとめ、各サービス種別で腔・栄養スクリーニング加算を算定することでどの程度利益が見込めるのか、平均月額収益も算出しましたので加算算定の参考にしていただけると幸いです。
最後までこの記事をお読みいただければ、あなたの事業所で口腔・栄養スクリーニング加算の取得をすることで収益を見込めるのかどうかがわかり、加算取得するかの判断材料になるでしょう。
ちなみに、2024年度の介護報酬改定では、ICTツールの導入が必須もしくは推奨されている加算が多数導入されました。
そこで、業界最大級のメディア「介護のコミミ」では、加算取得に役立つICTツールの選定を無料サポートしていますので、ぜひお気軽にご利用ください ⇒ ICTツールの選定や加算取得の相談はこちら(無料)
口腔・栄養スクリーニング加算以外の加算に関しては、下の関連記事で確認することができるよ!
2023年度「口腔・栄養スクリーニング加算」の算定要件・算定率・収益額まとめ
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口腔・栄養スクリーニング加算とは、利用者の口腔機能や栄養状態を確認し、担当ケアマネジャーへ情報提供を行うことで算定できる加算なります。
令和3年度介護報酬改定により、「栄養スクリーニング加算」から「口腔・栄養スクリーニング加算」へと名称が変更され、加算要件も見直しがされました。
加算の取得対象となるサービス種別は次の通りです。
・通所介護・地域密着型通所介護【デイサービス】
・通所リハビリテーション(予防含む)【デイケア】
・特定施設入居者生活介護(予防含む)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・認知症対応型通所介護(予防含む)
・小規模多機能型居宅介護(予防含む)
・看護小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護(予防含む)【グループホーム】
幅広いサービス種別に対応しているね!
口腔・栄養スクリーニング加算を算定するメリットとして、以下の3つのものが挙げられます。
・利用者や入居者の口腔内の状況を把握できる
・介護職員の口腔ケア意識をアップすることができる
・施設の収益向上につながる
「口腔・栄養スクリーニング加算」を算定する大きなメリットが、介護サービス利用者の健康状態・口腔状態を把握しやすくなることです。
近年の研究では、口腔状態の悪化が「フレイル(身体・認知機能の低下)」につながる可能性が指摘されています。
すべての利用者の口腔状態を客観的に分析することで、口腔機能が低下した利用者を把握し、迅速かつ正しい介護ケアの提供が可能となります。
口腔・スクリーニング加算の算定により、介護職員の利用者に対する口腔ケア意識を高めることができます。
口腔ケアの重要性は十分に理解されていないことが多いため、介護職員の意識が十分でないケースは珍しくありません。
介護職員の意識が高まれば、利用者に提供するサービスの品質向上にもつながるでしょう。
前述したように、口腔・スクリーニング加算の算定により、介護サービスの利用者に提供できるサービスが向上します。
その結果、介護施設に対する利用者の満足度や、外部からの評価が高まることも期待できます。
利用者が増えることで、施設の収益向上にもつながるでしょう。
口腔・栄養スクリーニング加算を算定するときは、以下の3つのポイントを意識しましょう。
・ケアマネージャーに提案する必要がある
・口腔内の機能低下が見られた際は直ちに対処する必要あり
・加算算定に手間取る可能性もある
口腔・栄養スクリーニング加算の算定時は、ケアマネージャーに提案する必要があります。
ケアマネージャーが行うサービス担当者会議などで、必要性と処置内容を提案しましょう。
利用者が複数の介護事業所でケアを受けている場合は、利用者と家族の意向をヒアリングすることが大切です。
口腔・栄養スクリーニングを行った結果、介護サービス利用者に口腔機能・栄養状態の悪化が見られた場合は、直ちに対処する必要があります。
ケアマネージャーを介して利用者と家族にヒアリングして、歯科医などの受診を促すようにしましょう。
なお、ケアマネージャーに栄養改善や口腔機能を向上させるためのサービスを提供することも、必要になるかもしれません。
その場合は口腔・栄養スクリーニング加算に加えて、「栄養改善加算」と「口腔機能向上加算」も併用できます。
口腔・栄養スクリーニング加算の条件や算定方法は複雑なので、実際の算定時に手間取ってしまう可能性があります。
手作業で加算しようとすると、業務負荷が大きくなったり人為的ミスが発生したりするかもしれません。
そこで「介護ソフト」を導入することで、口腔・栄養スクリーニング加算を正確かつ効率的にできるようになります。
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介護ソフトを一括資料請求する加算の算定要件や算定率、平均月額収益をサービス種別毎にまとめました。
