給食・配食サービスの選び方
「クックチルについて詳しく知らないから知っておきたい」
「クックチルの導入を検討している」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、クックチルの基本知識から選び方までを徹底解説していきます。
クックチルとは、調理した料理を急速に冷却し、その後に保存することで、風味や栄養を保持しつつ食品の安全性を高める方法です。
そのため、飲食店や学校給食、介護福祉施設などで広く利用されています。
この記事を参考にすることで、クックチルの特性や利点を理解し、自分のニーズに最適なクックチルを選ぶための知識が得られるでしょう。
クックチルを上手に取り入れ、美味しくて安全な食品を提供するための一助になれば幸いです。
クックチルシステムとは、調理した食品を急速冷却、チルド(0~3℃)状態で低温保存し、再加熱して提供する調理方式のことです。
このプロセスにより、食材の鮮度や栄養価を保持しつつ、食品衛生を高めることが可能となります。
従来の調理法では提供直前に調理を行う方式(クックサーブ)が主流でしたが、クックチルシステムは調理済みの料理を解凍し盛り付けるだけで食事提供ができるため、介護・障害福祉施設では調理スタッフの負担が軽減されるということでクックチルシステムを採用した食事提供が主流となっています。
また、クックチルシステムで製造された料理は完調品(完全調理済み冷凍食品)と呼ばれ、完調品(クックチル)を提供してる業者も数多く存在しています。
一般的には、業者がクックチルシステムを用いて完調品(クックチル)を製造・配送し、施設は配送された完調品(クックチル)を再加熱し食事提供する流れになります。
上記の通り、クックチルシステムは正しくは調理方式のことを指しますが、現場では完調品とクックチルシステムを同じ意味として扱われることが多く、製品と調理方式を混在して表現されている状況になっている点には注意が必要です。
例えば、食事提供を行っている現場では、「完調品を注文する」ではなく「クックチルを注文する」のような表現が扱われていることがあります。
当記事では、誤解を招く表現を避けるため調理方式を「クックチルシステム」、製品を「完調品(クックチル)」と記載します。
クックサーブとは、温菜、冷菜を問わず、調理後、すぐに提供する方法を指します。
クックサーブでは提供時に調理を行うため、その場での作業が必要となり、多くのゲストを対象としている場合、調理スタッフが手一杯になることも少なくありません。
一方、クックチルシステムは事前に調理された食品を迅速に冷却し、冷蔵保存するシステムを指します。
クックチルシステムでは調理済みの食品を保存しておくことで、提供時の作業が大幅に簡略化されます。
このため、クックチルシステムは効率的な作業を実現する上で非常に有用です。
クックサーブのメリットとしては、調理後すぐの新鮮な食事を提供できる点が挙げられます。
しかし、その一方で当日のスタッフの作業負荷が増大するというデメリットがあります。
クックチルシステムでは、提供時の作業を溶解や再加熱、盛り付けのみで済ますことができるため、効率的な運営が可能です。
ニュークックチルは、従来のクックチルシステムを進化させた調理法です。
両者の基本原理は同じで、調理した食材を急速冷却し冷蔵保存までの工程は同じです。
しかし、盛り付けのタイミングと再加熱の手法がクックチルシステムと異なります。
一般的なクックチルシステムの場合は、パック詰めされた食品を1個1個湯煎などで再加熱し盛り付けを行う必要があります。
そのため、大量調理が必要な場合は食事提供までに時間がかかる上、最初に盛り付けを行った料理が冷めてしまうというデメリットがあります。
一方で、ニュークックチルは食事提供の際に盛り付けと再加熱の手間が省けるというメリットがあります。
ニュークックチルの工程は、専用の再加熱カートを用いることで実現し、クックチルシステムとは盛り付けのタイミングと再加熱方法が異なります。
この再加熱カートは完調品をチルドのまま冷蔵保存することが可能な上、その名の通り再加熱機能を備えており、食事提供したい時間帯にタイマーをセットすることで再加熱が完了します。
そのため、チルドの状態で盛り付けを行うことで、食事提供の際にはすべての料理が再加熱と盛り付けが完了した状態で出来上がります。
