親が老人ホームへの入居を嫌がる場合は?強制入居のリスクと向き合い方

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親が老人ホームへの入居を嫌がる場合は?強制入居のリスクと向き合い方

#介護問題

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こみたろう

「親を老人ホームに入居させたいけど嫌がりそうだなぁ…」
「気持ちよく老人ホームに行く気にさせるためにはどうしたらいいんだろう?」

親の介護が必要になると安全への配慮や食事などの介助に時間を要し、心身ともに疲労が蓄積するでしょう。

老人ホームへ入居を進めても拒否され、「このまま在宅で介護し続けなければならないのか」「どうして老人ホームへ入ろうとしないのか分からない」と困惑する人も多いと思います。

今回の記事では、親が老人ホームの入居を拒絶する理由や強制入居のリスクを徹底解説していきます。

老人ホームへの強制入居のリスクを押さえて、親の介護度に合わせた適切な選択肢を見つけるのに役立ててください。

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こみたろう

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親が老人ホームへの入居を嫌がる理由

親が老人ホームの入居を嫌がる理由として、次の5つが挙げられます。

・家族に介護してもらいたい思いが強い
・家族に見捨てられる不安
・自尊心を保ちたい
・老人ホームに悪いイメージがある
・今の生活を続けたい

老人ホームへ行けば住み慣れた家を離れ、人間関係も大きく変化します。

強い不安や老人ホームに対するイメージから、入居を嫌がる人は少なくありません。

次の章で老人ホームの入居を嫌がる理由について詳しく確認していきましょう。

家族に介護してもらいたい思いが強い

1つ目の理由は在宅介護を希望していることです。

内閣府が発表した「令和元年版高齢社会白書」で、55歳以上の男女を対象に行った調査によると、介護を依頼したい人で男性の回答1位は配偶者(56.9%)、女性の回答1位は介護サービスの人(39.5%)で2位は子ども(31.7%)、3位は配偶者(19.3%)という結果でした。

女性の場合は介護サービスの利用を望んでいる傾向が高いものの、家族に介護をして欲しいと答えた人が半数以上です。

このことから、55歳以上の半数が家族による介護を望んでいることが分かります。

家族に見捨てられる不安

見捨てられる不安感を抱いていることも、老人ホームを嫌がる理由の1つです。

家族に介護をしてもらいたいと考えている人の場合、老人ホームに入居をすすめられると「家族に愛されていない」「見捨てられる」「義務を放棄された」と感じるかもしれません。

このケースでは家族に介護して欲しい親の気持ちを汲みながら、親の幸せを願っていることをしっかり伝えて話し合うことが解決への糸口となります。

無理やり入居させようとせず、不安を解消するために愛情を持って関わり、寂しさを軽減するよう入居後も会いに行くことを伝えることも重要なポイントです。

自尊心を保ちたい

誰かに介護されることに抵抗を感じ、自尊心が傷つけられたと感じる人もいます。

そのような場合、老人ホームの入居を拒否することがあります。

今までできたことができなくなり、親自身、介護を受けなければならないことに苦しんでいると理解し、まずは親の気持ちを尊重するようにしましょう。

家族以外の人にトイレやお風呂を手伝ってもらうことは恥ずかしいと思う人もいます。

自尊心をないがしろにせず、親の気持ちを尊重しながら、どの選択肢を選ぶことが家族と親の幸せにつながるかを検討することが大切です。

老人ホームに悪いイメージがある

老人ホームに消極的な印象を持っていること4つ目の理由です。

老人ホームは暗い、集団で活動するため不自由、閉鎖された空間など、ネガティブなイメージを持っている場合があります。

自身の親を介護したときの印象が良くなくて、そのまま良くない印象を持ち続けている可能性もあるでしょう。

介護施設は必ずしも集団生活をする必要もなく、一口に老人ホームと言っても住宅型有料老人ホームや高齢者向け分譲マンション、介護老人保健施設などさまざまです。

すぐに施設の見学へ行くのは抵抗を覚えるかもしれないので、まずはホームページやパンフレットといった資料を見せて雰囲気を知ってもらうと良いでしょう。

今の生活を続けたい

5つ目の理由は住み慣れた家で生活したいからです。

老人ホームに入れば住み慣れた家や家族のもとを離れて、新しい環境に馴染まなくてはなりません。

人間関係や生活の変化に上手く適応できるか不安に思うのは自然なことです。

すぐに老人ホームへ入居をすすめずに、老人ホームの環境について少しずつ知ってもらうことから始めましょう。

例えば見学やレクリエーションの参加をしてみて、もし問題がなさそうだったら次はショートステイや体験入居へとステップを進めます。

老人ホームの環境を実際に触れて知ってもらうことで、老人ホームへの抵抗を和らげます。

時間をかけながら、スタッフや入居者たちと交流をかさねることが重要です。

老人ホームに強制入居させるリスク

介護をしていると、肉体的にも精神的にも追い込まれ、すぐにでも老人ホームへ入居してもらいたいと思う人もいるでしょう。

しかし、本人の希望を聞かず無理やり老人ホームへ入居させるのは、①信頼関係が崩れる、②新しい生活に馴染めず認知症が悪化するというリスクをともなうため、おすすめできません。

