「CHASE(チェイス)」とは?科学的介護対応介護ソフトで業務改善

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「CHASE(チェイス)」とは?科学的介護対応介護ソフトで業務改善
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チェイスってなに?どんなメリットがあるの?どれくらいの手間がかかるの?介護ソフトとは何が連携できるの?

このような疑問にお答えしていきます。

介護業界で話題を集めているCHASEですが、「良く分からない」といった声や、「手間がかかりそう」などと心配する声も少なくありません。

ただでさえ日々忙しい介護職員ですから、本当にメリットがなければ取り組みたくないと思う人もいます。

しかし、この「CHASE」はこれからますます無視できなくなる重要なキーワードとなります。

また、CHASEにしっかり対応していけるかどうかが、事業存続の鍵と言っても過言ではないでしょう。

本記事の筆者は10年間で500以上の介護施設に訪問し、ICTツールの導入支援をして参りましたが、この「CHASE」への関心度は徐々に高まりつつあると感じていました。

とはいえ、まだまだ認知度も低く、そもそもCHASEのことを知らなかったり、メリット・デメリットが良くわかっていない人も多いので、本記事では基礎知識から始まり、介護ソフトとの連携までをしっかり解説していきたいと思います。

最後までお読みいただければ、CHASEの基礎知識が身につくだけではなく、今後どうやってCHASEと向き合っていけばいいかもわかりますので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。

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1. CHASE(チェイス)とは

Chaseは介護記録の情報を集約するためのデータベースです

CHASE(チェイス:Care、HeAlth Status&Events)とは、1つのデータベースの通称です。

主に、介護事業所側が提供する「介護記録」の情報を集約・蓄積し、科学的介護の実現のためにビッグデータを活用することが目的です。

すでに稼働している「介護保険データベース」や通所や訪問リハを対象にした「VISIT」といったデータベースとも連携し、科学的裏付けに基づく介護の実施を進めることも目的としています。

2021年4月の介護報酬改定において、「CHASE」は「VISIT」と統合し、「LIFE」として生まれ変わりました。

ここまでは厚労省から発信されている「厚労省事務連絡」を見ればわかりますが、ここからはさらに深堀りし、そもそもなぜCHASE(LIFE)が必要なのかを説明した上で、厚労省の狙いと、私達のメリットやデメリットも解説していきたいと思います。

1-1.CHASE(LIFE)はなぜ生まれたのか?課題は?

CHASEが生まれた背景には明確な「課題」がありました。

国内には数多くの介護事業所が存在しますが、「ケアの質」は事業所によって大きく異なる上、行ったケアに対して「効果が見えない」という課題がありました。

「厚労省事務連絡」によると、次のように述べています。

利用者のニーズに対応して多様なサービス類型が用意され、また個々の類型の中で、独自の工夫を行っている事業者も多い。しかしながら、アウトカム等について、科学的な検証に裏付けられた客観的な情報が十分に得られているとまではいえない状況であり・・・以下省略

これを噛み砕いて解釈すると、「もう独自の工夫はほどほどにして、科学的に基づいたケアを行っていこうよ!でもそのためには大量のデータが必要だからCHASE(LIFE)に情報を集めてね」と言っていることになります。

表向きには、「ケアの質を高める」といった大義名分がありますが、その裏では「社会保障費の削減」を厚労省は狙っていると考えられます。

1-2.国の狙いは社会保障費の削減?

「CHASE(LIFE)」に力を入れることで、結果的には社会保障費を圧縮できることが期待されています。

こみすけ

えーっと、どうしてCHASE(LIFE)と社会保障費が関係しているの?

このような疑問を持つ方も多いので、図解してみます。

chaseと社会保障費の関係図

CHASE(LIFE)に蓄積されたビッグデータの活用により、利用者に対するサービスの最適化を図ることができます。

利用者目線で言えば、少ない費用で最大の効果を得ることができるようになるということです。

一方で、事業所目線でいえば、最適なケアを提供できるため、結果的には利用者の要介護度を下げることができます。

しかし同時に、要介護度が下がったことにより、事業所側は収益が減少することにもなります。

国としては事業所側の収益が減少するほど、社会保障費の圧縮につなげられる側面があるため、表向きでは「ケアの最適化!要介護度を下げる!」としつつも、別の視点から「社会保障費の圧縮」も狙っていると捉えることができます。

