介護現場の声・悩み
次のレクどうしよう、毎回考えるの本当に大変だ・・・。
このような悩みに対して対策をお話していきます。
デイサービスといえばレクリエーション!
デイサービスに限りませんが、今やレクリエーションは避けては通れない業務の一つでもあります。
と同時に、職員泣かせの業務の一つ……と考える人も多いのではないでしょうか。
「何年たってもレクリエーションは苦手」というため息から、「いよいよレクリエーションデビューです、どうしよう!」と緊張する声まで。
まさにベテランも新人も関係なく、大きなウェイトを占める業務といっても過言ではありません。
ですが、レクリエーションはちょっとしたコツさえおさえておけば、意外とすんなりこなせます。
巷にあふれるレクリエーションのネタをかき集めるのももちろん大切ですが、今回は、まずその前に頭に叩き込んでおきたい、一連の流れについてのポイントをお伝えします。
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デイサービスの現場で良くあるのが、時間だからといっていきなりレクリエーションを始める職員と、流れについていけていないご利用者様、という構図です。
レクリエーションは、実は単体では成り立ちません。
レクリエーションを成功させるには、なによりまず興味を惹きつけることが大切です。
そのためにも、デイサービスでレクリエーション業務を任されたら
①導入
↓
②レクリエーション本番
↓
③締め、まとめ
という一連の大きな流れを汲んで場を取り仕切るようにしてみましょう。
それだけで、メリハリが出るはずですよ。
今までの時間との区切りを設けることで、ご利用者様の意識をこちらにむけ、レクリエーションに引き込みやすくするのが目的です。
全体に声をかけることで、ご利用者様の意識をこちらに向けると同時に、フロアの職員にも「これからレクリエーションを始めますよ」という意思表示を行います。
職業意識のあるきちんとした職員ならば、手が空いていたら自然と誘導や補助に回ってくれるものです。
レクリエーションが始まる時間帯は、たいてい座りっぱなしで体(特に足など)が固まってだるくなってくる頃でもあります。
導入として軽い体操やストレッチなどを取り入れることで、頭と体をすっきりさせ、次の行動(レクリエーション)に移行しやすくなるという利点が期待できます。
歌に合わせたグーパー体操や指先の運動だけでも効果的。
あまり長いと間延びしてしまったり、逆に疲れてしまったりするため、体操からすぐレクリエーションに移行するなら、5分~10分も行えば十分です。
ご利用者様の方がやり方を把握しているとしても、
・今日のレクリエーションの内容
・ルール、やり方
をきちんと説明しましょう。余裕が出てきたら、そのレクリエーションを行うメリット(このゲームを行うと○○の筋力アップに効果的ですよ。など)も一言付け加えると「豆知識」感が出て興味を惹きやすくなることがあります。
本番中も、ご利用者様の状態を見るのを忘れずに。
レクリエーション担当は、場を取り仕切るリーダーでもあります。
全体を広く見て、場合によっては他職員にフォローや対応をお願いしましょう。
時間が来たらキリの良いところで終了していきますが、その際もきちんとアナウンスするのを忘れないようにしましょう。
締めの一言からその次の日課に触れることで、今度はレクリエーションから次の行動へとスムーズに誘導することができます。
実際の現場で聞いた、レクリエーションが盛り上がったときのご利用者様のつぶやきがこちら。
「やっぱり、ちゃんと準備されていると違うわよね」
コレ、本当の話です。
ご利用者様は、他のデイサービスなども知っている分、ある意味目が肥えていますから、手抜きや粗雑さを見抜きます。
ましてや、ご利用者様(に限らず、人間だれしも)は「待たされる」「先が見えない状況」が大嫌いです。
いつ始まるかわからない、職員もだらだらしていてセッティングする気もない、となるとモチベーションが下がるのは当然ですよね。
物品はもちろんのこと、レクリエーションの進行方法、おおまかな時間配分、万が一、場が間延びした場合の予備ネタなどを、しっかりと「準備」しておきましょう。
デイサービスでのレクリエーションを滞りなく進めるために、覚えておきたい4つのコツがあります。
・(その場に合った)大きな声ではっきりと話す
・自分自身が、進行方法を把握しておく
・できれば、他職員にも協力を仰ぐ。協力してもらったら必ずお礼を伝える
・まず自分が楽しむ
「当たり前じゃないか?」という疑問の声が飛んできそうですが、レクリエーションが毎回うまくいかない人は、これらが案外できていません。
デイサービスでのレクリエーションを見ていて、失敗する人にはだいたい「声が小さく聞き取りにくい」という特徴があります。
しかし、やみくもに大声を出せばいいというものでもありません。
この加減がわかっていないから、ご利用者様に「声が聞こえない!」逆に「大声でうるさい!」と言われてしまうのです。
ご利用者様、と一口に言っても身体状態は様々です。
・耳が遠い方(大きな声でなくては聞こえませんよね)
・早口だと聞き取りにくい方(施設でよく聞く苦情でもあります)
・補聴器をつけている方(雑音も拾うので、必要以上の大きな音は不快感の原因になります)
・指示が通りにくい方(わかりやすい言葉で指示を出す必要があります)
ざっとあげただけでもこれだけの特徴が出てきます。「場に合った」大きな声、というのは、いうなれば状況をしっかり把握したうえで、適切な対応をとるということにほかなりません。
時々見かけるのが、その場を仕切るはずのレクリエーション担当者が何をしてよいかわからず立ち尽くしていたり、まごまごしたりしている姿です。
