【介護ロボット】移動支援に役立つおすすめロボット4選|移動支援とは何?

介護ロボット・センサーの選び方

【介護ロボット】移動支援に役立つおすすめロボット4選|移動支援とは何?
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高齢者の移動を楽にする介護ロボットは何がある?メリットやデメリットは?どうやって介護ロボットを選べばいいの?

このような疑問にお答えしていきます。

介護ロボットは大きく分けて6種類ありますが、今回ご説明する「移動支援」の介護ロボットは高齢者の歩行負担の軽減だけではなく、重い荷物を運ぶのが楽になったりと、高齢者や介護職員の身体的な負担を軽減してくれます。

しかし、国内にはたくさんの介護ロボットが存在するため、最適な介護ロボットを選ぶためには正しい知識が必要となります。

そこで本記事では、「移動支援用の介護ロボット」を活用するメリット・デメリットを説明した上で、移動支用の介護ロボットを5つご紹介していきます。

さて、本記事の筆者は「介護×ICT」の業界に10年以上携わって参りました。

大手介護ICTベンダーで経験を積んだ後、本メディア「介護のコミミ」を立ち上げ、中立的な第三者機関として月間数万人の介護職員に情報発信をしています。

また、正しい情報を分かりやすく伝える目的で、介護ロボット専門資格である「スマート介護EXPERT」も所持しています。

本記事を最後までお読みいただければ、移動支援用の介護ロボットを比較検討するために必要な知識を手に入れることができますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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1.移動支援用のロボットを導入するメリット・デメリット

移動支援用の介護ロボットには「装着型」と「非装着型」の2種類が存在します。

(※「屋内」「屋外」で分類することもありますが、今回は”移動支援”型の介護ロボットに併せて「装着型」「非装着型」でご説明します)

簡単に言えば、介助者(介護職員)の身体に直接身につけて使用するのが「装着型」、そうではないのが「非装着型」になります。

「装着型」はイメージしやすいかと思いますが、高齢者の下半身に装着するタイプの介護ロボットです。

一方で「非装着型」は電動歩行車タイプの介護ロボットです。

どちらの場合も、高齢者の歩行をアシストする効果があります。

さて、本記事では移動支援用の介護ロボットを紹介していきますが、その前に最低限抑えておきたいメリット・デメリットを説明していきます。

そもそも介護ロボットを導入するかどうかの判断材料にもなると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

1-2.移動支援型の介護ロボットを導入するメリット

移動支援型の介護ロボットを導入するメリットは次の3つです。

それでは見ていきましょう。

【メリット①】高齢者の歩行負担を軽減する

足腰が弱い高齢者でも杖を持たずに歩行することが可能になります。

また、上り坂・下り坂・斜面でも問題なく歩行できるように「電動アシスト機能」が搭載されています。

【メリット②】歩行トレーニングにつながる

トレーニングの一環として移動支援ロボットを導入している一般家庭・介護施設も多いです。

例えば、「装着型」の移動支援ロボットにおいては、「転倒による事故」を防止する機能が搭載されているため、安心して歩行トレーニングに取り組むことができます。

また、電動歩行車などの「非装着型」においては、「歩行距離や時間を計測」する機能も搭載されています。

【メリット③】事故リスクを軽減することができる

装着する「装着型」のロボットの中には、転倒防止機能があるため、事故リスクを減らすことが可能です。

また、電動歩行車などの「非装着型」においては、自動減速・ブレーキ機能があるため、こちらも転倒による事故を防ぐ効果があります。

1-3.導入前に知っておきたいデメリット(注意点)

移動支援用の介護ロボットを導入する前に知っておきたいデメリット(注意点)を説明していきます。

あらかじめデメリットを把握しておくことで介護ロボットへの理解はさらに深まります。

それでは見ていきましょう。

【デメリット①】コストがそれなりにかかる

介護ロボットは決して安い買い物ではありません。

介護のコミミチームが調査したところ、非装着型においては1台5万〜50万、装着型においては1台あたり20万〜30万、いうのが価格相場でした。

やはりそれなりにコストはかかります。

しかし、介護ロボット導入に活用できる補助金もあるため、市区町村によって補助額に差はありますが、多くの場合1/3〜1/2の自己負担で済むことが多いです。

補助金に関しては下の記事で詳しく解説しています。

【デメリット②】事故リスクはつきまとう

介護ロボットの取り扱いには注意が必要です。

特に、移動支援用の介護ロボットは使用方法を誤ることにより、かえって事故リスクを高めることにつながります。

そのため、しっかりと使用方法を確認した上で導入することが大切です。

2.日々の歩行を助ける!移動支援に役立つおすすめ介護ロボット4選!

