介護現場の声・悩み働きやすい職場の選び方
自分には介護職向いていないのかなぁ・・・。客観的にどんな人が向いていないのかを知りたい。向いていないのなら、自分はどうすればいいんだろう?
介護業界に限らず、人間には「適性」というものがあります。
まさに天職!といいたくなるような「合っている」人から「やむを得ずこの職についているのが見え見え」な人、さらに「なんでこの業界にいるの?と大真面目に問いかけたくなる」ような人まで、現場には様々な人がいますよね。
もちろん自分自身もしかり。
いろんな理由を胸に介護の世界に飛び込んだのはいいけれど、「はたして自分は、この仕事に向いているのだろうか」と、ひっそり悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「介護職に向いていない人」の特徴と、向いていない人(自分自身を含む)との向き合い方についてお伝えします。
そもそも「介護に向いていない人」って、いったいどんな人なのでしょうか。
目につく欠点が「本当に向いていない」のか「誰にでもある不得手な部分」なのかを、一度ここで見極めてみましょう。
ここからは「介護職に向いていない人リスト」です。
自分自身に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
ご利用者様の中には、すぐに怒鳴ったり、気に入らないとかんしゃくを起こしたり、何かと クレームをつけたりする人がいます。
また、援助や訓練に対しなかなか成果が上がらない(受け入れてもらえない)、スムーズなコミュニケーションが取れないなど、こちらの思うようにはいかないケースが多々あります。
その背景には認知症状や既往症などにより、自分の意思が思うように伝わらなかったり、以前できていたことができないもどかしさがあったりと、さまざまな要因が絡んでいるため、介護従事者は言動の裏に潜む心理的要因を考察し、相手にとって最適な援助方法を探りながら実践していかなければなりません。
表面だけしか見ることができず、相手の言動にすぐかっとなってしまう人や、根気強く向き合い寄り添うことができない人は、残念ながら介護には向いていないといえるでしょう。
ご利用者様やご家族様の要望に合わせるのが介護職の基本です(もちろん、行き過ぎた要望に対しては、お断りする勇気も必要です)。
例え仕事に追われていても、時間がなくても相手に合わせる分だけ、自分のペースは乱されます。
それを苦痛に感じる人は、自身の作業やマニュアルを思うように消化できない苛立ちから、言葉遣いや態度が乱暴になる傾向があり、結果信用を失ってしまうケースが多々あるのです。
「苦手」ならまだしも「嫌い」となると、介護業界どころか接客・営業関係なども厳しいのではないでしょうか。
介護職は「相手ありき」です。
ご利用者様だけではなく、ご家族様や他事業所の職員など、多くの人々と常に関わらなければ成り立ちません。
無理して頑張ろうとしても、かえって大きなストレスを抱えてしまいますから、どうしても根本を変えることができない場合は、長く続けるのは、自身にとっても厳しく辛いかもしれません。
逆に、いくら人と接することが好きでも、向いていない場合もあります。
俗に言う「空気が読めない」ケースです。
介護従事者には相手の意図や要望などを正確につかみ、適した対応を行う力が必要とされます。
しかし、被介護者にはスムーズに自身の意思を伝えられない人が多々いらっしゃいます。
意思の疎通がうまくいかないからといって、独りよがりなケアを提供すると、苦情対象となってしまいかねません。やはり一定レベルのコミュニケーション能力は必要不可欠です。
福祉の世界は日進月歩。
常に技術や情報は更新されていきます。
一度習得したから、このやり方でやってきたから、といつまでも、過去になりつつある方法や自己流に固執していては、いずれ手詰まりになる日が必ず来ます。
内省し、今の業界の流れがどのようになっているかを進んで学ぶ意欲のない人は、自分では向いていると思っていても、周りから「古いやり方にとらわれる」「介護に向いていない人」と評価されてしまうものです。
介護職の現場は複数の事柄を同時にこなさなければならないことが多々あります。
ご利用者様のお話を聞きながら介助や支援を行いながら、情報収集を行って記録を残し、事 務仕事や雑務をこなす……これを、滞りなく進めていかなくてはなりません。
1つ1つの物事しかできない人や、自分の力量を見極められない人には厳しい世界といえるでしょう。
真面目で規則に忠実なのは良いことですが、そうそう規則通りに物事が運ばないのが介護現場の現実です。
「規則だから」「マニュアルにないから」「時間だから」と、融通が利かないケアを行ってばかりでは、ご利用者様や他職員との連携はとれません。
とにかく「きっちりしないと気が済まない」「ルールから外れるのが大嫌い・苦手」という人は、マニュアルのもとに常に臨機応変が求められる場所では、どれだけ自分のこだわりから妥協し、割り切ることができるかが続けられるか否かのカギとなりそうです。
責任感が強いのは素晴らしいことです。
しかし、なんでもかんでも一人で抱え込んでしまうのはいかがなものでしょう。
すべてこなせればまだ問題ないかもしれませんが、明らかにキャパオーバーなのに他人が申し出てくれた協力も頑なに拒むとなると、業務が滞るだけではなく、周囲との連携も取れませんよね。
「真面目」と「意固地」は違います。
いざという時には頭を下げて協力を仰ぐ勇気と姿勢がないと、連携が重要になるこの世界では円滑に物事が進みません。
優しさと優柔不断は違います。
介護での援助は「残存機能を活かす」のが基本。
なんでもかんでもやってあげるのが良いこととは限りません。
できることはご自分でやっていただくために、あえて「お断り」する勇気も必要です(もちろん伝え方は大切です)。
また、提供範囲外のサービスを求められた時、ルールに反した要求をされた時なども同様です。情に流されない勇気と、根拠をしっかり説明する「芯の通った援助」が大切なのです。
介護の仕事の価値は「利用者様のためになるか否か」であり、「数字」「効率」ではありません。
AよりBの方が効率がはるかに良くても、利用者様がAの援助方法を望むなら、そちらを最優先するのが基本。
やがて信頼関係を築く中でBの方法を受け入れてくれた、というのなら話は別ですが、自身の価値観や効率・反映される営業成績第一主義のもとに、援助を押しつけるのは、介護の世界ではご法度です。
どんなに志が高くても、技術があっても、体力がないのはやっぱり致命的……体力だけではなく、肩・膝・腰の痛みといった職業病とのお付き合いも、介護従事者にとってはついて回る課題です。
不規則な勤務、体力勝負の業務内容がどうしてもついて回る介護業界で、自分自身の体のメンテナンスも重要です。
それなりの基礎体力が維持できなければ、キツイかもしれません。
介護業界は感情労働の世界です。
プライベートで悲しいことがあっても、人間関係が最悪でも、利用者様や他人の言動に腹が立っても、つねに一定の感情の安定を求められ、穏やかに業務を遂行することが求められます。
かといって、無理に元気なふりをしたところで周囲には容易に見抜かれてしまうもの。これって結構、心に負荷がかかりますよね。
肉体労働なら体を、頭脳労働なら脳を休ませてあげれば回復しますが、心の疲れは回復が難しい場合が多々あります。
ストレスを抱えるのは仕方ありませんが、うまく発散させ、自身の心身の健康を守る術を持っていなければ、いずれ潰れてしまうことでしょう。
いかがでしょうか、当てはまる項目はありましたか?
