介護業界で業務効率を上げる重要性と改善策について紹介

「生産性向上って言われても、目の前の業務で手一杯……」

「具体的に課題に対してどのような対策を取ればいいのか分からない」

そのように考えている介護職員の方も多いでしょう。

介護業界は高齢化が進む現代社会においてますます重要な役割を果たしています。

介護業務は、高齢者や障がい者などの利用者に対して身体的なケアや日常生活のサポートを提供することを主な目的としています。

しかし、介護業界にはさまざまな課題があり、業務改善が必要です。

そこでこの記事では、介護業務の課題を深掘りしていき、業務改善の方法と実例を紹介していきます。

最後に、介護業務の業務改善を行いたい人におすすめのツールを紹介していますので、是非最後までお付き合いいただけると幸いです。

1 介護業務の特徴と課題

介護業務は以下のような特徴と課題を抱えています。

第1に人手不足です。

介護業界は人手不足が深刻な問題です。

高齢者の増加や労働力の減少により、必要な介護サービスを提供するための十分な人材確保が難しくなっています。

厚生労働省HPで公表しているデータによると、令和元年時点での介護職員数は210万人、しかし2040年度には約280万人の介護職員が必要であると言われています。

これから20年ほどで更に介護職員を70万人増やさなければいけないという現実をみると、いかに介護業界の人手不足が深刻化しているかがわかります。

人手不足について解説している記事がありますので、詳しくはそちらをご覧ください。

第2に負担の高さです。

介護業務は身体的にも精神的にも負担の大きい仕事です。

利用者の身体的なケアや日常生活のサポートだけでなく、コミュニケーションや心理的な支援も求められます。

第3に業務の多様性と複雑性です。

介護業務は利用者の状態やニーズに応じて多岐にわたります。

利用者一人ひとりに合わせた個別のケアプランの策定や、複数の業務を同時に遂行する必要があります。

1.1 業務改善の意義とメリット

業務改善は、介護業界において非常に重要な役割を果たします。

業務改善を行うメリットを深く理解することで、次に取るべき具体的な行動が見えてくるでしょう。

そこで、業務改善の意義とメリットをいくつか挙げます。

行政や施設運営者がなぜ「業務改善」「生産性」を重視しているのか紐解いていきましょう。

メリット①

まず、効率化と生産性の向上が挙げられます。

業務改善により、介護業務の効率化と生産性の向上を図ることができます。

例えば、作業フローの見直しや業務の再配分により、同じ時間内でより多くの業務を遂行することが可能となります。

メリット②

品質の向上も利点と言えるでしょう。

業務改善は介護サービスの品質向上につながります。

利用者のニーズに合わせた的確なケアを提供するためのプロセス改善や、スタッフ間のコミュニケーションの改善により利用者の満足度が向上し、より質の高いサービスが提供されることが期待されます。

メリット③

メリット①に付随しますが、効率化と生産性向上により残業時間の軽減を狙うことができます。

日々の業務の中でやむを得ず残業を行っていた介護職員の負担を減らすことだけでなく、人件費に悩ませられていた介護施設経営者にとっても、残業代が減り人件費軽減のポイントとなるため、嬉しいメリットです。