移動支援に特化した介護ロボットを「装着型」と「非装着型」に分けてご紹介します。

その上で、介護ロボット毎に「特徴」や「価格」にも触れた上で、「解決できる課題」や「どのような事業所におすすめできるか」まで説明していきます。

2-1.装着型の移乗介助ロボット2選

装着型の移動支援ロボットは次の2つです。

・アルク(aLQ)

・寄り添いロボット

これからご紹介する2つのロボットに関してはそれぞれ特徴は大きく異なります。

それぞれ見ていきましょう。

① 【アルク(aLQ)】気軽に装着!歩行を20%楽にする介護ロボット

アルク(aLQ)は今仙電機製作所が開発した装着型の移動支援介護ロボットです。

特徴

重さは約760グラムほどで、バッテリーなども不要なため気軽に装着することができます。

また、フリーサイズなため、必要に応じて複数人で使用することも可能です。

公式によると名古屋工業大学の佐野明人教授による『受動歩行』理論に基づいて設計されており、歩行を20%楽にすることができるということです。

装着も簡単な上、価格も比較的安いため、導入のハードルは低い製品と言えるでしょう。

価格

本体価格(1台) 49,680円(税込)
参考URL アルク(aLQ)公式サイト

おすすめできる方とは

移動支援型のロボットとしては、比較的安価なのが特徴の1つです。

また、フリーサイズな上、装着も簡単なため「ちょっとでも日々の歩行を楽にしたい」と考える方におすすめです。

しかし、あくまで「安全に歩ける人」を対象にしている製品のため、日々の歩行が困難な方は対象外となります。

また、本製品には立ち上がりを補助したり、体重を支えるなどの機能はないため、あくまで「日々の歩行が少し楽になる」程度に考えて購入することをおすすめします。

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こみたろう

ものすごく楽になる!ってわけではないけど、毎日の歩行動作が20%も軽減されるのは大きいよね。

② 【寄り添いロボット】リハビリにも人気!転倒リスクも低い移動支援ロボット

寄り添いロボットはサンヨーホームズ社が開発した装着型の移乗支援介護ロボットです。

特徴

必要なのは身体に装着する「ジャケット」、ジャケットと天井をつなぐ「アクチュエーター(モーター)」、そして「天井レール」の3つです。

「身体」と「天井から伸びたロープ」がつながっている状態のまま歩行することができます。

また、天井に面しているアクチュエーター(モーター)が歩行者の速度に応じて自動ブレーキをかけたり、転倒しそうになった際は、ゆるやかに転倒させる仕様となっています。

価格

本体価格(1台) 要問合せ
参考URL 寄り添いロボット (転倒衝撃低減システム)公式サイト

おすすめできる方

本製品は事業所だけではなく、個人宅へも導入可能です。

転倒リスクを極限まで減らすことができるため、歩行訓練に力を入れたい方におすすめの製品です。

また、階段の踏み外し等による怪我防止にもなるため、安心して歩行したい方にもおすすめできます。

しかし、本製品を導入するためには「ジャケット」だけではなく「モーター」や「天井レールの設置」が必要なため、コストや導入までの手間は見込んでおく必要があります。

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導入コストはそれなりにかかりそうだけど、「安心感」を買うという意味ではいい買い物になるかも

