ケアマネ資格の更新制廃止などを盛り込んだ社会福祉法改正案が国会提出へ

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政府は、社会福祉制度の見直しを目的とする「社会福祉法等の一部を改正する法律案」を取りまとめました。本法案は、複数の福祉関連法を一括して改正するもので、地域支援体制の整備や人材確保などを柱としています。

本記事では、概要資料を基に全体像を整理しつつ、詳細資料の内容を踏まえて主な改正点を解説します。

法案の全体構成

本法案は、主に次の3つの柱で構成されています。

  1. 地域の実情に応じた包括的な支援体制の拡充
  2. 福祉人材の安定的な確保および定着支援
  3. 支援基盤の強化

これらは、多様で複雑な福祉ニーズに対応し、質の高い福祉サービスの確保と安定した経営基盤の確立を図ることを目的としています。

1.地域の実情に応じた支援体制の拡充

地域ごとの状況に応じた支援体制を整備するため、複数の新たな仕組みが導入されます。

小規模市町村においては、福祉分野を横断した相談支援や地域づくりを一体的に実施する事業が新設されます。また、地域住民の支援などを検討する会議を全市町村で設置可能とする仕組みも整備されます。

さらに、人口減少地域などに対応するため、

  • 柔軟な配置基準を可能とする「特定地域サービス」の新設
  • 市町村が自ら介護サービスを実施できる「特定地域居宅サービス等事業」の創設
  • 事業者間の連携強化や事業継続の仕組みの構築

などが盛り込まれています。

このほか、身寄りのない高齢者等に対する生活支援や死後事務支援を行う事業の位置づけや、権利擁護支援のための相談体制の整備なども行われます。

2.福祉人材の確保と制度見直し

人材確保に向けた制度整備も本法案の重要な柱です。

都道府県に対しては、福祉人材確保のための関係者による協議会の設置を努力義務とし、国および都道府県が生産性向上や経営改善支援などの取り組みを進める責務が明確化されます。

ケアマネ資格の更新制を廃止

本法案では、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格制度が見直されます。

これまで設けられていた、研修受講を要件とする更新制度は廃止され、資格の有効期間は設けられない仕組みへと改められます。

一方で、研修については見直しが行われ、一定の場合を除き、介護支援専門員は研修を受講することが求められます。都道府県知事は、必要に応じて研修受講を命じることができ、従わない場合には業務に関する制限が課される仕組みが設けられています。

その他の人材制度の見直し

このほか、

  • 介護福祉士養成施設卒業者に関する経過措置の延長
  • 准介護福祉士資格の廃止

など、人材制度に関する見直しも盛り込まれています。

3.支援基盤の強化

制度の基盤強化に向けた措置も講じられます。

社会福祉連携推進法人については、実施可能な業務が追加され、第二種社会福祉事業などの実施が可能となります。また、社会福祉法人の解散時の残余財産の帰属先として地方公共団体が追加されます。

さらに、災害時に活動する福祉人材(DWAT)について、人材登録の仕組みが整備されます。

施行時期

本法案は、原則として2027年4月1日に施行される予定です。

ただし、一部の規定については段階的に施行されることとされており、ケアマネジャーの更新制廃止を含む一部の見直しは、公布後1年6か月以内に政令で定める日から施行されます。

まとめ

本法案では、

  • 地域の実情に応じた支援体制の整備
  • 福祉人材確保に向けた制度見直し
  • 支援基盤の強化

が一体的に進められます。特に、ケアマネジャーの資格制度については、更新制の廃止と研修制度の見直しが行われる点が大きな変更となります。

今後、国会での審議を経て制度の具体化が進められる見込みです。


参考:『社会福祉法等の一部を改正する法律案要綱』(厚生労働省)

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