ここでは、老人ホームの強制入居のリスクについて解説します。

信頼関係が崩れる

老人ホームへ強制的に入居させる1つ目のリスクは信頼関係の崩壊です。

介護をしていると深夜でも介助をしなければならないことがあり、心身に限界を感じるかもしれません。

しかし、早急に老人ホームへ入居させると「家族から切り離された」「住み慣れた家から追い出された」と傷つき、家族の信頼が壊れてしまうリスクが高いです。

老人ホームへ入居したくないのであれば、まずは親とじっくり話をして、なぜ老人ホームへ入居したくないのか理由を教えてもらいましょう。

理由が分かれば強制入居に踏み切られなくても解決する方法が見つけられるかもしれません。

介護をしている家族も、介護されている親も思うように生活できず、苦しいと思います。

しかし、何十年も家族として築いてきた信頼関係を犠牲にするのではなく、他に何か方法がないか見つけるためにも、落ち着いて話せる時間を作ることをおすすめします。

新しい生活に馴染めず認知症が悪化する

認知症がある場合は環境の変化に適応するのが難しく、強制的に老人ホームへ入居すると大きなストレスを感じてしまいます。

生活が変わると認知症が進む可能性があるので、強制入居は注意が必要です。

強制入居させても帰宅しようとしたり、生活に馴染もうとしなかったり、トラブルに発展するケースもあります。

また、老人ホームへ入り今まで自分でしていたことをスタッフがやってくれるようになると、行動量や考えることが減るため認知症を進行させてしまうかもしれません。

必ずしも老人ホームへ入ることが認知症を悪化させるわけではないですが、環境の変化は認知症のある人にとってストレスとなり、老人ホームの強制入居はリスクが大きいと言えるでしょう。

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親が老人ホームへの入居を嫌がる場合に家族がやるべき5つのこと

老人ホームへの入居を親が嫌がるときは、次の5つを実践してみるのがポイントです。

・親の気持ちに寄り添う
・家族が老人ホームへの入居に納得する
・老人ホームの悪いイメージを親と一緒に払拭する
・老人ホームのスタッフに相談する
・「老人ホーム入居」以外の選択肢を検討する

前述したとおり、強制入居にはリスクがともないます。

しかし介護者が体調を崩して共倒れになってしまうことは避けなくてはなりません。

親が認知症の場合は強制入居のリスクを踏まえつつ、次のステップへ行動を移すことも時には必要となるでしょう。

本章では、親が老人ホームを嫌がるときにするべき5つのポイントについて解説します。

親の気持ちに寄り添う

まず親が老人ホームを嫌がる気持ち否定せず、受け入れることが大切です。

例え親の安全や命を守るのに老人ホームの入居が必要であっても、親の気持ちを尊重せずに話を進めると親を傷つけたり不信感を抱かせたり、関係にひびが入るかもしれません。

親が住み慣れた家にいたい、家族に介護をしてもらいたいと考える気持ちを理解し、感情的にならず、親の話をしっかりと聞いてあげるようにしてください。

焦って無理に説得を試みても事態が悪くなる可能性が高いでしょう。

親が誤解しないように、心配していることを伝え、親の幸せを願っていることを伝えながら、親の気持ちに寄り添ってみてください。

家族が老人ホームへの入居に納得する

老人ホームへの入居が「親の幸せにつながる」「家族の愛情である」と、介護者である家族が納得していることも重要なポイントです。

自宅ではなく目の届かない施設に入居することに不安や罪悪感を覚える介護者もいるかもしれません。

介護者や家族が老人ホームへの入居に抵抗をなくし、納得していなくては本人も安心して入居できないでしょう。

家族が老人ホームの入居に不安を感じていては、本人も入居に前向きになれません。

老人ホームへの入居が最善の選択であるかをよく検討し、家族の幸せに必要なことであると心から納得しているか、振り返ってみてください。

老人ホームの悪いイメージを親と一緒に払拭する

老人ホームにマイナスの印象を持っている場合は、一緒に資料を見たり、体験会や見学に参加したりしてイメージを変えることがポイントです。

まずはパンフレットなどで複数の老人ホームを見比べ、興味を持った施設があれば、レクリエーションやイベント、試食会に参加してみましょう。

「老人ホーム=介護」というイメージを持つ人も多いでしょうが、近年では介護の度合いが軽度な内から老人ホームへ入居する人もおり、さまざまなレクリエーションが企画され、楽しめるようになっています。

