サービス付高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの違いとは?

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サービス付高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの違いとは?
#サービス付き高齢者向け住宅  #有料老人ホーム
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こみたろう

「サ高住と有料老人ホームの違いって具体的になに?」
「家族や担当する高齢者さまが入居するならどっちの方がいいかな?」

このように思う介護サービスの利用を検討している方や、介護関係の方は少なくないでしょう。

サービス付高齢者向け住宅(サ高住)と有料老人ホームの大きな違いは、生活の自由度、初期費用や月々の費用、入居条件、契約形態などです。

この記事では、サービス付高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いを踏まえ、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説していきます。

この記事をお読みいただければ、サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いを知り、どちらを利用するのかの判断材料になることでしょう。

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「サービス付高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違い

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が急増する一方で高齢者住宅が不足していることから、2011年10月に改正された「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)第5条によって誕生しました。

「サ高住」や「サ付住宅」とも呼ばれ、60歳以上の単身の高齢者やその配偶者や60歳以上の親族などが同居できる、要介護度がそれほど高くない高齢者向けのバリアフリー住宅です。

居住部分の面積は原則25平方m以上で、安否確認サービスと生活相談サービスがついています。

介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを利用できます。

一方、有料老人ホームは、老人福祉法29条に規定された高齢者向けの生活施設で、2006年4月の改正で、定員要件の廃止、対象サービスの増加により、届け出数は増加傾向にあります。

介護サービスの利用の仕方によって、介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームに分けられます。

65歳以上の高齢者で、食事、介護、家事、健康管理のサービスのうち1つ以上を提供することになっています。

個室は13平方m以上で、サービス内容によって入居一時金や月額費用はさまざまです。

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは下表のとおりです。

特に大きく違う点は、入居条件、サービス内容、契約形態です。

それぞれについて、以下で説明します。

 

サービス付高齢者向け住宅

有料老人ホーム

根拠法

高齢者住まい法第5条

老人福祉法第29条

施設の特徴

主に自立した高齢者が生活支援サービスを受けて居住する施設

主に介護を必要とする高齢者が介護や生活支援を受けて居住する施設

入居条件

・原則として60歳以上

・自立~軽度の要介護者

・原則として65歳以上

・自立・要支援1~要介護5※

費用※

・敷金:家賃の2~5カ月分

・月額費用:10~30万円

・入居一時金:0~数千万円

・月額費用:15~40万円

居室面積

個室 原則25平方m以上

※条件を満たせば18平方以上でも可

個室13平方m以上

主なサービス内容

安否確認・生活相談・生活支援(掃除、買物代行など)

介護サービス(食事、入浴、排せつ)、食事の提供、リハビリ、健康管理、レクリエーション

契約方式

建物賃貸借契約

終身利用権方式

入居条件が異なる

サービス付高齢者向け住宅と有料老人ホームの大きな違いの一つは、入居条件が異なることです。

サ高住では原則60歳以上の高齢者あるいは軽度の要介護認定を受けた高齢者が対象です。

これに対して、有料老人ホームの場合は、原則65歳以上の高齢者が対象で、施設によって自立型、介護専用型、混在型があり、介護専用型では自立状態の人は入居できません。

自立型の場合、要介護状態になると退去しなければならない施設もあります。

提供されるサービス内容が異なる

サービス付高齢者向け住宅は、主に自立状態の高齢者を対象にしているので、各居室に台所、トイレ、浴室がついている場合が多く、好きな時に食事や入浴、外出ができるなど、生活の自由度が大きいのが特徴です。

これに対して、有料老人ホームは一日のスケジュールがほぼ決まっています。

毎日の起床、朝食、体操、昼食、レクリエーション、おやつ、夕食、就寝の各時間が決まっているほか、週2回ほどの入浴時間があります。

契約形態は「終身利用権方式」と「建物賃貸借契約」に分かれる

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅となり、介護や生活支援など必要なサービスを選んで生活する場です。

したがって、契約方式は建物賃貸借契約になり、入居時に必要な費用は敷金として支払い、毎月、家賃・管理費を支払います。

一方の有料老人ホームの場合は、一般的には終身利用権方式で契約した本人が亡くなるまでの契約となり、本人が死亡した時点で契約は終了します

施設が提供する食事や介護サービスも同時に契約します。

入居する際に入居一時金を支払うことで、居室、共用部分、設備などの利用権を得ることになります。

参考:厚生労働省「高齢者の住まいについて
  :大阪市福祉局「大阪府告示第37号

サービス高齢者向け住宅のメリット・デメリットまとめ

サービス高齢者向け住宅のメリット・デメリットは、以下の通りです。

サービス高齢者向け住宅のメリット 

・居室にキッチンや浴室がついている施設が多く、好きな時に食事や入浴ができるなど、生活の自由度が大きい

 

