働きやすい職場の選び方
介護業界って3K(きつい・汚い・危険)って言われてるから、ブラックな職場が多いんじゃないの?
ブラックじゃないところに勤めたいんだけど、ホワイトな職場の見分け方はどうしたらいいんだろう?
このような疑問を解決していきます。
介護業界は、高齢化社会の進展に伴い需要が急増している一方で、過酷な労働環境や低賃金といった課題も抱えています。
これから介護業界に就職・転職を考えている人にとって、ブラック企業に当たらないためには、信頼できる情報をもとに職場を選ぶことが重要です。
この記事では、介護職の離職率やブラック企業の特徴、そしてブラック企業を避けるための方法について詳しく解説します。
介護業界は低賃金、重労働、それに加えて法令違反など、問題点が多いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、介護職は、3K(きつい・汚い・危険)と言われながら、離職率は他の業種と比べて少し低い傾向にあります。
厚生労働省の令和4年度「雇用動向調査」によると、令和4年の全産業の平均離職率は15.0%となっています。
対して介護労働安定センターが公表している令和4年度「介護労働実調査」では介護職員の離職率は14.3%。
そのため、他の業界と比べると介護業界の離職率はやや低い傾向にあることがわかります。
しかし、介護職は入職後1年以内に平均にして34.4%が転職しており、転職の理由としては「職場人間関係に問題があったため」がトップになっています。
このような転職理由の背景の一つにはあるのは、パワハラ・セクハラが考えられます。
令和4年「介護労働実態調査」によると、利用者やその家族からパワハラ(暴言・暴力)、セクハラを受けたことがある人は40.6%、見たり相談を受けたことがある人は31.9%もいることがわかります。
そのため、介護業界において、パワハラやセクハラが横行していない、または対策を徹底している職場を見極めることが、ブラックな職場を避ける上で重要になってきます。
参照元: 公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働実態調査」
:厚生労働省「令和4 雇用労働調査」
ブラック企業の特徴について、厚生労働省は以下のような特徴を挙げています。
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払残業やパワハラが横行する
③労働者を酷使して過度の選別を行う
これらの特徴を知ることで、介護業界での就職・転職活動に役立てることができます。
参照元: 厚生労働省「チェック!労働条件」
ブラック企業の代表的な特徴の一つに、労働者に対して極端な長時間労働や過剰なノルマを課すことがあります。
例えば、介護施設において、労働時間が1日12時間以上に及ぶケースや、月に数回しか休みが取れない状況が報告されています。
これにより、職員の疲労が蓄積し、健康を害するリスクが高まります。
また、過剰なノルマを達成するために、職員が無理をして働くことを強いられることもあります。
ブラック企業では、賃金不払残業やパワーハラスメントが常態化していることが多いです。
介護業界では施設介護労働者に関しては約7人に1人、訪問介護労働者は約10人に1人の割合でパワハラを経験しています。
また、上司や先輩職員からのパワハラ、利用者からのセクハラが発生しやすい環境も問題です。
これにより、職員が精神的なストレスを抱え、離職率が高くなる傾向があります。
参照元:厚生労働省「介護労働実態調査 報告書」
ブラック企業は、労働者を酷使し、過度の選別を行うことも特徴の一つです。
介護業界では、労働環境が厳しいために、新人職員がすぐに辞めてしまうことはあります。
結果として残った職員やベテラン職員にさらに過酷な業務が押し付けられるといったことも。
このような環境では、長期間働くことが難しく、職員の入れ替わりが激しくなります。
例えば、ある介護施設では、新人職員が1年以内に離職する割合が非常に高く、その結果、残った職員に対して過度の負担がかかっている状況が報告されています。
このような環境では、職員の定着率が低くなり、施設全体のサービス品質も低下するリスクがあります。
