介護現場の声・悩み
「ボランティア活動をしている高齢者は多い?」
「シルバー世代のやりがい?」
実は、オリンピックで活躍していたボランティアの大半が中高年。
つまりシニアであることを知って驚いている人は多いのではないでしょうか。
実は、オリンピックに限らず、さまざまな場面でボランティア活動をしているシニアはとても多いのです。
街中でもシニアボランティアの活動を見かけることは多くなっています。
この記事では、シニアボランティアの活動の場の1つである、介護系のシニアボランティアについて解説します。
介護のシニアボランティアという存在に不思議な印象を感じる人もいるかもしれませんが、シニアライフを送るうえで自分の職歴を生かした社会貢献や仲間との触れ合いなど、さまざまな生きがいを求めて活動しているシニアがたくさんいるのです。
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シニアボランティアとは、定年リタイア後、あるいは子どもが皆独立して子育ての終わった高齢者が、それまでの社会経験などを生かしてボランティア活動を行うものをいいます。
ボランティアなので当然報酬はありませんが、その代わりに利害関係が発生しない仲間との人間関係を築くチャンスがあり、自分の意思で無償で社会に貢献する行動ができるという、精神的な豊かさを得ることができます。
リタイアすることで突然社会的な地位や役割を失ってしまう高齢者にとって、それまでのスキルを活かしながら社会に役立つ活動をすることは、その後の大きな生きがいとなることが期待できるのです。
2020年東京オリンピックで活動するボランティアたちも、その大半はシニアボランティアとなりました。
オリンピックのボランティアには、都市部の空港や駅、観光地、競技会場の最寄駅などで観客や観光客を案内するのが目的の「シティキャスト」と、競技会場や選手村などの大会関係施設で大会運営をサポートする「フィールドキャスト」とがあります。
もちろん、オリンピックへの熱意のある人なら経験を問わずに活動することが可能ですが、旅行ガイドの経験や高い語学力など、持っているスキルを活かすことができるならなお良いでしょう。
このようにさまざまな場面で、豊富な経験を活かすことのできるシニアボランティアが活躍しています。
参考:東京 2020 オリンピック・パラリンピック競技大会 大会ボランティア募集要項
シニアボランティアは報酬を得られませんが、高齢者にとってはそれ以上に得られるメリットが大きいのでしょう。
内閣府の高齢社会白書によれば、高齢者の約3割がボランティア活動や町内会などの地域社会活動など、何かしらの社会貢献活動に参加しているということです。
高齢者がシニアボランティアを通じて感じているメリットはいくつかあります。
この項ではボランティアをするメリットを紹介していきます。
まず第1に「新しい友人を得ることができた」など、ボランティア活動をしていなければ出会えなかった人との繋がりが生まれることが挙げられます。
つまり、ボランティアを通じて、社会の中で同じ目的を持っている新しい仲間を積極的に作ることができるのです。
地域のボランティア活動に参加した人はその地域での人間関係が深まり、その後も安心して地域内で暮らしていくための繋がりができたことをメリットとする人もいます。
シニアボランティアのメリットの第2には、生きがいが生まれることが挙げられます。
休みなく毎日遅い時間まで働いたりと、忙しく働いていた社会人時代を過ごしていた人ほど、定年リタイアを迎えることで急にやることがなくなり、急に社会から必要とされなくなった空虚を味わうかもしれません。
そんな人も、シニアボランティアとして活躍することで社会貢献につながるという充実感をおぼえることができます。
仕事を通じて人と関わり、社会の役に立つことが生きがいだった人は、新たにシニアボランティアとしての活動が生きがいとすることができるでしょう。
シニアボランティアのメリットの第3として、健康の維持に役立つということが挙げられます。
毎日の生活の中に目的がなくなると、起床時間や食事の時間などの制約もなくなってしまいます。
生活が不規則になってメリハリがなくなり、人と会うこともないので身だしなみも気にしなくなるかもしれません。
