介護で受けられる補助金とは?事業所を経営する上で知りたい助成金も紹介

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介護で受けられる補助金とは?事業所を経営する上で知りたい助成金も紹介

 

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こみたろう

介護施設を運営する上で役立つ補助金ってないのかな?

介護施設を運営する上で、補助金を活用し事業の運営資金にしたいと思った方は多いのではないでしょうか?

そもそも補助金や助成金とは、事業の運営をサポートするために、国や地方自治体が提供する援助のことです。

介護事業者は、さまざまな補助金や助成金を受けることができるので、活用すると事業運営に役立つでしょう。

本記事では、介護で受けられる補助金・補助金や、介護事業者が利用できる制度について解説します。

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違いは?間違いやすい「補助金・助成金・給付金」

お金

 

「補助金」「助成金」「給付金」という3つの用語は、国や地方自治体などから受けられる資金援助を指します。

いずれも申請が必要で、返済の必要がないという点では同じですが、援助の目的や管轄、支給金額などが異なります。

以上の点を踏まえて、補助金・助成金・給付金それぞれの特徴について見ていきましょう。

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こみたろう

それぞれの違いを解説していくよ!

補助金

補助金は、政策目標に沿う活動を行っている事業者に支給されます。

新規事業・起業促進・研究開発の活性化などが目的で、主にスモールビジネスを含む中小企業が対象です。

補助金は基本的に経済産業省が管轄していますが、ほかの省庁や自治体、民間団体などが提供する補助金もあります。

経済産業省の補助金は、新たな事業や研究開発を対象としたものが多いため、支給金額は数百万円など比較的高めに設定されています。

機械設備費・人件費・広告宣伝費など、事業活動の経費の一部に補填されることから、後述する「助成金」より適用範囲は広いといえるでしょう。

補助金は返済の必要がありませんが、公募期間が1週間~1か月程度と短いため、早めに申請準備を進めることが重要です。

助成金

「助成金」は、法人や事業者が政策目標に沿い、労働環境を改善する取り組みを行う際に支給されます。

主に育児休暇・介護休暇の拡充や、雇用維持・人材育成などが対象です。

助成金は雇用関連の支援を行うものなので、利用できるのは雇用保険が適用される事業主に限られます。

助成金は基本的に厚生労働省が管轄しており、申請先・支給元は都道府県労働局となります。

雇用や能力開発が目的ということから、助成金の金額は多くても100万円と控えめです。

また、適用範囲が労務管理・人事評価・教育訓練などに限られているため、前述した補助金と比べると適用範囲は狭いといえるでしょう。

しかし、ほとんどの助成金は通年の公募なので、どの時期でも気軽に申請しやすいことが魅力です。

給付金

給付金は、国や地方自治体が個人・事業者などに支給するものです。

補助金や助成金との明確な区別は定義されていませんが、補助金や助成金がビジネスを営む法人・事業者を対象とすることが多い一方で、給付金は個人が対象となるものが多いです。

例えば、「持続化給付金」は事業者が対象ですが、「育児休業給付金」や「介護休業給付金」は個人向けとなります。

給付金は一定要件を満たせば支給されますが、一部のものはそのうえで採択が必要など、補助金に近い性質のものもあるので事前の情報収集と準備が大切です。

介護保険とは?

介護、保険の文字とペン、植物

 

介護保険」とは、介護サービスを支えるために支給される保険のことです。

介護保険制度は2000年に始まり、居住中の市区町村によって運営されています。

40歳になると自動的に介護保険の被保険者となり、介護保険料を支払う必要があります。

以下のような条件に当てはまる場合は、訪問介護や訪問看護などの介護サービスを利用したときに、介護保険の適用が可能です。

65歳以上(第1号被保険者)

寝たきりや認知症などで介護が必要な「要介護状態」になった場合や、日常生活の支援が必要な「要支援状態」になった場合)になった場合

40~64歳(第2号被保険者)

初老期の認知症や脳血管疾患など、老化が原因の「特定疾病」により、要介護状態・要支援状態になった場合

ただし、介護保険で介護サービスを受けるためには、市区町村に申請して「要介護認定」もしくは「要支援認定」を受ける必要があります。

参考:厚生労働省「介護保険」とは

入居斡旋にも使える!介護が必要な際に受けることができる補助金の種類や対象、申請方法

 

