介護現場の声・悩み働きやすい職場の選び方
介護でノイローゼになるのかな?つぶれないようにするためにはどうすればいいの?
このような声にお答えしていきます。
介護生活が原因の痛ましいニュースは、残念ながら後を絶ちません。
そしてそのニュースを見て、同情的な感想を抱く人、無関心な人、なかには心ない・えげつない暴言を吐く人、と、いろんな人が存在します。
もっとも思想は自由ですから、どんな風に思っても関心が持てなくても、そこについてとやかく言われる筋合いはありません。
しかし、ニュースにすらならない「介護ノイローゼによる共倒れ」が、今この瞬間も至るところで起きており、誰もが突然当事者となり得る、きわめて身近な問題だという現実だけは、知っておいて損はないのではないでしょうか。
介護ノイローゼのリスクは、今介護に携わり尽力している職員、いつかは否応なく介護に関わることになるであろう家族、そして、介護を受ける側となる人自身にも存在します。
今回は、対象者を「介護者」「被介護者」にしぼって「どうして人は介護ノイローゼに陥るのか」と、介護で自身がつぶれないために必要な「知恵」と「知識」についてお伝えします。
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近くのいい職場を探すなぜ「介護によって追い込まれる人」が生まれ、そして減らないのでしょうか。介護ノイローゼに陥る要因は、多岐にわたります。
いくら情報を入手しやすい時代になったとはいえ、大半の人は「介護の世界」とはほとんど接点がありません。ところが、ある日いきなり、いろんな事情から否応なく「介護」と深く関わらざるを得なくなるのが、在宅介護の始まりです。
介護のプロだって最初は戸惑うというのに、ほとんどの人は、まったくといってよいほどまっさらな状態から、突然自分の背中に「誰かの命」が重くのしかかります。
これだけでもプレッシャーですが、さらに「なにから始めたらよいのか」「どうすればよいのか」だけではなく、取るべき手続きも時間制限付きで山のように押し寄せてくる。
なにがなんだかわからないまま忙殺され、道筋が見えない不安というのは、人間にとっては大きすぎるストレスとなり得ます。
在宅介護の場合は特に、介護者、被介護者に関わらず、その生活を一変させる可能性が高くなります。
また、被介護者の状態変化によっては、否応なく変更を余儀なくされることも多々あるでしょう。
被介護者は、今までできていたことができなくなるもどかしさから心の余裕を無くしがちになりますし、介護者は仕事を抱えていれば、公休や有給休暇、時短制度などをやりくりして、自身の休息やリフレッシュのためではなく、被介護者のために時間を費やすことになります。
外での立場がある場合は、他者の目や信用、抱えている案件の進捗なども気にせざるを得ないですし、専業として家にいても、今度は逆に「外に出られない」というストレスが生まれます。
「長年のルーティンが狂う」「自分の意思で決定できない」精神的負担は、実は計り知れないほど大きなものなのです。
日本ではまだまだ「内で抱え込む」ことを「美徳」とする文化が抜けきれていません。
「配偶者」「嫁」「子供」だから、と、真面目で責任感がある人ほど1人で抱え込んで頑張りすぎ、燃え尽き、それでも心をすり減らしながらつき進んでしまいます。
「焦らないで」「頼って」という言葉を聞いても、具体的な支援方法を提示されても、いざ「助けて」「利用させて」という声を上げられるかは別問題。介護ノイローゼから抜け出すには、介護する側も「もう無理!」と声を出して、「誰かに助けを求める」勇気が必要です。
被介護者の状態によって、介護者は夜眠れないことも、朝早くからたたき起こされることだってあるのが現実です。
日中は家事や仕事、被介護者の通院や世話に忙殺され、夜は問題行動(とされる様々な行動)に悩まされ、排泄をはじめとした介助に追われ……こうなると、まとまった睡眠時間や休憩時間がとれなくなるのは必至ですよね。
睡眠不足及び疲労の蓄積は、判断力の低下や情緒不安定など、いろいろな弊害を引き起こします。
在宅介護でも、自立に限りなく近いレベルならばまだしも、要介護度が重くなればなるほど、介助にかかる労力も大きくなります。
加えて自身のことも行わなくては生活が成り立たないのですから、どうしても規則正しい生活からは程遠くなってしまいます。
食事、睡眠など、日常生活を送るうえで最も重要なところから不規則になり、慢性的な疲労となって蓄積していくのです。
ただでさえ、介護や介護に関わる手続等は時間も労力も気力体力も費やします。
それに加え、他人の前では穏やかなのに、家族間になると、途端に横暴になってしまう被介護者もいれば、他人を一切受け付けないという被介護者も。
家事や育児を抱えているほか、老老介護や介護者自身も持病があるといったケースもあるなかで、分担できる協力者がいなければ、介護者の体調や体力などに関わらず、すべてを背負わざるを得なくなります。
しかし、人間一人何役もこなすには、限界があるのです。
2020年に新型コロナウイルスの感染拡大により、介護従事者はウイルス蔓延防止対策としてさらなる業務を課せられるようになりました。
よって、「コロナ疲れ」というワードがSNSでトレンドになるほど肉体的・精神的に問題になりました。
超高齢化社会の加速による人員不足、更にウイルス対策など緊急を要するトラブルに対応するリソースの確保が急務になっており、人材確保や業務効率化が課題になっている事業所は多く、大きな課題になっています。
