給食・配食サービスの選び方
※画像はイメージです。
クックチルとニュークックチルの違いってなんだろう?
ニュークックチルの方が良いのかな?
このような疑問にお答えしていきます。
ニュークックチルは、今後の調理システムのスタンダードとして注目されています。
その理由について、誰でもわかるようにこの記事では説明していきます。
この記事を読むことで、ニュークックチルを選ぶ理由とその利点を具体的に説明できるようになるでしょう。
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介護のコミミ給食配食サービスはこちらクックチルについて徹底解説した記事もあるよ!
クックチルとニュークックチルは少し違うので要チェック!
ニュークックチルは、クックチルの技術をベースに進化したシステムです。
調理後すぐに急速冷却を行い、チルド状態(0~3℃)で保存し、そのチルド状態まま、先に盛り付けをして食事提供時に合わせ再加熱をします。
クックチルとの違いは、再加熱の前に先に盛り付けを行うことです。
このシステムは、病院や介護施設などの大量の食事を提供する現場で導入が進んでおり、特に人員不足やコスト削減のニーズに応えるものとして注目されています。
以下に、各調理方式の特徴を整理し、工程や保存方法、再加熱の有無などをわかりやすく比較した表をまとめています。
各調理方式の違いを一目で理解できますので、ぜひ参考にしてみてください。
料理方式 | 主な工程 | 保存方法 | 再加熱 | 盛り付け | 配膳・喫食 |
クックサーブ | 下処理 → 加熱調理 | – | – | 盛り付け | 配膳・喫食 |
クックチル | 下処理 → 加熱調理 → 急速冷却 | 冷蔵保存 | 再加熱 | 盛り付け | 配膳・喫食 |
ニュークックチル | 下処理 → 加熱調理 → 急速冷却 | 冷蔵保存 | 冷蔵盛付けの後に再加熱 | 配膳・喫食 | |
真空調理 | 下処理 → 真空包装 → 低温加熱 | 急速冷却・冷凍 | 再加熱 | 盛り付け | 配膳・喫食 |
クックフリーズ | 下処理 → 加熱調理 → 急速冷却・冷凍 | 冷凍保存 | 再加熱 | 盛り付け | 配膳・喫食 |
クックチル:最終加熱(再加熱)後に、温かい状態で盛り付けを行います。
ニュークックチル:最終加熱(再加熱)の前に盛り付けを行います。冷蔵状態での盛り付けのため、手袋をつけた手で直接盛り付けることができ、箸やトングを使うよりも迅速に作業を進められます。
クックチル:再加熱後に盛り付けが必要なので、数が多くなるほど時間がかかります。
ニュークックチル:事前に盛り付けが完了しているため、「加熱調理後2時間以内に提供」のマニュアルの基準をクリアしやすいです。
クックチル:再加熱後に盛り付けが必要なので、数が増えるほど人員も必要となります。
ニュークックチル:盛り付け作業は不要です。
さらに、再加熱カートには加熱スペースと保冷スペースがあり、冷菜は保冷スペースへ、再加熱したいおかずは加熱スペースへ一つのお盆にまとめてセットしてカートへ冷却保存し、再加熱時には冷菜は冷たいままの食事提供が可能な為、配膳作業が効率化されます。
これにより、ピーク時でも少人数のスタッフで対応でき、早朝出勤の必要性も軽減され、特に朝食時の人員不足問題を解消できます。
調理後に盛り付けを行うため人手や時間がかかり、コストがかさむことが課題です。
これに対し、ニュークックチルは調理後の盛り付けをチルド状態で行うため、時間と労力を削減し、食品の安全性を高めることができます。
また、大量調理マニュアルで推奨される「加熱調理後2時間以内の喫食すること」もクリアしやすいです。
料理方式 | 特徴 | 注意点 |
クックサーブ方式 | 1. 全作業を提供当日に行うため、工程がシンプルで管理が容易。 | 1. 特定時間帯の作業量が大きく、多数の人員が必要。 |
2. 新しい調理・保存技術の習得が不要。 | 2. 厨房面積の需要が大きくなる。 | |
3. 食種の急な変更にも対応しやすい。 | 3. 連携が必要な作業が多く、時間内に喫食の準備をするのが難しい場合がある。 | |
クックチル方式 | 1. 調理作業を平準化できるため、効率的な作業工程や人員配置の実現が可能。 | 1. プラスチラー(急冷機)や冷蔵機の容量確保が必要となり、保管・保存スペースが多く必要。 |
