介護ソフトの選び方
介護業界でAI活用って聞くけど、イメージが湧かない。どんな活用方法があるの?
このような疑問にお答えしていきます。
現在、「介護×AI(人工知能)」が大きな注目を集めています。
未来投資会議などをはじめ、先進のテクノロジーを介護業界に投下すべく数々の企業が熱心に研究開発を進めています。
例えば、介護ソフトや介護ロボット、ウェアラブル、IoTなど様々なテクノロジーが成長を続けています。
その中でも特に注目を集めているテクノロジーが「介護×AI(人工知能)」です。
AIを用いることにより、人力で行っていた作業が不要になるだけではなく、質の向上につながると期待されています。
そこで今回は、介護×AI(人工知能)として期待されているシステム「AIケアプラン」とその関連企業に注目してみます。
本記事の筆者は、10年以上介護施設へのICT機器導入に携わってきました。
ここ数年は特に「介護×AI(人工知能)」への注目度は高いものの、AIに期待する人もいれば、一方でまだまだ懐疑的な声も多いと感じています。
さて、本記事では客観的な立場で「介護×AI(人工知能)」を考察していきますが、最後までお読みいただければ、介護業界におけるAIの基礎知識やAIケアプランを十分に理解することが上、メリットだけではなくデメリットも理解することができます。
また、AIケアプランで有名な2社をピックアップして紹介していきたいと思います。
5分程度でお読みいただける内容なのでぜひ、最後までお付き合いください。
4-1 株式会社ウェルモ
4-2 株式会社シーディーアイ
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介護ロボットの選び方を知るAIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)の略称。
Artificialは「人工的な」、Intelligenceは「知能/知性」という意味を持っています。
一般的には人工的に作られた知能を持つコンピューターということで「人工知能」と解釈されていますが、AIの研究者によって解釈が様々であり、AIは明確に定義されていません。
介護分野ではAIによるデータの学習・分析能力と自己判断能力を使い、人手不足や様々な問題を抱える介護業界の業務効率化に期待されています。
ケアマネが作成するケアプランで、AIが過去のデータと利用者情報からデータを分析しケアマネに提案する「AIケアプラン」システムがリリースされています。
下記記事は介護業界が抱える問題について詳しくまとめています。
是非参考にしていただけると幸いです。
関連記事 :今知りたい!介護問題を5つに要約!わかりやすく解説
「介護×AI」は注目を集めていますが、その裏付けとして政府が打ち出した基本方針を一部抜粋します。
データヘルス改⾰を推進し、被保険者番号の個⼈単位化とオンライン資格確認の導⼊、「保健医療データプラットフォーム」の2020 年度の本格運⽤開始、クリニカル・イノベーション・ネットワークとMID-NETの連携、AIの実装に向けた取組の推進、栄養状態を含む⾼齢者の状態やケアの内容等のデータを収集・分析するデータベースの構築、AIも活⽤した科学的なケアプランの実⽤化に向けた取組の推進などの科学的介護の推進等を⾏う。
ここで抑えておきたいのは、国は積極的にAIケアプランを推進しているということです。
国はAIケアプランなどのテクノロジーを推進し、5%以上の生産性向上を目指しています。
関連記事 :ケアマネ必見!提供表・計画書作成に役立つAIケアプランとは?
政府は先進技術の活用をかつてないほど積極的に推進しているね!
見守りシステムと介護システムの連携については下の記事が参考になるよ!
「第6回全世代型社会保障検討会議」の中で、安倍首相は次のように発言しています。
テクノロジーを活用することで、介護サービスの質を維持していくとのことです。
「本日は、介護サービスについての議論を行いました。介護については、制度の持続可能性を確保しながら、介護基盤の整備、介護人材の確保等を進めていくことが大切です。
本日、民間議員の皆様からいただいた御意見を踏まえると、第一に、介護職員の負担軽減のためにも、センサーなどのテクノロジーも活用し、介護サービスの質を維持しながら、需要の伸びに対応します。(中略)
加えて、介護サービスの効果を正確に測定するため、ビッグデータの整備を進めます。
この発言から分かるのは、AIに限らず介護分野におけるテクノロジーの活用は国策ということです。
ここで例え話をしますが、有名な株式投資の世界の格言に「国策に売りなし」という言葉があります。
「これから国が行なおうとしている政策によって追い風を受ける株は買うべし」という意味です。
つまり、安倍首相が「センサーなどのテクノロジーも活用し・・・」と発言しているということは、今後の介護業界にはテクノロジーがどんどん投下されていくということを意味します。
また、安倍首相は「ビッグデータの整備」とも発言していますが、その先にはAIケアプランの存在があります。
ビッグデータを元にAIケアプランを生成し、質の高いケアプランを提供しようとしています。
さて、前置きが大分長くなってしまいましたが、ここからAIケアプランの作成に取り組む企業様を紹介していきたいと思います。
参考:全世代型社会保障検討会議
関連記事 :【令和4年】介護現場のICT促進具合!コロナ禍で加速か?
