特養(特別養護老人ホーム)の人員配置基準は?緩和のための見守りシステムを3つ紹介

介護施設の経営・運営改善

特養(特別養護老人ホーム)の人員配置基準は?緩和のための見守りシステムを3つ紹介
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こみたろう

特養の安全性を守りたいのにスタッフが足りないのなんとかならないかな…

特養の運営をしていて、人手不足に悩む事業者は多いと思います。

人手不足の中での人員配置は、介護ケアの質や運営に関わる重要な課題です。

人員配置基準を満たせないと違反になってしまうプレッシャーもあるかもしれません。

そこで、おすすめなのが人員配置基準の緩和に繋がる見守りシステムの導入です。

この記事では、特養の人員配置基準についてのことや満たない場合の解決法、おすすめ見守りセンサー3選を解説していきます。

特養の人員配置基準について

人員配置の課題解決の前に、まずは特養の人員配置基準からおさらいしていきましょう。

ここからは、特養の人員配置基準について詳しく解説していきます。

特養の人員配置基準が厳しい理由

特養の人員配置基準が厳しいと思っている事業者の方もいるかもしれません。

人員配置基準は、特養の介護サービスを安全に運営するための最低人数として定められたものです。

利用者の安全を考える上でも、人員配置基準を守ることは大切であるといえます。

特養に必要なスタッフの職種

特養に必要なスタッフの職種は以下になります。

  • 施設長
  • 医師
  • 看護師
  • 介護スタッフ
  • 生活相談員
  • 機能訓練指導員
  • 介護支援専門員

特養に勤務するスタッフで特に多いのが介護スタッフと看護師ですが、他の職種スタッフも配置義務があります。

しかし、機能訓練指導員や介護支援専門員などは他の職務と兼務することが可能です。

種別ごとの特養の人員配置基準

特養の人員配置基準は、以下のように定められています。

特養の人員配置基準

引用:厚生労働省【資料8】介護老人福祉施設                          

上記のユニットリーダーは、ユニット型の特養の場合です。

管理者や生活相談員は基本的に1人以上で定められていますが(利用者が100名以下の場合)介護スタッフや看護師は合わせて3:1以上の人数が必要です。

また、機能訓練指導員は理学療法士や作業療法士などの資格を持ったスタッフが該当します。

1人以上とされていますが、特養の他の職務との兼務をしていたとしても配置数に換算することが可能です。

人員配置基準の計算方法

特養の人員配置基準は、利用者の人数に対してのスタッフ数で計算します。

例えば、生活相談員であれば利用者100人あたり1人といった形です。

利用者を100人とした場合のスタッフ数は以下になります。

 

【利用者100人あたりのそれぞれ種別の必要なスタッフ数】

種別 利用者100人あたりに必要な人員数
施設長 1人
医師 必要な数
生活相談員 1人
介護職員・看護師 34人(ただし比率は3:1)
介護支援専門相談員 1人
機能訓練指導員 1人
栄養士 1人

注意したい「人員基準欠如減算」とは

人員基準欠如減算とは、その名の通りクリアすべき決められた人員基準を満たしていないことで減算されることをいいます。

特養も例外ではなく、人員配置基準を満たしていなければ減算の対象となってしまうから注意が必要です。

特養の人員基準欠如減算の対象になる要件を以下にまとめました。

  • 入所者の人数に対して看護職員の配置数が基準を満たしていない
  • 介護職員と看護職員の比率が3:1でない
  • 介護支援専門員の配置基準を満たしていない

スタッフの入れ替わりが激しい特養であると、一時的に基準を満たせないことがあるかもしれません。

しかし、基準を満たせないままでいると減算の対象となってしまう可能性が高いため気を付けましょう。

特養が人員配置基準を満たすのが難しい理由

特養の人手不足で悩む事業者は多いです。

人手不足の問題は特養のみならず、介護業界全体としていえることであり、慢性的な課題です。

特に正社員など夜勤を引き受けてくれる介護スタッフの不足などは、事業者を悩ませる問題ではないでしょうか?