これにより、食事提供の際に最低限の人員で厨房を回せるようになるため、特に人手が足りない朝食や夕食の準備の手間が省けるという点がニュークックチルの大きなメリットになります。
しかし、ニュークックチルには大きなメリットがある反面、施設に再加熱カートや専用の食器などの導入が必要なため、大きな初期費用がかかってしまう点がデメリットとして挙げられます。
従来の厨房現場には、さまざまな課題が存在しています。
特に、料理を提供する際の調理プロセスにおいては、時間の制約が大きなネックとなることが多く、ピーク時には十分な準備時間が取れないことがしばしばあります。
このため、メニューの選択肢が限定され、利用者の多様なニーズに対応しきれない状況になることが珍しくありません。
さらに、調理スタッフの負担が増え、厨房の稼働時間が長くなる傾向が見られます。
また、衛生管理においても多くの課題が存在します。
特に、食材の保存や調理過程での温度管理が不十分であると、食の安全が損なわれるリスクが高まります。
例えば、適切な温度で保たれない食材は、食中毒の原因となる可能性があります。
調理時の手際が悪い場合、提供までに時間がかかり、食材の鮮度が低下してしまうこともあります。
これらの問題は厨房運営全体に影響を及ぼし、業務の効率性や安全性を完全に保つことが困難となる要因となります。
従来の調理方法に依存した調理プロセスでは、生産性の向上が難しく、結果的に顧客満足度の低下を招くことが避けられません。
このような厨房現場の問題点を解決するためには、より効率的で安全性の高い運営方法を導入することが求められています。
クックチルシステムは近年、食の安全性や食材ロスの少なさなど、福祉との親和性の高さからさまざまな企業が介護・障害福祉施設に対し完調品(クックチル)を提供しています。
また、クックチルシステムのメリットを引き継いだ新たな調理方式であるニュークックチルも提供され始め、食事提供における業務効率化が注目されています。
しかし、出来立ての美味しい食事を提供したいという思いから、現地調理にこだわっている施設も多くあります。
「できるだけ美味しい食事を提供したい….しかし人手が足りない」という施設にとって、現地調理を委託できる給食委託サービスは依然として高いニーズがあります。
しかしその反面、給食委託サービスを提供している企業も、人手が足りない状況です。
そのため派遣するスタッフの確保が難しいという点から、給食委託サービスの終了もしくは新規受付停止といった傾向があり、相対的に完調品(クックチル)のニーズがより高まっている状況と言えるでしょう。
給食委託サービスを提供していた企業から人手不足で事業継続が困難になったって話を聞いたよ。
クックチルシステムは食品の安全性向上や、廃棄物の削減にも寄与するため、多くの飲食業界で注目されています。
これにより、労働時間の短縮やコスト削減が実現できるとともに、メニューの多様化と質の向上を図ることができます。
ここからは、具体的にクックチルシステムを活用するメリットをご紹介します。
クックチルシステムを導入することで、食品の安全性は大きく向上します。
クックチルシステムの工程には、※HACCP(ハサップ)による衛生管理が不可欠であり、温度と時間の厳重な管理を行います。
まず、急速冷却技術を用いることで、調理後すぐに食品の中心温度を3℃以下に冷却できるため、細菌の繁殖を抑制することが可能です。
この冷却プロセスは、食品中の有害な細菌や微生物が危険な範囲の温度で増殖する機会を減少させるため、食中毒のリスクが大幅に低減します。
従来の厨房では食品が室温で放置される時間が長くなることがありますが、クックチルシステムを使用することでその時間を短縮し、安全な温度での迅速な保存が促進されます。
さらに、クックチルシステムでは冷却専用の設備を使用するため、温度管理が徹底されます。
これにより、調理後に迅速にそして適切な温度まで冷却することが可能となり、食品の保存中の品質や安全性が高まります。
こうしたシステムは常に一定の温度を保つため、保存期間中に食品の品質が劣化するリスクも最小限に抑えられます。
また、クックチルシステムは一貫して衛生的な調理環境を維持するための重要な役割を果たします。
