介護ソフトの選び方
いまの介護ソフトから新しい介護ソフトへのデータ移行はどこまでできる?1から入力し直す必要あるの?データの保管義務はどうなる?
介護ソフトの変更で大きな壁になるのはデータ移行です。
このデータ移行が原因で、介護ソフトの変更を断念する事業所は非常に多いです。
さて、本記事の筆者は某大手介護ソフトメーカー出身ですが、このデータ移行に関する質問は100回以上受けてきました。
そのような経験から、データ移行に関する全てをお話していきたいと思います。
本記事をお読みいただければ、どこまでデータ移行できるのか、データ移行の注意点は何なのかが分かります。
5分程度で読むことができる内容なので、ぜひ最後までお付き合いいただければと思います。
※本記事は5分程度で読むことができます。
介護ソフトを導入した方が良いと聞くけど、導入した場合のメリット・デメリットが知りたい!
そんな方のためにこの資料では、介護ソフトの選び方から導入まで効果的な方法を紹介しています!
介護ソフトの導入や切り替えを検討している方に、お役に立つ資料となっているのでまずは無料でダウンロードを!
ソフト選びでもう失敗しない!
介護ソフト導入の手引きを読む結論から言えば、利用者名や介護保険情報などの「基本情報」のみを移行できるケースは多いです。
しかし、データ移行がどこまでできるかはデータ移行元のソフトAと、データ移行先のソフトBによるため、場合によっては全くデータ移行できないケースもあります。
これだけではイメージがつきにくいと思うので、具体例を交えながら詳しく解説していきます。
残念ながら全てのデータを移行することは不可能に近いです。
なぜなら、ソフトA(移行元)とソフトB(移行先)はそれぞれ全く違うソフトであるため、自動でデータ移行することは困難だからです。
しかし、次のように考える人もいると思います。
でも、計画書1表とかは他のソフトでもレイアウトが同じだから、データ移行できるんじゃないの?
残念ながら答えはNOです。
見た目はだいたい同じかもしれませんが、ソフトの内部構造が大きく異なるため自動でデータ移行はできません。
全てを自動でデータ移行はできませんが、「CSV」か「データパンチ」のどちらか、もしくはどちらも用いて移行するケースが多いです。
CSV移行とは、移行元の介護ソフトから「CSV出力」(外部出力)を行い、移行先の介護ソフトで「取込」し、データ移行する方法です。
下の図のようなイメージです。
CSV移行のメリットは、ほとんどのメーカーでCSV出力と取込が可能ということです。
先ほどお話したとおり、基本情報(利用者名や介護保険など)は移行可能なケースが多いです。
この方法であれば、無料または格安でデータ移行することが可能です。
しかし、「基本情報」以外のCSV移行は難しいため、あくまで「基本情報のみ」と考えておきましょう。
また、そもそもソフトAからデータ出力ができなかったり、ソフトBでデータ取込ができない場合は、基本情報すらCSVデータ移行ができません。
もしCSV出力を希望する場合は、いま使っている介護ソフトから「どんな内容のCSVが出力できるか」を確認しましょう。その上で、移行先の介護ソフトメーカーに問い合わせを行い、「どんな内容のCSVを取り込めるか」も確認しましょう。
一方で、「データパンチ移行」とは事業所またはメーカーが手動でデータパンチしていく方法です。
マウスやキーボードを使って人力でデータ移行するため、時間さえかければ多くの情報をデータ移行することが可能です。
ただ、多くの労力と時間がかかるのが最大のデメリットです。
メーカーや外注に頼んだ場合、かなりの費用を覚悟しなければなりません。
最近ではRPA技術(ロボティックプロセスオートメーション)を用いて、ソフトウェア上のロボットが指定した場所にデータパンチを行うといった方法もあります。しかし、現時点ではごく一部のメーカーに限られます。
そもそもデータ移行をする目的は、新たな介護ソフトでもスムーズに業務を行うためです。
そのため、できればデータ移行しておきたい箇所は以下の通りです。
① 利用者名・性別・生年月日・住所
② 介護保険情報
③ 親族関係者
④ 口座情報
⑤ 介護計画書(ケアプラン)
⑥ 法人・事業所情報
上の①〜⑥は、請求データを作成したり、計画書を複写で作成するためにできれば移行しておきたいデータです。
これらのデータを移行しておけば、とりあえず業務に大きな支障はないでしょう。
欲を言えば、過去の請求データや支援経過記録なども移行したいところですが、手間や費用を考えた上で判断したい部分です。
次のような質問はよくいただきます。
文書の保存義務はどうするの?データ移行できないと義務を果たしていないのでは?
