介護職員等処遇改善加算とは?2026年最新の算定要件をわかりやすく解説!

介護報酬の加算・減算

介護職員等処遇改善加算とは?2026年最新の算定要件をわかりやすく解説!

介護職員等処遇改善加算は令和6年度(2024年度)の介護報酬改定で新設された加算です。厚生労働省の公表資料では、令和8年度介護報酬改定(期中改定)が行われ、2026年6月より改定版が施行されることが示されています。

令和8年度改定では、処遇改善加算について算定率の見直しに加え、生産性向上・協働化に取り組む事業者向けの上乗せ区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)の設定、対象の拡大(介護職員のみ→介護従事者へ)、ならびに訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等への新設が示されました。

2026年度は4〜5月と6月以降で加算区分・算定率・届出期限が異なるため、事業所は時期に応じた対応が必要です。

※本記事は令和8年3月13日付の厚生労働省通知・「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」に基づき作成しています。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日 老発0313第6号)、「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」(介護保険最新情報Vol.1479)

また、2026年度は一部算定要件における経過措置について、令和8年度特例要件を満たす事業所は令和9年3月末までの誓約による対応が可能となっています。

そこでこの記事では、介護職員等処遇改善加算について2026年度(令和8年度)に押さえておくべきポイントをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、

  • 介護職員等処遇改善加算の基本的な仕組みと2026年改定の全体像
  • 2026年4〜5月と6月以降で何が違うか(加算区分・算定率・届出期限)
  • 令和8年度特例要件と誓約による対応方法
  • 処遇改善加算の要件・計算方法・届出期限
  • 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援など新設サービスの扱い

などが分かるので、ぜひ最後までお読みください。

※令和8年度介護報酬改定についての最新情報は、以下の記事で随時更新しています。

今回の内容

障害福祉サービスにおける処遇改善加算の最新要件は、以下の記事よりご確認ください。

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介護職員等処遇改善加算とは

介護職員等処遇改善加算は、2024年度の介護報酬改定で新設された加算です。

簡単にまとめると、以下の従来の3加算を一本化し、制度の簡素化と取得率の引上げを図ったものです。

  • 介護職員処遇改善加算(以下、旧処遇改善加算)
  • 介護職員等特定処遇改善加算(以下、旧特定加算)
  • 及び介護職員等ベースアップ等支援加算(以下、旧ベースアップ等加算)

一本化の具体的な目的は以下の3点です。

  1. 事業者の賃金改善や申請に係る事務負担を軽減するため
  2. 利用者にとって分かりやすい制度とし、利用者負担の理解を得やすくするため
  3. 事業所全体として、柔軟な事業運営を可能とするため

介護職員等処遇改善加算は2024年6月より開始され、同年6月以降も一定額以上の賃金改善を達成するよう、加算率の引き上げや配分方法の工夫が行われる予定です。これにより介護現場で働く方々の賃金が、2024年度は2.5%、2025年度は2.0%のベースアップへとつながるものと期待されています。

先述の通り、旧加算からの円滑な移行を目指すため、開始当初にいくつかの経過措置が設けられており、最新の情報を把握していないと、加算が無効となってしまうため、ここからは2026年に押さえておくべきポイントを解説します。


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2026年に押さえておくべきポイント

介護職員等処遇改善加算において、2026年度(令和8年度)に押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  1. 2026年は4〜5月と6月以降で加算区分・算定率が異なる
  2. 令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)による上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)の新設
  3. 令和8年度特例要件による誓約対応(令和9年3月末まで)
  4. 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等への加算新設
  5. 対象の拡大(介護職員のみ→介護従事者へ)

それぞれ詳しく解説します。

1. 2026年は4〜5月と6月以降で何が違うか

2026年度は期中改定のため、4〜5月と6月以降で加算区分・算定率・届出期限が異なります

時期 加算区分 特徴 体制届出期限 計画書提出期限
4〜5月 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ 従来の4区分のみ 4月1日
(柔軟対応可:4月15日まで)
4月15日
6月以降 Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ
+新設サービス
上乗せ区分(ロ)追加
訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等が新規対象

新設サービス(訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等)のみを運営する事業者は、6月以降の算定開始となるため、体制届出期限は5月15日(または6月1日)、計画書提出期限は6月15日となります。

2. 令和8年度改定による上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)の新設

令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)では、介護職員等処遇改善加算について、算定率(加算率)の見直しとあわせて、生産性向上・協働化に取り組む事業者向けの上乗せ区分が示されました。これにより、加算Ⅰ・Ⅱについて上乗せ後の区分(Ⅰイ/Ⅰロ、Ⅱイ/Ⅱロ)が設けられ、事業者の取組状況に応じて加算率が変わる整理となっています。

