介護特化のM&A支援会社厳選3選!選び方や注意点を示唆

介護施設の経営・運営改善

介護特化のM&A支援会社厳選3選!選び方や注意点を示唆
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M&Aを考えているけど、どこの支援会社にすればいいの?注意点や比較ポイントは?手数料も気になる。

このような疑問にお答えしていきます。

介護業界におけるM&Aの件数は右肩上がりに推移しています。

大和総研の調査によると、2012年からおよそ7年間で約2倍の取引件数となっています。 (大和総研M&A 動向に見る介護ビジネスの将来性 より

M&Aが急増した大きな要因は求人難や介護報酬改定による収益減です。

現在は圧倒的な「売り手市場」と言われていますが、介護ビジネスに参入したい(もしくは拡大したい)といったニーズは年々高まっています。

そんな中、M&A支援会社は数多く誕生し、「成功報酬」から大きな利益を上げています。

ただ、いまやM&A支援会社は「多すぎる」ため、最良の支援会社を探すのは至難の業です。

もし支援会社の選択を間違えると「手数料が割高」になるだけならまだしも、最悪の場合「M&A失敗」となり、大量の時間とお金を無駄にしてしまうリスクも抱えています。

そのため、M&A支援会社は比較した上で慎重に選ぶべきですが、今までは「本当に中立的な立場」で選び方を教えてくれるサイトはなかなかありませんでした。

(あったとしても、支援業者がPRのために作成したサイトばかりです)

そこで、本記事では「介護のM&A支援会社」の選び方や比較ポイントを案内した上で、介護業界に特化した支援会社を3社に厳選して紹介します。

5分程度でお読みいただける内容なので、ぜひ最後までお付き合いください。

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筆者について

介護・福祉業界に約10年間携わり、合計500法人以上の経営者とお会いしてきました。 コンサルとしても活動してきましたが、関わった介護法人の中にはM&Aを「する側」「される側」にも数多くいました。そのような経験も交えながら執筆していきます。

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介護業界とは?

グループホーム

介護や支援の必要がある高齢者に対して、さまざまな形で介護サービスを提供する事業所が日本には多く存在します。

そのような介護サービスの業界のことを「介護業界」とも呼んでいます。

介護業界には、さまざまな種類の介護サービスがあり、それは主に以下のようなサービスです。

介護業界の主なサービス

引用:介護サービス情報公表システム「公表されている介護サービスについて」

上記は、サービスをわかりやすく表現したものですが、まとめると総務省が定める日本基準産業分類をもとにした介護事業の分類は以下です。

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 通所・短期入所介護事業
  • 訪問介護事業
  • グループホーム
  • 有料老人ホーム
  • その他

さまざまな介護サービスをまとめて「介護業界」と呼んでいます。

参照:M&A総合研究所

介護業界の現状

介護業界は、要介護者の多さに比べスタッフ数が足りていないのが、現状です。

それをわかりやすく表記したデータが以下になります。

 

要介護度別認定者数の推移

引用:厚生労働省「介護分野の最近の動向」

介護保険制度の現在と今後のデータ

引用:厚生労働省「介護分野の最近の動向」

高齢者やスタッフが増えていることから、現在の介護業界のさまざまな現実が読み取れます。

そこで、ここからは、介護業界の現状について更に詳しく解説していきます。

市場が拡大している

介護サービスの社会的需要に伴い、介護業界の市場は徐々に拡大してきています。

それにより、介護業界全体の競争率が上がり、生き残りが難しくなってきている現実もあります。

特に有料老人ホームやデイサービスは、さまざまな特色を持つ事業所が増え、それぞれが企業努力をしなければ経営が成り立たないケースも増えてきました。

市場規模が拡大していることで、それぞれの経営難易度が高くなっているのも事実です。

人材不足に悩まされている

介護保険制度施行以降の介護職員の推移(補正後)

引用: 厚生労働省「介護労働の現状」

平成12年から、介護業界で働く職員は毎年増えてきているものの、それに対する要介護者が多すぎて、スタッフ数が追いついていないことがわかります。

今後は、超高齢社会でますます要介護者が増え、更に介護人材が必要になるといわれています。

介護サービスの需要の高まりに比例して、さまざまな介護事業所が増え、一つの事業所での人材確保が難しくなってきているという問題もあります。

人手不足により、運営の継続が難しくなっている事業所が多いのも、また事実です。

M&A支援会社の選び方と比較ポイント

国内にはM&A支援会社だけで何百社と存在しますが、1社に絞り込むためには「比較ポイント」を抑えておく必要があります。

そのため、まずは比較ポイントを説明した上で、1社に絞り込むための選び方を紹介していきます。

必ずチェックしておきたい「比較ポイント」は次の3つです。

・介護業界に精通しているか(実績があるか)