・体調に問題がなければ、好きな時に外出や外泊を行うことができる

 

・必要なサービスを自由に選ぶことができるのでコストパフォーマンスが良い

 

・入居のための初期費用は0~数十万円程度と安い

 

・ほかのサ高住などへの住み替えがしやすい

 

・在宅で世話になっていたケアマネジャーに引き続いて担当してもらうことができる

サ高住は入居費用が安くて、自由度が高いうえ、介護が必要になっても外部の介護サービスを利用すれば住み続けられます。

多くは建物賃貸借方式で配偶者がいれば、亡くなるまで住むことも可能で、その後、配偶者が契約を相続して住むことができます。

サービス高齢者向け住宅のデメリット

・サービス内容が施設ごとに異なるため、施設を選ぶ際に迷う場合がある

 

・入居者間で交流できるレクリエーションなどの機会が比較的少ない

 

・「自立・支援タイプ」のサ高住では、寝たきりや認知症の進行、重度の要介護状態になった場合、対応できない場合が多く、途中で退去しなければならない可能性もある

 

・設備の充実度では、大浴場などがついたサ高住もあるが、一般的には健康型有料老人ホームよりも低い

自立度の高い高齢者向け設備であるため、重度の要介護状態になると退去を求められる可能性もあります。

参考:サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム「高齢者住まい法の改正について

 関連記事 サービス付き高齢者向け住宅とは?費用や入居条件など徹底解説!

有料老人ホームのメリット・デメリットまとめ

有料老人ホームのメリット・デメリットは以下の通りです。

有料老人ホームのメリット

・介護付き有料老人ホームでは介護スタッフが24時間対応をしており、高い人員配置基準もあるため、手厚い介護が受けられる

 

・介護付きではレクリエーションの機会が多く、入居者同士の交流も盛んである

 

・介護付きでは毎月提携病院の往診が受けられる

 

・介護費用は毎月定額であるため、経済的な安心感がある

 

・健康型有料老人ホームの場合、レクリエーション設備が充実している

有料老人ホームには介護付き、住宅型、健康型と異なったタイプがあり、介護付きや住宅型では終身利用権方式がほとんどです。

介護を重視するなら介護付きが安心です。

有料老人ホームのデメリット

・介護付きでは食事や入浴時間がある程度決まっていて、生活一定の制約がある

 

・外出も自由にはできない

 

・介護付きや住宅型の初期費用は0~数百万円、健康型では0~数億円と高く、まとまった入居一時金が必要である

 

・手厚い介護サービスが提供されるため、費用も高くなる

 

・介護サービスを利用しなくても、介護サービス費が請求される

 

・住宅型の場合、介護度が上がると、退去を求められることがある

 

・健康型では重度の要介護状態ではすみ続けられず、退去しなければならない

一部の住宅型と健康型では、初期費用が高いうえ、要介護度が重度になると退去を求められます。

 関連記事 サービス付き高齢者向け住宅とは?費用や入居条件など徹底解説!

サービス高齢者向け住宅と有料老人ホームはどちらがおすすめ?

サービス高齢者向け住宅と有料老人ホームの概要や特徴、メリット・デメリットについてみてきましたが、では、それぞれどのような人におすすめでしょうか。

以下で説明します。

サービス高齢者向け住宅はどんな人に合っている?

サ高住では、食事、入浴、外出、外泊など、生活面での制限は基本的にないので、自由な生活を維持したい方や、好きな時に出かけたり旅行をしたりしたいという変化のある生活を希望する方におすすめです。

施設は高齢者にとって優しいバリアフリー構造なので、安全・安心の生活を求められる方にも向いています。

このように、自立できる元気な高齢者から、要介護の高齢者まで幅広く対応できる施設であるため、多くの方におすすめできる施設です。

また、入居時の初期費用は、有料老人ホームに比べてもかなり安いので、入居時にまとまったお金を準備するのが困難な人に適しています。

月額費用も比較的リーズナブルで、費用を抑えたい方にはおすすめです。

有料老人ホームはどんな人に合っている?