職員が不安になれば、ご利用者様にもその不穏な空気が伝染します。
他職員もフォローのしようがありません。
デイサービスのレクリエーションを任されたら、まずは自分がどう動くべきかをしっかり組み立てておきましょう。
本来ならば、デイサービスのレクリエーションは一人で回すものではありません。
他職員との連携がうまくいって、初めて「一体感を感じられる、喜んでもらえるレク」は成り立ちます。
ご利用者様だけではなく、職員も積極的に巻き込んでいきましょう。
といっても、実際は他業務に追われてなかなか手伝いにまで回ってもらえないこともありますよね。
孤立無援になる可能性もあると考えたら、他職員が一緒に場を盛り上げてくれる、さりげなくフォローしてくれるなんて本当にありがたいことなのです。
感謝はきちんと言葉にして伝えましょう。
大げさな言葉はいりません。
「どうもありがとうございました!」の一言で十分。
それでも、「仕事なのだから協力して当然でしょう」という態度を取られるよりも嬉しいものですし、また協力しようかな、という気持ちになるのが人間です。
先にお伝えしておきますが「一人で暴走する(無駄に騒ぐ、妙に自分だけはしゃぐ)」のと「楽しむ」のは違います。
自分が楽しむ、とは、「積極的に、ご利用者様と楽しく過ごす時間を共有する」ということ。
自分が嫌々やっていたら、楽しい時間なんて共有できませんよね。
「めんどくさいなぁ」という気持ちが態度に出ている人、実は結構いるのです。
そしてそんな人が担当するレクリエーションは、十中八九場がしらけて終わります。
まずは自分から、一緒に過ごせて楽しいという気持ちを表現しましょう。
自然と笑顔や明るいトーンの声が出てくるはずです。
その笑顔や、自然体の明るさが、ご利用者様の気持ちを盛り上げる要因につながります。
さて、心構えを意識したところで、今度は具体的な方法を実践していきましょう。
ご利用者様の身体状態は様々です、とお伝えしましたが。
・自立している人
・麻痺、拘縮がある人
・認知症状がある人
・立位保持ができる人、座位保持なら可能な人、車椅子の人
などなど、介助量や特徴も一人一人違います。
脳トレ関連にしろ、運動にしろ、どんなレベルの人もある程度楽しめるように、状態によってルールに幅を持たせることも必要です。
・的当て関係なら身体能力によって距離を調整する
・何個入ったかを競うゲームなら「練習」と称して1~2個余分に渡してみる
など、あくまでさりげなく、状況に応じていろいろ工夫してみましょう。
また、参加意欲はあるが実際のレクリエーションは難しいという方には、他職員にフォローに入ってもらうことも大切です。
そもそも強制的に参加させる必要がありません。
デイサービスでレクリエーションをするのだから全員が参加して当然、という考え方はかえって焦りを招き、自分を追い込むだけです。
もちろん参加してくれればありがたいのですが、ご利用者様によっては「見ている方が好き」「そもそも騒がしい場が嫌い・苦手」というものから、「本当は参加したいけれど自信がない」「失敗したら恥ずかしい」、果ては「宗教や信仰の関係で参加できない」というものまで、いろいろな理由を抱えているケースがあります。
誘いかけても頑なに拒否された場合は無理強いせず、進めましょう。
そのうちに「面白そうだな」「ちょっと気になるな」と思ってくれたら儲けもの。
参加していない人がどうして参加しないのか、レクリエーションの最中にどんな態度を取っているかまで、しっかりとアンテナを張って、キャッチしてください。
毎回100%成功するとは限りません。
思ったような反応が返ってこなかったり、せっかく気合を入れて準備したのになんだか空回り感が出てしまったり。
いらっしゃるご利用者様方によっても、その日の空気が全く変わってきますから、「前にやったら大盛況だったのに、今日のご利用者様には全く楽しんでもらえない」というのもよくある話です。
失敗だと感じたらそれはそれ。事実は事実として受け止め「何が問題だったか」を考えるようにしましょう。
真摯に反省を積み重ねていけば、やがて傾向と対策が見えてきます。
失敗は反省しやすいですが、問題は「成功した時」です。
ご利用者様のノリに救われただけではありませんか?
盛り上がっている陰で、参加したそうな顔をしていた、不参加の人はいませんでしたか?
適切な声かけや誘いかけはできましたか?
成功した時ですら、振り返るべき点は多々あります。
ウケると「自分はちゃんとできている」と思いがちですが、そう思うとそこで成長は止まります。
たかがレクリエーション、ではありません。デイサービスのレクリエーションには
・気分転換
・脳の活性化
・身体機能維持向上
・他者とのコミュニケーションを促し、孤独感を防ぐ
・達成感による自己肯定感を高める
といったような、様々な目的が含まれています。
ただ「楽しかった」で終わるのではなく、そこから次へと繋がるレクリエーションを考えていきましょう。
得手不得手はあるにしろ、デイサービスにおいてレクリエーションは必ずといっていいほどついて回る業務です。
だからこそ明日は我が身と思って、普段から、他の職員はどんな風に進行しているのかを見て学ぶことを心がけましょう。
上手な人はもちろんのこと、下手な人も反面教師になり得ます。
あとはとにかく場数を踏む!コレにつきます。
積極的に業務に関わり、一連の流れを覚え、シミュレーションしていくうちに、心に余裕が生まれてくるはずです。
そこまでくれば「デイサービスのレクリエーションなんて怖くない!」と胸を張れる日も、そう遠くはないですよ。
利用者様を飽きさせないようにレクリエーションの準備をするのが大変…..
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