2-2.装着型の移乗介助ロボット2選

非装着型の移乗介助ロボットは次の2つです。

・ロボットアシストウォーカーRT.1

・リトルターン

それぞれメリット・デメリットもあるため、詳しく見ていきます。

③ 【ロボットアシストウォーカーRT.1】IoT対応の多機能な移動支援ロボット

ロボットアシストウォーカーRT.1はRT.ワークス社が開発した非装着型の移動支援介護ロボットです。

特徴

歩行者のアシスト機能が充実しているため、上り坂・下り坂・傾いた道なども負担なく歩行できる上、自動ブレーキによる転倒リスクを軽減することもできます。

また、歩行アシスト機能だけではなく、活動量を自動計測する「ヘルスケア機能」や、GPSによる「みまもり機能」などの補助機能も充実しています。

メーカー名 RTワークス株式会社
対応サービス 介護福祉サービス

短期入所生活, 特養, 老健, 介護医療院, 短期入所老健, 短期入所医療, 訪問介護, 短期特定施設入居, 訪問入浴, 訪問リハ, 訪問看護, 福祉用具貸与, 居宅療養, 通所介護, 通所リハ, 短期グループホーム, 地域密着短期特定, 有料老人ホーム, 有料老人ホーム(外部有り), 夜間訪問介護, 定期巡回, 小規模多機能, 短期小規模多機能, 看護小規模多機能, 短期複合型サービス, 介護タクシー, 認知通所介護, 地域密着通所介護, 地域密着特養, グループホーム-介護福祉, 地域密着特定施設, 訪問型サービス, サービス付高齢向け住宅, 通所型サービス, 居宅介護支援事業

障がい福祉サービス

施設入所, グループホーム-障がい福祉, 福祉型障がい児入所施設, 経過的施設入所支援, 経過的生活介護, 医療型障がい児入所施設, 短期入所, ホームヘルプ(居宅介護), 重度訪問介護, 児童発達支援, 医療型児童発達支援, 保育所等訪問支援, 放課後等デイサービス, 重度障害者等包括, 行動援護, 同行援護, 生活介護, 自立訓練(機能訓練), 自立訓練(生活訓練), 療養介護, 就労継続支援A型, 就労継続支援B型, 計画相談支援, 地域移行支援, 地域移行定着支援, 障がい児相談支援, 地域生活支援事業, 救護施設, 日中一時支援, 移動支援

機能 アシストブレーキバッテリー駆動移動支援通信機能(データ共有、GPS通信)
費用

メーカー直販価格:¥228,000‐[税別]

無料体験 なし
導入形態 その他
製品・サービス詳細 詳細はこちら

おすすめできる方

歩行アシスト機能だけではなく、「ヘルスケア機能」や「見守り機能」を重視する方におすすめできる移動支援んロボットです。

例えば、「みまもり機能」においては、離れた場所で暮らす父母の「歩行状況」や「位置」をタブレット等で確認することができるため、親族にとっては安心することができます。

ただ、全ての機能を使うためには、オプションに加入した上で、ネットワークの用意もする必要があるため、トータルコストはある程度見込んでおいたほうがいいでしょう。

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こみたろう

「みまもり機能」は親族や関係者にとって安心できるし、「ヘルスケア機能」は高齢者自身が活動するモチベーションになるからいいね!

④ 【リトルターン】シンプルで分かりやすい!9.1キロの軽量設計

リトルターンはアロン化成社が開発した非装着型の移乗支援介護ロボットです。

特徴

電動アシスト機能で上り坂・下り坂・傾斜に対応しているため、歩行時の労力軽減と、自動ブレーキによる事故防止効果があります。

また、公式も「シンプルな設計」をPRしているように、アシスト力の調整は3段階のみであり、電動アシスト機能以外は備わっていません。

その分、他社製品と比べて本体が3〜5キロほど軽く、小さく折りたたむことができるため、持ち運びは特に便利です。

価格

本体価格(1台) 220,000円(税抜)
参考URL リトルターン公式サイト

おすすめできる方

シンプルに歩行のアシストだけを求める方におすすめです。

外部機器とネットワーク接続等はできないものの、シンプルな操作感と本体の軽さは魅力的です。

(リトルターンという製品名称のように、小回りが非常にいい移動支援ロボットです。)

ただ、歩行アシスト機能以外はないため、多機能を求める方は他社を検討する必要があります。

 