有料老人ホームは、カラオケなどの設備を備えた施設もあり、設備面の充実を重視する高齢者におすすめです。

入居者間で交流できるレクリエーションなども多く設けられているので、さまざまな人と交流し、付き合いながら生活したい人に向いています。

また、有料老人ホームは、入居金が高額なので、入居できるのは入居金を準備できる方に限られますが、特にしっかりした介護を受けたい方には、介護付き老人ホームがおすすめです。

介護付きは国の指定を受けた介護施設で、24時間の介護スタッフ常駐など介護体制がしっかりしているので、介護重視の方に向いています。

サービス高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いに関するQ&A

サービス高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いに関する以下の問いに下記でそれぞれお答えいたします。

Q1.老後の介護について親と話す際に気を付けた方が良いことはありますか?

 

Q2.親が老人ホームの入居を嫌がる場合はどうすれば良いですか?

 

Q3.別の老人ホームへの住み替えで注意すべきことはありますか?

Q1.老後の介護について親と話す際に気を付けた方が良いことはありますか?

・親と介護の話をするときは、最初に家族の思いを伝えることが大事です。

例えば、「もしもお父さんに介護が必要になった場合に、安心してもらえるように前もって話をしておきたい」などと、率直に思いを伝え、話の中で本音を話してもらえるようにすることが大事です。

聞いておきたいことは、日常生活における、起床・就寝時間、3食の食事の時間、食べているもの、週における入浴回数と時間、外出時間や頻度、好きな趣味や自宅での過ごし方、などです。

この内容は、ケアマネジャーが介護の計画を立てるときに必要な情報になります。

また、介護が必要になった時、親がどのような介護を望むのかを知っておくことも大事です。

このほか、介護には費用がかかるので、親の預貯金、毎月の収入、医療保険なども確認し、万一に備えて、延命措置の希望も聞いておきましょう。

Q2.親が老人ホームの入居を嫌がる場合はどうすれば良いですか?

・本人が納得して入居できるよう家族の愛情を伝え続けるようにしましょう。

施設への入居はよりよい生活のためであること、家族が心配していること、入居後もできる限り会いに行くことを伝えることが大切です。

そのうえで、老人ホームに入りたくない理由をじっくり聞いてあげましょう。

入居を嫌がる理由には、家族から見捨てられるという悲しみや不安があります。

また未知の生活への不安から現在の場所で生活を続けたいと思うものです。

自分は介護が必要な状態ではないと主張する場合は、自尊心を保ちたいという思いがあります。

本人が嫌がる場合、家族の方が施設入居に心から納得していることが大切です。

家族が入居に迷っていると、本人に納得してもらえません。

特に、焦りから感情的に説得することは逆効果です。

一緒にパンフレットを見たり、入居している人の話を聞いたり、施設の協力を得ることもよいでしょう。

どうしても入居が進まない場合は、多少無理でも入居してみるという方法と、次の機会を待つという二つの選択肢があります。

実際に入居してみると、予想を裏切って楽しく入居生活を送る人もいます。自宅での生活を続ける場合は、地域包括ケアなどを利用しましょう。

Q3.別の老人ホームへの住み替えで注意すべきことはありますか?

老人ホームを退去する際に金銭トラブルになりやすいので気をつける必要があります。

入居一時金の返還がどれぐらいになるのか、原状回復のための費用を支払う必要があるかどうか、という2点について、老人ホームに確認することが大事です。

これらの事項については、重要事項説明書や管理規程に記載されていて、入居時に説明されていますが、再度、直接確認する必要があります。

その際に、退去を事前に申し出ることが必要な場合、何カ月前までに申し出なければならないかについても確認しておきます。

居室の原状回復費用の負担については、入居者と老人ホームが「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成23年国土交通省住宅局)を参考に協議することになっています。

入居者が造作を変更した場合は、入居者が負担する必要があります。

(出典:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」平成23年国土交通省住宅局

まとめ

サービス付高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いを中心に、それぞれのメリット・デメリット、どのような人に向いているかなどについてみてきました。

サービス付高齢者向け住宅の方が、有料老人ホームよりも生活の自由度が大きく、初期費用や月額費用も安いと言えます。

しかし、介護サービスを重視するなら、介護付き有料老人ホームの方が充実しています。

近年は、介護サービスを充実させた介護・認知症タイプのサービス付高齢者向け住宅も増えており、二つの施設の差は小さくなっています。

施設を探す際は、終の住み家として考えるのか、元気な間の当分の住み家とするのかなど、目的を明確にして目的に適った施設を探すことが大事になります。

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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