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もめがちなのが「介護にかかる労力」と「費用」です。
誰がメインで世話をするのか、どんなサービスを取り入れるのか、費用は誰が負担するのか。
折り合いがつかないなどの理由で、家族間がぎくしゃくするのはもはやよくある話です。
また、被介護者の年金や貯金、財産を使いこんだり持ちだしたりする親族がいるというのも実際ある問題でしょう。
介護=寿命というケースが大半ですから、期間限定というわけにはなかなかいきません。
被介護者の寿命を願ってしまう気がして自己嫌悪に陥りつつ、でも、自分たちの生活もある中で、いつまで金銭的な負担を強いられるのかまったく先が見えない不安に潰されそうになる。
被介護者側も事情を察して「生きていて申し訳ない」と思い込んでしまう人もいます。
「身体状態」に表れるサイン
「眠れない、眠りが浅く一度目覚めるとなかなか寝付けない」
「食欲がない、食べても味がしない」
「だるい」
「無表情になる」
「精神面」に表れるサイン
「感情の起伏が激しくなる、もしくは感情の起伏がなくなる」
「何をするのもおっくうになる」
「わけもなく涙が出て止まらなくなる」
「死にたい」ではなく「解放されたい」「これで終われる」と思うようになる
人間追い詰められてくると、まずは身体面に影響が出てきます。
やがて精神面のゆがみが表面に浮かび上がってくるのです。
頭から心配事が離れなくなるというのも特徴の一つ。
四六時中同じことを考え続けてしまうようなら、それもSOSのサインです。
まず知ってほしいのは「自分だけは大丈夫」ではないということです。
介護によるストレスは、行う方も受ける方も自覚がないうちに進行します。
決して他人事ではありません。
そして、介護によってノイローゼになるのは、けして「弱いからではない」ということを覚えておいてください。
いきなり体が思い通りにならなくなればイライラします。
どんなに誠心誠意を尽くしても、反映されなければ辛くなります。
「どうしてこんな目に!?」と考えてしまうのも、誰もが同じであり、当たり前の感情であると知ってください。
余計な見栄も外聞もとっぱらいましょう。
「施設に入れてかわいそう」「あんなに怒鳴ってひどい」などという他人が、内情をどれだけ知っているというのでしょう。
介護虐待は論外ですが、背景はさまざまです。「耳が遠くて大きな声を出さないと聞こえない」「日中独居状態になる方が危険」など、外には見えない要素があるかもしれませんよね。
大事なのは「わかってくれない」と嘆いて抱えて共倒れになることではありません。
まずはしかるべき専門機関に、納得いくまで相談してみましょう。
育児なら「子供が」介護なら「被介護者が」クローズアップされがちです。
しかし、同じように「お世話をする人」の心身の健康も大切です。
自分を犠牲にして、よいことなどなにもありません。
ついつい自分を後回しにしてしまいがちですが、ショートステイや訪問介護、看護、入浴、デイサービスやデイケアなど、状況に応じて上手に使い、自分の休憩時間やリフレッシュできるひとときを作るようにしてください。
ケアマネージャーに相談すれば、うまく介護保険範囲内でプランを組んでくれます。
≪相談先≫
・市役所、区役所など行政機関
住んでいる地域の市町村の担当課(介護保険課・高齢者福祉課など)では、介護保険制度や高齢者の保健福祉に関する総合的な相談が受けられます。
また、厚生労働省HPには悩み電話相談窓口があり、担当の専門員にサポートを行ってもらえます。
・地域包括支援センター
ケアマネージャー・保健師・社会福祉士が在籍しています。介護者、高齢者が健康で自分らしい生活を長く続けるために、保険・医療・福祉の面から専門的な支援を行ってくれる機関です。(地域によって名称は変わりますが)市町村に必ずあります。
・医療機関
病院に入院している場合は、医療ソーシャルワーカーに相談を受けることができます。介護でいえば、介護保険制度のことや、退院後の介護生活の不安についても相談することができます。
助けを求めても求めなくても、なりやすい人なりにくい人の差があるとしても、残念ながら介護によるノイローゼは、なる時にはなります。
これはもはや仕方ありません。ならば、早めに対策を立てるのが吉というものでしょう。
前述した症状の他、まずいと思ったら、負担を軽減するために相談すると同時に、症状が悪化しないうちに心療内科などを受診するのもおススメです。
自分を責める必要はありません。抱え込むこともありません。そのために専門職がいるのです。
介護者も被介護者も、お互いに介護ノイローゼから身を守るためには「相談する」「家族間でもきちんと話し合う」「一人で抱え込まない」など、やれることはたくさんあります。
どうぞ胸を張って、まずはケアマネージャーや、同じ悩みを持つ人たちの集まりなどに参加し、相談してみて下さい。
もっとも、専門職には「できること、できないこと」「できるサービス、できないサービス」があります。
法の規定にのっとりそれぞれ勤務にあたるわけですから、すべてのニーズに100%で応えられるかと言われたら、即答で「はい」とは言いきれないかもしれません。
また、不当と思われるサービスを要求されたらお断りせざるを得ません。
しかし、規定の中で、一緒に良い方法を考えていくことはできます。
ぜひともルールを理解、把握したうえで、上手に利用してください。
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