介護職員の処遇改善への一時金の補助について – 厚労省が実施要綱を通知

ニュース

厚生労働省は7日、今年度の補正予算で交付する介護事業所・施設への補助金の実施要綱を公開した。この補助金は介護人材確保・職場環境改善等事業として、事業所の職場環境改善の取組経費や、介護職員の人件費に充てることができる。

補助金の目的と概要

介護職員の人材確保の課題に対応し、介護現場の生産性向上、業務効率化、職場環境の改善を図ることで、介護人材の確保と定着の基盤を構築することを目的としており、「介護職員等処遇改善加算」を取得して生産性向上に取り組む事業所に対して、職場環境の改善や人件費の改善に必要な費用を補助する。

対象事業所と補助額

補助の対象となるのは以下の通り指定された事業所で、補助額は事業種別によって異なる。

サービス区分 交付率
訪問介護 10.5%
夜間対応型訪問介護 10.5%
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 10.5%
(介護予防)訪問入浴介護 6.3%
通所介護 6.4%
地域密着型通所介護 6.4%
(介護予防)通所リハビリテーション 5.5%
(介護予防)特定施設入居者生活介護 7.4%
地域密着型特定施設入居者生活介護 7.4%
(介護予防)認知症対応型通所介護 13.2%
(介護予防)小規模多機能型居宅介護 8.4%
看護小規模多機能型居宅介護 8.4%
(介護予防)認知症対応型共同生活介護 11.3%
介護福祉施設サービス 8.3%
地域密着型介護老人福祉施設 8.3%
(介護予防)短期入所生活介護 8.3%
介護保険施設サービス 4.3%
(介護予防)短期入所療養介護(老健) 4.3%
介護医療院サービス 2.7%
(介護予防)短期入所療養介護(病院等・医療院) 2.7%

補助金の要件

前述の対象事業所のうち、基準月(原則として令和6年12月)に「処遇改善加算(Ⅰ~Ⅳ)」を算定していることが条件となるが、基準月に処遇改善加算を取得していない場合であっても、令和7年4月1日(体制届出の提出期限が令和7年4月15日まで延長された場合には4月15日まで)に処遇改善加算の取得に係る体制届出をしていれば、本事業の対象となる。

また、以下のいずれかの取り組みを計画または実施している必要がある。

・業務の洗い出しや課題の見える化

・業務改善活動の体制構築

・業務内容の明確化と職員間の適切な役割分担

補助対象となる経費

1.職場環境改善経費

職場環境の改善に向けた取り組みに関する費用が対象となり、具体的には介護助手などを募集するための経費や、職場環境改善等のための様々な取組を実施するための研修費などの経費が含まれる。

2.人件費

介護職員の処遇改善を目的とした人件費が補助対象となる。補助金の交付対象期間において、前年同時期と比較し、人件費改善の対象とした職員の平均的な賃金水準を低下させてはならない。

 

なお、厚生労働省が通知した『介護保険最新情報 vol.1352』には留意事項や各種様式なども掲載されている。

参考:介護保険最新情報 vol.1352『介護人材確保・職場環境改善等事業の実施について』