ここで重要なのは、データ移行と、5年間の文書保存義務は切り離して考えることです。(保存期間は文書の種類や条例によって異なります。)
先ほどもお話したとおり、データ移行の目的は、新たな介護ソフトでもスムーズに業務を行うためです。
文書の保存義務を満たすのであれば、紙やPDFで出力して保存しておけば問題ありません。
※筆者としては、強くPDF出力をおすすめしています。(紙の量が膨大になるのは避けたいですよね)
中には「5年間分のデータを全て移行しなければいけない」と思う方もいますが、介護ソフトに5年間分のデータが入っている必要はありません。
保存義務だけを考えた場合、移行前の介護ソフトから「PDF」で必要な書類を出力し、5年分を保存しておけばいいのです。
PDFのデータだけしっかりとハードディスクなどに保存しておければ、紙で印刷する必要もありません。
(誰でも簡単に行うことができますが、Adobeのページから出力方法を確認することができます。)
データ移行に関して一問一答していきます。
よくある質問なので、ためになるかと思います。
メーカーと移行範囲によります。
殆どの場合は有償ですが、メーカーの中には無償対応しているところもあります。
有償の場合、1万円〜数十万と幅が広いので、必ずメーカー側に確認しましょう。
CSV移行の場合、移行したいデータを選別し、CSV出力しておく必要があります。
また、すでにお話している通り、どこまで移行できるかはソフトにより異なるため、事前確認もあわせて必要です。
データパンチ移行の場合、移行したいデータをPDF出力または紙印刷をしておく必要があります。
メーカーにより異なります。
メーカーによっては、「ご自身で移行可能です」というところもあれば、「私達メーカーが行います」としているところもあります。
CSV移行であれば、早ければ即日、遅くとも1週間以内に完了するケースが多いです。
データパンチ移行の場合は、移行したい量にもよりますが、次の式で予測を立てることは可能です。
1人あたりのデータ移行に必要な時間 ✕ 対象の利用者人数
もし1人あたり1時間かかるとしたら、100人いたら100時間になります。
その場合、1ヶ月〜2ヶ月はかかると思っていいでしょう。
データ移行には、多かれ少なかれ労力はかかります。
データ移行で失敗しないためにも、事前に「どこまで移行したいのか」を明確にし、ソフトを切り替えた時に「どんな手間が発生するのか」は必ず明確にしておきたいところです。
介護のコミミでは介護ソフトの口コミが掲載されていますが、先輩ユーザーの声もぜひ参考にしてみてください。
介護ソフトを導入した方が良いと聞くけど、導入した場合のメリット・デメリットが知りたい!
そんな方のためにこの資料では、介護ソフトの選び方から導入まで効果的な方法を紹介しています!
介護ソフトの導入や切り替えを検討している方に、お役に立つ資料となっているのでまずは無料でダウンロードを!
ソフト選びでもう失敗しない!
介護ソフト導入の手引きを読む
介護のコミミとは、介護や障がい福祉の事業所における課題解決のパートナーになるべく立ち上がった業務改善プラットフォームです。
業界最大級の数を誇るICTツールの掲載とその口コミから、あなたの事業所の課題に最適な製品を比較・検討ができるだけでなく、報酬改定や加算・減算、補助金などの最新情報、現場で使えるレク素材や資料のテンプレートなど、業務に役立つ様々なコンテンツを無料でご利用いただけます。
また、ICT導入について何かお困りごとがあれば、専任アドバイザーへお電話や掲示板を通じての無料ご相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。
60秒でかんたん検索
資料を一括請求する