令和8年度介護報酬改定での改定後の処遇改善の構造比較

Ⅰイ・Ⅱイは従来の要件を満たす区分、Ⅰロ・Ⅱロは後述の「令和8年度特例要件」を追加で満たすことで算定できる上乗せ区分です。

区分 要件 加算率の例(訪問介護)
Ⅰイ キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ + 職場環境等要件 27.0%
Ⅰロ Ⅰイの要件 + 令和8年度特例要件 28.7%(+1.7%)
Ⅱイ キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅳ + 職場環境等要件 24.9%
Ⅱロ Ⅱイの要件 + 令和8年度特例要件 26.6%(+1.7%)

3. 令和8年度特例要件とは

令和8年度特例要件は、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を算定するための要件です。以下のいずれかを満たす必要があります。

ケアプランデータ連携システムは、加入だけでなく利用が要件であり、実績報告書に利用実績を記載します。

重要:令和8年度(2026年度)は、申請時点で上記を満たしていない場合でも、処遇改善計画書において令和9年3月末までに対応することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしているものとして扱われます。

4. 対象の拡大(介護職員→介護従事者)

令和8年度改定では、処遇改善加算の対象について、介護職員のみから介護従事者に拡大することが示されています。介護職員だけでなく、介護現場でサービス提供に従事する職員全体の賃上げに活用できるように整理された点が大きな変更点です。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日)

看護師・リハ職・ケアマネ・調理員・事務職など、介護事業所に勤務する全職種が配分対象に含まれます。

なお、令和8年度改定の施行は2026年6月とされているため、該当する事業所は早めに準備を進めることが推奨されます。

ケアプランデータ連携システムや生産性向上推進体制加算については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

5. 経過措置と誓約による対応

2024年に介護職員等処遇改善加算として一本化された際に設けられた経過措置について、令和8年度(2026年度)は令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までの誓約による対応が可能となっています。

誓約による対応が可能な算定要件は以下の通りです。

重要:この誓約による対応は、令和8年度特例要件を満たす事業所のみが利用できます。令和8年度特例要件を満たさない事業所は、従来通り各要件を満たす必要があります。

令和7年度に誓約で加算を取得したが、令和7年度中に要件を整備できなかった場合、令和8年度の申請時点で令和8年度特例要件を満たし、令和8年度の計画書で再度誓約すれば、令和7年度分の返還は求めない取扱いとなります。

各算定要件の内容については、後述の「介護職員等処遇改善加算の区分ごとの算定要件」にて、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日)・Q&A(第1版)

補足:4月・5月に誓約で要件を満たすとして申請する場合に限り、令和8年度特例要件を満たしている必要があります。

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6. 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等への加算新設

令和8年度介護報酬改定(2026年6月施行)では、介護職員等処遇改善加算の対象サービスが拡大し、これまで対象外だった一部サービスに新たに処遇改善加算が新設されることが示されています。

具体的には、以下のサービスが2026年6月から新たに対象となります。

  • 訪問看護(介護予防訪問看護を含む)
  • 訪問リハビリテーション(介護予防訪問リハビリテーションを含む)
  • 居宅介護支援・介護予防支援

これらの新設サービスに係る加算率(算定率)は、訪問看護:1.8%訪問リハ:1.5%居宅介護支援・介護予防支援:2.1%です。

新設サービスの算定要件

新たに対象となる訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等は、以下のいずれかを満たすことで算定可能です。

  • 令和8年度特例要件を満たすこと(ケアプランデータ連携システムの利用 または 社会福祉連携推進法人への所属)
  • 加算Ⅳに準ずる要件を満たすこと(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件)

いずれの場合も、申請時点で要件を満たしていない場合は、令和9年3月末までに対応することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしているものとして扱われます。

地域包括支援センターが介護予防支援等を指定居宅介護支援事業所に委託している場合、委託先の職員も賃金改善の対象となり、計画書・実績報告書は委託元が委託先分も含めて作成します。委託先が令和8年度特例要件を満たす必要はありません。

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日)・Q&A(第1版)

