訪問介護開業の流れ完全版!必要な資金と開業までの準備を解説

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訪問介護開業の流れ完全版!必要な資金と開業までの準備を解説
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こみたろう

訪問介護を開業したいけど、どんなことから始めたらいいか分からないな〜!

訪問介護とは、利用者(要介護者)の日常生活を、利用者の自宅でサポートする介護サービスです。訪問介護事業所の開業には、開業資金や各種手続きなどが必要です。本記事では、訪問介護事業所の開業に必要な資金と、受けられる補助金・助成金について解説します。

 

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詳しく知りたい!訪問介護とは?

笑っている介護職員と車椅子に座っている女性

 

「訪問介護」とは、要介護者とその家族の日常生活をサポートするための介護保険サービスです。介護の専門資格を持つ介護福祉士・ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体的な介助である「身体介護」と、家事面をサポートする「生活援助」を行います。

 

利用者が自立した日常生活を送れるように、自宅で介護サービスを提供することが、訪問介護の特徴です。訪問介護について、まずは身体介護と生活援助の特徴や内容について見ていきましょう。

 

身体介護も含まれる

「身体介護」とは、利用者の身体に触れて行う介護サービスを指します。例えば、以下のようなものが身体介護に含まれます。

 

・食事介助

・排泄介助

・入浴介助

・更衣介助

・移乗介助

・体位交換

・服薬介助

 

訪問介護は、自立支援もサービスの主な目的なので、身体介護に加えて利用者の「見守り」を行うことも含まれます。

 

生活援助も担う

「生活援助」とは、利用者の日常生活のサポートを指します。利用者が一人暮らしの場合や、同居人が家事を行うことが困難な場合に、以下のようなサービスを提供します。

 

・掃除

・ごみ出し

・洗濯

・アイロンがけ

・料理

・ベッドメイク

・衣服の整理

・買い物

・薬の受け取り

参考:厚生労働省「どんなサービスがあるの? – 訪問介護(ホームヘルプ)

訪問介護のターゲットは?利用者の特徴

 

介護職員と元気そうな高齢者の女性

訪問介護の利用者・ターゲットは、「介護度」が比較的低い人が多いです。厚生労働省が令和3年に発表した「介護給付費等実態統計月報」によると、訪問介護の利用者の過半数を「要支援1」「要支援2」「要介護1」「要介護2」の対象者が占めています。

このことから、「日常生活の一部に不自由を感じている人」が訪問介護の主なターゲットだといえるでしょう。

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こみたろう

比較的、介護を要することが少ない人が訪問介護サービスを使うんだね

訪問介護の売上計算方法

介護保険

厚生労働省の「令和4年度介護事業経営概況調査」によると、訪問介護事業所の平均的な売上高は、300万3,000円で、訪問介護員1人あたりの訪問回数は119.6回となっています。

 

訪問介護の売上単価は、基本報酬となる「単位数」に、地域区分ごとに決まっている「地域単価」と、「1か月あたりの提供回数」を掛け合わせて算出します。計算式は以下のとおりです。

 

「1か月あたりの売上高」=「単位数」×「地域区分」×「1か月の提供回数」

 

そして地域区分による単価は以下のようになっています。

 

地域区分

地域単価

適用地域の例

1級地

11.40円

東京都特別区

2級地

11.12円

神奈川県横浜市など

3級地

11.05円

埼玉県さいたま市など

4級地

10.84円

千葉県船橋市など

5級地

10.70円

茨城県水戸市など

6級地

10.42円

宮城県仙台市など

7級地

10.21円

北海道札幌市など

その他

10.00円

1級地~7級地以外の地域

 

以上を踏まえて、身体介護と生活援助それぞれの単位数(基本報酬)を解説します。

 

身体介護の収益

身体介護の単位数(基本報酬)は、以下のようになっています。なお、地域区分による単価は平均値に近い10円としています。

 

所要時間

単位数

1件あたりの売上

20分未満

167単位

約1,670円

20~30分未満

250単位

約2,500円

30分以上1時間未満

396単位

約3,960円

1時間以上1時間半未満

579単位に30分経過ごと84単位を加算

約5,790円

 

