介護現場で音声入力ソフトは使えるのか!?検証動画あり

介護ソフトの選び方

介護現場で音声入力ソフトは使えるのか!?検証動画あり
 
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音声入力って気になるけど、ちゃんと認識してくれるの?介護現場で本当に使えるのかな?

こういった疑問にお答えしていきます。

音声入力ソフトは10年以上前から存在していましたが、近年ではAIが発達したことにより、音声の認識率が桁違いに成長しました。

今ではご年配の方でも「OK Google」や「Hey Siri」とスマホに話しかける人も増えていることから、音声入力が日常生活にも浸透してきたと感じます。

さて、今回は介護現場での音声入力活用に関して説明していきます。

本記事の筆者は、大手介護ソフトメーカー出身ということもあり、音声入力ソフトを介護現場に導入してきた経験があります。

そのような経験から、音声入力のメリット・デメリットに加え、認識率を検証するために音声入力ソフトを実際につかって徹底検証していきたいと思います。

本記事を最後までお読みいただければ、音声入力について深く理解することができるようになります。

5分程度で読むことができる内容なので、最後までお付き合いいただければと思います。

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そもそも音声入力ソフトとは【ソフトの選び方を解説】

音声入力ソフトとは、マウスやキーボードを使うことなく、パソコンに初期搭載されているマイク(又は外付けのマイク)に向かって話しかけることで、指定した箇所に文字入力ができるソフトです。

導入目的は、大幅な時間短縮をするためです。(60%以上の時短になることも珍しくありません。

馴染み深いのはスマートフォンで使える音声入力(OK Google等)ですが、時間短縮になることから多くの人が日常で使用しています。

国内には市販の音声入力ソフトも多数存在する

音声入力ソフトと一言でいっても、国内には様々な音声入力ソフトが存在します。

ソフトによって認識率や使い勝手は大きく異なりますが、介護現場で導入されている音声入力ソフトにも様々な種類があります。

介護事業所が音声入力ソフトを導入する際には、次の3つポイントを参考にしています。

【選び方1】 とにかく認識率が高いソフトを選ぶ(最も大切)

【選び方2】 価格で選ぶ(時間短縮がどれくらいできるかで考える)

【選び方3】 対応デバイスで選ぶ(パソコンやタブレット等)

それぞれを解説していきます。

【選び方1】とにかく認識率が高いソフトを選ぶ

音声入力ソフトで最も大切なのは認識率です。

後ほど詳しく解説していきますが、認識率が高いソフトであれば、90%以上の変換率です。

できればいろいろな音声入力ソフトを試し、最も認識率が高いソフトを選ぶことをおすすめします。

【選び方2】価格で選ぶ

音声入力ソフトの価格は大体1万円~10万円とピンキリです。

また、月額制のソフトもあれば、買切版のソフトもあります。

最も大切なのは認識率ですが、認識率に見合った価格かどうかを考えることが重要です。

【選び方3】対応デバイスで選ぶ

音声入力ソフトを導入できるのは、パソコン、タブレット、スマホなど様々ですが、検討しているソフトがそれらのデバイスに対応しているかどうかの確認は重要です。

また、ソフトによってはマイクの対応機種が限定されているため、そちらも要チェックです。

中には無線(Bluetooth)に対応している音声入力ソフトもあるので、もし無線がいいという場合には選ぶソフトも限定されてきます。

どんな音声入力ソフトがあるのか

国内には様々な音声入力ソフトがありますが、例えば以下のソフトが有名です。

・ドラゴンスピーチ
・AmiVoice
・Voice Rep Pro
・Voice Fun

※今回はその中から、「Voicc Rep Pro」を使って音声入力の認識率を検証してみました。

介護現場で音声入力ソフトを導入するメリット・デメリットとは

 

冒頭でもお話した通り、音声入力ソフトの導入目的は「時間短縮」です。

入力時間が60%以上も削減できたという話は珍しくありません。

しかし、ここでは時間短縮以外のメリットと、音声入力を導入することによるデメリットをそれぞれ説明していきたいと思います。

(あくまで介護現場におけるメリット・デメリットです。)