しかし、シニアボランティアとしての活動をしていれば、活動時間に合わせて生活しなければなりませんし、人とも関わるので身だしなみにも気を使う必要があります。
結果、規則正しい生活ができ、運動や会話の機会も増えるので、健康の維持に役立つのです。
このように、老後を豊かにしてくれるメリットが多いのがシニアボランティア活動なのです。
そのため、ボランティア活動をしている高齢者が非常に多いのでしょう。
参考: 高齢社会白書
社会人時代に介護職に就いていた人なら、その経験や知識、スキルを活かせる介護系のシニアボランティア活動があれば参加したいと思うのではないでしょうか。
実際に、高齢者による介護ボランティア活動についてのさまざまな試みや、制度の導入が取り入れられつつあります。
これまで行われてきた事業の中から「せたがやシニアボランティア・ポイント事業」を例に挙げ、介護系シニアボランティアが実際にどのように運用されたのかを紹介しましょう。
「せたがやシニアボランティア・ポイント事業」は、その名の通りポイント制が採用されたボランティア活動で、全くの無報酬とはいえないかもしれません。
活動1時間につきボランティアポイントが1枚(50円相当)交付され、介護保険料負担軽減資金として利用することができるというものです。
ポイント支給の対象となる活動は、介護施設などでのボランティア、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)でのボランティア、高齢者安心コールでの電話相談のボランティアの3つとなります。
この活動に参加できるのはまず東京都世田谷区在住の65歳以上の世田谷区介護保険第1号被保険者に該当する人のうち、「せたがやシニアボランティア研修」を受講した人です。
研修は年に5回開催されており、参加すると区の職員や施設の職員がシニアボランティアの制度、活動の趣旨、要介護者の特性などについて説明してくれます。
研修は1度受ければその後の受講は必要ありません。
その後は実際のシニアボランティア活動に参加することができますが、ボランティア活動先は自分で探し、施設の担当の人に自分で連絡を取って、活動内容について相談・確認する必要があります。
活動を続けてポイントが貯まったら、定められた時期に区の介護保険課に保険料負担軽減資金支給申請を行うことが可能です。
基本的には世田谷区に住むシニアであれば、1度の研修さえ受ければシニアボランティアとして介護の活動を始めることができます。
しかし、少しでも介護職の経験があればあるほど、その活動の幅が広がることは間違いなさそうです。
介護系のシニアボランティアには、どのような活動内容があるのでしょうか。
その一例を紹介します。
もちろん介護職の経験があるほうがいろいろな場面で活動しやすいはずですが、シニアボランティア活動を行うすべての人が経験者とは限りません。
そのため、シニアボランティアの仕事内容は、施設の入居者を直接介護するような仕事ではなく、入居者の生活環境を整えたり、豊かにしたりする仕事が中心となります。
それぞれのシニアボランティアの特性を活かせる仕事から、淡々と作業するような補助的な仕事まで多岐にわたります。
まず、入居者への個別の対応があります。
話し相手や新聞・本などを読むお手伝い、囲碁や将棋などの対戦相手などです。
何かしらの特技がある人なら、複数の入居者向けのレクリエーションを行えます。
歌や演芸などのショーを行ったり、習い事のように書道や手芸、工作などを入居者に教えたりすることができるでしょう。
その他、誰にでもできるような補助的な業務には、お茶を入れる、洗濯物の整理、食事の配膳、清掃、草むしりなどがあります。
散歩や外出を伴う行事に付き添っていろいろとお手伝いをする仕事もあり、多くの入居者と関わることも多いでしょう。
参考:酒田市:元気シニアボランティア事業について
これから、実際に介護系のシニアボランティア活動をしたい、という人のために、シニアボランティアを募集している団体やWEBサイトを紹介します。
いろいろな募集を探してみて、自分に合っていそうな活動先を見つけましょう。
海外でボランティア活動をしてみたい人のための団体が「JICA海外協力隊」です。
JICAとは独立行政法人国際協力機構による事業で、JICA海外協力隊のサイトの情報によれば、開発途上国から要請があったときにそれに対応するのにふさわしいボランティアを募集し、選考・訓練して派遣する事業を行っています。
