令和9年度介護報酬改定へ議論開始 – 処遇改善、物価高、地域のサービス提供体制などが焦点に

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社会保障審議会・介護給付費分科会の第256回会合で、令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方に関する案が示されました。資料では、令和9年度改定において、介護分野の賃上げ、経営の安定、離職防止、人材確保を図る必要があるとの認識が示されています。

そのうえで、介護サービス事業者の経営状況などを把握し、物価や賃金の上昇などを適切に反映するための対応を実施する必要があるとしています。

直近(令和6年度・令和8年度)の改定における動向

資料では、直近の改定動向として、令和6年度改定と令和8年度改定についても触れています。

令和6年度改定では、団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年を見据え、診療報酬との同時改定であることなどを踏まえ、「地域包括ケアシステムの深化・推進」「自立支援・重度化防止に向けた対応」「良質なサービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」「制度の安定性・持続可能性の確保」の4項目を柱として改定が行われました。

また、令和8年度には、令和9年度介護報酬改定を待たずに期中改定を実施する方針が示されています。内容としては、介護分野の職員の処遇改善に向けた措置に加え、近年の食材料費の上昇を踏まえた緊急的な対応として、食費の基準費用額の引上げを行うこととされています。

2040年を見据え、地域ごとのサービス提供体制も論点に

令和9年度改定に向けては、2040年を見据えた検討も行われます。資料では、65歳以上の高齢者数がピークを迎え、介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口も増加することに言及しています。

また、自治体や地域の規模によって、高齢化や人口減少のスピードには大きな差が生じる見込みであり、サービス需要の変化も地域ごとに異なるとしています。そのため、地域の実情に応じたサービス提供体制を構築していくことが重要だと位置づけています。

あわせて、介護保険制度の持続可能性を確保するため、介護給付の効率化・適正化に取り組む必要があることも示されています。

分野横断的なテーマは4項目を例示

資料では、各サービスの論点とあわせて、分野横断的なテーマとして以下の4項目が例示されています。

  • 人口減少やサービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築
  • 地域包括ケアシステムの深化
  • 介護人材確保に向けた処遇改善などと、職場環境改善やケアの質の向上に向けた生産性向上など
  • 制度の安定性・持続可能性を確保する報酬の在り方

ただし、これらのテーマは例示であり、今後の議論の中で変更される可能性があるとされています。

夏頃までに主な論点を議論、年末に基本的考え方を整理へ

スケジュール案では、令和8年4月から夏頃にかけて主な論点について議論し、事業者団体などからのヒアリングを実施する予定です。

その後、令和8年10月から12月頃に具体的な方向性について議論し、12月中に報酬・基準に関する基本的な考え方を整理・とりまとめるとしています。基準については、地方自治体における条例の制定・改正に要する期間を踏まえ、先行してとりまとめを行う方針です。

令和9年1月頃には、介護報酬改定案の諮問・答申が予定されています。令和9年度政府予算編成とも連動しながら、今後、処遇改善や物価高への対応、地域の実情に応じたサービス提供体制、制度の持続可能性などをめぐる議論が本格化する見通しです。


参考:『令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)』(厚生労働省 2026年4月27日)

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