介護職員等処遇改善加算の加算率と算定要件

ここでは介護職員等処遇改善加算の具体的な加算率や算定要件をまとめています。加算取得の検討の参考にして下さい。

介護職員等処遇改善加算の区分ごとの加算率

2026年度は期中改定のため、4〜5月と6月以降で加算率が異なります。以下にそれぞれの算定率をまとめます。

【2026年4〜5月】加算率一覧

2026年4〜5月は、従来の加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの4区分で算定します。

サービス区分
訪問介護 24.5% 22.4% 18.2% 14.5%
夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 24.5% 22.4% 18.2% 14.5%
訪問入浴介護(介護予防を含む) 10.0% 9.4% 7.9% 6.3%
通所介護 9.2% 9.0% 8.0% 6.4%
地域密着型通所介護 9.2% 9.0% 8.0% 6.4%
通所リハビリテーション(介護予防を含む) 8.6% 8.3% 6.6% 5.3%
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護(介護予防を含む) 12.8% 12.2% 11.0% 8.8%
認知症対応型通所介護(介護予防を含む) 18.1% 17.4% 15.0% 12.2%
小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む) 14.9% 14.6% 13.4% 10.6%
看護小規模多機能型居宅介護 14.9% 14.6% 13.4% 10.6%
認知症対応型共同生活介護(介護予防を含む) 18.6% 17.8% 15.5% 12.5%
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設・短期入所生活介護 14.0% 13.6% 11.3% 9.0%
介護老人保健施設・短期入所療養介護(介護老人保健施設) 7.5% 7.1% 5.4% 4.4%
介護医療院・短期入所療養介護(介護医療院)・短期入所療養介護(病院等) 5.1% 4.7% 3.6% 2.9%

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」別紙1 表1-1
※注:介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に上記の加算率を乗じる整理が示されています。
※注:介護予防・日常生活支援総合事業によるサービスを行う事業所は、訪問型は訪問介護と、通所型は通所介護と同じとする

【2026年6月以降】加算率一覧

2026年6月以降は、加算Ⅰ・Ⅱに上乗せ後の区分(Ⅰイ/Ⅰロ、Ⅱイ/Ⅱロ)が設けられます。Ⅰロ・Ⅱロは、令和8年度特例要件を満たすことで算定できる上乗せ区分です。

サービス区分 加算区分
訪問介護 27.0% 28.7% 24.9% 26.6% 20.7% 17.0%
夜間対応型訪問介護・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 26.7% 27.8% 24.6% 25.7% 20.4% 16.7%
訪問入浴介護(介護予防を含む) 12.2% 13.3% 11.6% 12.7% 10.1% 8.5%
通所介護 11.1% 12.0% 10.9% 11.8% 9.9% 8.3%
地域密着型通所介護 11.7% 12.7% 11.5% 12.5% 10.5% 8.9%
通所リハビリテーション(介護予防を含む) 10.3% 11.1% 10.0% 10.8% 8.3% 7.0%
特定施設入居者生活介護・地域密着型特定施設入居者生活介護(介護予防を含む) 14.8% 15.9% 14.2% 15.3% 13.0% 10.8%
認知症対応型通所介護(介護予防を含む) 21.6% 23.6% 20.9% 22.9% 18.5% 15.7%
小規模多機能型居宅介護(介護予防を含む) 17.1% 18.6% 16.8% 18.3% 15.6% 12.8%
看護小規模多機能型居宅介護 16.8% 17.7% 16.5% 17.4% 15.3% 12.5%
認知症対応型共同生活介護(介護予防を含む) 21.0% 22.8% 20.2% 22.0% 17.9% 14.9%
介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設・短期入所生活介護 16.3% 17.6% 15.9% 17.2% 13.6% 11.3%
介護老人保健施設・短期入所療養介護(介護老人保健施設) 9.0% 9.7% 8.6% 9.3% 6.9% 5.9%
介護医療院・短期入所療養介護(介護医療院)・短期入所療養介護(病院等) 6.2% 6.6% 5.8% 6.2% 4.7% 4.0%
【新設】訪問看護(介護予防を含む) 1.8%
【新設】訪問リハビリテーション(介護予防を含む) 1.5%
【新設】居宅介護支援・介護予防支援 2.1%

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」別紙1 表1-2〜1-5
※注:介護職員等処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に上記の加算率を乗じる整理が示されています。
※注:介護予防・日常生活支援総合事業によるサービスを行う事業所は、訪問型は訪問介護と、通所型は通所介護と同じとする

介護職員等処遇改善加算の区分ごとの算定要件

介護職員等処遇改善加算の算定要件については、区分ごとに必要な要件が異なります。以下は、2026年6月施行の最新の算定要件です。

※令和8年度特例要件を満たす事業所は、一部要件について令和9年3月末までの誓約による対応が可能です(詳細は前述)

要件 加算Ⅰ 加算Ⅱ 加算Ⅲ 加算Ⅳ 新設サービス
月額賃金改善要件Ⅰ(月給による賃金改善)
月額賃金改善要件Ⅱ(旧ベースアップ等加算相当の賃金改善) (○) (○) (○) (○) (○) (○)
キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)
キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)
キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組みの整備等)
キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額賃金要件)
キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置要件)
職場環境等要件 区分ごとに1以上の取組(生産性向上は2以上)
区分ごとに2以上の取組(生産性向上は3以上)
HP掲載等を通じた見える化(取組内容の具体的記載)
令和8年度特例要件 ○ or 加算Ⅳ準拠