それでは早速みていきましょう。

メリット

まずは時間短縮以外のメリットです。

パソコンやタブレットに弱い職員でも、音声入力ソフトがきっかけで業務のICT化に取り組むことができる

介護現場にとって、これは大きなメリットです。

パソコンが苦手だと話す職員の多くは、大体が「キーボード入力」が苦手です。

その点、音声入力ソフトがあれば、キーボード入力はほとんど不要になるため、介護ソフトの導入などの際に、「音声入力ソフトも一緒に導入するから大丈夫だよ」と背中を押してあげることができます。

職場の雰囲気が明るくなる

これは音声入力ソフトを導入した介護職員から教えてもらったことですが、音声入力ソフトの導入を機に職場の雰囲気が良くなったとのことでした。

声を発する機会が増えたため、誰もが話やすい環境が作れたとのことです。

デメリット

続いてデメリットですが、音声入力ソフトを導入することで次のようなデメリットがあります

介護業界には専門用語が多いため認識率は低くなりがち

介護業界には専門的な用語(褥瘡、移乗、蜂窩織炎などが多く存在しますが、ほとんどの音声入力ソフトは専門用語に対応していません。

そのため、専門用語の認識率は著しく低くなってしまいます。

(NDソフトウェア社のVoiceFunは専門用語に対応しています)

活舌(かつぜつ)が悪い人の認識率は低くなりがち

「言葉の訛り」や「独特のイントネーション」、「活舌(かつぜつ)」が認識率に影響します。

多少のクセであれば、音声入力ソフト側で自動修正してくれますが、人によっては「全然認識しない」という事態も起こり得ます。

利用者の個人情報を口頭で話す際には注意が必要

介護記録等で音声入力ソフトを使用する場合は注意が必要です。

内容や状況によっては声に出してはまずい情報もあります。

個人情報もその1つですが、常に「誰かに聞かれている」という意識を持つことが重要です。

【本当に使えるのか検証】音声入力ソフト「Voice Rep Pro」を使ってみた

今回は「本当に介護現場で音声入力ソフトが使えるのかをテーマに検証していきます。

検証に使うのは、Google翻訳エンジンを採用している音声入力ソフトVoice Rep Proです。

実際に200文字程度の文章を読んでみました

次の文章を音声入力ソフトを使って読み上げました。

「病気悪化を防ぐため、治療上必要な服薬の管理を確実に行うとともに、寝たきり状態となるような心身機能の低下を防ぐことを目標とし、離床の機会を保証する。本人が活発に行動できるよう、自発的な意思表示の内容を確認し、支援するよう働きかける。また、コミュニケーション能力低下を防いでいくことも目標とし、積極的に話しかけコミュニケーションの機会を増やすよう働きかける。

少し専門用語を多く含んでいますが、音声入力ソフトではどれくらいの認識になるでしょうか。

ちなみに、例文をキーボード入力したところ、1分50秒かかりました。

筆者のタイピングレベルは中の上あたりくらいだと思います。

次の動画くらいの速度で入力しました。

(文字が小さいです・・・)

Voice Rep Pro3で検証してみました

それではGoogle翻訳エンジンを搭載している「Voice Rep Pro3」の実力をみてみましょう。

認識率に注目です。

認識率は約93%でした。

正直なところ、かなり認識率が高くて驚きました。

手修正の時間を含めると、55秒という早さでしたので、キーボード入力と比較すると半分以下の時間になっています。

気になったのは、「離床」と読んだはずが「理想」になっていたことです。

動画撮影後にも試してみましたが、やはり「理想」で認識されました。

とはいえ、手修正を含めても明らかに手入力より早いですね。

検証の結果【音声入力ソフトは便利】

やはり音声入力ソフトは便利でした。

入力時間が半分以下になりました。

人によってはもっと時間削減につながるでしょう。

ただ、それは「文章を考える時間」を除いた時間なので、当然ながら結果には個人差がでます。

また、使用する音声入力ソフトによっても認識率や変換スピードが異なるため、今回の検証結果はあくまで参考程度にすることをおすすめします。

よくある質問と回答

最後に、実際に筆者が数多くの介護職員から受けてきた質問とその回答をまとめていきたいと思います。

滑舌が悪い人の認識率はどうなる?