介護の字が書いているハートと年配の夫婦

介護で利用できる補助金には、以下のようなものがあります。それぞれの特徴や対象者、申請方法について見ていきましょう。

・福祉用具購入費制度

・高額療養費制度

・高額介護合算療養費制度

・高額介護サービス費制度

なお、補助金制度は地方自治体によって違いがあることや、法改正などで給付条件が変更になる場合があるので、詳細は自治体にお問い合わせください。

福祉用具購入費制度

「福祉用具購入費制度」は、腰掛け便座や入浴補助用具などの「福祉用具」の購入時に、その1~3割の費用が支給される介護保険制度です。

支援限度額は要介護度・要支援度に関わらず、1年あたり10万円となっています。

福祉用具購入費制度の主な適用条件は以下のとおりです。

・要介護者・要支援者の日常生活の支援に必要な福祉用具である

・購入費の支給対象となる福祉用具である

・都道府県に指定された「特定福祉用具販売事業者」から購入すること

福祉用具購入費制度を申請する際は、「介護保険居宅介護(介護予防)福祉用具購入費支給申請書」のほかに、福祉用具の購入時の領収書、用具の概要が記載されたパンフレットなどが必要です。

市区町村に申請することで、費用の補助が受けられます。

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こみたろう

介護施設でも使えそうな補助金や助成金があるんだね。

高額療養費制度

高額療養費制度」は、医療機関・薬局の窓口で支払う医療費が1か月の上限値を超えた場合、その超過分が給付される制度です。

公的医療保険に加入しているすべての人が対象となり、公的医療保険の運営組織に「高額療養費の支給申請書」を提出することで支給が受けられます。

領収書の添付が求められることもあるので、必ず保管しておくようにしましょう。

なお、保険適用外の診療や入院時の食事代・差額のベッド代、先進医療にかかる費用などは対象外なので注意が必要です。

参考:厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ

高額介護合算療養費制度

高額介護合算療養費制度」は、1年間の医療保険と介護保険の自己負担の合算額が基準を超えた場合、その超過分が払い戻される制度です。

ただし、医療と介護の両方を利用している世帯内であることや、所得区分によって定められた基準値を上回る場合のみ対象となります。

「高額介護合算療養費等支給申請書」に必要事項を記載し、市区町村の窓口に提出することで、補助金を受けることができます。

ただし、その際はマイナンバーカードなどの本人確認書類や、補助金を受け取るための預金口座の情報などが必要です。

参考:厚生労働省「高額介護合算療養費制度」

高額介護サービス費制度

「高額介護サービス費制度」は、1か月あたりの介護サービス利用料の自己負担額が、高額になった場合に補助金が受けられる制度です。

介護保険サービスの自己負担は1~3割ですが、日常的に利用していると費用が高額になります。

高額介護サービス費制度を利用すると、個人所得・世帯所得で決められている上限を超過した分が支給されます。

対象となる主な介護保険サービスは、「居宅サービス」や「介護施設サービス」です。

限度額を超えた場合は市区町村から通知が来るので、その手順に従って申請すると補助金が受けられます。

介護職人材採用(雇用)と育成に利用できる助成金

 

一緒に散歩している年配のご夫婦

介護職の人材採用や育成には、以下のような助成金が利用できます。それぞれの特徴や、対象となる事業者について解説します。

・介護職員処遇改善支援補助金・業務改善助成金
・働き方改革推進支援助成金
・雇用調整助成金
・キャリアアップ助成金
・両立支援等助成金
・人材開発支援助成金
・トライアル雇用助成金
・中途採用等支援助成金
・65歳超雇用推進助成金
・特定求職者雇用開発助成金

介護職員処遇改善支援補助金

介護職員処遇改善支援補助金」は、介護職員の収入を月額9,000円引き上げるために、事業所に支給される助成金です。

「介護職員処遇改善加算」のIからIIIのいずれかを取得しており、実際に賃上げを行っている事業者が対象となります。

なお、本制度は2022年の2~9月の賃上げ分が対象となるため、すでに申請の締め切りは終了しています。

しかし、現在では「介護職員等ベースアップ支援加算」が行われているため、介護職員の積極的な賃上げに役立つでしょう。

参考:厚生労働省「令和4年度介護報酬改定について
        「介護職員処遇改善支援補助金
        「高額介護合算療養費制度

業務改善助成金

業務改善助成金」は、生産性向上のための設備投資を行い、事業場内最低賃金を一定以上引き上げた場合に、その費用の一部が支給される制度です。

主に中小企業や小規模事業主が対象となります。

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金」は、時間外労働・休日労働の上限時間を設けたり、年次有給休暇・特別休暇など環境整備に取り組んだりした場合に、その経費の一部が支給される制度です。