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」別紙1 表2
※注:(○)は新加算Ⅰ~Ⅳの算定前に旧処遇改善加算を算定しており、かつ旧ベースアップ等支援加算が算定だった場合に満たす必要がある要件
※注:新設サービスは「令和8年度特例要件」または「加算Ⅳ準拠の要件」のいずれかを満たせば算定可能

ここからは、処遇改善加算の各算定要件について、それぞれ詳しく解説していきます。

月額賃金改善要件Ⅰとは

月額賃金改善要件Ⅰは、介護職員等処遇改善加算Ⅳを算定した場合に得られる加算額の1/2以上を、基本給又は決まって毎月支払われる手当(以下、基本給等)により賃金改善することを求める要件です。資格手当・役職手当・地域手当など、毎月定額で支給される手当は基本給等に含められます。通勤手当・扶養手当は含みません。時給制・日給制の職員の時給・日給の引き上げも、基本給の引上げとして扱って差し支えありません。

例えば、介護報酬が1,000万円の訪問介護事業所が介護職員等処遇改善加算Ⅳを算定する場合(2026年6月以降の加算Ⅳは17.0%)、加算額は170万円(=1,000万円×17.0%)となりますから、そのうちの1/2である85万円以上を基本給等で賃金改善する必要があります。

介護職員等処遇改善加算ⅠからⅢまでの加算を取得する場合も、介護職員等処遇改善加算Ⅳを算定した場合に得られる加算額を基準として、同様の賃金改善を求められます。手当や一時金から基本給等へ付け替える場合、個々の職員の賃金水準が下がらないよう配慮します。賃金改善額には、加算による賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担の増加分を含めることができます(任意の退職手当共済等は含みません)。

月額賃金改善要件Ⅱとは

月額賃金改善要件Ⅱは、旧処遇改善加算を算定していたが旧ベースアップ等加算を算定していなかった事業所が、2026年3月末日までに介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳのいずれかを新規に算定する場合に適用される要件です。旧ベースアップ等加算を算定した場合の加算額の3分の2以上を基本給等で改善することが求められます。

なお、旧ベースアップ等加算に相当する加算額は、介護職員等処遇改善加算の加算額に一定の係数を乗じて算出します。

キャリアパス要件Ⅰとは

キャリアパス要件Ⅰは、介護従事者の任用要件(賃金に関するものを含む)及び賃金体系を定めることを求める要件です。具体的には、次の3点を全て満たす必要があります。

  1. 介護従事者の任用の際における職位、職責、職務内容等に応じた任用等の要件(介護従事者の賃金に関するものを含む)を定めていること
  2. 上記1に掲げる職位、職責、職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く)について定めていること
  3. 上記1及び2の内容について就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての介護従事者に周知していること

就業規則の作成義務のない事業所(常時10人未満等)は、内規等の整備・周知で足ります。

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なお、本要件については、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までに整備することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしたものとみなされます。

キャリアパス要件Ⅱとは

キャリアパス要件Ⅱは、資質向上のための目標及び具体的な計画を策定し、研修の実施又は研修の機会を確保することを求める要件です。

具体的には、次の2点を満たす必要があります。

  1. 介護従事者の職務内容等を踏まえ、介護従事者と意見を交換しながら、資質向上の目標及び次のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること
    • 資質向上のための計画に沿って、研修機会の提供又は技術指導等を実施(OJT、OFF-JT等)するとともに、介護従事者の能力評価を行うこと
    • 資格取得のための支援(研修受講のための勤務シフトの調整、休暇の付与、費用(交通費、受講料等)の援助等)を実施すること
  2. 上記1について、全ての介護従事者に周知していること。

能力評価は、全員に実施する必要はありませんが、職員が自己認識を確認できる機会を設けることが重要です。

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なお、本要件については、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までに計画策定等を行うことを誓約すれば、申請時点から要件を満たしたものとみなされます。

研修体制の整備は介護職員向けeラーニングを導入することで、コストだけでなく研修準備や実施などの業務負担を軽減することもできます

以下の記事では、無料お試しから始めることができるおすすめの介護職員向けeラーニングを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