冷却プロセス中に食品が露出することなく、※クロスコンタミネーションのリスクを減少させる設計が施されています。。
したがって、クックチルシステムを利用することで、食品の安全性は多角的に保障されるため、食品業界全体で信頼される調理・保存方法となっています。
※HACCP(ハサップ)…….食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法。
※クロスコンタミネーション(交差汚染)……病原菌の汚染度が高いものが、汚染度の低いものに接触することによって広がる汚染のこと。
参考:厚生労働省「HACCAP」
クックチルシステムを採用することで、厨房の作業効率が飛躍的に向上します。
クックチルシステムで保存された料理を再加熱するだけで温かい料理を迅速に提供できるため、提供時の作業が大幅に軽減されます。
これにより、限られた時間の中で迅速に対応しなければならない状態でも、準備が整った状態で待機している食品があることは大きな利点となります。
さらに、計画的に調理を行うことで、調理スタッフの労働環境も改善されます。
原材料調理(クックサーブ)の場合、時間や手間がかかるメニューの調理は、提供までに時間がかかるため通常避けたいところです。
しかしクックチルシステムならば、時間に余裕のあるタイミングで調理が可能な上、冷蔵保存された料理を再度加熱するだけでスムーズに食事提供することができるようになります。
このように、クックチルシステムの導入は、食事提供時における調理工程の時間短縮と労働力の最適化を実現し、施設運営において非常に有効です。
クックチルシステムを導入することで、食材コストや人件費の削減が期待できる点も大きなメリットです。
例えば、1日に必要な食事をまとめて調理し瞬間冷却を行い保存しておくことで、、食材のロスを最低限にした上で、調理スキルを持たない人材でも食事提供のタイミングで料理を再加熱するだけで提供できるようになります。
そのため、食材のコストと調理スキルを持った人材の確保も最低限にすることができます。
このように、コスト管理の面で有利な状況が整うことで、経営効率の向上が図れるのです。
クックチルシステムを利用すると、料理の品質を一定に保つことが可能となります。
冷却プロセスは食材の鮮度と風味をしっかりと維持し、提供時にはできたてに近い状態でサービスを行うことができます。
具体的には、調理後速やかに冷却することで、食材の劣化を防ぎ、微生物の繁殖を抑制することができます。
また、クックチルシステムは大量調理を前提としているため調理法をマニュアル化することで、新たに入ってきたスタッフでも簡単に標準的な調理手順を学ぶことができ、一定のレベルの料理を常に提供できる体制が整えられます。
これにより、顧客に安定した食体験を届けることができ、リピーターを獲得する要因にもつながります。
さらに、クックチルシステムにより品質のばらつきを減少させ、高品質な料理を常に提供できる環境が整い、顧客満足度の向上も期待できるでしょう。
クックチルシステムを採用することで、障害福祉サービスにおいて食事提供加算の対象となる場合があります。
特に、医療機関や福祉施設においては、利用者のニーズに合わせた食事提供が求められるため、クックチルシステムの導入が評価されることがあります。
適切な調理法と冷却技術を用いていることが、食事提供加算の要件を満たす手段となり得ます。
この制度を利用することで、運営資金の確保ができ、サービスの質を維持しながら、持続可能な運営を支える一助となります。
クックチルシステムを含むクックサーブ、クックフリーズ、ニュークックチルなどの手法を採用している場合にのみ食事提供加算の対象となり、出前や市販の弁当での食事提供では対象外となります。
どのような施設であっても、これらの調理手法の導入が新たな可能性を生み出すでしょう。
クックチルシステムを施設に導入しようと思っても、調理後に急速冷却や冷蔵保存する設備が必要になるため、クックチルシステムのすべての工程を介護・障害福祉施設で行うのは一般的ではありません。
※例外として病院と併設されていたり大規模事業所の場合はクックチルシステムのすべての工程をセントラルキッチンを用いて内製化している場合があります。
したがって、冷蔵保存までの工程を各業者に委託し完調品(クックチル)として販売してもらうことで、効率よく施設利用者に食事提供することが可能になります。