老人ホームのイメージが悪いときは体験を通して老人ホームを知ってもらい、良い面に触れてもらうのが効果的です。

老人ホームのスタッフに相談する

家族だけで話を進めようとしても、上手くいかないときは老人ホームのスタッフなど外部の人に協力してもらうのも1つの方法です。

老人ホームのスタッフは認知症の人の行動や思考について詳しいので、的確なアドバイスを得られるでしょう。

第三者が入ることで客観的に現状を整理でき、どうすれば良いか明確になります。

老人ホームの入居を嫌がるときは強制入居をさせるのではなく、専門家や老人ホームのスタッフを頼り冷静に対応することが重要です。

「老人ホーム入居」以外の選択肢を検討する

老人ホームの入居を嫌がるようなら、在宅介護を続けるという選択肢も検討してみてください。

老人ホームでは環境が大きく変わるため介護の負担は軽減できるものの、親にとってはストレスになる可能性もあります。

また老人ホーム入居にこだわると、老人ホームを嫌がる親と、老人ホームへ入れたい自身との間にわだかまりが生まれ、事態が進展しないことに苛立ちや焦りを感じてしまいます。

ただし親の介護度によって在宅介護が難しいケースもあるので、老人ホーム以外の選択肢もあると頭の片隅に置いておき、入居に固執しすぎないことが大切です。

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親が老人ホームに入居した後に家族がすべき3つのこと

老人ホームへ入居した後、家族がすべきことは主に下記の3つです。

・継続的に親とコミュニケーションをとる
・常に別の選択肢を検討する
・最新の介護情報を収集する

老人ホームへ入居したら定期的に会いに行き、コミュニケーションを取りましょう。

家族に見捨てられたという不安を取り除き、入居生活を安心して送れるようにすることが大切です。

また、老人ホーム以外にも在宅介護などの選択もあると心に留めておき、必要に応じて対応してください。

そのためには介護について最新の知識や情報を得ることがおすすめです。

以下で詳細を解説します。

継続的に親のコミュニケーションをとる

老人ホームへ親が入居すると罪の意識を感じる方がいます。

また、親も自宅を離れ新生活に不安を感じているかもしれません。

入居後はなるべく面会をして、お互いの近況を報告しあいましょう。

継続して親とコミュニケーションをとることで、家族の結びつきを実感できます。

自宅から離れて老人ホームへ入居すると当然ですが一緒に過ごす時間が減ってしまいます。

面会で積極的に関わりを持ち、時間を埋めていくことで入居に対して前向きに考えられるようになるでしょう。

常に別の選択肢を検討する

公的な団体が運営する施設や民間の施設など、老人ホームにはたくさんの種類があります。

また、施設によってサービスも異なるため、一度老人ホームへ居しても常に他の選択肢を検討してみましょう。

サービス、スタッフや施設の雰囲気など実際に入居しなければ見えてこないものもあります。

老人ホームへ入居したから終わりではなく、どうするのが家族と親の幸せにつながるのかを考えておけば、介護に対する後悔を少なくできるかもしれません。

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おはよう21

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(中央法規出版より引用)

介護専門職に就く現場の方々が、介護現場で働く方々に向けてお役立ち情報を発信している介護の総合情報誌です。

介護専門職向けの内容ですが、介護現場で悩み、奮闘する全ての方に役立つ情報が掲載されているため、情報収集の力強い味方となるでしょう。

シルバー新報

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(シルバー新報HPサンプルより引用)

シルバー新報は創刊1987年、20年以上の歴史を持つ介護保険専門紙です。

団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けた「地域包括ケア」のトピックなど、最新の気になる情報を「分かりやすく、深く知ることができる」と定評のあるメディアになります。

介護職員/介護従事者はもちろんのこと、これから介護に関わる人まで幅広く知見が得られます。

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要介護者の入居に際して介護事業所側に求められる対応とは?

要介護者を受け入れる事業所に求められる対応は、特に重要なものを3つ解説します。

  1. ご家族・ご本人に寄り添った対応が必要
  2. 考え得る選択肢、情報の提供
  3. より良い介護の未来に向けた事業所の対応も求められている

1つ目は、不安を抱える家族や入居者の気持ちを尊重することです。

家族や入居者は介護すること・介護されることに慣れていない人がほとんどで、今後に不安を感じています。

家族や入居者の気持ちを理解し、丁寧に接することが大切です。

また情報収集力には個人差があるため、専門家として選択肢や情報提供をすることも求められます。

入居者の介護度に応じ、可能な選択肢や情報を提供することは、入居者や家族が納得のいく介護生活を送る上でも役立ちます。

最後に、介護事業をより良いものにしていく姿勢も忘れないようにしましょう。

高齢化が進みこれからますます介護事業所のニーズは高まるはずです。

高齢者が自立した生活を送れるようにサポートし、サービスを高めていくことが今後さらに求められます。

まとめ

老人ホームの入居は親の安全を守り、介護者の負担軽減にもつながります。

しかし、老人ホームへ入りたくないと入居を拒否する人も少なくありません。

老人ホームの入居を嫌がる理由を理解し、本人の不安解消や老人ホームへのネガティブな印象を払拭できるように工夫することも大切です。

認知症が進んでいれば話し合いが上手くいかないかもしれないので、強制入居のリスクを受け止めつつ、次の段階に行動を移すことも視野に入れましょう。

本記事を通して、親の介護とどう向き合っていくか、納得できる選択肢を選ぶヒントに役立てていただけると幸いです。

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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