キャリアパス要件Ⅲとは

キャリアパス要件Ⅲは、経験や資格等に応じた昇給の仕組みを設けることを求める要件です。

具体的には、次の2点を満たす必要があります。

  1. 介護従事者について、経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けていること。

    具体的には、次のいずれかに該当する仕組みであること

    • 経験に応じて昇給する仕組み:「勤続年数」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組み
    • 資格等に応じて昇給する仕組み:介護福祉士等の資格の取得や実務者研修等の修了状況に応じて昇給する仕組み
    • 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み:「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組み
  2. 上記1の内容について、就業規則等の明確な根拠規程を書面で整備し、全ての介護従事者に周知していること。

昇給の方式は基本給が望ましいですが、手当や賞与による昇給でも要件を満たせます。

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なお、本要件についても、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までに整備することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしたものとみなされます。

キャリアパス要件Ⅳとは

キャリアパス要件Ⅳは、経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金が年額440万円以上となることを求める要件です。440万円の判断には手当等を含み、社会保険料等の事業主負担は含めません。もともと年収440万円以上の職員も、処遇改善加算による賃金改善の配分対象に含めることができます。

法人単位で申請する場合、一括申請する事業所の数以上、要件を満たす職員がいればよく、事業所ごとに1人ずつ配置する必要はありません。経験・技能のある介護職員は、介護福祉士でなくてもよく、勤続年数は他法人等の経験を通算できます。10年未満でも、能力評価等に基づき柔軟に設定できます。年度途中で対象者が退職した場合、指定権者に合理的な理由を説明すれば、要件を満たしたものとして扱うことができます。介護給付と介護予防、施設と短期入所、老健と併設通所リハなど、労務管理が一体の場合は同一事業所とみなし、1人以上で足ります。

ただし、次のような例外的な場合であって、合理的な説明がある場合は当てはまりません。

  • 小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合
  • 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合
  • 年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験の蓄積などに一定期間を要する場合

令和8年度(2026年度)は、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までの誓約による対応が可能です。

キャリアパス要件Ⅴとは

キャリアパス要件Ⅴは、一定以上の介護福祉士等を配置することを求める要件です。具体的には、サービス種類ごとに下表に掲げる加算の算定が必要とされています。入居継続支援加算等を算定できない状況が3か月超継続した場合、4か月目以降の算定から加算区分の変更届出が必要です。

サービス区分 加算区分
訪問介護 特定事業所加算 I 特定事業所加算 II
夜間対応型訪問介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
(介護予防)訪問入浴介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
通所介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
地域密着型通所介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II サービス提供体制強化加算 Ⅲイ又はロ
(介護予防)通所リハビリテーション サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
(介護予防)特定施設入居者生活介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 入居継続支援加算 Ⅰ 又は Ⅱ
地域密着型特定施設入居者生活介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 入居継続支援加算 Ⅰ 又は Ⅱ
(介護予防)認知症対応型通所介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
(介護予防)小規模多機能型居宅介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
看護小規模多機能型居宅介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
(介護予防)認知症対応型共同生活介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
介護老人福祉施設 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 日常生活継続支援加算Ⅰ又はⅡ
地域密着型介護老人福祉施設 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 日常生活継続支援加算Ⅰ又はⅡ
(介護予防)短期入所生活介護 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
介護老人保健施設 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 併設本体施設において旧特定加算Ⅰ 又は新加算Ⅰ の届出あり
(介護予防)短期入所療養介護(老健) サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 併設本体施設において旧特定加算Ⅰ 又は新加算Ⅰ の届出あり
(介護予防)短期入所療養介護(病院等(老健以外)) サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 併設本体施設において旧特定加算Ⅰ 又は新加算Ⅰ の届出あり
介護医療院 サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II
(介護予防)短期入所療養介護(医療院) サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II 併設本体施設において旧特定加算Ⅰ 又は新加算Ⅰ の届出あり
訪問型サービス(総合事業) 併設本体施設において旧特定加算Ⅰ 又は新加算Ⅰ の届出あり 旧特定加算Ⅰ 又はIIに準じる市町村独自の加算
通所型サービス(総合事業) サービス提供体制強化加算 I サービス提供体制強化加算 II サービス提供体制強化加算I又はIIに準じる市町村独自の加算

引用元:厚生労働省老健局長通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について

職場環境等要件とは

職場環境等要件は、介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳのいずれを算定するにあたっても満たすことが求められる要件です。前年度から継続して算定している場合は、新規の取組は不要で、従前の取組を継続していれば足ります。

下表の6区分について、加算Ⅰ又はⅡを算定する場合は、各区分ごとに2以上の取組を実施(「生産性向上のための取組」のみ3以上の取組を実施(うち⑰又は⑱は必須))し、加算Ⅲ又はⅣを算定する場合は、各区分ごとに1以上の取組を実施(「生産性向上のための取組」のみ2以上の取組を実施)する必要があります。各項目は、列挙された取組のうち1つ以上を満たせばよいです。

