介護職の離職率や離職理由について解説(介護の本音)

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介護職の離職率や離職理由について解説(介護の本音)
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最近どんどん部下がやめていく・・・。どうすれば離職を減らすことができるんだろう

このような疑問に答えていきます。

管理職には、職員の離職問題がつきもの。

離職する職員増えると、現場のマンパワーが不足し職員の負担が増えたり、適切なサービスを提供できなくなったりといった問題にもつながるでしょう

管理職としての私の経験を踏まえても、介護職離職にはさまざまな理由が考えられるので、管理職が対処すべき問題も多いです。

ここでは、介護職の離職率や離職理由について触れながら、介護職員を離職させないマネジメント方法について解説します

介護職の離職率と離職理由

まずは介護職の離職率を調べてみました。

 介護職の離職率

介護労働安定センターが報告した「平成29年度 介護労働実態調査の結果」によると、平成28101日~平成29930日の期間に離職した介護職の割合は、16.9でした。

介護職員の人数が50名程度の事業所(病院や介護施設)では、平均して1年間に約89名の離職者がいるのが一般的です

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こみたろう

あちゃー。業界にもよるけど、介護業界はちょっと高めだね。業界全体の平均は15%だもん。

最近では、多くの病院や介護施設で介護職員が不足しているので、どこの事業所も介護職の求人募集をおこなっています。

ですから、職員の立場からすると、現在の介護業界は他の事業所へ転職しやすい現状です

また、介護は専門職でもあるため、色々な職場で働いて自分のスキルを磨いたり、専門職としてのキャリアを積んだりしていきたいと考えている人も多いです。

こういった介護業界の人材不足や介護職の専門性を考えると、管理者の努力だけでは、職員の離職を防止しづらいこともあるかもしれません

ただし他の事業所の離職率と比較し、職場の離職率が高い場合には、業務改善や職場環境の整備などを検討する必要があるでしょう

高い離職率の背景には、職員がストレスや不満を強く感じていることが多いです。

介護職が離職する理由

では、介護職員はどのような理由で職場を離職しているのでしょうか?

介護労働安定センターの調査結果によると、介護職は主に次のような理由で離職しています。

職場の人間関係に問題があったため

結婚・出産・妊娠・育児のため

法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

他に良い仕事・職場があったため

自分の将来の見込みが立たなかったため

このように、介護職の離職と一口に言っても職員によって離職理由はさまざまです

ここで、管理者として注意しておきたいのは、いずれの離職理由であっても、ある日突然離職する職員はいないということ。

職員としても、離職に希望する職場が見つかるとは限りませんし、転職活動には時間や労力がかかります。

ですから、離職していく職員の多くは、長い期間をかけて職場を辞める決意を固めていきます。

言い換えれば管理職としては、職員が離職を考えはじめた初期段階で適切な対策ができれば、離職を防止できる可能性も高くなるでしょう

管理職には、職員のストレスや不満に気づき、できるだけ早く問題に対処するマネジメントが必要です。

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こみたろう

たしかに離職理由はいろいろだ!事前に察知するためにマネジメントが必要だね〜

部下を離職させないマネジメント

まず、離職防止を考えるには、職員の勤務年数別に対策を考える必要があります。

というのも、職員の勤務年数が違ってくると、仕事やプライベートで抱えている問題も大きく変わってくるからです

先ほどの介護労働安定センターの調査では、離職した介護職員について勤務年数別で見てみたところ、1年未満が39.9%ともっとも多く、次いで3年以上33.4%、1年以上 3年未満26.7という結果が得られました

つまり、介護職の場合、新人や中堅職員離職する割合が高いため離職を防止するにはまずは彼ら彼女らへのサポートが大切です

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こみたろう

3年以内にやめている人かなり多いな〜

では、新人と中堅職員について、どのようなサポートが必要になるかを紹介しましょう。

新人職員

新人職員は、仕事や職場の雰囲気などに不慣れなことが特徴です

仕事全般に対して不安や悩みを抱えやすく、常に、上司や先輩からのサポートを必要としています

利用者さんの介助の仕方、書類の書き方、物品の扱い方など。

新人職員が覚えなければならない仕事はとても多いです。

人によっては、上司が一度教えたり先輩がくり返し指導したりしても、上手く仕事を覚えられないこともあるでしょう。

仕事が覚えられない新人職員を見ると、管理職としては、仕事ができない職員と決めつけたり、極端に仕事量を減らしたりしたくなるかもしれませんが、ここで一方的に職員を突き放してしまうのは離職する原因になるだけ。

新人職員は、できないなりに仕事を覚えようとしていますし、利用者さんや事業所のためにがんばろうとしていることがほとんどです。

ですから、管理職としては、新人職員が置かれている状況を考えながら、指導をしたり相談にのったりして、仕事の不安や悩みをひとりで抱えないようにサポートするようにしたいものです

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こみたろう

そういえば、僕が新人のころ、先輩たちいっぱい話しかけてくれてたな〜意識してくれていたのかな?