例えば、おむつ交換(所要時間20~30分)を週5回提供した場合は、1か月で20回となるため、「250単位」×「地域単価10」×「1か月20回」=50,000円という計算になります。

 

生活援助の収益

生活援助の単位数(基本報酬)は、以下のようになっています。なお、地域区分による単価は平均値に近い10円としています。

 

所要時間

単位数

1件あたりの売上

20分以上45分未満

183単位

約1,830円

45分以上60分未満

225単位

約2,250円

 

例えば、掃除(所要時間20~45分)を週2回提供した場合は、1か月で8回となるため、「183単位」×「地域単価10」×「1か月8回」=14,640円という計算になります。

 

訪問介護開業で失敗しやすい原因5つ

介護士

訪問介護開業で失敗しやすい原因として、以下の5つのコストがあげられます。

 

・法人設立費用

・人件費

・施設費

・事務所備品購入費

・車両費

 

(1)法人設立費用

訪問介護事業所の開業にあたっては「法人格」の取得が必須です。法人格の取得費用は形式によって異なり、株式会社では30万円前後・合同会社および一般社団法人の場合は10万円前後となります。また社印も必要になり、安くても30,000円ほどかかることを覚えておきましょう。

 

一方NPO法人として訪問介護事業所を設立する場合は、ほとんど費用はかかりません。しかし、NPO法人という性質上、手続きに3~4か月前後の期間がかかるので、入念な事前準備が欠かせません。

 

(2)人件費

訪問介護事業所では、管理者を除いて3名以上の有資格者を、常勤で配置する必要があります。常勤の介護福祉士・ホームヘルパーの1か月あたりの報酬額は、18~25万円前後が相場なので、単純計算で54~75万円前後の人件費が毎月かかります。

 

また、訪問介護事業では収益の大半を「介護報酬」が占めることが重要です。介護報酬は翌月の請求となり、介護報酬が支払われるのはその翌月です。当月分の収益を確保できるのは「翌々月」になるため、少なくとも2~3か月分の人件費は開業前に用意しておきましょう。

 

(3)施設費

訪問介護事業所には、設備基準として「事務室」を設置することが定められています。さらに、ケアマネージャーなどの来客に備えて、プライバシーに配慮した「相談室」を設置することも大切です。相談室は、職員同士の面談時などに活用できます。手洗い場やトイレも設置しておくと、訪問者に親切です。

 

訪問介護事業所は、テナント購入や賃貸契約のほかに、自宅の一部を活用することも可能です。開業コストを抑えたい場合は、さまざまな選択肢を検討してみましょう。

 

(4)事務所備品購入費

訪問介護事業所では、当然ながら利用者のケアに使用する衛生管理用品が必須です。また、訪問介護計画書の作成や介護保険請求の入力業務など、各種事務作業が欠かせないため備品も必要になります。例えば、事務作業用のデスクやチェア、通信手段となるパソコンやFAXなどです。

 

これらの備品コストは意外と大きいので、事前のコストシミュレーションで考慮することが大切です。

 

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(5)車両費

訪問介護事業所によっては、利用者の自宅に車両で訪問することもあります。そのため、自動車や駐車場なども準備しておくことが大切です。意外と見落としやすいポイントなので、事前にしっかりコストシミュレーションを行っておきましょう。

参考:フランチャイズ経営者様募集サイト

開設支援は助成金を活用しよう!助成金とは

介護士

訪問介護事業所の開業には、前述したように相応のコストがかかります。そのため、以下のような各種助成金を活用することがおすすめです。いずれも基本的に返済の必要がなく、地方公共団体などから支給されます。

 

・介護労働環境向上奨励金

・介護福祉機器等助成

・雇用管理制度等助成

 

介護労働環境向上奨励金について

「介護労働環境向上奨励金」は、介護福祉士・ホームヘルパーが働きやすい労働環境を整備するために、事業主に支給される助成金です。介護労働環境向上奨励金は、労働条件や待遇の改善・職場環境の改善・身体的負担の軽減などの用途で利用できます。