令和8年度(2026年度)は、令和8年度特例要件を満たす事業所に限り、令和9年3月末までに取組を実施することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしたものとみなされます。

区分 内容
入職促進に向けた取組 1. 法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
2. 事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
3. 他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可)
4. 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
資質の向上やキャリアアップに
向けた支援
5. 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する研修の受講支援等
6. 研修の受講や介護プロフェッショナルキャリア段位制度と人事考課との連動
7. エルダー・メンター制度等導入
8. キャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保
両立支援・多様な働き方の推進 9. 休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
10. 勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
11. 有給休暇の取得しやすい雰囲気作りと取得状況の確認
12. 情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消
腰痛を含む心身の健康管理 13. 職員相談窓口の設置等相談体制の充実
14. 健康診断・ストレスチェックや、休憩室の設置等健康管理対策の実施
15. 介護技術の修得支援、腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
16. 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成
生産性向上(業務改善及び働く
環境改善)のための取組
17. 業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、研修会の活用等)
18. 現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)
19. 5S活動の実践による職場環境の整備
20. 業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減
21. 介護ソフトや情報端末(タブレット・スマートフォン等)の導入
22. 介護ロボットやICT機器(インカム、ビジネスチャットツール等)の導入
23. 業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備
24. 協働化を通じた職場環境の改善(共同設置、ICTインフラの整備、人事管理システムの共通化等)
やりがい・働きがいの醸成 25. ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化
26. 地域の児童・生徒や住民との交流の実施
27. 介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
28. ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供

生産性向上の取組については、厚生労働省の介護分野における生産性向上ポータルサイトや職場環境等要件取組の事例集を参照できます。

令和7年(2025年)より、介護職員等処遇改善加算ⅠおよびⅡにおいて必須となった要件「18.現場の課題の見える化」(生産性向上のための取組)では、生産性向上ガイドラインに基づいて、現場の課題を見える化することが求められています。

介護のコミミでは、こういった現場の課題の見える化を実践するための「課題把握シート」や「課題分析シート」を無料でプレゼントしているので、ぜひ以下よりダウンロードしてご活用ください。

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介護職員等処遇改善加算に関するよくある質問

処遇改善加算でピンハネはできる?

処遇改善加算は原則ピンハネはできない制度となっております。

ピンハネできない主な理由は以下の3つです。

  • 処遇改善手当の全額を介護スタッフに支払わなければならないため
  • 就業規則に処遇改善手当の支給方法を明記しなければならないため
  • ピンハネが発覚した場合は返還しなければならないため

指定権者(都道府県等)に計画書や実績書を提出し、指定権者(都道府県等)から国保連に情報提供されたのちに、加算の支払いが行われる仕組みとなっております。

ピンハネ、内部告、未払い違法などは良くある質問となりますが、これらは原則できません。

また、ピンハネを疑われないためにも以下の対策を実施しておくと良いでしょう。

  • 就業規則に支給方法を明記する
  • 給与明細に記載する
  • 介護スタッフが相談しやすい体制を整える
  • 疑われた際は丁寧に説明する

処遇改善加算でピンハネするとどうなる?

上述の通り、処遇改善加算は原則ピンハネできません。

ピンハネをした場合は、以下のようなペナルティが課される可能性があるため、注意しましょう。

  • 報酬の返還を命じられる
  • 加算金を徴収される
  • 指定取消処分の対象となる

賃金改善額が加算額を下回った場合も返還の対象となりますが、不足分を賞与等で追加配分すれば返還を求めない取扱いがあります。

賃金水準を引き下げる場合(特別事情届出書)

事業の継続を図るために賃金全体の水準を引き下げる場合は、特別事情届出書の提出が必要です。基本給は上げて賞与を下げ、全体として水準が下がっていなければ不要です。一部の職員のみ引き下げで事業所全体の賃金水準が下がっていない場合も不要ですが、不利益変更に当たる場合は労使合意が必要です。

賃金改善の基準はいつ時点か

賃金改善の基準は、初めて処遇改善加算(旧3加算・交付金等)を算定した年度の前年度の賃金水準です。新規開設事業所は、処遇改善加算を除く介護報酬総単位数の見込に基づく営業計画・賃金計画で試算できます。

賃金改善の支給時期はいつにできるか

賃金改善の支給時期は、算定月と同じ月でなくてもよく、翌月や報酬受領後(例:国保連審査を経て2か月後)の支払いも選択できます。

事業所を廃止する場合の賃金改善は?

