介護職はきつい?元介護職が現場の本音を解説

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介護職はきつい?元介護職が現場の本音を解説
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介護の仕事って大変そう・・・。実際どうなの?やりがいは?実際に経験している人の話が知りたい!

このような疑問にお答えしていきます。

介護職に興味がある方のなかには、仕事の大変さが気になっている人もいるでしょう。

どんなに魅力ある職業でも、業務内容が自分に合わなければ長く働くことはできません。

私は、介護職として、リハビリ病院や介護施設に勤務してきました。

“きつい”“大変”と言われがちな介護職ですが、実際に働いてみるととてもやりがいを感じる仕事です。

「自分にも、介護の仕事はできるのか?」

ここでは、介護職に興味がある方に向けて、仕事の大変さややりがいについてお伝えしましょう。

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介護職の大変さとやりがい

介護の仕事は“きつい”“大変”と言われがちですが、その理由は主に3つあります。

① 肉体的にきつい

介護は、体に負担のかかる業務が多いです。

介護施設の利用者さんは日常生活で身体的な介助を必要とされる方が多いため、介護職には転倒を防いだり、生活動作をおこないやすくしたりするサポートが欠かせません。

例えば、トイレや入浴動作の介助では、介護職は利用者さんが転倒しないように体を支える必要があります。

また、寝たきりの利用者さんの場合には、介護職が体の向きを変えたり起き上がりをサポートしたりすることも。

このように、介護は全般的に自分の足腰を使いながら仕事をするので、肉体的に“きつい”と感じられることがよくあります。

② 介護職1人あたりの業務量が多い

働く職場にもよりますが、ほとんどの介護施設では職員数が不足しているため介護職1人あたりの業務量が多いです。

食事の仕度・介助、オムツの交換、着替えの手伝いをはじめ、水分のチェック、顔拭き用のタオル準備、介護記録の記載など。

介護職の仕事を挙げはじめると、枚挙にいとまがないです。

「介護」と聞いて、ゆったりとした様子をイメージされているかもしれませんが、実際の現場では、介護職は1人ひとりの利用者さんにしっかりとサービスを提供するために忙しく動きまわっています。

特に、時間に余裕がない職場では介護の仕事が大変に感じられるでしょう。

③ 利用者さんやご家族に気を遣う

最近では、利用者さんやご家族が介護施設にさまざまなニーズを求めるケースも増えています。

介護職にとって利用者さんやご家族は「お客さま」ですから、できる限りご希望に沿ったサービスを提供しなければなりません。

ところが、時には介護の仕事の範囲を超えた理不尽な物言いや態度をされてしまうことも。

平成31年3月に、厚生労働省が報告した「介護現場におけるハラスメントに関する調査」では、介護施設で働く職員の5割以上が、利用者さんやご家族に何らかのハラスメントを受けていることがわかりました。

ハラスメントの内容には、以下のようなものが挙げられています。

・暴力をふるわれた

・攻撃的な態度で大声を出された

・恐怖を感じる行為があった

・性的発言をくり返し言われた

・過大なサービスを強要された

昔に比べると、このようなハラスメントが起こらないように介護職員も利用者さんやご家族に気を遣う機会が多いのも、介護の仕事が“きつい”と感じられるところです。

介護職のやりがいとは

では、大変な仕事であると感じながら介護職を続けられる理由は何かというと、介護の仕事には次のようなやりがいがあるからです。

① 利用者さんから感謝される

介護職としてもっとも仕事のやりがいを感じるのは、利用者さんから感謝をされることです。

介護職にとって、利用者さんの身のまわりのお手伝いをすることは仕事のひとつですが、利用者さんの立場からすると、介護は生活の不自由さを解消する欠かすことができないサービスになります。ですから、ありがたいことに身のまわりのお手伝いをするたびに利用者さんから感謝の言葉をいただくことも多いです。

例えば、机の上に置いてある新聞をとるなど。ちょっとしたお手伝いをした時にも「ありがとう」の言葉を言われると、相手の役に立てた気持ちになり介護の仕事にやりがいを感じます。

② ご家族の精神的な支えにもなれる

また、介護職の存在はご家族にとっても精神的な支えとなります。

要介護者のご家族は、介助方法を知らなかったり、相談相手がいなかったりする場合がほとんどあるため、介護生活に不安な気持ちを抱えていることが多いです。

時には「ふたりで心中するしかないと思っていたんだ」といったように、介護の問題について深刻な悩みを夫婦で抱えていたケースも。

ご家族の気持ちに寄り添ったり、介助方法のアドバイスができたりするのも仕事の醍醐味です。 

③ 自分のアイディアを活かせる

介護施設では、レクリエーション活動が盛んです。なかでも、季節のお祭りやカラオケ大会などのイベントは、利用者さんにとって生活の楽しみのひとつにもなっています。

介護職として働いているとレクリエーションの準備も色々とおこなうのですが、職員にとってもイベントの開催は楽しみです。

それというのも、イベントは自分のアイディアが活かせるから。

私が勤務していた介護施設でも「喫茶店」のイベントを開催したことがあるのですが、介護職員がコーヒーショップの店員さながらの格好をして利用者さんにお茶を出したところ、 大変喜ばれたことをよく覚えています。

このように、介護の現場では、自分が考えたり発案したりしたアイディアの力で、利用者さんが喜ばれる表情や様子を引き出すこともできるのです。

④ 介護の知識や技術が身につく

それから、介護職は、仕事を通じて専門的な知識や技術を身につけることができます。

もしかすると「介護は誰がおこなっても同じ」というイメージがあるかもしれませんが、これは大きな間違いです。

専門的な知識や技術を身につけた職員がおこなうと、同じ介護であっても痛みが少なかったり、楽に動くことができたりするなど、利用者さんの生活の快適さがずいぶんと変わってきます。