ケアプランの作成では、ケアマネジャーのこれまでの経験と勘で作成されている場合もあり、科学的根拠という点においては改善の余地もあります。
この状況にAIを導入しようとする機運も高まっており、例えば「ウェルモ」はケアプラン作成支援AI「ケアプランアシスタント(ベータ版)の実証実験会を行っていたり、「NTTデータ東北」は自治体における要介護認定業務に対して、AIを導入する実証実験を福島県の郡山市と協定を締結しています。
またセントケア・ホールディング やツクイなどが出資している「シーディーアイ」は、自立支援を目指すケアデザインAIの「CDI Platform MAIA」の商品化を実現しています。
今回は「ウェルモ社」と「CDI社」の2社をピックアップし、それぞれ紹介していきます。
ウェルモ社は「ケアプランアシスタント」という製品をリリースしています。
福岡県発の注目企業ウェルモではケアプランの作成支援エンジンである「CPA(ケアプランアシスタント)」を開発しています。
ケアマネジャーの「知らないこと」を無くすとして、ケアマネジャーの知識差、経験値の差を解消します。
医療、介護、リハビリ等、ケアプランの作成に必要な分野の知識を補完して、利用者それぞれの課題に合った介護事業所のマッチングまでを一気通貫で実現することを目指しています。
2020年度のリリースを目標に福岡市や横浜市で実証事業を実施しております。
特徴としては、ケアプランを自動的に生成するというものではなく、ケアマネジャーがケアプランを作成する過程において作業をサポートするというものです。
福岡市は2019年9月4日、福岡市内のケアマネジャーの皆様にケアプラン作成AI「ケアプランアシスタント(CPA)」β版(実証実験版)の体験会を開催しました。
操作のしやすさ等を検証し、ケアプラン作成のために必要な介護の専門知識を補完したAIによる、ケアプラン作成補助機能が、ケアマネジャーの負担軽減と利用者のためにつながるかを検証しました。
アンケートの結果によれば下記の通りです。
①画面の操作が直感的に分かった 97.5%
②プラン根拠が説明しやすくなりそう 87.2%
③ CPA で相談援助の質が上がりそう 87.1%
④ ケアプランの作成時間が減りそう 82.1%
と前向きな意見が多く、高評価だったことが伺えます。
AIが仕事を奪うといった話ではなく、AIとケアマネが共存できることが分かったなどといった意見は印象的ですね。
引用元:福岡市ホームページ
AIと人が手を取り合ってより高いクオリティのものを生み出していく、2020年度のリリースに期待ですね!
ウェルモはケアプランの作成業務をサポートし、ケアプランの質の向上を図るいった発想で開発されています。
ケアマネジャーがケアプランを作成する事においては幅広い知識や経験が必要で、ケアプランを作成するに足る知識が自身にしっかりと備わっているかに大きな不安を抱えています。
その不安を払拭したいという考えが根底にあります。
主な機能の内容としては、計画書第2表の作成において作成支援を行うツールです。
利用者の状態を入力すると、介護、看護、リハビリといった様々な領域を学習したAIが、様々な選択肢や参考情報を示してくれてケアプラン策定におけるケアマネジャーの意思決定をサポートする仕組みです。
自動でケアプランを作るものではなく知識を補完し提案してくれるのが特徴です。
話が少し逸れますが介護の分野では職員の勤務表の作成に時間を取られており、それを支援するツールがありますが、この勤務表の作成においても自動的に作成されるもの、半分自動で作成してくれるものとがあり、作成する過程において業務をサポートしてくれるという点において、個人的には類似性を感じます。
もちろん勤務表は予め設定されたルールや設定に従うだけなので、人工知能の領域学習というものが無いため、全く別物であり同義ではありません。
AIが人間の知識を補完して、科学的な根拠も付加していくようなイメージなのかな?
