介護業界の人材が不足している原因や改善方法等を徹底解説!

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介護業界の人材が不足している原因や改善方法等を徹底解説!
#介護問題
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こみたろう

うちの事業所、人手不足で困っているんだよなぁ…
どんな施策を講じれば人材不足を解消できるかな?

このようなお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

現在介護業界は、少子高齢化や労働力人口の減少などにより、深刻な人材不足を抱えています。

介護事業所は、介護業界の現状を把握し、早期に介護士の人材不足改善のための策を講じなければならないでしょう。

本記事では、介護業界の人材不足の原因や背景を解説し、人材不足解消のための具体的な方法を紹介します。

介護事業所の方は、ぜひ参考にしてください。

今回の内容

1.介護業界の人材が不足している背景
・少子高齢化と労働力人口の減少
・需要に対して志望者が少ない
・離職率が高い
・他業種に比べて賃金が低い
・労働環境が悪い

2.介護業界の人材不足を改善する3つの方法
・職場のICT化を進める
・外国籍労働者を積極採用する
・事業所のイメージアップに務める

3.介護業界の人材不足の解消事例3選
・株式会社航和
・社会福祉法人晋栄福祉会
・社会福祉法人 あいの土山福祉会

4.まとめ

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介護業界の人材が不足している背景

介護業界の人材が不足している背景には、以下のような内容が挙げられます。

少子高齢化と労働力人口の減少
・需要に対して志望者が少ない
・離職率が高い

日本では少子高齢化が進み、全体の労働力人口が減少しています。

これを受け、介護業界を志望する人材の割合も大きく減っているのです。

また、介護業界の需要に比べて志望者が少ないことや、離職率の高さなども影響を及ぼし、多くの介護事業所で人手不足が深刻化しています。

ここからは上に記した介護業界の人材不足の背景を詳しく紹介します。

少子高齢化と労働力人口の減少

少子高齢化と労働力人口の減少により、介護業界を志望する人材の母数を相対的に減らしていると分析できます。

また、少子高齢化はこれからも続くことが予想されるため、介護業界では早期の問題解決が求められるでしょう。

日本の少子高齢化の現状と今後について、以下のデータを参考に見ていきましょう。

2020年の日本の人口1億2,484万人の内訳は、64歳以上が3,639万人(29%)、20歳~64歳が6,801万人(54%)、19歳以下が2,044万人(16%)という結果です。

日本の総人口は減少する中、日本の高齢化率は上昇を続け、2036年には3人に1人が高齢者になると言われています。

また、出生数も減少を続け、2065年には56万人の出生数になることが予想されています。

2065年の0歳~14歳の人口は、898万人と現在の約半分の人数になると推測されているのです。

少子高齢化による人材不足は、介護業界だけの問題ではありません。

労働力人口の減少は日本全体の大きな課題であり、多くの業界で人手不足解消の対策が必要となっています。

そのため「外国籍労働者の採用」や、「AI・SaaSを用いた業務改善」などが早急に取り組まれています。

令和元年度労働実態調査」では、外国籍労働者を受け入れている介護事業所は全体の6.6%となり、昨年に比べて増加し、外国籍労働者の受け入れが進む結果となりました。

また、人手不足解消のために、介護ロボットや介護計画書作成システムの導入など介護業界のICT化も広がりを見せています。

需要に対して志望者が少ない

介護業界が必要とする人材数(需要)に対し、志望者が少ないという現状があります。

令和元年度介護労働実態調査によると介護サービスに従事する従業員の不足感は、全体で65.3%の結果となっています。

また、職種別の従業員の不足感では、訪問介護職が81.2%と最も高く、次に介護職員が69.7%という結果になりました。

労働者の労働条件・仕事の負担に関する悩み、不安、不満などに対する質問の回答では、「人手が足りない」が55.7%(54.2%)であり、「仕事内容のわりに賃金が低い」39.8%(39.1%)よりも高い割合となっています。

また、従業員の過不足の理由に対し、「採用が困難である」と全体の90%の介護事業所が回答しています。

このようなデータを見て分かるように、介護業界は深刻な人手不足を抱えているのです。

また、人手不足の原因の一つに、介護業界に対する世の中のネガティブなイメージが関係していることも挙げられます。

きつい、危険、汚いという3Kのイメージを抱く人が多く、介護業界に根付いた世の中のイメージが先行し、求職者が増えないといったことが起きています。

離職率が高い

介護業界では、人材獲得のための採用競争が起きています。

厚生労働省「介護人材確保対策(参考資料)」によると、2018年の全職種の有効求人倍率1.36倍に対し、介護分野の有効求人倍率は3.02倍という結果になりました。

全職種の有効求人倍率に比べて介護分野は高い数値となっており、人材確保のために多くの介護事業所が苦労していることが分かります。

また、令和元年度労働実態調査では、従業員の過不足の理由に対し「採用が困難である」と回答した原因には、「同業他社との人材獲得競争が激しい」が57.9%、「他産業に比べて労働条件等がよくない」が52.0%という結果になっています。