また、「介護給付費分科会」のレポートを元に、算定難易度や取得おすすめ度、平均月額収益を独自調査し、5段階評価を行いました。
(月間)算定単位数合計 ÷ (月間)算定事業所数合計 ×(単価)10円
算定難易度・・・収益額が高く、算定率が低いほど難しい
総合評価・・・収益額が多く、算定率も高いほど高得点
在宅サービス(居宅介護支援)
・通所介護・地域密着型通所介護【デイサービス】
・通所リハビリテーション(予防含む)【デイケア】
・特定施設入居者生活介護(予防含む)
地域密着型サービス
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・認知症対応型通所介護(予防含む)
・小規模多機能型居宅介護(予防含む)
・看護小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護(予防含む)【グループホーム】
※表はスクロールできます。
通所介護 | 通所リハ | (予)通所リハ | 認知通所 | (予)認知通所 | 地域密着通所 | 看護小規模多機能 | |
算定率 | 3.9% | 8.95% | – | 3.1% | — | 1.4% | – |
平均月額収益 | 2,227円 | 1,333円 | – | 632円 | – | 855円 | – |
算定単位数
・通所介護|通所リハ|(予防)通所リハ|認知通所|(予防)認知通所|地域密着型通所|看護小規模多機能:5単位/回
算定要件
・利用開始時および利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態かつ栄養状態について確認を行い、その情報を担当ケアマネジャーへ提供。口腔状態の低下リスクがある場合、または低栄養状態の場合は、それら改善に必要な情報を含む
※栄養アセスメント加算を算定している場合、栄養改善の加算の算定に係る栄養改善サービスを受けている場合(終了月)を含む、口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けている場合(終了月含む)は算定しない
※表はスクロールできます。
通所介護 | 通所リハ | (予)通所リハ | 認知通所 | (予)認知通所 | 地域密着通所 | 看護小規模多機能 | |
算定率 | 1.1% | – | – | 0.8% | – | 0.5% | – |
平均月額収益 | 222円 | – | – | 400円 | – | 116円 | – |
※表の数値や評価は、「社会保障審議会 介護給付費分科会(第219回)令和5年7月10日」などのデータを元に算出しています。
算定単位数
通所介護|通所リハ|(予防)通所リハ|認知通所|(予防)認知通所|地域密着型通所|看護小規模多機能:5単位/回(6月に1回を限度)
算定要件
・①利用開始時および利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態または栄養状態について確認を行い、その情報を担当ケアマネジャーへ提供。口腔状態の低下リスクがある場合、または低栄養状態の場合は、それら改善に必要な情報を含む
※口腔の健康状態を確認する場合は、栄養アセスメント加算を算定または栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けており(終了月を含む)、かつ口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けていないこと(終了月含む)。
※栄養状態を確認する場合は、栄養アセスメント加算の算定、栄養改善加算の算定に係る栄養改善サービスを受けておらず(終了月含む)、かつ口腔機能向上加算の算定に係る口腔機能向上サービスを受けていること(終了月含む)。
※表はスクロールできます。
特定施設 | (予)特定施設 | 地域密着特定施設 |
認知症GH |
(予)認知症Gh | 小規模多機能 | (予)小規模多機能 | |
算定率 | 9.73% | – | 5.10% | 4.95% | – | 5.18% | – |
平均月額収益 | 3,503円 | – | 556円 | 1,479円 | – | 1,250円 | – |
※表の数値や評価は、「社会保障審議会 介護給付費分科会(第221回)令和5年8月7日」などのデータを元に算出しています。
算定単位数
・特定施設|予防特定施設|地域密着特定施設|認知症グループホーム|(予防)認知症グループホーム:20単位/日(6月に1回を限度)
算定要件
・利用開始月および利用中6月ごとに利用者の口腔の健康状態、栄養状態について確認を行い、その情報を担当ケアマネジャーへ提供。口腔状態の低下リスクがある場合、または低栄養状態の場合は、それら改善に必要な情報を含む
算定率と利益はあまり高くない傾向にあるから、加算要件を満たしている場合に加算取得の検討をおすすめするよ!