ここからは、特養が人員配置基準を満たすのが難しい理由を解説していきます。                       

新しいスタッフが入らない

特養に限ったことではありませんが、介護業界全体としてスタッフの定着が安定しないという課題があります。

「介護の仕事は大変」というイメージが払拭されず、なかなか採用に繋がらないと嘆く事業者は多いものです。

新しいスタッフが入りづらいのも、人員配置の大きな問題です。

コストがかかる

スタッフが増えると、人員配置に余裕ができる反面、当然コストがかかります。

また、それだけなら良いのですが、採用してもすぐ辞められてしまうと、採用や教育にかかった分のコストがマイナスになってしまいます。

スタッフの早期離職は、利益率を下げる原因の一つです。

コスト面からもスタッフの早期離職は避けたいところです。

スタッフが離職してしまう

特養の業務の負担が重すぎると、心身ともに疲れてしまいスタッフに離職されやすいです。

また、待遇面に不満を持ったスタッフが多い場合も同様。

スタッフに長く勤めてもらうためには、スタッフの生活を大切にした対応を目指したいところです。

特養で人員配置基準を満たすための解決策

特養で人手不足を解消したいと思ったら、課題に合った努力や工夫が必要です。

ここからは、特養で人員配置基準を満たすための解決策を紹介していきます。

スタッフの待遇改善を検討する

特養の人員配置基準を満たすためにまず考えたいのはスタッフの定着率向上です。

スタッフの定着率が安定すれば、スタッフが少なすぎて基準を満たせなくなることはないでしょう。

スタッフの採用率を上げ、離職率を下げるためには、待遇改善が効果的です。

しかし、コスト面の問題から給料UPなどの待遇改善は難しいのが現状だと思います。

そういった場合には、スタッフが交代で連休を取れる仕組みをつくるなど、現実的に可能な範囲での待遇改善がおすすめです。

スタッフの生活を守るためにも、安心して働き続けられるような環境をつくっていきましょう。

求人活動を積極的に行う

特養の人員配置を安定させるために、より多くのスタッフを確保したいところです。

そうした場合には、求人・採用活動を積極的に行うのが得策です。

求人を出さなければ、なかなか採用には繋がりません。

まずは積極的に求人を掲載し、多くの人に知ってもらうようにしましょう。

見守りシステムを導入する

厚生労働省「令和3年度介護報酬の改正」に記載されている内容によると、見守り機器やインカムなどのICTの導入で夜間の人員配置基準が緩和されるようになったとされています。

詳しい改正内容は以下をご覧ください。

引用:厚生労働省「令和3年度介護報酬の改正」

人員配置数は、ときどき1.6人などと記載されていて、ぱっと見ると、どちらともつかないような表現でわかりづらいかもしれませんが、これは常勤換算して配置数を満たしていればOKということになります。

常勤換算とは、常勤スタッフの人数のことで、1カ月の該当スタッフ全員の勤務時間を160時間(8時間が常勤の場合の1カ月の合計勤務時間数)で割って計算することになっています。

例えば、常勤が8時間の介護施設であって、利用者数が30人だとしたら、以下のような計算になります。

これまで

160×2(人員配置基準数)=360時間

最低でもスタッフ全員の勤務時間を合わせて360時間でなければいけなかった。

8時間勤務のスタッフが1日に2人以上いる計算。

現在(要件を満たした場合)

160×1.6(人員配置基準数)=256時間

一カ月で8時間勤務のスタッフが毎日2人以上いなければならなかったときに比べ、人員配置基準の人数が減少している。

つまり、これからは毎日常勤2人をおかなくても、例えば夜間毎日、常勤1人+5時間勤務の非常勤を組み合わせた人員数でも基準を満たせるという計算になる。

つまり、見守りシステムの導入で、スタッフの人員配置基準の緩和ができるということです。

「夜勤までやってくれるような正社員のスタッフがほしいけどみつからない」という場合には、見守りシステムの導入で人員配置基準を緩和する道もあります。

特養向き見守りシステムおすすめ3選!

 特養の夜間の人員配置に困った場合は、見守りシステムの導入が近道であるということは上記で説明した通りです。

しかし、どのような商品があるのかわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

ここからは、特養向きでおすすめの見守りシステム3選を紹介していきます。

まもる~のSHIP

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一目で施設全体を確認できるのが「まもる~の」の見守りシステムです。

居室に設置したセンサーで室内の状況を確認することができます。

利用者の睡眠や離床、部屋の状況把握はもちろんのこと、すべての居室や利用者の状況を専属のAI見守りコンシェルジュが通知してくれるため、見逃しを最低限に抑えることが可能です。

メーカー名 株式会社ZIPCARE
対応サービス 施設系短期系
機能 離床センサー・ドアセンサー・トイレセンサー・ナースコール
費用 購入:機器費用\130,000/台 月額費用\800/台 レンタル:機器費用\0円/ 月額費用\4,500/台 ※オプション追加によって料金は変わります。
無料体験 あり
導入形態 クラウド(ASP)
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ハピネスの絆

ハピネス絆
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非接触センサーで利用者にストレスを与えることなく利用できるのが、ハピネス絆の見守りシステムです。

バイタルセンサーは、マットレスの下側や天井にセットし、365日心拍や呼吸の様子を数値で測定できます。

しきい値設定外の心拍・呼吸数になるとアラートで知らせてくれるため、異常時すぐに対応しやすいのも安心できるポイントです。

その他、ベッドから起き上がると知らせてくれる離床センサーや排泄を教えてくれるおむつセンサーなどがあります。

メーカー名 株式会社ハピネスコーポレーション
対応サービス 施設系短期系
機能
費用 設置するセンサーやオプションによって料金が異なります。 必要なセンサーに応じて一つ一つチョイスが可能です。柔軟にご対応させて頂きますので詳細はお問い合わせください。
無料体験 あり
導入形態 オンプレミス
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Care Bird

Care Bird
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介護現場で活躍できる見守りシステムがCare Bird(ケアバード)です。

マットレスの下に設置した非接触バイタルセンサーを使い、利用者の体動を測定することができます。

遠方から睡眠やバイタルを確認できるため、スタッフの業務負担に繋がるのが嬉しいポイントです。

メーカー名 三昌商事株式会社
対応サービス 施設系短期系
機能
費用 機器類は約15万円(但し、台数に応じて価格が異なります)。月額利用料も設置台数によって異なる為、お問合せ頂いた後、お答え致します。
無料体験 あり
導入形態 クラウド(ASP)
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特養の人員配置基準に悩んだときには見守りシステムの導入を検討しよう!

特養でスタッフの人手不足の中、人員配置に悩む事業者は多いものです。

新しい採用者をみつけるのも手ですが、時間やコストがかかることを考えると、人手不足の状況を早く打開するためには見守りシステムの導入が得策かもしれません。

記事を参考にして、事業所の課題に合った見守りシステムをぜひお試しください。

ちょっとした工夫と便利な商品を使いながら、安心して特養を運営できるような環境を整えていきましょう。

見守りシステムの比較検討は介護のコミミで! 取り扱い情報数は国内最大級

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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