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日本ケアマネジメント推進議員連盟は29日、厚生労働大臣に対し「質の高いケアマネジメントの実現に関する提言」と題した要望書を提出した。主な目的は、ケアマネジャー(介護支援専門員)の業務負担増加や処遇悪化、担い手不足など深刻化する現場課題を受け、政府および関係者に対し具体的な支援策の推進を強く求めるものである。
要望書では、制度創設以来拡大してきたケアマネジャーの業務範囲や社会的役割が改めて整理されている。近年は医療との連携や地域力低下の補完、災害時支援など支援の幅が広がる一方で、業務負担が増大し処遇が低下。地域によっては介護職員より賃金が低いケースもあり、新たな人材確保が困難となっている現状が指摘された。
要望書に盛り込まれた主な内容は以下の通り。
ケアマネジャーの専門性向上と評価、処遇改善(介護報酬見直し含む)の推進
「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理の具体化
シャドウワーク(見えない業務)の地域課題化と市町村主体での協議の促進
ケアプランデータ連携システム普及や法定研修見直しなどによる現任者定着と業務負担軽減
若年層の担い手確保に向けた資格要件・社会的地位の見直し、魅力発信の強化
要望書はケアマネジメントの質向上だけでなく、今後10年を見据えた資格制度や受験要件の見直し、業務の社会的評価向上にも触れている。
今後、厚生労働省や自治体、関係団体での検討・議論が進み、2025年度以降の報酬改定や人材確保策などに影響を与える見通し。
参照元:日本ケアマネジメント推進議員連盟『質の高いケアマネジメントの実現に関する提言』(2025年5月29日)