算定することは可能です。
引用:厚生労働省「介護サービス関係 Q&A集」
平成30年に栄養スクリーニング加算は新設されましたが、令和3年の介護報酬改定では廃止され、口腔・栄養スクリーニング加算が新設となりました。
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)については、栄養アセスメント加算と、栄養改善加算または口腔機能向上加算との併算定不可です。
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)の場合は、栄養アセスメント加算も栄養改善加算も併算可能です。
「口腔スクリーニングa~c」「栄養スクリーニングのa~d」のいずれにも該当しない場合は、各項目を確認後に介護支援専門員に情報提供をすれば、口腔・栄養スクリーニング加算を算定できます。
介護事業所は、各利用者のスクリーニング結果を担当の介護支援専門員に提供し、改善が必要な場合は口腔機能向上サービスや栄養改善サービスの提供を検討するように依頼するという規定のみです。
これらがケアプランに反映されるべきかどうかは、最終的に担当のケアマネージャーが判断します。
ケアプランに反映するかどうかについては、ケアマネジャーが判断することになります。
そもそも、ケアプランに反映することが算定要件とはされていません。
①加算要件の確認と適合
②届出届出先と書類及び申請期限の確認
③提出書類を記入し申請
④算定開始
⑤介護給付費請求
以上の流れに沿って介護給付費請求まで行います。
加算要件の基本は、「サービスを提供している職員数」「利用者へのサービスの提供」になります。
計画書の作成や、利用者への情報提供などが加算要件に含まれている場合があり、詳細はそれぞれ加算によって異なります。
加算の届出を提出した時点で加算要件を満たしているものとして扱われますので、加算申請先の各都道府県(市町村)では内容の精査を行うことはありません。
ですので、書類に不備があったり不正に介護報酬を受給してしまっている場合は、介護保険請求の時点で届出の修正や取り消し、もしくは返金を行わなければならない場合があるので、届出を行う前にもう一度算定要件を満たしているのかを確認しましょう。
また、加算の要件に合致しているかどうか毎年度確認が必要となります。
法改正やサービス体制等の変更により区分や加算要件等の変更が行われる場合があるので、留意しておきましょう。
届先は市区町村(都道府県)の福祉課や保険課など、管轄の市区町村(都道府県)により異なります。
また、提出方法は直接書類を窓口へ持参するか、郵送にて書類を送るのが基本になります。
申請方法等の詳細は管轄の各都道府県や市区町村のホームページで確認しておきましょう。
申請期限は加算を算定する月の前月末日まで、または前月15日までに届出が必要です。(サービス種別毎に異なるので後述)
ただし、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算については、加算算定月の前々月の末日までに提出する必要があります。(例:6月からの加算→4月末までの提出。)
また、加算の要件を満たさなくなった場合は、上記日時にかかわりなくすみやかに提出してください。
管轄の市区町村(都道府県)によりサービス種別毎に提出書類や提出期限が異なることがあるので、注意が必要です。
「サービス提供体制強化加算」については、3ヶ月以上の運営実績が必要となりますので、新規指定申請時に届出できません。
また、※前年度の実績が6か月を満たさず届出月の前3か月の状況で届け出た事業所は、直近3か月間の状況が加算の要件に合致しているかどうか毎月確認の上、記録が必要になります。
備考
(1)運営実績が6か月に満たない場合 ・算定要件(職員割合)を満たさない→算定不可
加算「なし」の旨、届出が必要 ・算定要件(職員割合)を満たす→引き続き算定可
新規で事業を開始した(又は再開した)事業所については、前3か月の実績が必要になることから、開設後(又は再開後)4か月目から加算の届出が可能となります(算定開始は5か月目以降)。
届出が受理された日が属する月の翌月(届出が受理された日が月の初日である場合は当該月)から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・(介護予防)短期入所生活介護