 

実際に行われた改善内容に応じて、以下の2種類のものがあります。

 

・介護福祉機器等助成

・雇用管理制度等助成

 

介護福祉機器等助成について

介護福祉士・ホームヘルパーの身体的負担を軽減するために、介護福祉機器の導入・運用を行った場合に、「介護福祉機器等助成」として導入費用の半額が支給されます。ただし上限は300万円となるため、600万円以上の介護福祉機器を導入した場合でも、支給額は変わりません。

 

雇用管理制度等助成について

労働条件や待遇の改善など、介護福祉士・ホームヘルパーの雇用管理を改善策を実施し、一定の効果が得られた場合に、「雇用管理制度等助成」として制度の導入コストの半額が支給されます。

 

ただし上限は100万円となるため、200万円以上の施策を講じた場合でも、支給額は変わりません。

 

また、雇用管理制度等助成を利用するためには、事前に「雇用管理制度整備等計画」を作成して都道府県労働局の認定を受けないといけません。

参考:介護労働環境向上奨励金 のご案内

開業資金は融資を活用するのも手段の一つ

訪問介護

開業資金・運転資金が足りない場合は、前述した助成金や補助金に加えて「融資」の利用を検討するのもひとつの手段です。

 

融資は、必要な資金を国から借りられる制度で、助成金や補助金とは異なり「返済」が必要です。なお、資金残高が少ないと融資を断られる可能性があるので、残高に余裕がある早い段階で融資を申し込むことをおすすめします。経営では、先を見通すために早めの行動を心がけることが大切です。

 

そのほかにも「介護ソフト」を導入することで、運用コストを削減可能です。介護ソフトでは、利用者情報の管理やケアプランの作成などの日常業務や、保険請求・給与管理などの業務を効率化できます。

 
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こみたろう

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介護ソフトを導入するのもコスト削減に役立つ

訪問介護向けの「介護ソフト」を利用することで、業務にかかる時間や人件費を削減できます。工数の削減で介護者の仕事内容に余裕ができるため、利用者により高品質なサービスを提供しやすくなるでしょう。

 

かんたん介護ソフト」では、保険請求や請求書作成などの業務をデジタル化・効率化できるので、事務作業の負担を大幅に軽減できます。さらに、電話サポートなども受けられるので、分からないことがあっても安心です。さまざまな機能を1法人あたり月額9,800円で利用できるので、コストパフォーマンスがトップクラスに高いことが魅力です。ぜひこの機会にご検討ください。


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介護ソフトを導入することで補助金を使える可能性がある

介護ソフトを導入することで、前述した以外の補助金・助成金を利用できる可能性があります。例えば、自治体によって異なるもののITシステムやソフトウェアを導入した場合に利用できる「IT補助金」などを詳しく知っておくことも訪問介護を開業するうえでは大切です。

 

このような補助金や低金利で受けられる融資の情報はもちろん、効率化できる介護のツールについて日々把握するようにすることで、運営がスムーズにまわり始めます。

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訪問介護の開業資金について網羅しよう

訪問介護

訪問介護の開業には、「人件費」「施設費」「備品購入費」などさまざまなコストがかかるので、できるだけ開業・導入のコストを抑えたいのではないでしょうか。そこで、介護ソフトの導入を検討してみるのがおすすめです。

 

介護コストを導入することで、手間とコストを削減しつつ、余裕ができたリソースで利用者により高品質な介護サービスを提供できるようになります。介護のコミミでは介護施設の運営に必要なツールや福祉用具を無料でご紹介できます。ぜひ資料請求をしてみてください。

 

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この記事の筆者・監修者

  • 介護のコミミ編集部

    介護のコミミ編集部

    介護のコミミのコンテンツである「コミミマガジン」の編集者。 介護現場から施設運営など、介護に関わる幅広い分野で月間5万人以上の介護職員に情報発信をしている。 記事は介護職員だけでなく、メーカーや行政からの関心も高まっているため、メーカーと介護現場を繋ぐ第三者目線を第一に、日々情報を提供している。

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