参照元: 厚生労働省「チェック!労働条件」
ブラックな介護施設を避けるためには、労働基準法に基づいた基準を理解することが重要です。
厚生労働省が示すブラック企業の特徴を基に、以下のような点に注意し転職先を選ぶと良いでしょう。
36協定とは、労働基準法第36条に基づき、労働時間の延長や休日労働について労使間で協定することを指します。
これを守らない企業は、労働者に対して法定労働時間を超える長時間労働を強いることが多いです。
介護業界では、この協定を無視して過剰な勤務時間を課す施設が問題視されています。
参照元: 内閣府 – 成長戦略の推進に向けた取組
法定労働時間を超える労働に対して残業代を支払わないことも、ブラック企業の特徴です。
介護業界では業務終了後に行われる会議や報告書の作成などが残業としてカウントされないことがあり、4人に1人以上が不払い残業を経験しているとの報告もあります。
実際の事例として、ある訪問介護施設では、利用者都合のキャンセルや待機時間、移動時間分の賃金が支払われないことが問題となりました。
参照元: 厚生労働省 – 割増賃金の不払い
東京新聞「崖っぷちの介護保険に踏み込んでくれた」訪問介護ヘルパーの国賠訴訟、敗訴も東京高裁が問題点に言及」
各都道府県ごとに定められている最低賃金を下回る給与を支払う企業も存在します。
介護業界では、最低賃金を下回る賃金で労働者を働かせる事例が見受けられます。
これは明らかに法律違反であり、労働者の生活を圧迫します。
参照元: 厚生労働省 – 最低賃金の一覧
:NHK「伊万里労基が賃金不払いでデイサービス運営会社社長を書類送検」
労働基準法では、労働者に対して週に1回の休日を与えることが義務付けられています。
しかし、介護業界では休日が少なく、連勤が常態化しているケースが報告されています。
また、施設によっては休日にも関わらず、職場から電話がかかってくることが多く気が休まらないというケースもあります。
これにより、労働者の疲労が蓄積し、心身の健康に悪影響を及ぼします。
参照元: 厚生労働省 – 労働基準法
労働基準法により、有給休暇は労働者の権利として保障されていますが、介護業界では有給休暇が取得しにくい環境が多いです。
特に人手不足の施設では、休暇を取得することが難しく、結果として労働者のストレスが増大します。
参照元: 厚生労働省 – 労働基準法
労働環境が良くない結果、スタッフの入れ替わりが激しいこともブラック企業の特徴です。
介護業界では、過酷な労働条件や低賃金が原因で、定着率が低く、常に新しいスタッフを募集している施設もあります。
これにより、継続的なケアが難しくなり、利用者にも影響が及びます。
以上のポイントを参考に、介護業界でブラック企業を避けるためには、労働条件や労働基準法の遵守状況をしっかりと確認することが重要です。
信頼できる情報を基に、自分に合った職場を見つけましょう。
介護業界におけるブラック企業を避けるためには、いくつかの信頼できる情報源をチェックすることが重要です。
これから紹介する方法を活用して、自分が応募を検討している企業がブラック企業でないかどうかを確認しましょう。
ブラック企業大賞とは、毎年労働環境が特に悪い企業を「大賞」として選び、発表するイベントです。
この大賞の受賞企業は、過酷な労働条件や不当な扱いで問題視されています。
このような情報を確認することで、どの企業が労働環境に問題を抱えているかを把握できます。
しかし、現在ではコロナ禍を機に、2019年を最後にイベントが休止しています。
参照元: Wikipedia – ブラック企業大賞
厚生労働省では、定期的に「労働基準関係法令違反に係る公表事案」をホームページに掲載しています。
この公表事案には、労働基準法違反が確認された企業がリストアップされており、具体的な違反内容や企業名が記載されています。
これにより、どの企業が労働法を遵守していないかを確認することができます。
参照元: 厚生労働省 – 労働基準関係法令違反に係る公表事案
ブラックな介護施設に就職しないためには、働く人自身が基本的な労働環境に関する知識を持つことが重要です。
ここでは、特に過酷な労働条件が原因で起こりうる問題について紹介します。