事業所を廃止する場合、最終の賃金支払いまでに加算額以上の賃金改善を行う必要があります。通常より遅い支給パターン(例:報酬受領後に支払う場合)のときは、最終月に複数月分を一時金で精算することも可能です。

派遣職員は対象か?

対象にできます。派遣元と協議の上、処遇改善加算を原資とした派遣料の上乗せが、派遣職員の給与に反映されるようにします。在籍型出向者・業務委託職員も同様に対象に含められます。

EPA・技能実習・特定技能の外国人は対象か?

はい。EPAによる介護福祉士候補者、介護職種の技能実習生、1号特定技能外国人は、日本人と同等以上の報酬が要件となっているため、処遇改善加算の対象となります。

役員がケアプラン作成等をしている事業所では?

算定対象サービスの業務を行っていると判断できる場合は、代表取締役等の役員も賃金改善の対象に含められます(例:職員1人の居宅介護支援でケアプラン作成を役員が行っている場合)。

処遇改善加算1と2の違いは?

処遇改善加算ⅠとⅡの主な違いは以下の通りです。

  • 加算率の違い:加算Ⅰの方が加算Ⅱよりも高い加算率が設定されています(2026年6月以降、訪問介護の例:Ⅰイ27.0%、Ⅱイ24.9%)
  • キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置要件):加算Ⅰでは必須、加算Ⅱでは不要
  • 職場環境等要件:加算Ⅰは区分Ⅰ(3区分以上で計6項目以上)、加算Ⅱは区分Ⅱ(1区分以上で計3項目以上)

つまり、加算Ⅰを取得するには、加算Ⅱの要件に加えて「介護福祉士等の配置要件」を満たす必要があるという点が最大の違いとなります。

ⅠイとⅠロの違いは?

2026年6月以降、加算ⅠはⅠイⅠロの2つに分かれます。

  • Ⅰイ:従来の要件(キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅴ + 職場環境等要件)を満たす区分
  • Ⅰロ:Ⅰイの要件に加えて令和8年度特例要件(ケアプランデータ連携システムの利用 または 生産性向上推進体制加算の算定 または 社会福祉連携推進法人への所属)を満たす上乗せ区分

Ⅰロの方が加算率が高く設定されています(訪問介護の例:Ⅰイ27.0%、Ⅰロ28.7%)。加算Ⅱについても同様に、Ⅱイ・Ⅱロの2区分があります。

令和8年度特例要件とは何か?

令和8年度特例要件は、生産性向上や協働化に取り組む事業者に対する上乗せ区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を算定するための要件です。以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 訪問・通所サービス等:ケアプランデータ連携システムを利用していること(加入だけでなく利用が要件。実績報告書に利用実績を記載)
  • 施設サービス等:生産性向上推進体制加算ⅠまたはⅡを算定していること
  • 共通:社会福祉連携推進法人に所属していること

令和8年度(2026年度)は、申請時点で満たしていない場合でも、令和9年3月末までに対応することを誓約すれば、申請時点から要件を満たしているものとして扱われます。4月・5月に誓約で要件を満たすとして申請する場合に限り、令和8年度特例要件を満たしている必要があります。

ケアマネ・居宅介護支援はいつから対象か?

居宅介護支援・介護予防支援は、2026年6月から介護職員等処遇改善加算の対象となります。加算率は2.1%です。

算定要件は、令和8年度特例要件または加算Ⅳに準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件)のいずれかを満たす必要があります。申請時点で満たしていない場合は、令和9年3月末までの誓約による対応が可能です。地域包括支援センターが指定居宅介護支援事業所に委託している場合の取扱いについては、本文「6. 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援等への加算新設」を参照してください。

届出期限はいつか?

2026年度の届出期限は以下の通りです。

  • 体制等状況一覧表:既存サービスは4月1日(柔軟対応:4月15日まで)、新設サービスは5月15日(または6月1日)
  • 処遇改善計画書:既存サービスは4月15日、新設サービスは6月15日
  • 実績報告書:2027年7月31日(2026年度分)

令和8年度特例要件の根拠資料は、指定権者から求められた場合に提出します。保存期間は2年間です。

処遇改善加算の配分ルールは?

処遇改善加算Ⅰ~Ⅳの配分ルールとしては、「介護従事者への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事業所内で柔軟な配分を認める」とされています。

令和8年度改定により、対象が介護職員から介護従事者に拡大されたため、介護現場でサービス提供に従事する職員全体への配分が可能となっています。

処遇改善加算の計画書記入例は?