・費用が明確かつ公平か(ぼったくりの心配がないか)

・担当者との相性(信じることができるか)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

介護業界に精通しているか(実績があるか)

国内数百以上のM&A支援会社は大きく分けて「特化型」と「非特化型」に分類されますが、介護事業所においては「特化型」を選ぶことをおすすめします。

その大きな理由は、介護ビジネスの専門性の高さにあります。

介護と一言でいっても、多岐にわたるサービス種別がある上、収入源は利用者からだけではなく、「国」も絡みます。

また、加算の取得状況や稼働率、ICTの活用状況など、様々な要素をもってM&Aに望まなければなりません。

そのため、介護業界で過去実績が多い「特化型」を選ぶことで、案件には正当な評価が与えられ、「売りたい側」も「買いたい側」も納得感が得られやすいといった特徴があります。

例えるとすれば、もし仮にあなたが「売却したい」と考えている場合、介護業界に精通している人と、全くド素人のどちらに依頼したいでしょうか?

間違いなく、ほとんどの人が「業界に精通している人」を選びます。

なぜなら、担当者に対し「介護とは」を説明する必要がない上に、その担当者は他の事例を元に、最適な提案をしてくれるからです。

その「精通している人」がいる支援会社は「特化型」にあたり、「精通している人がいるかいないかは調べないと分からない」のが「非特化型」ということになります。

料金体系が明確かつ公平か(ぼったくりの心配がないか)

M&Aの手数料や相場はブラックボックス(不透明な状況)と言われています。

「着手金無料・成果報酬のみ」としている支援会社はほとんどですが、実際は「中間金」や「月額報酬」が含まれていたり、想定以上に成果報酬の手数料が取られたりするといった「ぼったくり」の可能性が潜んでいます。

そこで重要なのは、料金体系と計算方法を明確に教えてくれる支援会社を選ぶことです。

例えば、次のような説明をする支援業者には注意が必要です。

弊社は着手金無料です!成果報酬として(規模に応じて)1%〜10%の手数料が発生するのみです!

この説明の問題点は、成果報酬のタイミングが不透明なことと、一体何に対して手数料を掛けているかという点です。

成果報酬が発生するタイミングにおいては、「取引完了後に1回だけ発生」としている支援会社もあれば、「内諾が取れた段階で1回、取引完了後に1回(計二回)」としている支援会社もあります。

また、支援会社によっては「取引額に対して数%」としているところもあれば、「時価総資産額に対して数%」としているところもあります。

一見同じように思える料金体系でも、よくよく調べてみれば数百万円の差がでることも珍しくありません。

そのため、成果報酬の条件と計算方法を明確にしている支援会社を選ぶことがとても大切です。

担当者の質と相性

担当者の質や相性で結果を左右すると言っても過言ではありません。

M&Aが完了するまでには、3ヶ月〜1年以上かかる案件もありますが、担当者とは幾度となくやりとりを行うことになります。

頻繁にやりとりする担当者だからこそ、「担当者で選ぶ」ことも大切です。

担当者の選び方として、「質」に関しては過去実績や経験談で判断し、「相性」に関しては何度かやりとりをする上で、しっかり意思疎通ができているかどうかで判断するといいでしょう。

「介護特化型」M&A支援会社3選!特徴やコストも解説

介護業界でも頻繁にM&Aが行われるようになったことで、「介護特化」の支援会社も増え続けています。

支援会社の中には「数多くの実績」をウリにしているところもあれば、「尖ったサービス」をウリにしているところもあります。

どこの支援会社を選ぶにせよ、大切なのはニーズに合致しているかどうかです。

そこで、これから支援会社3社をピックアップしていきますが、比較検討できるように「特徴」「料金体系」「会社概要」の3つに分けて説明していきます。

それでは見ていきましょう。

成約実績No.1!介護M&A支援センター

引用元:介護M&A支援センター公式ページ

特徴

介護M&A支援センターは「成約件数No.1」として数々の実績を誇っています。

介護に特化しているため、WEBページ上に記載されている案件情報は「デイサービス」「グループホーム」などとサービス種別毎に検索が可能です。

また、運営会社であるブティックス株式会社は介護・福祉特化の展示会「CareTex(ケアテックス)」を全国開催しているため、数多くの介護法人との繋がりを持っていることが強みです。