上記のような理由から介護業界へ思うように人材が集まらず、介護事業所の人材獲得が激化しているのです。

しかし、その中でも依然として離職率は下がらず、多くの介護事業所が慢性的な人材不足に陥っています。

介護業界の離職率が高い理由には、以下の2つが挙げられます。

・他業種に比べて賃金が低い
・労働環境が悪い

介護職は他業種に比べて賃金が低い割に、仕事がハードな側面も多いといえます。

そのため介護職にやりがいを感じても、割に合わないといった理由から辞めてしまう人も少なくありません。

また、介護士の労働環境が悪いことも、離職率の高さに影響しています。

ここからは、離職率が高い上記の2つの理由を詳しく見ていきましょう。

他業種に比べて賃金が低い

令和元年度介護労働実態調査によると、介護事業所の全職種の月間平均給与額は、23万4,439円という結果になっています。

また、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」では、全産業の一般労働者の男女の平均月間給与額は30万7,700円という結果が得られました。

データを見ると、介護業界が他産業に比べて平均賃金が低いことが分かるでしょう。

介護業界の平均賃金の低さが、労働者のやる気を失う要因の一つとなり、離職率を高める理由になっていると考えられます。

労働環境が悪い

労働環境とは、会社で働く労働者の時間や場所などの環境を表したものです。労働安全衛生法では、労働環境について以下のように定められています。

”快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。(引用:労働安全衛生法第三条の1)

つまり企業は、長時間労働の改善や有給休暇の取得、労働災害の防止、メンタルヘルスの満足度を図るなど、状況に応じて労働環境の改善を行う必要があるのです。

しかし、介護業界の労働環境は、決してよいとは言えません。

夜勤を含む長時間労働や、施設利用者の身の回りのお世話、レクリエーションの計画、介護記録の記入といった業務量の多さによるスタッフ一人当たりの負担の大きさなどが問題となっています。

このような労働環境の悪さが、介護士の離職率の高さを招く要因の一つになっているのです。

介護業界の人材不足を改善する3つの方法

では、介護業界の人材不足を改善するために、介護事業所は具体的にどのようなことを行えばよいのでしょうか? 人材不足を改善するための3つの方法を以下に記載しています。

・職場のICT化を進める
・外国籍労働者を積極採用する
・事業所のイメージアップに務める

介護ソフトやツールを活用するなど職場のICT化を進めることで、業務の効率化を図ることが可能です。

また、外国籍労働者の積極採用や介護事業所のイメージにアップにより労働者を確保し、職場の人材不足をカバーできます。

ここからは、人材不足を改善する3つの方法を詳しく解説します。

職場のICT化を進める

介護業界の人材不足を改善するには、職場のICT化を進める必要があります。

介護のコミミが行った「介護・福祉」の503法人を対象としたアンケートによると「あなたの勤務している事業所の離職率は低いと思いますか?」の質問に対し、ITツールの導入率が高い事業所はそうでない事業所に比べて、「離職率は低いと思う」と回答した人が16%多い結果となりました。

このようなことから職場のICT化と離職率の高さには、相関関係があることが分かります。

介護業界のICT化と離職率の関係性について、詳しくはこちらをご覧ください。

また、職場のICT化を進める具体的な方法には、介護ソフトやツールの導入が挙げられます。

介護ソフトやツールの導入により、請求処理のチェックの自動化や介護保険証の期間の一括管理、介護記録と請求データの連動などが可能となり、大幅な業務改善が期待できます。

介護ソフトを活用することで離職率の低下を防ぎ、業務効率化を図るなど、導入のメリットは大きいといえるでしょう。

介護ツールやソフトの機能について詳しくは、こちらで解説しています。

また、介護ソフトやツールを導入する際は、ICT補助金や介護ロボット補助金を活用できます。ICT補助金や介護ロボット補助金は、各自治体が初期コストを最大半額負担してくれる制度です。自治体によって要件や補助率、補助上限額などが異なります。介護ソフトやツールを導入する事業所は、管轄の自治体の補助金制度をしっかりと確認し、積極的に活用しましょう。

各都道府県別のICT補助金や介護ロボット補助金については、こちらをご覧ください。

外国籍労働者を積極採用する

外国籍労働者を積極的に採用することで、介護士の不足している人材をカバーできる可能性があります。

令和元年度介護労働実態調査による外国籍労働者の活用に関する評価では、外国籍労働者を受け入れている事業所はそうでない事業所に比べて「労働力の確保ができる」、「職場に活気がでる」といった回答が多く寄せられました。