1-3.CHASE(LIFE)による加算新設も検討中

CHASE(LIFE)を成功させるためには、介護事業所側がCHASE(LIFE)へ情報を提供し続ける必要があります。

本記事で後述する「介護ソフトとCHASE(LIFE)の連携」を実現したとしても、やはり手間は少なからず発生します。

その上、場合によっては、ケアの最適化により介護報酬が減ってしまう可能性を考えると、「LIFE嫌だな・・・」と考えてしまうかもしれません。

しかし、国としては「がんばっている事業所には相応の報酬を与えたい」と考えているので、CHASE(LIFE)に貢献した事業所には加算をつけることを検討しています。

まだ詳しいことは明らかになっていませんが、新たな情報が入手できしだい、本記事も更新していきたいと思います。

2022年4月19日更新

CHASEはVISITと統合し、「LIFE」へと生まれ変わりました。

更にLIFEに関連する加算も新設され、LIFE運用が必須となっています。

下記記事では、LIFEに関連する加算まとめと、LIFEについて徹底解説していますので参考にしていただけると幸いです。

 関連記事 【LIFE】とは?LIFE対応介護ソフト8選!関連加算まとめ

2.CHASE(LIFE)のメリット・デメリット

クラウドデータ

CHASE(LIFE)の成功で得られるメリットは大きいものの、一方でデメリットも存在します。

事業所によってメリット・デメリットの感じ方は違うと思いますが、ここでは一般的なメリット・デメリットを紹介していきます。

それでは、まずはメリットから見ていきましょう。

2-1. メリットは提供サービスの最適化と要介護度改善

国が公表している通り、「提供サービスの最適化」による「要介護度改善」がメリットです。

ビッグデータを元に、利用者一人ひとりへのケアが最適化されるため、介護職員は少ない労力で最大の効果を得ることが期待できます。

介護職員の労力が減らせる上、利用者にも満足してもらえることになります。

また、利用者目線からいえば、ニーズに応じたサービスを比較した上で選択できるようになります。

根拠は「厚労省事務連絡」の内容です。

個々の利用者がそのニーズに応じて、多様なサービスを比較しつつ、選択を行えるように支援する・・・(以下略)

どのような形で実現できるのかは現時点で不明なものの、CHASE(LIFE)が構築されれば、利用者にとって最適な事業所を選べる機能(マッチング機能)や、事業所ごとのランク付けも可能になるかもしれません。

2-2. デメリットは収益減少の可能性があること

先述した通り、ケアが最適化されれば、結果的には介護報酬が減少する可能性があります。

また、利用者が自由にサービスを比較検討できるようになれば、「人気の事業所」が生まれると同時に「不人気の事業所」も生まれることになるため、集客が難しくなる可能性もあります。

また、CHASE(LIFE)へデータ提供するための労力が発生するため、いかにその労力を省くことができるかも重要になります。(後述します)

3. CHASE(LIFE)と介護ソフトの連携とは

介護事業所がCHASEに取り組む場合、「介護記録」のデータを渡し続けなければなりません。

データの送信方法は次の2つです。

① CHASE(LIFE)の専用サイトに直接入力する

② 介護ソフトからCSV出力し、CHASE(LIFE)側で取り込む

上記いずれの方法でもいいのですが、やはりおすすめは「②介護ソフトからCSV出力し、CHASE(LIFE)側で取り込む」です。

なぜなら、①「CHASE(LIFE)の専用サイトに直接入力する」よりも、圧倒的に労力が削減できるためです。

介護ソフト側で行うことは「CSV出力」だけとなります。

しかし、そもそも次の条件を満たさなければ「介護ソフトとCHASE(LIFE)の連携は不可」です。

【条件1】介護ソフトを導入していること

【条件2】介護ソフトで介護記録を作成していること

【条件3】介護ソフト自体がCHASE(LIFE)に対応していること

残念ながら、全ての介護ソフトがCHASE(LIFE)に対応しているわけではありません。

現時点では、大手介護ソフトメーカーを中心に続々とCHASE(LIFE)連携への開発を進めていますが、まだほんの一握り程度です。

そのため、もしCHASE(LIFE)連携を考えているのであれば、CHASE(LIFE)に対応している介護ソフトを選び直す必要があります。

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3-1. 手入力とCHASE(LIFE)連携の比較

CHASE(LIFE)に格納される予定の項目は、265項目ですが、利用者毎にそれら全てをCHASE(LIFE)側に報告する必要はなく、あくまで該当する部分だけの報告で良いとされています。(参考記事はこちら

しかし、それでも数が多いため、もし一つ一つを手入力していったら非常に時間と労力がかかります。

例えば、利用者100名分を手入力する場合、1人10分だと仮定しても約17時間もかかることになります。

そこで、この問題点を解決するのが介護ソフトのCHASE(LIFE)連携です。

介護ソフトに入力した介護記録は、CHASE(LIFE)側が取込可能なCSVファイルへと変換されるため、ほとんど時間と労力をかけずに報告することが可能になります。

介護ソフト側で行うのは「集計」や「出力」ボタンをクリックする程度ですので、長くとも10分以内に完了することが期待できます。

4.LIFEを始めるための方法

LIFE公式サイト

 

LIFEを始めるためには、まLIFEの公式ページにいき、「新規登録」から事業所情報を入力し、利用申請を行います。

数日後に、ログインIDとパスワードが書かれたハガキが郵送されてくるので、その情報を元にログインすることができます。

※すでに「科学的介護データ提供関連サービス(LIFE)に関するお知らせ」のはがきが届いている場合は、「新規登録」は不要です。

必要な環境はインターネット回線とパソコンのみで大丈夫です。

ログイン後には、操作職員の情報などを登録する必要がありますが、LIFE公式ページには操作マニュアルもあるので、操作に悩んだ方は読むことをおすすめします。

※CHASEからLIFEへ移行するにあたって、CHASEを利用しているユーザーはCHASEのランチャーからLIFEのランチャーをダウンロードし、CHASEのバックアップファイルを取得することで引き続きLIFEを利用することができます。

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こみたろう

CHASEは2020年5月1日から運用開始したよ!介護ソフトメーカーもCHASE連携の実現に向けてがんばっているから、もし最新の介護ソフト情報を入手したい場合は、下のリンクから一括資料請求を試してみてね!

「LIFE」について詳しくまとめた記事がありますので、そちらもよろしくお願いします。

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この記事の筆者・監修者

  • 【著者】早坂祐哉

    【著者】早坂祐哉

    大学卒業後、大手介護ソフトベンダーに7年間勤務。年間約50法人に介護ソフトを新規販売し、最年少で営業成績1位を獲得。課題抽出から業務改善に関するコンサルティング経験も多数。後に、「介護のテクノロジーを最適化する」という理念のもと(株)GiverLinkを設立し、同メディア「介護のコミミ」を通じ、月間3万人の介護職員に情報発信をしている。

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