・(介護予防)短期入所療養介護
・(介護予防)特定施設入居者生活介護
・介護老人福祉施設
・介護老人保健施設
・介護医療院
・(介護予防)認知症対応型共同生活介護(短期利用型を含む。)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
毎月15日までに届出があったものについて、翌月1日から算定を開始できるサービスは次のとおりです。
・訪問介護
・(介護予防)訪問入浴介護
・(介護予防)訪問看護(※緊急時訪問看護加算については、届出が受理された当日が適用日となります。)
・(介護予防)訪問リハビリテーション
・(介護予防)居宅療養管理指導
・通所介護
・療養通所介護
・(介護予防)通所リハビリテーション
・(介護予防)福祉用具貸与
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・(予防)認知症対応型通所介護
・(予防)小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護
・地域密着型通所介護
・居宅介護支援
届出の書類は、サービス種別毎、市区町村(都道府県)毎、年度毎に書類の様式や提出物が異なりますが、基本的な提出書類は次の2点になります。
「介護給付費算定に係る体制等に関する届出書」は、届出を行う事業所の施設名や住所、サービス種別などの基本情報を記載する書類になります。
「体制等状況一覧表」は、現在の施設等の区分や人員配置区分を記載し、加算算定状況等を記載します。
こちらの書類はサービス種別毎に様式が異なっておりますので、届出をしたい事業所の提供サービスに適した「体制等状況一覧表」に記載しましょう。
前記の通り、各都道府県や市区町村により提出する書類等が若干異なるため、各都道府県や市町村のホームページを確認し、提出漏れがないよう注意しましょう。
過不足なく届出をしたとしても、加算要件の根拠資料を更に求められるなど、事前にアナウンスされているもの以外の書類の提出も求められる場合があるので、留意しておきましょう。
届出が受理され、算定が始まっていたとしても法改正等の内容変更により再度届出が必要な場合があります。
各加算の届出が必要な場合は次のようになります。
このような状況に適合する場合、速やかに加算の届出が必要になることがあります。
引用:千葉県「加算等に関する届出について|介護サービス事業者の方へ」
対象の加算を満たした上で介護報酬の請求を保険者(市町村)に対して行います。
この作業のことを介護保険請求といいます。
請求の時点で加算の届出についてなにか不備があれば、前記した通り届出の修正や取り消し、場合よっては不正に受給したということで介護報酬の返金を求められることがあるので、届出をする時点での加算要件の確認は最重要になります。
介護保険請求に関して詳しく解説した記事がありますので、そちらもよろしくお願いいたします。
加算の届出以外にも介護保険請求という複雑化した業務がありますので、多忙を極めるケアマネジャーや施設管理者にとって頭を悩ます種になりがちです。
そこで役立つツールとして介護ソフトを活用するのをお勧めします。
利用者情報の管理や従業員の勤怠管理、入力した利用者情報を出力してそのまま請求業務に活用できるなど、加算の届出や介護保険請求が捗るため業務効率化に役立てることができます。
加算請求業務に役立つICTツールは介護ソフトです。
複雑な算定要件や計算式だとしても、簡単な操作で請求データ作成やエラーチェックすることが可能です。
しかし、介護ソフトによって操作感(使いやすさ)や機能、価格は大きく異なるため、介護ソフトの比較検討はとても重要です。
すでに介護ソフトを導入されている場合でも、必要に応じて介護ソフトの再検討をしてみましょう。
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利用者ごとに算定可能な加算だけに、積極的に算定することで、利益向上とサービスの質を向上させていきましょう。
算定要件さえしっかりと頭に入れておけば、決して算定困難な加算ではありません。
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