人間ですからいくつか当てはまるのは当然のことです。
しかしこの項目、当てはまるのが多ければ多いほど、「向いていない」かもしれません。
介護職に向いていないと感じのであれば、次のことをしてみてはいかがでしょうか。
「介護に向いていない人」の特徴について列記しましたが、本当に介護に向いていないのは、「自分の欠点を自覚していない人」です。
当てはまる項目が多くて落ち込むことができる人は、介護という業務内容に向いていなくても、奉仕の精神や人間性は合格点といえるでしょう。
とはいえ、向いていない特徴によっては、改善できるものとできないものがあります。
まずは自分の力で克服できるか否かを見極めましょう。
介護に向いていないと感じる特徴の中には、改善できるものが多々あります。
うまく業務を回すことができる他職員のやり方をしっかり見る・教えを請う・最新知識を自ら学ぶ・逆に利用者様や他職員からの苦情が多い職員を「何がいけなくてそうなっているのか」という反面教師にすることもできますよね。
体力がないなら基礎体力向上に努める・ストレスを抱え込みやすいなら発散方法を開発する等、自分でできる具体的な改善策を模索し、実行してみましょう。
反面、どう頑張っても改善できないこともあります。
体調や体質は一朝一夕には変えられませんし、腰痛や持病などを無理し続ければいつか自分の人生自体を棒に振りかねません。
「仕方ないこと」というのは必ずあるのです。
過剰に無理をする必要はありません。
同じ介護業界でも、蓋を開ければいろいろな職種があります。体力勝負が無理なら事務職に、フルタイム勤務が厳しいなら時短勤務に、夜勤がキツイなら日勤業務に、と、自分に合った業務形態を選択するのも一つの手でしょう。
また、介護業界そのものから離れるのも、悪いことではありません。
生活のために稼ぐことは大切です。
自分を大事にしながら、目的を果たせる方法を見つけてみましょう。
自分は変えることができても、他人を変えることはできません。
また、介護に向いていない人ほど、自覚していないものです。
言動に振り回されることも多々ありますよね。
その人の存在そのものがストレスになっていることって、ありませんか?
「この人はなんでこんな言動しかできないのだろう」と一歩引いて観察してみましょう。
自分対相手で密に関わると腹立たしさしかありませんが、「観察対象」として冷静に見てみると、その人の性格や背景、対処法などいろんなものが見えてきます。
観察力は、介護業務において必要不可欠。養う練習台としてコッソリ利用させてもらいましょう。
ある意味、その人がいるから利用者様や他職員の厳しい目がそちらに反れてくれている、ということもあります。
「あの人よりマシ」という他者の意識が、知らないうちにあなた自身のちょっとしたミスや無礼を見逃してくれているかもしれません。
介護に向いていない人がいるうちに、反面教師にしましょう。
要は「その人みたいにならなければいい」のです。
進んで厄介者になりそのお手本を体現しているなんて、自分なら絶対に嫌!だと思いませんか?
利用者様だろうが誰だろうが、理不尽な言動をぶつけてくる人はぶつけてきます。
全てを受け止めていてはすぐに潰れてしまいますよ。
この機会に「スルースキル」を身につけましょう。受け流す、聞こえないふりをする、うまく誘導して他に気をそらすなど、技術はそのまま対利用者様にも応用できます。
いくら他人は変えられない、といっても、サンドバッグになってあげる必要はどこにもありません。
自分に否がないかを振り返りつつ、明らかに理不尽な扱いには反撃も大事です。
パワハラに当たるような言動を受けたら証拠を残しておきましょう。
日記をつける・録音や録画しておく等、記録は自分を守る武器になります。
自分は介護に向いていないのではないかと必要以上に卑下することはありません。
欠点を顧みることができるなら、それだけでしっかり地に足がついています。
せっかく選んだこの世界、どうせなら少しでも、楽しみややりがいを見出せるといいですよね。
逆に自分は介護に向いている!と即答する人は、傲慢や慢心と隣り合わせともいえます。
それはそれで、注意しなくてはなりません。
謙虚に、誠実に、貪欲に!おごり高ぶり現状に満足することなく、「自身にできること」を模索していきましょう。
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