介護施設の業務改善はどうする？実際に起こりがちな事例と解決策を元介護士が教えます

2 介護業務改善のためのアプローチ方法

ここからは、介護業務改善のためのアプローチについて紹介していきます。

2.1 プロセスの見直しと効率化

介護業務改善に必要なのはプロセスの見直しです。

業務プロセスを詳細に分析し、ボトルネックや無駄な手順を特定します。

その上で、より効率的な手順や流れを設計し、業務の円滑化を図ります。

それを踏まえ業務の再配分することも重要です。

業務の負担や時間の使い方を見直し、スタッフの能力や役割に合わせて業務を再配分します。

これにより、各スタッフがより得意な業務に集中できるため、生産性と満足度の向上が期待できます。

そして、一連の業務プロセスを標準化し、明確な手順や基準を定めます。

これにより、作業の一貫性が向上し、品質や効率性の向上に繋がります。

2.2 スタッフの教育とトレーニング

介護業務改善のもう一つの重要な要素は、スタッフの教育とトレーニングです。

以下に具体的なアプローチ方法を示します。

たとえば、知識と技術の向上が挙げられます。

スタッフに対して、介護技術やコミュニケーションスキルなどの知識と技術を向上させるための教育プログラムを提供します。

定期的な研修やワークショップを通じて、最新の情報やベストプラクティスにアクセスし、スキルを磨きます。

また、リーダーシップの育成も重要です。

上級スタッフや管理職に対しては、リーダーシップやマネジメントスキルの育成が重要です。

管理職が業務改善の取り組みを推進することで、組織全体の効果的な変革が可能となります。

2.3 技術やシステムの活用

現代の技術やシステムの活用も、介護業務改善において重要なアプローチ方法です。

たとえば、介護記録の電子化は必須と言えるでしょう。

ペーパーレス化や電子的な介護記録の導入により、情報の共有やアクセスの容易化、データの分析や効果的なケアプランの策定が可能となります。

これにより、情報の正確性やタイムリーな情報共有が促進され、利用者のケアにおける連続性と品質が向上します。

また、スマートフォンやタブレットなどのモバイルテクノロジーを活用することで、業務の効率化や情報のリアルタイムなやり取りが可能となります。

例えば、利用者の健康状態のモニタリングや業務スケジュールの管理、コミュニケーションの迅速化などが挙げられます。

3 介護業務改善の例

介護業界にはさまざまな課題がありますが、具体的にどのように改善していくべきかについて、解説していきます。

3.1 タスクの分担とスケジュール管理の最適化

介護業務において、タスクの分担とスケジュール管理の最適化は効果的な改善策です。

タスクの分担により、各スタッフの役割や責任が明確化され、効率的な業務遂行が可能となります。

これにより業務の優先順位や時間配分が適切に調整され、遅延や重複を回避することができます。

タスクの進捗状況や完了情報をリアルタイムに共有することで、スタッフ間の連携や情報共有がスムーズに行われます。

これにより、タスクの遅延やミスを最小限に抑え、業務の効率化を図ることができます。

3.2 コミュニケーションの改善と情報共有の促進

介護業務において、コミュニケーションの改善と情報共有の促進は重要な要素です。

スタッフ間や関係者との円滑なコミュニケーションは、効果的なチームワークや問題解決につながります。

また、情報共有の促進によって、適切な情報の伝達や共有が行われ、業務の円滑さと正確性が向上します。

3.3 デジタルツールの活用による業務効率化

デジタルツールの利用は、業務効率化に大きく貢献します。

業務の手作業や紙の書類管理から解放され、効率的で正確な業務遂行が可能となります。

さらに、コミュニケーションツールや共有ドキュメントの活用も重要です。

チーム全体でのコミュニケーションや情報共有が円滑に行われることで、意思疎通がスムーズになり、業務の調整や連携が円滑に進みます。

4 介護現場での効率化のための方法

業務を改善して行くためには、今ある仕事をいかに効率よく素早く処理するかという視点も重要になってきます。

具体的な効率化の方法について紹介します。

4.1 ワークフローの見直しとスムーズなタスク遂行

介護業務において、ワークフローの見直しとスムーズなタスク遂行は極めて重要です。

不必要な業務の削減や自動化も検討されるべきです。

ワークフローの見直しは定期的に行われるべきであり、現場の意見やフィードバックを取り入れることも重要です。

4.2 システムの導入とデータ管理の効率化

システムの導入とデータ管理の効率化は、介護業務改善のために欠かせません。

適切なソフトウェアやデジタルツールの活用によって、利用者情報や業務データの一元管理や共有が容易になります。

データの入力や検索、レポート作成などの業務が効率化され、正確な情報をタイムリーに活用することができます。

4.3 スタッフのモチベーション向上と働きやすい環境の整備

スタッフのモチベーション向上と働きやすい環境の整備は、介護業界における業務改善の重要な要素です。

スタッフの意欲ややる気を引き出すために、適切な評価制度やキャリアパスの整備が必要です。

また、労働環境の整備も大切であり、働きやすいスケジュールや業務負荷の適正化、コミュニケーションの改善などが求められます。

スタッフが働きやすい環境であれば、モチベーションやパフォーマンスの向上につながり、業務の効率化と品質向上に繋がるでしょう。

例えば介護ロボットを導入することで、離職率の低下やモチベーション向上に繋がる可能性があります。

なぜなら、介護・福祉を学べる学校では介護ロボットを運用した授業が行なわれる場合があり、介護ロボットの便利さを事前に学んだ上で介護施設に入職する場合があります。

そのような状況の中介護ロボットを導入していなければ、学校で習った内容と現場とのギャップにより離職に直結してしまうリスクはあるでしょう。

また、身体的負担の軽減にも繋がるため、日々の業務負担が減りモチベーション向上も期待ができます。

5 介護ソフトで業務改善！

ここからは、実際にどのようなツールを用いて業務改善を図ればいいのか、例として介護ソフトをご紹介します。

介護ソフトは、介護請求、介護記録、ケアプラン管理、サービス提供票管理、アセスメント管理、業務報告書管理、利用者情報共有など、介護業務全般の事務にまつわる業務がデジタル化できるシステムです。