東証マザーズにも上場していることから、企業としての信用度も高いと言えるでしょう。

料金体系

着手金は無料、成果報酬のみの料金体系です。

成果報酬は「譲渡企業の時価総資産額」に対し、料率(1%〜10%)を積算して算出します。

また、そこに別途「成約基本料金」の100万円が加わります。

計算方法

「譲渡企業の時価総資産額」×料率(1%〜10%)+成約基本料金(100万円)

料率は「譲渡企業の時価総資産額」が高いほど、料率が低くなりますが、2000万円以下は料率10%となり、5億円以上は1%です。

 

公式のシミュレーションによると、事業譲渡価額が「5,000万円(税込)」の場合で560万(税抜)が発生するとのことです。

会社概要

社名 ブティックス株式会社 
所在地 〒108-0073 東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル11階
設立 2006年11月
資本金 2億5,992万円(2020年3月末現在)

医療系にも強い!CBパートナーズ

引用元:CBパートナーズ公式ページ

特徴

CBパートナーズは介護事業のM&Aだけではなく、医療や調剤の実績も多数あります。

また、M&A事業だけではなく、人材紹介サービスも行っているため、アドバイザーに対して多方面から相談できることが強みです。

公式ページには20人以上のアドバイザーが掲載されているため、プロフィールやコラムをチェックすることもできます。

料金体系

成果報酬制を採用しています。

成果報酬は「対価」に対し、料率(2%〜5%)を積算して算出します。

「対価」が高いほど、料率は低くなりますが、5億円以下は料率5%となり、20億円以上は2%です。

ただ、公式ページには注意書きで「※一定の下限報酬額を設定させていただいております。」とあり、着手金や中間金、月額報酬等については未記載であるため、問合せで確認することをおすすめします。

会社概要

社名 株式会社CBパートナーズ
所在地 〒105-0013 東京都港区浜松町1-10-11 VORT浜松町II 3F
設立 2016年4月1日

経営コンサルが強み!医療介護MAコンサルタンツ

引用元:医療介護MAコンサルタンツ公式ページ

特徴

M&A支援だけではなく、経営コンサルティングも行っています。

そのため、企業や事業を買収した後のコンサルまでワンストップで受けることができます。

また、「異業種からの参入」の知識や経験を強みとしているため、「買い手」にとっても安心できる体制が整っています。

料金体系

着手金は無料、成果報酬のみの料金体系です。

成果報酬は「事業譲渡価額 または 株式譲渡価額」に対し、料率(2.5%〜10%)を積算して算出します。

また、そこに別途「成約基本料金」の85万円が加わります。

計算方法

「事業譲渡価額 または 株式譲渡価額」×料率(1%〜10%)+成約基本料金(85万円)

「事業譲渡価額 または 株式譲渡価額」が高いほど、料率が低くなりますが、1000万円以下は料率10%となり、20億円以上は2.5%です。

原則は成果報酬のみ発生しますが、案件によっては着手金と中間報酬が発生します。

公式のシミュレーションによると、事業譲渡価額 または 株式譲渡価額が「5,000万円(税込)」の場合で525万(税抜)が発生するとのことです。

会社概要

社名 株式会社アレス  インベスター  パートナーズ
所在地 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町4丁目108番地2

介護業界のM&Aの相場

http://n8w8m6bb.com/wp-content/uploads/2023/04/pixta_86379809_M-3.jpg 賃金ベースアップイメージ http://n8w8m6bb.com/wp-content/uploads/2023/04/pixta_81967830_M-1.jpg 加算されていくイメージ

介護施設事業のM&A相場は、首都圏で3,000万円〜1億円程度であるといわれています。

しかし、相場は一定でなく介護事業の利益率や地域、土地によって大きく変動するのです。

それでも大まかな相場を把握したい場合は、土地や施設などの合計金額に年間営業利益の数年分を加えて計算すると一つの目安となります。

土地・施設の合計金額+年間営業利益=相場の目安

M&Aを行う前に、上記のような計算方法でおおよその費用の目安を把握しておきましょう。

更に詳しく知りたい場合には、M&Aの仲介会社に問い合わせてみることをおすすめします。

参照:M&A総合研究所

介護業界でM&Aを行うメリット

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介護業界でM&Aを行うメリットは、多いです。

M&Aを検討した場合に、そのメリットの具体的な内容を知っておきたいものですよね。

そこで、ここからは、介護業界でM&Aを行うことでの売り手・買い手それぞれのメリットを解説していきます。

売り手側のメリット

売り手のメリットは、主に以下のようなことです。

  • 後継者がいなくても事業継続が可能になる
  • 廃業を回避できる
  • スタッフが安心して働ける
  • 大きな資本を持つ会社に売ることで安定した経営が期待できる
  • 従業員の待遇改善や施設設備の充実にも繋がる可能性がある