また、外国籍労働者を受け入れている事業所は「利用者等の意思疎通において不安がある」、「コミュニケーションがとりにくい」などの回答が少なくなっています。

このようなことから、すでに外国籍労働者の受け入れを行う事業所では、外国人の雇用にポジティブな印象を持っていることがわかるでしょう。

そして政府は、介護における外国籍労働者のための技能実習制度や特定技能制度、EPAを導入するなど、外国籍労働者の雇用を促進しています。

これにより介護事業所は、技術を習得した外国籍労働者を採用しやすくなるでしょう。

また、外国籍労働者採用の目的を事前に説明するなど、既存スタッフに理解を得られるような働きかけも欠かせません。

そして、就業に関するルールを教えるなど、外国籍労働者に日本の職場における基本的な内容の説明を行う必要があります。

このように介護事業所は外国籍労働者を上手く活用することで、人材不足の改善につなげられます。

事業所のイメージアップに努める

介護業界全体に対するネガティブなイメージをすぐに変えるのは、時間がかかる問題であるため、難しいといえるでしょう。

人材不足の改善に向けて、まずは介護事業所のイメージアップに努めることが大切です。

具体的には、自社のHPや採用サイトなどで企業理念や企業の取り組み、介護職の魅力などを積極的に伝えます。

資格取得支援制度や福利厚生の充実、研修会の実施、介護ツールや介護ロボットの導入実績など、他社と差別化を図る内容を掲載すると、求職者に効果的にアピールできるでしょう。

また、ブログで定期的に情報発信を行うなど、自社の情報が多くの人の目に触れるための工夫も必要です。

企業を広く認知させるための取り組みを戦略的に行うことで事業所のイメージアップを図り、「ここで働きたい」と思う人材を増やすことが大切です。

介護業界の人材不足の解消事例3選

ここでは、介護業界の人材不足の解消に成功した以下の3つの事例を紹介します。

・株式会社航和・・・・・・介護ツールの導入
・社会福祉法人晋栄福祉会……外国籍労働者を積極採用
・社会福祉法人 あいの土山福祉会・・・・・・介護事業所のイメージアップ戦略を図る

介護ツールの導入や外国籍労働者の積極採用、介護事業所のイメージアップ戦略の成功事例をそれぞれに紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

株式会社航和

株式会社航和は、岩手県で住宅型有料老人ホームや通所介護事業、訪問介護事業などを展開する会社です。

勤務する介護職員の離職率を抑えるために、業務負担の軽減を図りたいと考えていました。

特に、記録に関する職員の業務負担の多さは大きな課題となっていました。

そこで、介護業務効率化や介護事業所と施設の情報一元化・共有のために、介護ツールの「ほのぼのNEXT」を導入。「ほのぼのNEXT」は、音声入力やタブレット入力、データの一元管理などの機能を搭載した業務改善を図る介護ツールです。

導入後は、記録業務や請求業務の効率化を図り、情報共有にかかる時間を大幅に短縮するなど、職員の業務負担の軽減に成功しています。

社会福祉法人晋栄福祉会

社会福祉法人晋栄福祉会は、大阪、奈良、神戸など関西に複数の介護事業所を展開しています。

社会福祉法人晋栄福祉会の多くの事業所では、介護職員不足の問題を抱えていました。

そこで、人材不足の問題を解消するために、外国籍労働者の積極採用を実施。外国人の介護士受け入れ制度であるEPAを活用し、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどの国々から介護福祉士や介護福祉士候補生、技能実習者などを各施設に積極的に採用しています。

これまでの採用数は2020年1月時点で総勢118名に及ぶなど、多くの外国籍労働者の雇用に成功しています。

また、採用後は、外国人職員採用の目的の周知や介護現場での読み書き、入力の補助、入居者とのコミュニケーションには日本人のスタッフを介入するなど現場での業務に工夫を行い、外国人雇用における問題や不安の解消に努めています。

社会福祉法人 あいの土山福祉会

滋賀県に本社を構える『福祉法人あいの土山福祉会』では、介護業界に根付いたネガティブイメージを払拭したいと考えていました。

そこでイメージアップ委員会を設立。イメージアップ委員会では、ホームページを既存のものから新しい内容に変更し、たくさんのコンテンツを用意しています。

また、ブログでの発信や独自の取り組みを資料形式で公開し、求職者向けのパンフレットに工夫を凝らすなど独自の戦略を多く実施しています。

イメージアップ委員会の設立後は、ホームページの閲覧数が大幅に増え、採用試験数もアップするなど、取り組みが功を奏し、よい結果を生んだ事例です。

まとめ

少子高齢化と労働力人口の減少、需要に対して志望者が少ない、離職率が高いといったことを背景に、介護業界は深刻な人材不足の問題を抱えています。

現場での介護士を増やし、人材不足の改善を図るには、以下のような方法を実施する必要があります。

・職場のICT化を進める
・外国籍労働者を積極採用する
・事業所のイメージアップに努める

介護ツールやソフトの導入、EPAなどの制度を活用し、外国籍労働者を積極的に採用する、介護事業所のイメージアップ戦略を図るといった取り組みによって、介護事業所は人材不足を改善することが可能です。

そのためにはまず人材不足解消に向けて、自社の抱える悩みを明確にすることが大切です。

自社の悩みを踏まえた上で、こちらを参考にしながら介護事業所の人材不足の改善に努めていきましょう。

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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