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こみたろう

アシスト力はシンプルで分かりやすい3段階の設定!歩行アシストという意味では王道の介護ロボットだね。

3.移動支援とは

障がいなどの影響により、一人での移動が困難な方に対し、安全に移動ができるようにサポートするサービスを移動支援といいます。

移動支援の詳細内容は障がい者総合支援法に基づいて設定されています。

移動支援事業の概要

移動支援サービスは、移動支援事業所が実施しています。

東広島市などの行政では次のように概要を公表しています。

【移動支援事業について】

単独では外出困難な障害者(児)が、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動や社会参加のため、外出時にヘルパーを派遣し、必要な移動の介助及び外出に伴って必要となる介護を提供するサービスです。

引用:東広島市「移動支援事業について

外出が困難な方の移動支援は、社会参加を促す意味でも重要なことです。

上記の説明からも社会的意義の高い支援内容であることがわかります。

また、行動援護とサービス内容はほとんど同じです。

しかし、行動援護はより重度な障がい者に国が提供するサービスであるのに対し、移動支援は市町村区が実施しているサービスであるという点に違いがあります。

移動支援従業者(ガイドヘルパー)の概要

ガイドヘルパーは、さまざまな障がいを持つ方に対し、外出や日常生活のサポートを行う職種のことを指します。

主な仕事内容は以下です。

・移動介助
・日常生活サポート
・コミュニケーション
・外出先での手続き代行

また、ガイドヘルパーは、「行動援護従業員」と「同行援護従業員」、「全身障がい者移動介護従事者」の3種類にわけられ、資格要件もそれぞれ違います。

介護福祉士の資格を持っていたとしても、ガイドヘルパーになるためには、基本的には別途各職種に合った資格が必要です。

資格は、行動援護従事者養成研修や同行援護従業者養成研修、全身性障害者移動介護従業者養成研修といったものがあります。

参照:モアリジョブ

移動支援の方法

移動支援は1対1のサポートだけでなく、複数人を対象としたサービスを行うこともあります。

移動支援の種類は、主に以下の形態に分類されます。

・個別支援型
・グループ支援型
・車両移送型

個別支援は一番多く使われている形態で、買い物などの外出の際にバスやタクシーなどの公共機関を利用して移動支援を行います。

グループ支援型は、障がいがある方複数人を一緒に移動サポ―トする支援方法となります。

車両移送型は福祉バスなど車移動による送迎を行う方法です。

イベント時など一度に多くの方の移動支援が必要な際にはバスを手配した送迎サービスを行う場合も。

また、移動支援はできることとできないことがあります。

例えば、手続きを行うための外出サポートはできますが、ギャンブルなど支援の対象外となる目的での外出サポートは原則できません。

参照:atGP

移動支援にかかる料金

移動支援にかかる料金は、サービス内容により違いがあります。

例えば、きらら湘南株式会社のサービス料金設定では、障がい者自立支援行動援護サービスとして、20分以上30分未満の支援を受けた場合の料金は通常2,586円程度となります。

また、介護保険を使うことで自己負担1割負担での利用が可能です。

サービス利用料は自治体によって設定に違いがあるため、確認してみると良いでしょう。

参考:きらら湘南株式会社

4.身体的負担を軽減できる他の介護ロボットとは

介護ロボットは「移動支援用の介護ロボット」を含めて6種類あります。

次の6つです。

1.移乗介助

2.移動支援

3.排泄介助

4.見守り・コミュニケーション

5.入浴支援

6.介護業務支援

 
いずれもサポートする側(介護者)・サポートされる側(高齢者)の負担軽減を目的としていますが、事業所ごとに導入すべき介護ロボットは大きく異なります。
 
まずは抱えている課題を抽出し、その上で最適な介護ロボットを導入・運用する流れになります。
 
詳細に関しては下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
 
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この記事の筆者・監修者

  • 【著者】早坂祐哉

    【著者】早坂祐哉

    大学卒業後、大手介護ソフトベンダーに7年間勤務。年間約50法人に介護ソフトを新規販売し、最年少で営業成績1位を獲得。課題抽出から業務改善に関するコンサルティング経験も多数。後に、「介護のテクノロジーを最適化する」という理念のもと(株)GiverLinkを設立し、同メディア「介護のコミミ」を通じ、月間3万人の介護職員に情報発信をしている。

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