不安定な経営状況からM&Aを行うことで、安定した運営に繋げることができます。

それにより、いままで不可能だった待遇改善や施設設備の充実が可能になり、利用者やスタッフの満足度向上にも繋がります。

買い手側のメリット

買い手側の主なメリットは以下になります。

  • サービスの弱みや人材不足を補える
  • 新エリアに進出できる
  • エリア内シェア拡大と業績向上が見込める
  • 高いシナジー効果の発揮が期待できる

介護事業は、普通に新規参入しようとすると、総量規制や許認可の問題で難しい面があります。

しかし、M&Aで既存事業を取得することで、介護業界へスムーズに進出することができるようになるのです。

参照:M&A総合研究所

介護業界のM&Aの注意点

介護業界でM&Aを行うメリットは上記で解説した通りですが、実施する上で抑えておきたい注意点もあります。

そこで、ここからは、M&Aを行う上での注意点を解説していきます。

過去に受けた補助金の返済を要求される可能性がある

事業譲渡を行う場合は、譲渡対象の介護事業が過去に補助金を受けていると補助金の一部か全額を返済しなければならないこともあります。

これは、行政によって対応が異なりますが、補助金の返済をなんからの形で要求されてしまう場合も。

補助金の取り扱いについては、事前に管轄行政などに確認しておくとスムーズでしょう。

許認可・行政への届け出が必要

介護保険法に基づく介護保険施設事業の譲渡であれば、許可申請など行政への届け出が必要になります。

特に、事業譲渡や会社分割によってM&Aを行う際には、新たな申請が必要になります。

行政などに対する、さまざまな手続きが必要であることは予め心得ておきましょう。

介護報酬の改正のタイミング

介護事業の財源の多くは、介護報酬に依存している傾向にあります。

それほど介護事業に影響力の高い介護報酬は3年に1度改正されます。

場合によってはマイナス改定になってしまうことも。

マイナス改定になると経営状況が不安定になり、経営難に陥ってしまうこともあるため特に注意が必要です。

M&Aを考える際には、介護報酬改正のタイミングも伺うようにしましょう。

賃貸借契約の再契約が必要な場合がある

事業譲渡の場合、介護施設の土地や建物に関する賃貸借契約の再契約が必要なケースもあります。

事業譲渡においては、土地や建物の賃貸借契約は自動的に引き継がれることはありません。

買手はオーナーと新たに契約を結び直す必要があるのです。

そのため、介護施設の耐震性や老朽度合含む建物の状態を事前に確認しておくことが大切になります。

従業員との雇用契約も再契約が必要

M&Aを行うことで、既存の従業員と再度契約が必要になる場合があります。

再契約で働くことが従業員にとって負担だと感じた場合、それによる法的トラブルに発展してしまったり、離職されてしまったりする可能性も。

人材確保の目的でM&Aを行ったつもりが、再契約をきっかけに従業員が辞めてしまうリスクもあることは予め理解しておいたほうが良いかもしれません。

参照:弥生

おわりに

ほとんどの企業にとって「M&A」は1度きりの大イベントです。

できるだけ失敗リスクを減らすためにも、慎重に事をすすめていく必要があります。

今回ご紹介したM&A仲介会社のような「特化型」であれば、失敗リスクを減らすことができますので、比較検討の1つとしてぜひ参考にしてみてください。

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この記事の筆者・監修者

  • 【著者】早坂祐哉

    【著者】早坂祐哉

    大学卒業後、大手介護ソフトベンダーに7年間勤務。年間約50法人に介護ソフトを新規販売し、最年少で営業成績1位を獲得。課題抽出から業務改善に関するコンサルティング経験も多数。後に、「介護のテクノロジーを最適化する」という理念のもと(株)GiverLinkを設立し、同メディア「介護のコミミ」を通じ、月間3万人の介護職員に情報発信をしている。

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