過労死ラインとは、過労による健康障害の発生リスクが高まる基準のことを指します。
具体的には、1ヶ月に100時間以上の残業、または2~6ヶ月連続で月80時間以上の残業が過労死ラインとされています。
この基準を超える労働時間が続くと、心身に重大な影響を及ぼし、最悪の場合過労死に至る可能性があります。
介護業界では人手不足が深刻であり、長時間労働が常態化している施設も少なくありません。
過重労働や職場のストレスが原因で、メンタルヘルスが崩壊するケースも多く見られます。
長時間労働や人間関係のトラブル、過度な責任感が重なり、うつ病や適応障害などのメンタルヘルスの問題を引き起こすことがあります。
以下に具体的な例を示します。
Aさんは介護施設で働いていましたが、人手不足のため、毎日10時間以上の勤務が続いていました。
休日も取れず、利用者やその家族からの要求に応え続けるうちに、次第に疲れが蓄積し、うつ病を発症しました。
結果として、Aさんは職場を離れることになりました。
Bさんは介護施設での職場内での人間関係が原因で強いストレスを感じていました。
上司からのパワハラや同僚との不和が続き、精神的に追い詰められてしまいました。
Bさんは適応障害と診断され、休職を余儀なくされました。
過重労働 |
長時間労働や不規則な勤務が続くと、体力的にも精神的にも疲弊します。 特に介護現場では、夜勤や緊急対応が求められることが多く、疲労が蓄積しやすいです。 |
人間関係 |
介護現場では、利用者やその家族とのコミュニケーションだけでなく、同僚や上司との関係も重要です。 これがうまくいかない場合、職場のストレスが増大し、メンタルヘルスに影響を及ぼします。 |
過度な責任感 |
利用者の命を預かる仕事であるため、介護職員は常に高い責任感を持って働いています。 このプレッシャーが過剰になると、精神的に追い詰められることがあります。 |
メンタルヘルスの崩壊を防ぐためには、適切な労働環境の整備や職場内のコミュニケーション改善、定期的なメンタルヘルスチェックなどが必要です。
参照元: 厚生労働省 – 働く人の心の健康問題
ここでは、工夫一つでブラック企業から避ける確率を上げる方法について紹介していきます。
いざ転職しようと思っても、多くの求人サイトでの募集要項では事業者にとって都合の良いことしか書かれていません。
そのため、求人ページの少ない情報の中で「職場の雰囲気」や「働きやすさ」「職場の人間関係」などなかなか感じることは難しいものです。
そこで、介護施設の「働きやすさ」が定量的に可視化されている「介護のコミミ」など、第三者視点から職場を評価しているサイトを利用すると、客観性があるため転職する際の検討材料の一つになるのではないでしょうか。
転職エージェントは、多数の企業と直接的な関係を持ち、信頼性の高い情報を基に企業を厳選し、応募者に対して労働環境や職場の雰囲気、従業員の満足度などの詳細な情報を提供することで、ブラック企業に応募するリスクを大幅に低減できます。
使うメリットとしては、情報の豊富さと信頼性、企業の厳選、カウンセリングとアドバイスの3つです。
しかし転職エージェントを活用する際に注意が必要で、エージェントから多くの情報提供をしてもらえる反面、エージェントを通して転職者に内定が決まると、エージェント側に企業が報酬を支払うというビジネスモデルが多いため、エージェントから転職を急かされる可能性があります。
介護業界におけるブラック企業の存在は、就職・転職を考える人々にとって大きな懸念事項です。
離職率の高さや過酷な労働環境、賃金不払残業などの問題は、業界全体の課題として認識されています。
信頼できる情報源を活用し、労働基準法の遵守状況を確認することで、ブラック企業を避けることが可能です。
また、エージェントを利用することで、より安全で働きやすい職場を見つける確率を高めることができます。
介護業界でのキャリアを成功させるために、これらのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
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