滑舌が悪い人は少し認識率が下がります。

しかし、音声入力ソフトによっては音声学習機能が搭載されているため、1から学習させることで認識率を上げることができます。

とはいえ、学習させるためには少々手間がかかるため、個人的にはオススメしません。

ちょっと良いマイクを購入したほうが、滑舌の悪さをカバー出来るためそちらをオススメします。

周りの人の会話は拾わないの?

マイクの感度を調整することにより、周りの人の声をできるだけ拾わないようにすることは可能です。

最初は色々と調整が必要ですので、環境に合わせて試してみましょう。

文字起こし機能は議事録で使えるの?

「音声を文字起こしできる」音声入力ソフトもあります。

ボイスレコーダーやiPhone等で録音した音声データをソフトで取り込むことにより、文字を書き起こしてくれる機能です。

その機能を知った方の多くは「議事録でつかえそう」と言いますが、個人的にはオススメしません。

オススメしない大きな理由は、同時に声が録音されてしまうと認識率が極端に下がるからです。

東京都議会のように一人ひとり順番に話すのであれば問題ありませんが、意見が次々と飛び交うような会議には不向きです。

利用者の情報を声に出すことに抵抗がある

「利用者の情報を声に出すことに抵抗がある」と話すケアマネにも出会いました。

確かに介護現場は個人情報のオンパレードですので、その点に気を使う方も多いでしょう。

回避策としては、「周りに聞かれないくらい小さな声」で音声入力するということです。

マイクの感度設定により、小さな声でも認識してくれますので、試してみる価値はあるでしょう。

単純に音声入力は「恥ずかしい」

「音声入力はとても良いけど、いざ使うとなると恥ずかしい」という意見は多々あります。

これに対して言えるのは、「徐々に慣れてきます」というくらいでしょうか。

周りも音声入力を積極的に使っていれば、どんどんそれが当たり前になってきます。

最初は恥ずかしいかもしれませんが、積極的に使っていることをオススメします。

音声で間違って入力した場合どうする

音声入力は完璧ではないため、誤変換や誤入力は当たり前のように発生します。

ソフトによっては「2文字削除」などと音声で文字削除することもできますが、実用面から考えるとキーボードのバックスペースで削除したほうが効率的です。

理想はすべて音声で完結させることですが、いま時点ではキーボードの併用も欠かせません。

認識率が悪くなった

長く音声入力ソフトを使っていると、認識率が悪くなる時があります。

その原因の大半は「パソコンの寿命」「パソコンのメモリ不足」「マイクの不調」のどれかです。

音声入力ソフトの多くはハードウェア(パソコン等)に依存するため、「認識率が悪くなった」と思った時はそれらを調べてみましょう。

おわりに

音声入力ソフトはとても便利です。

キーボード入力が苦手な人はもちろん、得意な人にとっても大幅な時間短縮に繋がります。

今回紹介したソフトには体験版もあるため、運用イメージがはっきりしない方は体験版を利用してみるといいでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事の筆者・監修者

  • 【著者】早坂祐哉

    【著者】早坂祐哉

    大学卒業後、大手介護ソフトベンダーに7年間勤務。年間約50法人に介護ソフトを新規販売し、最年少で営業成績1位を獲得。課題抽出から業務改善に関するコンサルティング経験も多数。後に、「介護のテクノロジーを最適化する」という理念のもと(株)GiverLinkを設立し、同メディア「介護のコミミ」を通じ、月間3万人の介護職員に情報発信をしている。

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