「ケアプランアシスタント」は「ミルモぷらん」へと名称変更を行い、現在リリースされています。
クラウド上でアセスメント情報から利用者のニーズや目標を提案し、ケアプラン作成における視点の漏れと言い回しの手間を省くケアプラン作成支援システムになります。
CDI社は「CDI Platform MAIA」という製品をリリースしています。
東京都に本社を置く株式会社シーディーアイは「自立支援を目指すケアデザイン人工知能」CDI Platform MAIAの提供を開始しています。
これまで培われてきた介護の現場の膨大な経験を学び成長することで、そこから自立できる可能性を見つけ出し、ケアプラン実施後の予測と共にケアプランを提案することができます。
高齢者の「自立支援」を目標にAI開発に取り組んでおり、ケアプランが自動的に作成される点が特徴的です。
自立支援という言葉の定義には高齢者の意思に基づいていることも挙げられます。
よってケアマネジャーには、高齢者自身が意志決定できるよう促し、支援することや、調整能力。
そしてコミュニケーション能力も同時に求められてきます。
特徴を3つご紹介します。
・一定のアセスメント項目を入力すると、半年後等の未来の心身機能を予測できます。
・提供すべき介護サービスの内容と量(回数等)を示すことができます。
・要介護度やアセスメント項目間の整合性をとって正確なアセスメントをサポートします。
など、将来予測機能によりケアプランを選択するという点がユニークです。
状態に応じて、3種類のプランを提示し、選択したケアプランを実施した場合に将来的に利用者の状態はどうなるか、その予測を分かりやすいレーダーグラフで表示することができます。
また、本質的なことを捉えれば、自立支援を目指すケアプランというだけあって、同社のAIは「良い事例」を学習している点だと思います。
こういう場合にこういったサービスを利用したらこのように改善されたというような部分です。改善が見込めなかったものについては補正として参考にします。
なお、こうした知見は一朝一夕で得たものではなく、同社は愛知県豊橋市で実証実験を行っております。
実証では豊橋市が保有する要介護認定における基礎項目 74 項目と主治医意見書のデー タと介護保険制度の費用償還に用いるデータを利用しています。
・ 取得期間:平成 21年度から平成 28 年度
・ 件数:106,297 件
・ 延べ介護保険利用者数:31,461 人
・要介護度や年齢等の基本情報と、要介護認定項目に沿って対象者の身体状態について AI へ入力する。
・入力された身体状態に合わせて過去のケースから最も状態が近い数人を抽出する。
・状態の近い人のサービスプランのうち、入力した対象者の身体状態が改善する確率が最も高いサービスプランを選択する。
・そのサービスプランをアウトプットとして出力する
尚、同豊橋市ホームページ成果報告会資料に記載のアンケート「今後AIの活⽤をしていくためにどのような機会が必要と考えますか?」という質問に対して、iPadなどのタブレット端末での利用や既存介護ソフトウェアとの連携という点が挙げられています。
ケアプランについては介護ソフトを利用している事が大半で有る為、確かに連動・連携ができるのかという事に関して注目が集まるのは至極当然の流れです。
株式会社シーディーアイのホームページによれば、2019年12月に介護ソフトウェア大手のNDソフトウェア株式会社と業務資本提携を締結しています。
介護ソフトとの連携性という点においてはケアプラン領域では必須とも思われる点ですので、同社のユーザーは恩恵を受けそうです。
今後の動向には注目ですね。
長年の研究開発で培った知見を基に、自動的に案を導く点は、ケアマネジャーの新人教育の観点からも参考になるね!
画面イメージは公式ホームページがわかりやすいので是非見てみてね!
「CDI Platform MAIA」は「SOIN(そわん)」へと名称変更され、現在までリリースされています。
SOIN(そわん)は基本情報を入力するだけで、過去の介護サービス利用者の情報を基に、状態改善に効果的なサービスを提案し、現在の利用者と似た状況の過去利用者データを参考にAIが今後の状態も予測するシステムになります。
筆者の印象では、未だケアマネジャーのAIに対する警戒感は大きいと感じています。
しかし様々な介護問題を抱えるため、各事業所はAI活用も含めICT化は必須になってきています。
そのため、「AIやICTとどう付き合っていこうか」と考え始めたケアマネジャーが少しづつ増え、AIに対する理解も深まってきています。
ただ一方で、解決していかなければならない課題もあります。
国としてのビッグデータ整備を行うとすれば、未だ統一されていないアセスメント様式は大きな課題です。
事業所単位で採用しているアセスメント方式も異なり、自治体単位でも様式が異なったりします。
例えば、全国社会福祉協議会版、包括自立支援プログラム、インターライ方式、竹内式、独自に作成した様式、都道府県等の自治体が推奨しているもの等、ケアプランのアセスメント方式は百花繚乱です。
このようにアセスメント様式が異なれば、AI学習するためのインプットが満足に行えず、ビッグデータの活用にも悪影響を及ぼします。
課題はいろいろありますが、国も企業も事業者もみんなが今よりも素晴らしい未来に向かって切磋琢磨していく姿にワクワクしますね!今後もAIに取り組む介護関連企業から目が離せません!
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