日々介護の知識や技術を研鑽していると、前にできなかったことができるようになったと感じられる瞬間も多いです。

そうなると、自分の成長を感じることができ仕事のやりがいにもつながります。

“きつい”“大変”以上のやりがいを感じる仕事

たしかに、介護の仕事は“きつい”“大変”と思えることも多いです。

利用者さんやご家族の意向も聞きながら、安全で丁寧なサービスを提供することは難しく感じられることもあります。

私も、介護職をするなかで、何度も「自分はこの仕事に向いていないのではないか?」悩むことがありました。

自分のおこなった介護サービスが利用者さんに満足していただけないと、能力不足を痛感してよく落ち込んだものです。

それでも、一生懸命に頑張り介護の知識や技術が身についてくると利用者さんに感謝されることが多くなり、仕事にやりがいを感じられる瞬間も増えました。

介護業界に転職した直後は、慣れない業務内容に戸惑うこともあるでしょう。

経験したことがない仕事が、最初から上手くいかないのは介護職も同じです。

しかしながら、日々の業務をこなせば誰でも専門的な知識や技術が身につきやすいのも介護の特徴です。

ですから、働きはじめて1年が経つ頃には、あなたも頼れる介護職のひとりとして現場で活躍できるでしょう。

介護の資格がなくても就職できる

実は、介護の仕事は専門的な資格がなくてもはじめることができます。

最近では、「無資格者」「未経験者」を対象とした求人募集を歓迎している事業所もよく見かけるようになりました。

注意が必要なのは、介護の資格がない方の場合には「利用者さんの体に触れる介助ができない」こと。

無資格者ができるのは、主に次のような介護業務です。

・食事の配膳や下善

・身のまわりの掃除や洗濯

・レクリエーションの準備や協力

・歩行の手伝い

以上のように、資格がないと介護職としてできる業務は限られてきます。

そのため、介護の仕事をする方のなかには、介護施設で働きながら専門的な資格を取得する方も多いです。

例えば、「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級に相当)」や「介護職員実務者研修(旧ホームヘルパー1級に相当)」を取得するとトイレや入浴の介助・車いすへの乗りうつり支援など、利用者さんの体に触れる介助もできるようになります。

介護施設のなかには、これらの資格の取得をサポートしてくれる事業所も散見されます。

介護職として働きながら資格取得を目指していきたい方は、「介護職員初任者研修」や「介護職員実務者研修」などの資格取得支援をおこなっている介護施設に転職をすると良いでしょう。

介護職が働く代表的な施設

ここで、介護職が働く代表的な施設を整理してみましょう。

「介護施設」と一口に言っても介護職の働き口は多岐にわたります。

① 老人保健施設

老人保健施設は、自宅で生活が困難な要介護高齢者がリハビリをおこないながら自宅復帰を目指す介護施設です。

介護職は、看護師や医師などの医療従事者と連携しながら、利用者さんが自宅復帰できるように生活をサポートしています。

② 老人福祉施設(特別養護老人ホーム・有料老人ホーム)

老人福祉施設は、要介護高齢者が終身にわたって生活をすることができる介護施設です。

介護職は、利用者さんが暮らしやすくなったり、楽しんだりできるように介護サービスを提供しています。

③ 病院

介護施設に比べると求人募集の件数は少ないですが、病院でも無資格者を介護職として採用する職場もあります。

病院では重症の患者さんの介護に携わる機会も多いので、介護の仕事をしながら医療的な知識が身につけやすいのも特徴です。

④ 訪問介護事業所

入院・入所施設ではなく、利用者さんのご自宅に訪問して介護をおこなう働き方もあります。

ただし、訪問介護事業所で働くには介護の資格が必要です。

というのも、訪問介護では、利用者さんの体に触れる介助が欠かせないからです。

働きはじめは介護職として入院・入所施設で働き、しっかりと経験を積んだ後に訪問介護を目指すのも良いでしょう。

このほかにも、介護職はデイサービスやデイケアなどの介護施設でも働いています。

数ある就職先から自分に合った働き口が選びやすいのも、介護職として働くメリットです。

まずは転職のプロに相談してみよう!

介護の仕事は無資格でもはじめられるとわかっても、経験のない業界に転職するのは勇気がいることです。

職場の雰囲気、人間関係、休みのとりやすさ、給与額など。介護施設によって働きやすさや待遇は違ってきます。

どのような介護施設に就職すれば良いのか迷った時には、転職のプロに相談してみることをおすすめします。

介護職の場合、無料で登録・利用できる転職サイトが数多くあるのですが、大手の転職サイトは介護施設の内情について詳細に教えてくれるので、自分の希望条件に合った働きやすい職場を見つけやすいでしょう。

もしも職場の事情をよく知らずに就職をしてしまうと、働くのが“きつい”だけの介護施設にあたってしまうことも。

そうならないためには、転職前に介護施設の情報収集が欠かせません。

自分が長く働きやすい職場を見極めるためにも、まずは転職のプロに相談をしてみましょう。

 【まとめ記事】介護ソフトで後悔しないために読んでほしい記事9選

 介護の人事担当が選ぶおすすめ求人サイトランキング!転職を有利にするには?

参考:

  • 厚生労働省

介護現場におけるハラスメントに関する調査研究報告書(平成31年3

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この記事の筆者・監修者

  • 田口 昇平

    田口 昇平

    作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級。2008年に作業療法士免許取得後、東京都内のリハビリ専門病院や特別養護老人ホームなどの施設で、医療や介護業務に従事。2018年より、フリーライターに転身。医療介護職の働き方や働きやすい労働環境などを中心に、幅広いテーマで執筆。

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