つまりクックチルシステムの工程にある調理も業者に委託することになるため、メニューの栄養計算や食材管理、食材コストの計算、メニューの考案など、調理に係るさまざまな業務を削減できるというメリットもあります。
クックチルシステムは多くのメリットもある反面、デメリットもあります。
デメリットを事前に把握し、クックチルを導入した際に生じるリスクを最小限に抑えましょう。
クックチルシステムを導入すると、調理済みの食品を冷蔵または冷凍保存するためのスペースが不可欠 になります。
従来の調理方法と同様に、食品を保管するためには冷蔵庫や冷凍庫が必要です。
厨房では保存スペースが限られているため、容量の確保が重要な課題となります。
また、複数のメニューを展開する場合は、各料理に応じた容器やラベルの準備も必要であり、これが管理の煩雑さを増加させることがあります。
そのため、食品を長期間保存する場合、適切な管理体制を整えることが求められ、保管スペースの確保と運用の効率性が重要な検討事項となります。
冷蔵保存の必要性から、完調品(クックチル)業者が冷蔵庫をレンタルするサービスも増えてきました。
クックチルシステムでは、すべてのメニューが適しているわけではありません。
完全調理済み冷凍食品とも呼ばれる通り、一度冷蔵・冷凍保存されるため一部の料理や食材は、冷却や再加熱を経ることで風味や食感が損なわれることがあります。
たとえば、天ぷらや揚げ物は、冷凍することで食味が落ちるため、再加熱時にパリっとした食感が失われてしまうことがあります。
これらのメニューは完調品(クックチル)に不向きとされるため、メニューから外される場合もあります。
また、クリーム系のソースやデリケートな食材も、再加熱によって分離や変質を起こす場合があります。
こうした理由から、完調品(クックチル)に不向きなメニューについては事前に注意が必要です。
厨房で扱う料理の選択肢を限定することになるかもしれず、提供する食事のバリエーションに影響を与える要因にもなります。
メニュー策定時には、調理法と特性を十分に考慮することが求められます。
クックチルシステムを用いた料理は、大量調理を前提としているため安定した品質で味も均一化されている反面、繰り返しのメニューや手作り感の不足という点から、メニューや味に飽きやすいという点がデメリットとして挙げられます。
そのため、「味やメニューに飽きた」という理由で食事に対する顧客満足度が低下する可能性があります。
したがって、完調品(クックチル)業者の切り替えを検討するというケースが多くあります。
一食分の単価が比較的安価なため、気軽に完調品(クックチル)業者を切り替えられるということから定期的に切り替えの検討が行われているようです。
クックチルシステムはHACCPによる衛生管理や、大量調理による調理工程のマニュアル化が行われているため、急なメニューの変更や柔軟な対応が難しいといった点が挙げられます。
特に完調品(クックチル)は、基本的に注文してから配送までに1週間程度時間を要します。
そのため配送という性質上、急にメニューを変更したい場合や、食事数を増やしたい場合の対応はできません。
また、完調品(クックチル)を製造している工場やセントラルキッチンでは、1度に大量調理を行うことでコストを安価に押さえているため、業者にもよりますが個別対応が難しいといった背景があります。
完調品(クックチル)の1食あたりのコストは、一般的には250円~400円程度となっています。
しかし、主菜のみなど単品で利用する場合や医療食などを注文する場合はその限りではありません。
更に、業者によっては食事のグレードも選べるようになっているため、食事にかけられる予算がどの程度かによって1食あたりのコストが大きく変わるでしょう。
最終的に、クックチルの1食あたりの価格相場は施設が提供しているサービス内容など様々な要素により異なるため、しっかりとした相場感を掴むためには見積もりを行うと良いでしょう。
クックチルの調理プロセスは、複数のステップから成り立っています。
①セントラルキッチンや工場で食材を洗浄し、下処理
適切な大きさにカットし、下味をつけます。
②加熱処理
適切な温度で加熱処理を行い、調理します。
③急速冷却