主に、労働者災害補償保険を適用している中小企業が対象となります。

雇用調整助成金

雇用調整助成金」は、経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対し、雇用維持のために要した費用を助成するための制度です。例えば、休業手当・教育訓練・出向など、雇用調整を実施するための取り組みが該当します。

雇用保険の適用事業主であることや、直近3か月の平均収益が前年同期に比べて10%以上減少していることなどが条件です。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金」は、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者などの非正規雇用の労働者に対し、企業内でのキャリアアップ促進に関する取り組みを行った場合に支給される助成金です。

主に、有期雇用労働者の正社員登用や、賃金改定などによる処遇改善などが該当します。

両立支援等助成金

両立支援等助成金」は、従業員が育児や介護を両立させやすいような職場環境を整えた事業主に、支給される助成金です。

例えば、育児休暇・介護休暇を拡充させたり、休業後に復職できる就業規則を制定したりする取り組みが該当します。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金」は、人材育成のための教育や訓練を実施した際に、その経費の一部が支給される制度です。

例えば、専門的な介護サービスを提供するための研修の実施などが該当します。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金」は、職業経験・技能・知識などの理由で安定的な就職が困難な求職者を、ハローワーク・職業紹介事業者などの紹介で一定期間試行雇用した場合に受けられる助成金です。

トライアル雇用助成金は、求職者の適性・業務遂行可能性を見極めて、相互理解を促進して雇用機会の創出を図ることが目的です。

介護職として働いたことがない人を試験的に雇用する場合も、本制度を活用できるでしょう。

中途採用等支援助成金

中途採用等支援助成金」は、中途採用者の雇用制度を整備し、中途採用の拡大を図る事業主に支給される助成金です。

中途採用率を20ポイント以上高めた場合は50万円、さらに45歳以上の中途採用率や賃金を改善すると100万円が支給されます。

介護職員やヘルパーは中途採用者が少なくないため、ぜひ本制度を活用してみるといいでしょう。

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金」は、以下のような取り組みを実施した際に受けられる助成金です。

・定年を65歳以上に引き上げる

・定年制度そのものを廃止する

・66歳以上の職員を継続雇用する

生産年齢人口の急速な減少により、介護関連の深刻な人材不足が発生すると考えられています。

の解消手段のひとつとして、本制度が役立つかもしれません。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金」は、高年齢者や障がい者などの就職困難者を、ハローワークなどの紹介で継続雇用する事業主に支給される助成金です。

介護機器の導入やデジタル化に利用できる助成金・補助金

 

電話していたり、コンピュータを使ったりしているビジネスマン

介護機器の導入やデジタル化に取り組むことで、以下の2つのような助成金・補助金も利用できます。

・IT導入補助金

・ICT導入支援事業補助金

IT導入補助金

IT導入補助金」は、各種ITシステムを導入してデジタル化・IT化を図る事業者に対し、その経費の一部が支給される制度です。

補助額は最大450万円で、補助率は2分の1~4分の3となっています。

例えば、勤怠・労務管理システムの導入などが該当します。

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こみたろう

実際に補助金が適応となっているパターンも多くあるよ。

ICT導入補助金

ICT導入支援事業補助金」は、介護ソフトやタブレット端末など、ICT(情報通信技術)を導入した事業者が、その経費の一部の助成金が受けられる制度です。

ICTの導入により介護現場の業務効率化を図り、雇用環境の改善や離職防止を促進することが目的です。

補助金を賢く使って介護施設を健全に経営しよう

 

笑いながら電話で話している女性

補助金・助成金・給付金の違いや、介護で利用できる補助金、介護事業者が利用できる助成金制度などについて解説しました。

介護事業を取り巻く環境は厳しさを増しています。

今回ご紹介した制度をぜひ活用して、効率的で持続可能な介護事業の運営にお役立てください。

なお「介護のコミミ」では、介護関連の業務効率化に役立つ「介護ツール」のクチコミを紹介しています。

介護職員やヘルパーの離職率を低下させるためには、業務効率化による負担軽減が欠かせません。

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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