中堅職員

一方で、中堅職員の場合は、仕事や職場にもなれてきたところで、より高度な仕事をおこないたいと思う傾向があります

事業所でおこなわれるルーチン業務がこなせるようになったからこそ、難易度が高い仕事や責任のある役割を求めるようになるのです

中堅職員には、例えば、役職を任せたり、事業所でのイベントを企画してもらったりして、リーダーとして責任のある役割を担ってもらうと、仕事にやりがいを感じてもらえやすいです。

あるいは、新人職員の教育係や委員会などの責任者を任せるのも良いでしょう。

それから勤務年数が長くなれば、職員も年齢を重ねていきます。

入職した頃と違って、プライベートの環境が変化する人も多いです。

職員によっては、結婚や出産、親の介護など。

仕事とプライベートの両立について悩むこともあるでしょう。

管理職として職員のライフスタイルの変化に合わせて、働きやすいシフトに変更したり、休みの相談にのったりするのも大切です。

以上のように、介護職員の離職を防ぐためにまずは新人や中堅職員の仕事やプライベートでの問題をくみ取りながら、職員の働き方をサポートしてみてはいかがでしょうか

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こみたろう

中堅くらいになってくると、自分のことだけじゃなくて、親とか子どもとか、プライベートも色々だよね。

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介護職の業務改善に必要なこと

介護の管理職も、積極的に職場の業務改善をおこなっていくことが大切です。

まったく職員が辞めない職場はないですが、離職者が増えている職場には、現場でさまざまな問題が起こっている可能性が高いです

もちろん、日々の仕事の中で業務改善に力を入れている部分もあるでしょうが、管理職がおこなっている方法が、必ずしも現場の介護職員が求めていることあるとは限りません。

例えば職員の給与待遇を改善しても、現場では職員同士のトラブルが題になっているとしたら、管理職の取り組み離職防止につながりにくいでしょう

職員の離職を防ぐには、現場の状況を知りながら、職員のストレスや不満を解消できる取り組みをおこなっていく必要があります。

では、どのようにすれば職員現状を知ることができるかというと、ひとつは管理職が現場を見にいくことです。

デイルームや病室など。

実際に介護職員が働く場所を見てみると、職員の働きにくさや現場が必要としている設備などに気づくことができます。

もうひとつは、職員の考えを直接聞くことです。

業務面談をおこなったり、ちょっとした立ち話の機会を作ってみたりする中でも、職員が感じているストレスや不満を伺うことはできます

直接話をしてみると、順調に働ているように見えていた職員実は思った以上にストレスや不満を抱えていたということにも気づけます。

職員のストレスや不満に気づくには、管理職のほうから現場の職員に歩み寄っていく必要があります。

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こみたろう

上司やセンパイが「最近仕事どう?」とか話しかけてくれたら、こっちも話しやすいよ〜

介護職員を確保するには?

管理職の中には、すでに介護職員の人員不足に悩んでおり、そもそも入職する職員を増やしたいと考えている人もいるかもしれません

最近では、多くの介護職が、事業所のホームページや転職支援サイトを参考にして、就職や転職活動をしています。

ですから、入職する職員を増やすには、職場の広報にも力を入れる必要があるでしょう

ただ、病院や介護施設では、広報にかけられる予算も限られています

診療報酬や介護報酬により、事業所の収益はある程度決まってるので、広報も限られた予算の中でおこなっていかなければなりません

介護の求職者に対して、予算をかけずに事業所をアピールするには、ホームページ変更をおすすめします。

ホームページの変更と聞くと難しく感じられる方もいるかもしれませんが、事業所の特色を掲載するだけでも求職者を増やすには効果的です。

事業所の特色をうまくアピールできていない事業所には、求職者も興味を持ちません。

例えば、「ご利用者さんに寄り添った介護をおこないます」というような介護施設の紹介を見かけることがありますが、このようなどこの病院や介護施設でも提供しているサービスをホームページに掲載しても、なかなか事業所の魅力が伝わらないでしょう

これが、「看取り介護に力を入れ、最期までご利用者さんに寄り添った介護をおこないます」や「介護とリハビリが一丸となって、在宅復帰支援に力を入れています」などいったように少し変更するだけでも、事業所のサービスの特色が求職者にも伝わりやすくなります。

広報の中でも、自社のホームページであれば予算をかけずに変更しやすいです。

介護の求職者を増やし、職員のマンパワー不足を解消するためにも、まずはホームページを変更してみてはいかがでしょうか。

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こみたろう

離職率をさげることも大切だけど、求職者を増やすこともとっても大切だね!ホームページとか求人サイトとか、工夫するところはいっぱいあるかもね!

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参考:介護労働安定センター 平成29年度「介護労働実態調査」の結果

http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf

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この記事の筆者・監修者

  • 田口 昇平

    田口 昇平

    作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級。2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で、医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境などを中心に、幅広いテーマで執筆。

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