ブラストチラーなどの専用機器を用いて料理の中心温度を90分以内に3℃以下に下げます。
④冷蔵または冷凍保存
適切な保存容器に移し替えられ、冷蔵または冷凍保存が行われます。
⑤保存した料理を再加熱(中心温度75度以上で1分間以上)
湯煎または生鮮食品の場合は自然解凍を行います。
⑥盛り付け
盛り付け用の食器を準備し、盛り付けを行います。
⑦提供
この一連の流れにより、新鮮さと安全性を保ちつつ、効率的に食事を提供することが可能になります。
全体のプロセスをしっかりと管理することで、クックチルの特徴である調理の効率化と品質の維持が実現されます。
この項目では、完調品(クックチル)の導入事例について一部抜粋しご紹介します。
光熱費や人件費などのさまざまなコストを見直す上で、委託費を見直すことになった特別養護老人ホーム。
委託から直営に切り替えを決定しましたが、厨房を任せられる人材の確保がネックだったようです。
そのため、栄養価が整っており衛生面でも優れていて少人数での運用が可能な「完調品(クックチル)」が候補に上がったようです。
厨房スタッフの入れ替えを機に原材料調理からクックチルへ切り替えを行った
完調品(クックチル)を使うことで、職員の休憩時間の確保・残業が無くなったことなど、厨房業務の効率化が行えたそうです。
完調品(クックチル)を導入する前は、原材料調理を行っていた特別養護老人ホーム。
介護食の調理に関して細かい技術やノウハウが必要な点が、より現場を疲弊させていたとのこと。
また、早朝や夜遅くまでのシフトもあることで厨房スタッフが定着しない上、求人にも応募が来ないため慢性的な人手不足により更に現場が疲弊することに。
しかし完調品(クックチル)に切り替えてからは人件費を抑えることができ、更に厨房を適正な人数で回せるようになり、しかも勤務時間を日勤帯にすることができたのも大変助かったとのことです。
クックサーブから完調品(クックチル)に切り替えたいけど、厨房で勤務しているスタッフを解雇するわけにも行かないから完調品(クックチル)に切り替えられないって言う事業所もあるよ。
完調品(クックチル)業者を選ぶ際には、いくつかの重要なステップを踏むことが大切です。
この項目では、その選び方を具体的なステップに分けて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
出来立ての料理の方が美味しいため、できるだけ現地調理で済ませたいという気持ちもあるでしょう。
しかし現場調理の場合、提供までに時間がかかってしまいます。
そこで、調理に手間や時間がかかる料理のみを完調品(クックチル)にするという手もあります。
例えば、主菜や副菜のどちらかを単品利用したり、調理スタッフの勤務形態を昼勤だけにするため、朝食と夕食を完調品(クックチル)にするといった方法もあります。
全てを完調品(クックチル)にするのか、一部の料理だけを完調品(クックチル)にするのかを慎重に考える必要があります。
提供する料理の一部を完調品(クックチル)にすることで、できるだけ出来立ての食事を提供したいというニーズを満たした上で、業務の効率化や最適化が図れるため、完調品(クックチル)導入の初期段階では料理の一部を完調品(クックチル)にするのか検討したい要素です。
先述したとおり、クックチルは柔軟な対応が難しい提供方式です。
そのため、一般的に単品対応できるクックチル業者は少なく、単品対応できないクックチル業者が多いです。
多くのクックチル業者は、例えば定食A、定食Bなどの複数の選択肢のうちいずれかを選択し注文する流れが一般的で、主菜のみや副菜のみなど単品での注文に対応していません。
一例として、単品対応できるクックチル業者にクックデリがあります。
次に、クックチル導入に際し、ペーストやムース、きざみ食など特別な食事が必要であるかを確認します。
施設によっては病院食や、施設利用者の嚥下機能の低下に対応したメニューが必要となる場合があり、どのような食種で食事を提供するかを慎重に検討することが求められます。
調理・提供する食事の内容によって、必要な機器や技術が異なるため、事前に把握しておくことが必要です。
特に、特別な食事要件がある場合、それに対応できる業者を選ぶことが成功の鍵となります。
食事提供の多様性を考えた選定が、利用者満足度を高める要因となります。