厚生労働省のホームページ上で公開されている、処遇改善計画書の記入例は以下からダウンロード可能です。

出典:厚生労働省 介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)

令和8年度版の様式例と記入例が掲載されていますので、計画書作成の参考にしてください。

処遇改善加算の計算方法

介護職員等処遇改善加算の計算方法は、以下の3つのステップで進めます。

ステップ1:1ヵ月あたりの総単位数を計算する

  • 総単位数 = 基本サービス単位数 + 加算と減算の合計
  • 地域密着型サービスの市町村独自加算は、処遇改善加算の算定における介護報酬総単位数に含めます。

ステップ2:処遇改善加算の単位数を計算する

  • 処遇改善加算の単位数 =(処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数)× 加算率

重要:処遇改善加算自体は計算の基礎に含めません。

ステップ3:処遇改善加算の総額を金額に換算する

  • 処遇改善加算の総額 =(処遇改善加算の単位数)× 地域区分(1単位あたりの単価)

計算例:訪問介護事業所で加算Ⅰロを算定する場合

以下の条件で計算してみます。

  • サービス種別:訪問介護
  • 加算区分:Ⅰロ(2026年6月以降)
  • 加算率:28.7%
  • 1ヵ月の総単位数(処遇改善加算除く):10,000単位
  • 地域区分:10.90円/単位(東京23区の例)

計算:

  1. 処遇改善加算の単位数 = 10,000単位 × 28.7% = 2,870単位
  2. 処遇改善加算の総額 = 2,870単位 × 10.90円 = 31,283円

この31,283円が、当該月に処遇改善加算として算定できる金額となります。

エクセルでの計算方法

エクセルでの処遇改善加算計算方法を知りたい方は、各都道府県で発行しているエクセルをダウンロードするか、厚生労働省のHP上で必要な別紙様式のエクセルからダウンロード可能です。

補足:参照資料

計算方法は計算ソフトでも可能

処遇改善加算に限らず、複雑な計算方法には介護ソフトが必須です。

計算だけでなく、必要な手続きなども自動ツールで簡単に行うことも可能ですので、この機会に介護ソフトの入れ替えや導入も検討してみましょう。

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届出期限と実務フロー

介護職員等処遇改善加算を算定するには、以下の3つの手続きが必要です。

  1. 体制等状況一覧表等の届出
  2. 処遇改善計画書等の作成・提出
  3. 実績報告書等の作成・提出

2026年度の届出期限

2026年度は期中改定のため、届出期限が通常と異なります。以下の期限に注意してください。

手続き 対象 期限
体制等状況一覧表 既存サービス(4月算定開始) 4月1日(柔軟対応:4月15日まで)
新設サービス(6月算定開始) 5月15日(または6月1日)
処遇改善計画書 既存サービス(4月算定開始) 4月15日
新設サービス(6月算定開始) 6月15日
実績報告書 全事業所(2026年度分) 2027年7月31日

出典:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算等に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」(令和8年3月13日)

届出の基本ルール

複数の事業所を有する事業者については、処遇改善の計画等について法人単位で一括して届出書を作成することも可能です。

また、小規模事業者(同一法人内の事業所数が10以下)や、2024年3月以前に加算を算定しておらず同年6月以降に介護職員等処遇改善加算Ⅲ又はⅣを新規に算定する事業所については、別様式を用いた処遇改善計画書・実績報告書等の作成・提出が可能となっています。

最後に

2024年度の介護報酬改定で創設された介護職員等処遇改善加算は、令和8年度(2026年度)の期中改定により、さらなる拡充が図られています。

本記事では、介護職員等処遇改善加算の概要と、2026年度に押さえておくべきポイント、算定要件、計算方法、届出期限等について解説してきました。

2026年度は4〜5月と6月以降で加算区分・算定率・届出期限が異なるため、事業所は時期に応じた適切な対応が必要です。また、令和8年度特例要件を満たす事業所は、一部要件について令和9年3月末までの誓約による対応が可能となっており、柔軟な制度運用が認められています。

介護人材の確保・定着は喫緊の課題であり、処遇改善は採用や離職防止の重要な要素の一つです。

加算の趣旨を理解し、適切に算定・実施することで、魅力ある職場づくりにつなげていきましょう。

また、その他介護報酬改定2024の変更点を知りたい方は、以下の記事を読めば要件をすぐに知ることができます。

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この記事の筆者・監修者

  • 那須智樹

    那須智樹

    東京大学大学院 経済学研究科修士課程を修了。楽天株式会社の新サービス開発事業部や、NTTデータ経営研究所のコンサル業に従事した後、「介護のコミミ」を運営する株式会社Giver Linkにジョイン。現在は会社運営を行いながら、加算をはじめとしたお役立ち情報の発信や、ICTツール普及へ向けたセミナーなどを実施している。

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