2. 調理作業の分散化・平準化により厨房機器の効率的な利用が可能。 | 2. 急冷・保管のための冷却工程の技術が必要。 | |
3. 遠距離の提供や調理後2時間以内の喫食の実現が可能。 | 3. 再加熱設備の整備により、ビジュアルや食味が落ちることがある。 | |
4. 厳格な食材温度管理により衛生面の向上が可能。 | 4. 資材・機器のコストが増加し、人員数の管理が重要。 | |
ニュークックチル方式 | 1. 盛り付け作業をチルド状態で行うため、時間外の労働コストを低減可能。 | 1. イニシャルコストが高い(機器導入や設備投資)。 |
2. 加熱調理後、適切な温度管理により食味を維持しつつ、遠距離提供や2時間以内の喫食を実現。 | 2. チルド状態での調理のため、専用の冷却設備や専用スペースの維持管理が求められる。 | |
3. 二次汚染の危険が少なく、衛生管理の向上が可能。 | 3. 再加熱カートの導入に適した調理方式を選ぶ必要がある。 |
クックサーブ方式は、病院や福祉施設での給食提供に広く使われている一方で、いくつかの大きな課題があります。
この方式は、料理をその日のうちにすべて調理して提供するため、短時間で多くの作業が発生し、スタッフの負担が非常に大きくなります。
また、食品の安全性や衛生管理にも注意が必要です。
ここからは、メリット面についてご紹介していきます。
ニュークックチルでは、調理後すぐに冷却・保存し、必要に応じて再加熱するプロセスを採用しています。
これにより、調理と盛り付けのタイミングを分けることができ、ピーク時の作業量を分散させることが可能です。
その結果、従業員の負担が軽減され、作業効率が大幅に向上します。
調理された食品は急速冷却後、0~3℃の温度で保存されるため、細菌の増殖を抑えることができます。
また、食品の中心温度を厳密に管理することで食品の安全性を確保でき、従来の調理方式よりも衛生的な提供が可能です。
特に医療機関や高齢者施設では、衛生管理の強化が重要な課題となっており、ニュークックチルはその解決策として有効です。
従来の調理方法では、早朝や残業のシフトが必要な場合がありましたが、ニュークックチルを導入することで調理作業を平準化でき、人件費の削減が期待できます。
また、効率的な調理・保存が可能となり、光熱費や食材のロスも減らすことができます。
これにより、経費全体の削減が見込めます。
再加熱するタイミングを調整できるため、適切な温度で食事を提供することができます。
これにより、利用者に対して常に美味しく温かい食事を提供できる点も、ニュークックチルの大きな利点の一つです。
特に食事の質を重視する施設にとって、食感や風味の維持が可能であることは大きなメリットです。
ニュークックチルは効率的で衛生的な調理システムとして大きな利点を持っていますが、導入にはいくつかのデメリットも存在します。
特にコストや設備面において注意が必要です。以下に、主なデメリットを挙げていきます。
ニュークックチルの導入には、専用の冷却機器や再加熱機器(再加熱カートやリヒートウォーマー)、加熱対応型の専用食器などが必要となります。
これらの機器は高額であり、導入時には大きな初期投資が求められます。
特に、チルド保管庫や再加熱カートの導入には十分なスペースと設備投資が必要であり、施設の規模や予算に応じて、コスト負担が大きなハードルとなる可能性があります。
ニュークックチルシステムでは、先述した専用設備が常に稼働するため、光熱費の負担が増えることがあります。
また、定期的なメンテナンスや機器の修理が必要になることもあり、長期的なコスト管理が求められます。
ニュークックチルでは、加熱調理後に急速冷却し、後で再加熱するプロセスを取りますが、すべての料理がこの方式に適しているわけではありません。
特に、焼き物や揚げ物などの食感が重要な料理では、再加熱によって食感が損なわれる場合があります。
これにより、料理の種類によっては、味や見た目が劣化する可能性があるため、メニューに制約が生じることがあります。
従来の調理方法と異なり、ニュークックチル方式に適したレシピの開発が必要です。
再加熱に耐えうる食材や調理工程を考慮する必要があるため、調理スタッフには新しいスキルと知識が求められます。
これにより、既存のレシピをそのまま使用することが難しく、料理の試行錯誤が必要になることが多いです。
ニュークックチルシステムを導入する際には、冷却器やチルド保管庫など、特定の設備の設置に多くのスペースが必要です。