20〜69歳の日本国籍を持つ人なら応募可能です。
シニアボランティアは一般案件の一部と、シニア案件の中から活動を探せます。
ここでのシニア案件とは単に年齢のことを意味しているのではなく、実務経験が15年以上などの条件つきの募集案件を指しており、その条件を満たしていなければ応募できません。
基本的に海外ボランティアであることから日常会話程度の英語ができることはもちろん、年齢や資格などの条件がありますが、海外で活動するのが好き、挑戦してみたい、というアクティブな高齢者に向いている活動です。
過去の案件には20〜45歳までという年齢制限がありましたが、ベリーズでの高齢者介護での活動がありました。
社会福祉士としての実務経験3年以上という資格が必要で、デイケアや訪問介護を行ったものです。
派遣期間は短期であれば1カ月〜1年未満、長期であれば1〜2年です。毎年春に募集が行われるので、忘れずにチェックしてみましょう。
参考:独立行政法人国際協力機構「JICAについて」
参考:JICA海外協力隊公式HP
各自治体が運営しているHPでも、シニアボランティアの募集要項が公開されることがあります。
地元のボランティアであれば親しみのある地域内で、移動時間を無駄にすることなくボランティア活動ができるでしょう。
ただし、自治体のHPでマメに募集を探すのは大変かもしれませんので、おすすめしたいのはそれぞれの自治体のボランティアセンターに連絡をすることです。
地元のボランティア団体や個人の情報が多数集まっていますし、コーディネーターも在籍しているので、相談してみることで希望にぴったりの募集が見つかるかもしれません。
1例を挙げると、東京都墨田区のボランティアセンターのHPでは、ボランティア掲示板に多くのボランティア活動の募集が掲載されています。
介護系では福祉保健センターや各高齢者施設での活動があり、活動内容はデイサービスやレクリエーションなどのお手伝いやお茶入れ、シーツの交換などです。
募集の頻度はそのときどきのタイミングで多かったり少なかったりしますので、月に1度ほどチェックしてみることをおすすめします。
興味のある活動があったら、各施設に問い合わせをしてみましょう。
参考: 社会福祉法人墨田区社会福祉協議会「ボランティア掲示板」
介護系のボランティア活動を探す手段の1つには、高齢者施設などで活動しているNPO法人の募集を探すこともあります。
近隣にそのようなNPO法人があり、ボランティアを募集しているようであれば、問い合わせをしてみましょう。
また、インターネット上でも簡単に、国内のNPO法人や企業が行っているボランティア活動の応募を探すことができます。
東京都の公式サイトには東京都のボランティア関連ページがあり、東京のボランティア活動に関連するページへのリンクが集められています。
NPO法人による募集を探すこともできるでしょう。
民間企業のサービスの中には、NPO・社会的企業のボランティア・職員などの募集サイトもあります。
気になるワードを使って募集を検索することもできるので、介護の活動のみに絞って探すのも簡単です。
いろいろなサイトで探せば、日本全国の新着の募集が、ほぼ毎日のように掲載され更新されているでしょう。
介護ボランティアの例では、車椅子介助や散歩・レクリエーションのお手伝いなどの募集があります。
参考:東京都公式HP「 東京都のボランティア関連ページ」
自分の身体さえ元気であれば、シニアでもさまざまなボランティア活動ができますし、そのニーズもあります。
シニアによる介護ボランティアの活動も存在しており、介護職の経験を活かすこともできますし、特に経験がなくても自分の特技を活かした活動をすることが十分に可能です。
シニア同士で必要とし合うことができれば、win-winの関係になれるでしょう。
シニアボランティア同士だけのつながりだけでなく、人生の先輩である人とも関わりを持つことができます。
ボランティアを老後の生きがいとし、仲間を増やして健康に活動しながら生きていこうと思っているシニアの人は、地元の広報誌やインターネットなどを活用しながら、自分に合いそうなボランティア活動をぜひ探してみてください。
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