介護ソフトを用いることで、先にご説明した「システムの導入とデータ管理の効率化」を実現することができます。

福祉事業における口コミおすすめ(R5.6月現在)の介護ソフトを一部抜粋してご紹介しますのでご参考ください。

5.1 まもる君クラウド

まもる君クラウドは、ケアマネージャーのあらゆる業務に対応しているため、安心して利用できます。

業務の効率化を実現するために、ドラッグ＆ドロップ機能を活用して障害等の部位の画像を作成することができます。

さらに、利用票や提供票の作成、様々な帳票の出力も容易です。

これらの機能は、ケアマネージャーの業務をサポートし、効率的な業務遂行を可能にします。

また、まもる君クラウドは、ケアマネージャー向けのカスタマーサポートが丁寧であり、初めて介護ソフトを使用する方でも安心して利用できます。

利用者のニーズに合わせて使い方や設定方法をサポートしてくれるため、使い始める際の不安を軽減します。

さらに、まもる君クラウドは費用を抑えつつ、必要な機能を充実させています。

コストパフォーマンスに優れており、経費の節約にも役立ちます。

ケアマネージャーにとって重要な要素である機能性と経済性を両立させたソフトウェアです。

居宅介護支援：7,800円/月、訪問介護：8,800円/月、通所介護：8,800円/月、訪問看護：5,800円/月などのプランがあります。

5.2 Care-wing　介護の翼

ケアウイングは記録と業務効率化に特化した介護ソフトです。

2009年のサービス提供から長年利用されており、現在2700を超える介護事業所が導入しているソフトです。

アンケート調査では「ヘルパーが選ぶ現場が楽になる介護ソフトNo.1」にも選ばれています。

さらにCare-wingは科学的介護情報システムLIFE（CHASE）に完全対応しているという強みがあります。

直感的に状況の改善や悪化が見える、アセスメント画面や、計画書からのデータ取り込みと編集が可能なモニタリング機能など、利用しやすい設計となっています。

5.3 NursingNet Plus One ナーシングネットプラスワン

ナーシングネットプラスワンは、低価格なのに高性能で、操作が簡単なクラウド型介護ソフトです。

インストールなどの面倒な初期設定もなく、簡単に使い始めることができます。

スマホやタブレットでの操作も可能です。

専門知識がない方でも使いやすく設計されています。

ケアマネージャーに限らず、介護現場のスタッフや関係者も迅速に情報を共有し、的確なケアプランの策定やフォローアップを行うことができます。

利用者の負担を軽減し、業務効率を向上させたいとお考えの事業者さんにお勧めしたいソフトとなっています。

5.4 ほのぼのNEXT

楽々ケアクラウドは、老舗メーカーであるNDソフトウェア株式会社が提供しているソフトウェアです。

同社は介護業界でトップクラスのシェアを誇り、長い歴史と信頼性から安心感を得ることができます。

サポート体制も充実しており、利用者は安心して利用することができます。

さらに、楽々ケアクラウドは関連機器やシステムとの連携も進んでいます。

見守りシステムやナースコールなどと組み合わせて使用することで、より効果的な業務改善が可能です。

5.5 介舟ファミリー

「介舟ファミリー」は、25年以上の販売実績と全国6,000事業所での導入実績を誇るソフトウェアです。

使い方によって異なるニーズに応えるため、「標準パック」は本格的に活用したい方におすすめであり、「簡易パック」は手軽に利用したい方に最適です。

画面デザインは直感的で使いやすいレイアウトになっており、初心者でもスムーズに操作することができます。

さらに、端末台数や利用者の制限はなく、タブレットを使っての閲覧や登録が可能です。

週間プランの一括作成やリアルタイムな情報連携により、業務の効率化を図ることもできます。

6 原因究明して業務改善しよう！

ここまで、介護事業の業務改善と、それに役立つ介護ソフトを紹介してきました。

「介護のコミミ」は、このような介護にまつわるおすすめのツールを多数紹介しています。

介護ソフトだけでなく、業務改善のツールやサービスをお探しの際は、是非介護のコミミにご相談ください！