特に、盛り付け作業を行うエリアは18℃以下の温度に保つことが推奨されており、専用の冷蔵設備や作業環境の調整が必要となります。
こうした設備が不十分だと、ニュークックチルシステムの効果を最大限に発揮することが難しくなりま。
再加熱カートで食事を温める際には、各カートの加熱方式(例えば、電気ヒーターやIH式など)によって、調理の仕上がりに影響が出ることがあります。
これにより、再加熱工程で食材が過加熱されるリスクがあり、温度や時間の管理が非常に重要です。
スタッフには、各機器の特性に合わせたスキルが求められます。
ニュークックチルは多くのメリットがある一方で、初期投資のコストや特定の料理への適合性、運用環境の調整など、いくつかのデメリットも存在します。
特に、専用設備や運用コストに対する十分な準備と、適切なメニュー開発が必要となるため、導入前にこれらの点を考慮することが重要です。
ここでは、ニュークックチルを取り扱っている会社が発信している、ニュークックチルの導入事例を見ていきます。
実際に、ナリコマグループがニュークックチル方式を導入した100床の特別養護老人ホームにおける事例について、以下のように紹介しています。
項目 | ニュークックチル方式導入前 ※クックサーブ方式 | ニュークックチル方式導入後 |
調理員の1日における配置人数 | 10人 | 5人 |
シフト | 早出3人、日勤4人、遅出3人 | 日勤5人 |
主な勤務時間 | 早出:5:00から13:00 日勤:9:00から18:00 遅出:16:00から20:00 | 日勤:8:00から15:00 |
シフト上の労働時間 | 51.5時間 | 30.5時間 |
早出勤務と遅出勤務 | 必須 | 不要 |
参照元:ナリコマグループ公式サイト
このように、ニュークックチル方式の導入によって、作業効率の向上とスタッフの働き方改革が実現され、人件費の削減や業務の簡略化が可能となっている成功事例があります。
すこやか(株式会社ナリコマエンタープライズ)の資料請求や口コミ情報も確認できるよ!
mealSHUTTLEを製造・販売している中島製作所が、佐賀大学医学部附属病院様に行った導入事例のインタビュー記事では、以下のような成功事例があると紹介しています。
労働力不足や早朝出勤による過重労働の問題、さらに病院給食における大量調理での「2時間以内の食事提供」の難しさから、クックサーブ方式では対応が限界に達していました。そこで、調理員の負担を軽減しつつ、患者に衛生的で安全な食事を提供するため、ニュークックチルの導入が決定されました。
項目 | 導入前 | 導入後 |
5時出勤 | 5名 | 4名 |
7時出勤 | 4名 | 1名 |
委託業者(6時半出勤) | 3名 | 4名 |
参照元:佐賀大学医学部附属病院様の場合
ニュークックチルシステムの導入により、早朝出勤の負担が軽減されたとの報告があります。
食事の一部を前日に盛り付けておくことができるため、調理員の勤務シフトが大幅に改善されたのです。
また、クックサーブ方式に比べ、効率的なオペレーションが実現しました。
ニュークックチルの導入によって、作業負担が軽減されただけでなく、食事の質も向上し、患者への満足度も高まる結果となりました。
最後に、おさらいとして「ニュークックチルを選ぶ理由」をまとめておきます。
ニュークックチルの最大のメリットの一つは、厨房での作業負担を大幅に軽減できる点です。
調理後すぐに急速冷却を行い、低温保存をするため、ピーク時の調理作業を分散させることが可能です。
これにより、スタッフの早朝勤務や残業を減らし、シフトの柔軟性が向上します。
また、厨房での労働力不足が深刻化する中で、少人数でも効率よく食事を提供できるため、業務の負担を大幅に軽減できるのです。
具体的には、以下のような効果が期待されます:
ニュークックチルは、衛生面でも大きな利点があります。
調理後の急速冷却と、適切な温度管理による低温保存により、食中毒リスクを低減し、安全で衛生的な食事を提供できます。
また、提供直前に再加熱を行うため、食事が常に適温で提供され、利用者にとってもおいしさを保つことができます。
これにより、特に介護施設や病院など、食事の安全性が重視される現場での評価が高まっています。
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