業者選びの次のステップは、インターネットを活用して希望の条件の完調品(クックチル)業者を探すことです。
対応食種やどの程度クックチルを導入するかを決めたなら、各業者の公式ウェブサイトで提供する製品やサービスの詳細を確認し、自施設のニーズに合った業者を選ぶ際の参考になります。
口コミや利用者の声を聞くことで、選定の精度が高まります。
また、当サイト「介護のコミミ」のような比較サイトを利用すると、効率よく複数の業者を比較検討できるためおすすめです。
食事は様々な人にとって楽しみなイベントの一つです。
また、季節感を感じさせる行事食は、日々を生きる活力にもなり得ます。
そのため、正月や節分、クリスマスなどの行事食も対応しているかしっかり確認にしておきましょう。
配送エリアが業者選びにおいて重要な要素となります。
選定した業者が自施設がある地域に配送可能かを事前に確認することで、スムーズな食材供給を確保できます。
特に新鮮な食材を求めるクックチルでは、時間のロスを避けるためにも、配送エリアの範囲を確認することが非常に大切です。
業者によっては完調品(クックチル)の配送は必ずしも全国に対応していないため、施設のある住所が配送エリアに該当するのか必ず確認してください。
エリア内であれば、安定した供給が期待できるため、信頼性のある業者であることが求められます。
業者を数社に絞り込んだ後は、実際に問い合わせを行うことが必要です。
具体的な要望や疑問点を伝えることで、業者の対応やサービス内容を確認できます。
気になった業者があれば、業者のホームページか、当サイト「介護のコミミ」のような比較サイトで問い合わせを行い、試食と必要に応じて見積もりを依頼しましょう。
また、業者からのフィードバックを通じて、自施設の要望がどの程度反映できるのかも見極められます。
十分な情報交換を行うことで、選定の質が向上し、後々のトラブルを防ぐ手立てになります。
実際に試食を行うことは、完調品(クックチル)業者を選ぶ上で非常に重要なプロセスです。
提供される料理の品質や味、食感が自施設の基準に合致するかを確認します。
施設利用者に提供する料理のクオリティは、業者選定の決定的な要素であるため、実際に食べてみることで納得のいく判断が可能となります。
試食を行う際、業者によっては営業が出向してくることもあり、日程や場所を調整して施設内で試食会を実施します。
この試食会では、調理方法や味、量、そして料理の彩りを目で確認することができます。
試食を通じて、業者のサービスの信頼性や食材の新鮮さなども確認できるため、このステップを欠かさないようにすることが大切です。
最終的に各業者から見積もりを取得することが必要です。
複数の業者の見積もりを比較することで、価格だけでなく、提供されるサービスの内容や条件も考慮に入れて総合的に判断できます。
見積もりの段階で、料金体系や支払い条件、配送頻度などについても詳しく確認し、正式な契約前に疑問点を解消することが重要です。
特に長期契約を検討している場合や大量発注の予定がある場合、値引きができる可能性もあるため、必ず見積もりを取得し、他の完調品(クックチル)業者と比較検討を行いましょう。
最終的には、コストパフォーマンスの良い業者を選ぶことで、業務の効率性を高められます。
完調品(クックチル)の運用において、信頼できる業者の選定はとても重要です。
ここでは全国対応のおすすめ完調品(クックチル)業者を5社厳選して紹介します。
各社は完調品(クックチル)の分野で特に有名な業者であり、それぞれの特長を理解し、自施設のニーズに合った業者選びに役立ててください。
完調品(クックチル)業者の選定は、食材の鮮度や品質の維持、そして衛生管理の面でも大きな影響を与えるため、細心の注意が必要です。
※画像引用元:ナリコマグループ公式サイト
ナリコマグループの「すこやか」は、高齢者施設向けに提供される365日日替わりの献立サービスです。
栄養士が考案したバラエティ豊かなメニューで、利用者の食を楽しませながら、栄養バランスも考慮。
ソフト食やミキサー食など、様々な食形態に対応し、個々のニーズに合わせた食事を提供します。
季節の食材を使った行事食や、アレルギー対応食も充実しており、安心・安全な食事環境を提供します。
下の記事でナリコマについて徹底解説しているよ!
※画像引用元:クックデリ公式サイト
クックデリ株式会社は、高齢者施設向けに完全調理済み冷凍食品を提供する企業で、食べる楽しさと健康を両立させる献立が特徴です。
プロの料理人が監修し、管理栄養士が栄養バランスを細かく調整した安心で安全な食事を、季節感あふれる魅力的な献立でお届けします。
他社との差別化ポイントとして、クックデリは、食の美味しさと栄養価を徹底的に追求するだけでなく、普通食、ミキサー食、ソフト食といった多様な食事形態に対応しており、利用者一人ひとりに最適な食事を提供しています。
さらに、冷凍食品でありながら、手作りの温かみを感じさせる料理で、毎日の食事が変わらない美味しさで提供されることが強みです。
施設の厨房業務をサポートしつつ、食事を通じて利用者の笑顔と健康を支えるクックデリは、心のこもったサービスで業界をリードしています。
※画像引用元:RAKUSYOKU公式サイト
株式会社STIフードホールディングスが提供する「RAKUSYOKU(ラクショク)」は、高齢者施設向けの配食サービスで、食材の品質や調理過程にもこだわり、手作り感のある安心・安全な食事を提供しています。
RAKUSYOKUは、栄養バランスの取れた食事、選べるメニュー、そして手軽な導入が特徴です。
朝食、昼食、夕食と、各食事に合わせた豊富なラインアップが用意されており、利用者の満足度を高める工夫がなされています。
RAKUSYOKUの強みは、他のクックチル方式を採用する企業と比較して、より家庭的で温かみのある食事を提供している点です。
完調品(クックチル)は大量生産で提供されるため、手作り感が少なくどこか物足りないと感じてしまうこともあります。
しかしRAKUSYOKUは食材の鮮度や調理方法にこだわり、手作り感を重視した品質の高い食事を提供します。
また、朝食のみやメインディッシュのみなど、自由にメニューを選べる点も大きな特徴で、利用者のニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。
これにより、介護施設のスタッフの負担軽減にも貢献しています。
※画像引用元:こだわりシェフ公式サイト
株式会社シルバーライフが提供している「こだわりシェフ」は、介護施設向けに完全調理済みの冷凍パックを提供するサービスです。
特に1食あたりの低価格という点が特徴で、朝食は※220円(税込237円)、昼食・夕食は320円(税込345円)と、低価格でコスト削減を実現します。
また、IHコンロや冷凍庫などの必要な設備を無償でレンタルできるため、初期投資の負担を軽減。
再加熱のみで提供でき、スタッフの業務負担も大幅に削減可能です。
さらに、導入後のシミュレーションでは年間最大39万円のコスト削減が期待できるため、運営効率が向上します。
無料の試食サービスに申し込むと、味や品質を事前に確認できるだけでなく、※500円分のQUOカードもオマケで貰える点が魅力です。
「こだわりシェフ」は、低コスト・高品質・業務効率化を実現したい介護施設に最適な選択肢です。
※2024年10月16日現在
クックチルシステムについてよくある質問をピックアップし、気になる点を分かりやすくまとめました。
クックチルとレトルトは、どちらも食品の保存方法ですが、そのプロセスや目的には明確な違いがあります。
クックチルシステムは、調理した料理を急速に冷却し、衛生的に保存する方法です。
これにより、品質や栄養素を保ちながら、提供時に再加熱して食べることができます。
特に、大量調理が必要な施設やレストランで利用され、食材の無駄を減らし、作業の効率を向上させる役割を果たします。
一方、レトルトは、調理後に真空パックし、高温で加熱殺菌を行うことで、長期間の保存が可能となる方法です。
レトルトの場合、再加熱が不要で食べれるケースが多く、非常食やアウトドアの食事として重宝されます。
また、レトルト食品は常温でも保存が可能であるため、保存スペースの選択肢が広がるという利点もあります。
このように、保存方法や使用するシチュエーションの違いがあるため、利用目的に応じた選択が重要です。
完調品(クックチル)は、セントラルキッチンや工場で食材を調理する際に味付けを行い急速冷却され、各施設に配送されます。
そのため、既に味付けがされているので、食事提供の際に更に味付けをする必要はありません。
クックチルシステムは、効率的な厨房運営を実現しつつ、安全な食事の提供を可能にする優れた手法です。
急速冷却を取り入れることで、食品の質を維持し、衛生管理を徹底しながら提供の遅延を最小限に抑えられます。
従来の調理法では、ピーク時の調理負担が増加しがちですが、クックチルの導入により、事前に調理ができるため、作業の平準化が図れます。
このようなシステムを活用することで、スタッフの作業負担も軽減され、より多くのメニューに柔軟に対応できるようになります。
さらに、クックチルの導入によって味や栄養素の損失を抑えつつ、バラエティ豊かな食事を提供できる環境が整います。
したがって、クックチルは、現代社会のニーズに応えるための重要な選択肢であり、作業効率が上がるため、クックチルの導入がおすすめです。
業務用厨房の運営に大きなメリットをもたらすクックチルシステムを導入することで、安全で高品質な食事を提供しながら、作業効率の向上が期待できるでしょう。
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